2019年11月発売
かつては長安と呼ばれた陝西省の省都・西京(西安)。その劇場の華やかな舞台を支える裏方集団。時間との闘いで最新の照明器材や華麗な舞台装置を現場で仕込むのは、中国では農村からの出稼ぎ人たちだ。劇場管理者、演出家、照明家、美術家らの過酷な要求と対峙しつつ、裏方集団をまとめて幕を開けるリーダー・順(シュン)。 舞台以上に劇的でシュールでさえあるその生きざまを描く長編小説。 中国で連続テレビドラマ化決定/2020年春放映開始。 目次 西京 バックステージ仕込み人 下 西京 バックステージ仕込み人 下 後書き 忘れられない記憶に寄せて……陳 彦 シルクロードの風に吹かれて──西京グルメガイド……国際協力交流センター 任双双 解説 都市化が生んだ奇人たち……中国作家協会外聯部副主任 李錦●(埼のへんが王)
大地主の私生児として生まれ、混血の伯父に育てられ、革命軍に参加し、政略結婚によって財産の基礎をつくり、政治を巧みに利用して、マスコミを含む多くの企業を所有する‒‒‒‒。メキシコ革命の動乱を生き抜いて経済界の大立者に成り上がった男アルテミオ・クルスの栄光と悲惨。現代ラテンアメリカ文学の最重要作。 アルテミオ・クルスの死 * 解 説……………木村榮一
長い療養生活を経て,ゲルマント大公邸のパーティーに赴いた「私」は驚愕した.時は,人びとの外見を変え,記憶を風化させ,社交界の勢力図を一新していた.老いを痛感する「私」の前に,サン=ルーの娘はあたかも歳月の結晶のように現れ,いまこそ「作品」に取りかかるときだと迫る.全巻の人名・地名・作品名を網羅した索引を付す.(全14冊完結) 凡 例 『失われた時を求めて』の全巻構成 本巻について 本巻の主な登場人物 地図(一九二〇年代のフランスとその周辺/一九二〇年代のパリとその郊外) 第七篇 見出された時 2 場面索引 訳者あとがき(十四) 『失われた時を求めて』以外のプルーストの文献一覧 プレイヤッド版との異同一覧 図版一覧 総索引(人名/地名/作品名)……………津森圭一編 【『失われた時を求めて』の全巻構成】 第一篇 スワン家のほうへ コンブレー(以上,本文庫第一巻) スワンの恋 土地の名─名(以上,第二巻) 第二篇 花咲く乙女たちのかげに スワン夫人をめぐって(以上,第三巻) 土地の名─土地(以上,第四巻) 第三篇 ゲルマントのほう 一 二(以上,第五,六,七巻) 第四篇 ソドムとゴモラ 一 二(以上,第八,九巻) 第五篇 囚われの女(以上,第一〇,一一巻) 第六篇 消え去ったアルベルチーヌ(以上,第一二巻) 第七篇 見出された時(以上,第一三,一四巻)
クガマヤマ都市防衛の緊急依頼での活躍を皮切りに、ハンターとして目覚ましい成長を見せるアキラ。 周囲のハンター関係者達の間でも注目を集める存在となっていくアキラに対し、ドランカムの若手ハンター・カツヤは複雑な思いを抱いていた。 そんな二人が、再び同じ討伐任務で相まみえる。遺跡の中を群れで行動する強敵ヤラタサソリの殲滅ミッションーーアキラには思わぬ護衛依頼も加わって、物語はさらに加速する! WEB連載版より大幅加筆。書き下ろし短編「ハンター志望の少年少女」も収録!! 第31話 情報収集機器 第32話 ヒガラカ住宅街遺跡 第33話 旧領域接続者 第34話 暴食ワニ 第35話 専用弾の威力 第36話 願いの対価 第37話 仮設基地構築補助依頼 第38話 ヤラタサソリ 第39話 アキラ宛ての依頼 第40話 14番防衛地点の子供達 第41話 戦歴と実力 第42話 揉め事の対応 第43話 虫の群れ 第44話 報酬の算出方法 第45話 カツヤの不満 第46話 第9探索チーム 第47話 エレナの判断 第48話 地下街の探索 第49話 ハンター達の実力 閑 話 ハンター志望の少年少女
町外れの森に住む魔女エリシア。ある日、彼女が家に帰ると、薄汚れた服を身につけた人間の幼子が食料棚を漁っていた。手には、朝食用にとっておいたミルクパン。 腹はたつが、殺すのもめんどくさい。だが、高値で少女を売ろうにも、教養を身につけさせねばならない。そのため仕方なく少女と暮らしはじめたエリシアだったがーー。 これは、嫌われ者の魔女と孤独な少女の愛と絆の物語。
〜あらすじ〜 突然、父親が倒れ帰省した望月恵介が手渡されたのは『農業相続人の手引き』と『いちご白書』(苺栽培の教本)。音信不通の間に、野菜農家である父親は多額の設備投資をし、苺栽培を始めていたのだ! 後を継ぐことを迫る母親。しかし、恵介は東京の生活、グラフィックデザイナーとしての夢を捨てられない。何より農業なんてかっこ悪い。 37歳。人生の岐路に立たされた恵介は、試しに父親のハウスに生った苺を囓る。 「あ。何これ。うまい。」 採れたての苺はいままで食べた苺のなかで一番甘くて、おいしかった。 父親の苺に心を動かされ、恵介はしばらく実家を手伝うことを決意する。 ところが、今度は東京にいる妻・美月との間にスキマができ始め……。 甘〜い苺づくりに夢をかける望月農園の“甘くな〜い”お仕事小説!
社会と隔絶した「ボミューニュ」の集落で 孤立して暮らす人びと…… 彼らの索漠とした生活は、平穏な暮らしへと変わって 行きうるものでもあった…… 本作は「牧神三部作(第1作『丘』、第3作『二番草』)」 の第2作である。 人びとは、主人公のハーモニカの演奏により 住人相互のコミュニケーションが取り戻され、 ふたたび人間らしい暮らしを楽しめるようになった。 人間社会の外にあるような世界の驚異を扱うのが 「牧神三部作」の特徴である。 主人公アルバンが奏でるハーモニカの限りなく雄弁な音楽に、 この世のものと思えない、それがあらわれている。
49歳のマッサージ師・尾崎周一郎は、妻と離婚し、独り身の境遇。ある日、思い立ってあてのない一人旅に出ると、ふらり乗った列車で優美な三十路の女と知り合う。彼女の名は村井由希子。北陸の漁村で民宿を営んでおり、誘われた周一郎は、彼女の民宿へ向かう。そして宿も土地も気に入り、しばらく逗留することに。滞在中、由希子に惹かれていく周一郎だが、手は出せない。一方で、漁師の妻や海女たちから誘惑され、めくるめく体験を味わい、さらに由希子の秘密を聞かされて…!?日本海の荒波が打ち寄せる小さな港町を舞台に描く、旅情エロスの逸品!
琉球諸島戦争で日本自衛隊に敗北した中国軍は、ロシア製空母「ワリヤーグ」を近代化改造した本格的空母「遼寧」を中心とする第一空母打撃群を出撃させる。時を同じくして、統幕作戦本部がサイバーアタックを仕掛けられ、レーダー・システムがダウン。九州と沖縄の各基地に多数の弾道ミサイルが撃ち込まれた。突如として勃発した第二次琉球戦争。日本自衛隊は、台風で大時化のなか、中国機動艦隊を迎撃するために出撃するのだった。一方、「暁作戦」を決行した日本は、「あかぎ」「しなの」の攻撃型空母二隻によって日本空母機動艦隊を創設。慣熟訓練をしながら日本へ回航しようとしていた。その情報を掴んだ中国海軍は、空母を撃沈させようとするのだが…。
伏見宮博恭王・元帥から厳命され、連合艦隊司令長官を続けることになった山本五十六は、井上成美の“苦言”に蒙をひらかれて「ハワイ作戦」の陣頭指揮を決意する。それは、開戦劈頭、連合艦隊麾下、主力空母の大多数を率いてハワイ近海まで押し出し、米海軍艦艇の居並ぶ真珠湾に“航空波状攻撃”を敢行するというものだった。徹底攻撃を決意した山本は、最先端兵器・対空レーダーを搭載する「大和」に座乗、空母7隻を擁するハワイ空襲部隊を編成する。そして昭和16年12月3日、米国民の戦意を徹底的にくじくべく、真珠湾へ向けて巨大戦艦「大和」が出撃する!
時価2億のヴァイオリンが消えた。 二重に警備されたパーティ会場、特殊電子錠つきのケースから、ヴァイオリンの名器《ミモザ》が消失! パトロンのマダム、実直なヴァイオリン職人、ヨーロッパ貴族、才媛の秘書嬢、イケメンコーディネーター……誰にも不可能で、誰もが怪しい。……えっ、私も!? アラフォー地味美人×天才(?)高校生コンビに このトリックは解けるのか!? 装画に『坂道のアポロン』の小玉ユキ。 『カラマーゾフの妹』の江戸川乱歩賞作家が満を持して贈る、 オーケストラ・ミステリー! *** 音羽光子 42歳独身彼氏なし。 ヴァイオリン歴30年のベテランながら、自他ともに認める、いまひとつ華がない演奏者。 小林拓人 クラシック知らずの高校一年生だが、ヴァイオリンに関しては無自覚に天才的。 突然アマチュア・オーケストラにスカウトされ……。
「Cocoon」シリーズ2作目! 最高級遊女・花魁でありながら、夜になれば鬼退治に奔走する瑠璃。人ならざる彼女の孤独を唯一理解してくれていた朋輩・津笠が鬼になり、瑠璃に斬られてから1年が経った。時間は流れたが、瑠璃の心の傷は癒えない。そんな中、五人衆の一人・錠吉が不自然に瑠璃を避け始め……。
失業したて坂井寛生のもとに派遣されてきた「一緒に飯が食える気楽な仲間」は夕ご飯の時は人間の青年の姿をしているが、その正体は神社の猫…! 食いしん坊な「猫」が、ごはんを旨そうにたいらげ、愉快にお喋りをして帰っていく、そんな穏やかでちょっと不思議な無職の日々を送る坂井だったが、 ある出来事をきっかけに親しくなった沖守さんという老婦人の営む小さな茶房「山猫軒」で働くことに。 雇われマスターとして懸命に楽しく働いていた。 そんなある日、「山猫軒」からの帰り道、坂井と猫は体調を崩して道端で蹲る若者に出逢い…? 夏から冬へ、めぐる季節と泣いて笑ってごはんの日々。 肉球と、紅葉と、ブッシュドノエル。 じんわり美味しい幸せを「僕」と「猫」と一緒に。
異世界の湯屋・高天原に連れてこられたまま、下働きを続けている凛子。 この湯屋の主である狗神の京之介との婚姻関係も継続中ということになる。 はじめは離縁するつもりで手切れ金を貯めていた凛子だが、この世界での暮らしは心地良く、元の世界に戻らなければならない理由もそういえばないのだった。 何より、夫である京之介への気持ちが恋なのか、自分でもよくわからなくて…。 そんな凛子のところに、人間の娘だという七緒が預けられた。彼女は死んだ恋人の子を身ごもっているのだが、それ以外の記憶をなぜか失っていて…? 行方知れずだった京之介の弟の登場により、湯屋・高天原に存続の危機が!? 凛子はこの世界に残るかどうか、決断を迫られることにーー!
「いただきます」を君と一緒に。 優しすぎる男と壊れかかった女たち。 心と身体に愛の滋養、じんと沁みる、金沢ごはん物語…! 金沢にある家具工房「ときわ」の職人・楡崎の作るテーブルに一目惚れをし、飛び込みで弟子入りをし、修行に励んでいた倉木相馬。 良い家具を作るには人生経験を積み、人間について深く理解していなくてはならないと考える師匠に、家具職人以外の仕事を体験するよう言われ、女友達こうめの営む「茶房こうめ」で働くことに。 母子家庭で育ち、もともと料理が得意だった相馬は、こうめと料理人見習いの純平とともに厨房に立ち、お客さんの笑顔を引き出すことに喜びを見出し始める。 そんなある日、部屋に帰ると、研究室帰りの恋人・沙希が相馬の帰りを待って倒れていた。 お腹すいて死にそうなの、という彼女に、相馬はとり野菜鍋を作って…。
神庭の裔が暮らす花の郷の少女・日奈は、鉄をつくり世に金気の穢れを撒き散らす黒金の大王のもとへ、輿入れすることを命じられた。 花の郷の王・異花王の妹の身代わりとしての輿入れ。 しかもそれは、裏で大王毒殺の密命を帯びたものだった。 霊力によって高い身体能力を持つ日奈だが、花の郷の外に出れば金気に蝕まれ力を発揮できなくなってしまう。 それでも異花王の命を受け、輿入れのため川で身を清めていると、川彦と名乗る怪しい男が声をかけてきた。 日奈が王の命令で輿入れすると聞いた川彦は、なぜ自分の意思のない結婚などするのだと問い詰め、それ以降たびたび日奈の前に現れるようになるのだが……? まだ神の世と人の世が未分明だった世界を舞台にした、壮大な古代和風ファンタジー!
妖怪、怪異、化け物、あやかし。 この世に存在する、徒人には見えぬもの、触れえぬもの。 それを見て、触れて、それらと交渉したり、ときに人間のために彼らを排除したりするーーそれが昔から続く真魚寺の家業だ。 そんな裔である千歳には、古い付き合いのある小説家がいる。青原灯ーー着流し姿に整った顔立ちをした青年だ。 表向き、灯は千歳の従兄となっているが、それは真っ赤な嘘。灯は従兄でも何でもなく、幼い日に千歳が契約を結んだ妖怪なのだ。 千歳の命が尽きるまで千歳を守り、その対価として、千歳の精気を少しずつ貰い受けるという契約だ。 表面的には気安く親しい関係であっても、ヒトと怪異という存在は違う。 異なる時の流れと世界で生きるふたりの絆は、やがて変質し始めてしまうもので……?