2019年8月発売
綾瀬の入院中に彼女の高校で起きた連続落書き事件。犯人だと疑われているクラスメイトから助けを求められた綾瀬は、花穎と石漱にアドバイスを求める。綾瀬のために調査に乗り出す2人だが、花穎は福入という美術教師から、「七束琳という親戚はいないか」と尋ねられる。それは今は亡き花穎の母の名前だった。一方衣更月は、絵画のすりかえ騒動の調査中に「七束琳」という名を目にし…!?大人気上流階級ミステリ第7弾!
熱海警察署刑事課の組織暴力担当の刑事・住田航の相勤者として、県警本部から國貞智宏が赴任してきた。國貞は暴力団担当のエースであり、容姿も県警の広告に採用されるほどの男前だった。だが、なぜその國貞が冴えない住田の相方にー彼は何か密命を帯びているのか。謎多きその行動に不審を抱きながらも、彼からの情報を基に住田は老人介護施設を探り始める。そこで、闇カジノが運営されているというが…。
塾には通いながらも不登校を続ける女子高生・遙。ある日、塾付近のレンタルショップで起きたいたずら事件の犯人として疑われた彼女は、居合わせた塾講師の黒澤に助けられる。事件をきっかけに、黒澤は遙が学校へ行けない本当の理由を見抜いて…。様々な事情を抱えて塾に集まる生徒たち。不安定な心が引き起こす謎を、黒澤は受け止め、解きほぐしてゆく。青春の痛みにそっと寄り添い、前を向く力をくれるミステリー短編集。
年末のボーナスが出た日の帰り、加奈江は同僚の男性・堂島から突然平手打ちを食わされる。しかも、男はそのまま退職して行方知れずになってしまった。加奈江は悔しさのあまり、連日、堂島を探して師走の銀座を歩き回るのだった…(「越年」)。男女の複雑な心理を繊細に描いた表題作をはじめ、「金魚撩乱」「夏の夜の夢」「過去世」「老妓抄」「家霊」など、恋愛にまつわる傑作8篇を選りすぐって収録。
室町から続く能楽家に生まれた綾は、女ながら能楽師になりたいと志すかたわら女子英学塾にも学び、たぐいまれな審美眼をもつ才媛へと成長する。そんな折、綾は親友同士である魅力的な2人の学生、重光伊織と高見友則と出会う。3人での輝くような青春の日々が過ぎ、やがて綾は伊織と友則、どちらかを選ぶ時がくる。結婚、渡英、そして1920年代のパリへ。美を求め能を求めて、明治、大正、昭和を生きた女性の、華麗なる生涯。
わたしは、とても寒がりだ。拒食症のせいで、脂肪がほぼ無いから。わたしは、ハイヒールを履かない。でも昔はよく履いたものだったー。29歳のOL・平子奈々は優しい婚約者・一博と平和な毎日を送っていた。ある日一博と外出した時、奈々は一人の男と擦れ違う。それは、酷い別れ方をしたかつての恋人・慎之介だった!偶然の再会により奈々は再び慎之介と連絡を取るようになり、欲望のままに堕ちていく。甘い地獄が、幕を開ける!
15歳になった美しい人魚姫がはじめて海の上へと出た夜、船では美しい王子の誕生日を祝っていた。一目で恋に落ちた人魚姫は、魔女に頼み、美しい声と引き替えに人間の足を手に入れる。王子と結婚できなければ、海の泡と消えてしまう人魚姫は、王子に再会し…。幾度も涙を流しながら執筆したという表題作のほか、「親指姫」「はだかの王さま」「しっかりもののすずの兵隊」「野の白鳥」「ナイチンゲール」など、初期代表作を12話収録。
山間の街に住む高校生・相生あおい。進路を決める時期なのに大好きな音楽漬けの日々を送る。そんな彼女を心配する姉・あかねの昔の恋人で、高校卒業後に上京したきりだった慎之介が、街に帰ってきた。時を同じくしてあおいの前に、高校時代の姿のままの慎之介こと“しんの”が現れる!やがてあおいは、しんのに恋心を抱いていくが…。一方あかねと慎之介も13年ぶりに再会を果たす。過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。
季節が巡ってもメイド長であるベルファストは忙しい日々を送っていたー。新たに登場する計画艦であり給仕のネプチューンとお茶会を懸けた火花を散らすパンケーキレース。花壇のお世話の途中でサフォークが記憶喪失になったり、ベルちゃんとシェフィールドが難攻不落のオフニャハウスのお掃除に挑むことになったりして…。そして、アイリス陣営の舞踏会に誘われたメイド隊一同。喜びもつかの間、エディンバラは苦手なダンスを克服し、ベルファストと踊ることができるのか!?楽しい日々の中で彼女たちは新たな成長をみせる。ロイヤル陣営を舞台に描いた大人気ゲームのスピンオフ小説、第三弾!!
本を愛してやまない青年、アシタ・ユーリアス。 「一生本を読んで暮らしたい!」というアシタだったが、彼が働く本屋にはいつもひっきりなしに冒険者たちがやって来る。 理由は簡単。 彼の“知識"が欲しいのだ。 本が読めればそれでいいというアシタの想いとは裏腹に、顔馴染みの女冒険者エルシィにダンジョンへ連れて行かれたのが運の尽き。 彼の博識さがダンジョン探索の鍵になると見抜くや、エルシィは貴重な文献をエサにしてアシタを更なるダンジョン探索へ誘い……。 “最も博識"で“最も貧弱"な本屋の店員が、「帰りたい!」と嘆きながらダンジョンを駆け回る! ドタバタファンタジーコメディ!
中学一年の夏休み、アーティファクトと呼ばれる魔法の道具の争奪戦に巻き込まれた不知火真は、パートナーとなった幼馴染みの少女・星里果菜と共に『怪盗ハテナ』となって活躍し、ようやく日常を取り戻そうとしていた。果菜の知人だというイケメンの先輩・風抜悠や、真を慕う謎の美少女・アリスとの出会いに心揺さぶられながらも続く平穏な日々。そんな時、町内で奇妙な事件が立て続けに起き始める。真たちは『怪盗ハテナ』として解決を試みるが、その前に自称・正義のヒーローが立ちはだかる。両者はそれぞれの正義を真っ向からぶつけ合うが、その結末やいかにー恋と魔法の大イリュージョン、待望の再始動第1幕!!
大プロジェクトを成功に導き、社会人として順調に成長し続けるフランツ!そんな時、たまたま捨て猫を拾ったことで思わぬ問題に直面する!?そして、ついにフランツも成人を迎える!たくさんのお祝いと盛大なパーティーに喜ぶが、夜にフランツ驚愕のムフフな儀式が!色々な意味で立派な成人に!?さらには、同窓会で友人たちと久しぶりの交流をする中、とある問題に触れてしまう。その問題に悩むフランツに対し、ケルケルは魔界への出張を命じる。セルリアと向かった先で破天荒な新キャラと出会う。その出会いはフランツにどんな影響を与えるのか!?皆が羨む!超絶ホワイトお仕事ファンタジー!第6巻!!
学園でも一目置かれはじめた天才魔術師アベル。いまだに最強の瞳「琥珀眼」を理解できずに差別する上級生もいるものの、涼しい顔で一蹴する日々を送っている。相変わらずアベルの弟子を自称するテッド、やたら接近してくる火の勇者マリアの子孫エリザに、全面的な好意を隠さない古代魔術研究会会長のノエルを加えた学園生活は実に騒がしい。そんな中、バースに血を与え眷属とした張本人、上級魔族ナビルの暗躍が明らかに。計画を妨害したのがアベルだと気がついたナビルは、期末試験を終えて夏合宿を謳歌する研究会メンバーに襲いかかるー!!既刊全巻重版出来!王道の学園無双魔術ファンタジー第4弾!!
「孤独はわたしそのもの。孤独に動かされてわたしは書いてきた」--ジュンパ・ラヒリ。歩道で、仕事場で、本屋で、バルコニーで、ベッドで、海で、文房具店で、彼の家で、駅で……。ローマと思しき町に暮らす45歳の独身女性、身になじんだ彼女の居場所とそれぞれの場所にちりばめられた彼女の孤独、その旅立ちの物語。大好評のエッセイ『べつの言葉で』につづく、イタリア語による初の長篇小説。
元服の儀を済ませ、名実ともに当主となった林弥は、義姉への告げられない想いを募らせながら、運命の濁流に翻弄される。身分や立場の差を超えて時代を変えようとする少年剣士の友情と成長を描く、傑作青春時代小説。
20世紀文学の金字塔である、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』。 ところが、その難解さと長大さゆえに、最後まで読むのは至難の業。途中で挫折した人は数知れず。そんな難攻不落の大傑作を制覇する道しるべとなるのが本書です。 全7篇のうち、第1篇「スワン家の方へ」を丹念にひもときながら、全篇を読み通すヒントを紹介します。 『失われた時を求めて』は当初「スワン家の方へ」のみで構成しようとプルーストは考えていました。そのため、この本を読めば、プルーストの狙いや読みどころなど、完読のために必要なポイントを知ることができます。 「このくだりは退屈に感じてOK」「この描写には実はこんな意図がある」「こういう表現が出てきたら、注意深く読む」「これは伏線となる大事な箇所」など、大長編を読み通せる勘と基礎体力が身につくはず。 また、有名な「紅茶とマドレーヌ」をはじめ、『失われた時を求めて』のハイライト・シーンが多数登場する「スワン家の方へ」によって、最終篇まで到達する弾みがつくのです。 著者自身が大長編マニアにもかかわらず読み通せなかった経験を持つため、つまずきやすいポイントをおさえながら、完読へと導きます。 原典からの引用は、すべて著者訳。「鹿島版プルースト」が楽しめる一冊でもあります。母親に「おやすみのキス」をねだる少年の苦悩、紅茶にひたしたマドレーヌがよみがえらせる記憶、19世紀末パリの華麗な社交界で繰り広げられる猜疑と嫉妬に満ちた恋ーー。 挫折した人も、ゼロからの人も楽しめる、エキサイティングな読書体験! 世界的名著のエッセンスを味わえます。
別れた夫の思い出のみを胸に戦後を生きた女性。その遺品の手紙が語り出す、悲しい真実とは。イタリア人の目を通して描く、実話に基づいた「原爆と戦争」の傷跡。村上春樹作品のイタリア語版翻訳者が初めて綴った感動の小説。