2018年発売
何度だって言ってあげる。あんたはぜんぜん悪くないーー。希望への疾走を描く、鮮烈なデビュー作! 優等生・智佳は、抑圧する父親に反発し、日帰り旅行を決行する。長距離バスで偶然乗り合わせた同じ高校に通うお馬鹿なギャル・優亜の過去を知り、彼女を助けるため、大好きなホラー映画にヒントを得て計画を練るがーー。R-18文学賞大賞・読者賞ダブル受賞作ほか、映像制作会社で働く智佳、美容師の卵となった優亜、ふたりの「その後」を描く連作短編集。
彼女は消えない炎のような人だった。この美しい年上の人に、僕は恋をしたー。炎は消えてもその来歴は残る。ひとりの男の人生を根底から動かして、海の向こうへ、燃えさかる炎へと向かわせた、崇高なその行為とは。二人の間を流れた電流とは何だったのだろうかー。戦後の日本とヴェトナムを舞台に描かれた激しくも美しい物語。
昭和十九年十一月、レイテ島最大の激戦地となるリモン峠での死闘が始まった。現地の苦戦に武藤方面軍参謀長は打切りを意見具申するが、八日の総理大臣小磯国昭の天王山発言により、レイテ戦続行は大本営方針となる。巻末にインタビュー「『レイテ戦記』を語る」(聞き手・古屋健三)を収録。(全四巻)
ゴールデンウィーク明けの朝、出勤した警視庁捜査一課・碓氷警部補の元に、都内で起こった二件の自殺と二件の殺人の報が入る。一見関連性がないように見える各事件だが、発生時刻はすべて同じ日の午後十一時だという。さらにその後、同日同時刻に別で三件の事件が起きていたことが判明。第五係と、再度捜査協力に訪れた心理調査官・藤森は、意外な共通点に気づくが。
暗渠化工事で川辺の棲みかを追われたネズミのタータ親子。夏の終わり、安住の地を求めて上流を目指す旅が始まる。彼らを待ち受ける幾多の試練や思いがけない出会い、はぐくまれる友情……。子どもから大人まで、あらゆる世代をとりこにした物語が、待望の文庫化!小さきものをこよなく愛する著者が、足元で脈動する世界の秘密を描き出した人気シリーズ第一弾。チッチが跳ね、タータが走り、タミーが飛び出す!島津和子氏による挿画も多数収録。
しまなみ海道沿いの中学に通う巧海、千佳、啓太の三人に、ある日、四台のロードバイクが届けられた。なんと世界的ロードレーサーからのプレゼントだという。これを機に「ツール・ド・しまなみ」に出場することを決意した三人は、地域おこしに来ていた女性の桜井にコーチを依頼。だが、しだいに桜井のつらい過去が明らかになりー。
浅見家の「坊っちゃん」光彦は、夏目漱石、正岡子規らの足跡を辿る取材のため松山へ向かう。途中、訪れた場所で何度もすれ違った美女から変質者扱いをされ、警察に目を付けられてしまう。後日、その女性が絞殺体で発見され、容疑者としてマークされる光彦。新たに発生した事件への関与も疑われた光彦は、事件を解決するため推理を働かせるがー。
大学生の樋口亜美は、ひょんなことから家事代行会社でアルバイトをすることに。初仕事は犬の散歩。当日、遅刻をしてしまう亜美だが、誠実な人柄から依頼主の信頼を勝ち取り事なきを得る。しかし後日、亜美が散歩させた犬が近所の子供に噛み付いたと苦情が寄せられー。派遣先で起こるトラブルに、亜美の鋭い勘が冴えわたる!心の掃除はおまかせあれー三つのハートウォーミングミステリー。
婚約者の中原が飛び降り自殺した。傷心の井岡あや子は、中原が死の直前に乗車した「のと恋路号」に乗り、恋路駅のノートに中原が書いた文章を見つける。が、数時間後にその頁は何者かに破り取られてしまう。さらにあや子を尾行していた刑事が消息を絶ち、中原が泊まった旅館の従業員が絞殺される。そして十津川の捜査には上からの圧力が…。
長く読み継がれている『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』に連なる物語が、ついに開幕! 舞台は、小さな映画館〈月舟シネマ〉。語りだすのは、ほら、いつもロビーにいる、彼。BGMは、優しい雨だれの音……。ゆるやかに呼応する〈月舟町〉三部作の完結編。
開戦間近の昭和16年9月に刊行された近藤いね子訳の『KOKORO』。渡部昇一氏が絶賛した名訳が、新装版としてよみがえりました。英語圏の方々はもとより、日本で英文学や国文学を学ぶ方々等、英語訳での夏目漱石の世界に興味を持たれる方におすすめしたい一冊。
牛スジ、葱鮪、トマト、蟹面といった名物おでんや、牡蛎のカレー煮、蒸しいちじくの甘味噌だれなどの美味しい小料理…東京・四谷の「めぐみ食堂」には、今宵も常連客が訪れる。バツイチ、歳の差、国際結婚…様々な恋の悩みを抱える男女を優しく包み込む、ハートフルストーリー。
WEAVERのドラマー・河邉徹の作家デビュー作。2009年にメジャーデビューし、自身の音楽活動の他、ドラマ・アニメ・映画などの主題歌、CMなどへの楽曲提供など精力的に活躍してきた3ピースピアノバンド・WEAVER。その歌詞を手掛けてきた河邉の「言葉の世界」をドラムスティックからペンに持ち替え、描いた「夢」をテーマにした長編作。電子メディア媒体「cakes」で2018年3月より掲載されている人気連載を単行本化。自身が夢であると自覚しながら見る夢「明晰夢」。この「明晰夢」を何度も見る人は、ある日、その夢の中で「夢工場の扉」に辿り着けるという。そして「夢工場」に入れた者は、一生に一度だけ自分の夢を変えることにより、現実世界での「自分の夢」を叶えることができるというのだ……。そんな夢工場に様々な悩みを抱えた4人が辿り着く……。 「叶えたい夢」を求めて巻き起こる様々な人間模様。そして夢工場を訪れた人たちが手に入れたものとは……。さらに、その夢工場の管理人の正体とは……。バンド名に「音楽を紡ぐ人」という意味が込められているWEAVER。そんなWEVERの河邉氏が次は物語を紡いでいきます。そして、物語を通して、誰もが持つ「優しさ 」「後悔」「欲望」「希望」を描いていきます。 第一章「未来の夢」 第二章「過去の夢」 第三章「理想の夢」 第四章「他人の夢」 第五章「管理人の夢」
東京都下で起きた女児殺害事件。超記憶症候群のプロファイラー・羽吹允は、遺棄の状況から8年前の和光市女児連続殺害事件を模倣していると気づく。和光事件の犯人・入谷謙一はふた月前に獄中で病死していた。相棒の神尾文孝とともに、羽吹が入谷の周辺を聞き込むうちに、第2の事件が。第1の事件との微妙な差異に違和感を覚えた羽吹は、超記憶を駆使して事件の真相に迫る。
「閻魔堂へようこそ」。閻魔大王の娘・沙羅を名乗る美少女は浦田に語りかける。元甲子園投手の彼は、別荘内で何者かにボトルシップで撲殺され、現場は密室化、犯人はいまだ不明だという。容疑者はかつて甲子園で共に戦ったが、今はうだつのあがらない負け犬たち。誰が俺を殺した?犯人を指摘できなければ地獄行き!?浦田は現世への蘇りを賭けた霊界の推理ゲームへ挑む!
指輪学園の退廃を企む組織、胎教委員会。美少年探偵団は謎の多い彼らに近づくため、胎教委員会主催の映画祭参加を決める。題目は『裸の王様』、課題は『馬鹿には見えない服』。期限までわずか一日。急いで映画製作を始めようとした団員達だったが、新入団員の眉美は戦線離脱を余儀なくされる。最初で最後の映画作りの結末は?主演をつとめますは探偵団、美少年シリーズ第八作!
生まれつき超美人ですべてに恵まれた結衣(ゆい)と、超ブスな上に貧困家庭に育ったトモ。愛知県・渥美半島で生まれた対照的な二人の少女は、その後、数奇な運命を辿ることに……。美と醜。裕福と貧困。愛情と才能。そして本当の幸せとは? 美醜の二人が織りなすミステリアス・ラブ・ロマン。 人気コミック『レオン』、小説『私の人生なのに』(ともに講談社刊)の原案者・清智英と、6万部を超える大ヒットを記録した『しあわせ脳練習帖』シリーズ(講談社)、10万部超えの衝撃エッセイ『イマジン・ノート』(槇村さとる/集英社)、女流漫画家・一条ゆかり、もりたじゅん、弓月光のロングインタビューをもとに日本漫画史を解き明かした『同期生〜「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年』(集英社新書ノンフィクション)等を手掛けたライター寺田薫が初タッグで臨む〈ミステリアスな新感覚ラブ・ロマン〉。