2020年1月発売
アトラン、ジェン・サリク、テングリ・レトス=テラクドシャンの三騎士は、スタルセンの完全なグレイ化を阻止したあと、危機にあるという謎のエネルギー存在、ヴァジェンダに転送機で向かった。ところが、転送された先はヴァジェンダでなく、あたり一面グレイの国だった。かれらはロボット部隊の奇襲を受けたのち、謎の細菌兵器に襲われる。どうやら、この国を支配するグレイの領主が三人を捕まえようとしているらしい!
『七王国の玉座』で語られる時代から約百年前、デナーリスから遡ること数代、前王朝ターガリエン家による統治が続くウェスタロス大陸で、諸国を遍歴して城から城へと渡り歩く“草臥しの騎士”ダンクと、その従士となった少年エッグー数奇な運命を背負う二人の波乱万丈の冒険を描く。海外ドラマの最高峰「ゲーム・オブ・スローンズ」へと繋がる中篇「草臥しの騎士」「誓約の剣」「謎の騎士」の3篇を収録。
一万年前の世界にて、搭載艦“ペスカーXXV”を奪取して惑星トラムプを脱出したクレストらは、敵の戦艦から逃れるため目的地未設定のまま超高速飛行を行う。崩壊寸前の“ペスカーXXV”から発された救難信号は、アルコンの宇宙船“エクテム”と、アルコン人と戦争中であるメタンズの艦隊の両方に受信された。クレストは“エクテム”に救助されるが、目的地である地球のアトランティス大陸にメタンズの艦隊が迫っていた!
東京で連続放火殺人事件が発生。警視庁分析捜査係の渡瀬敦子はプロファイリングを元に捜査するが、犯行予測を外してしまう。一方、東都放送の土方玲衣は、同級生の敦子を番組で特集しようと企てる。より注目を集めるため、同時期に起きた埼玉の連続路上強盗致死傷事件を調べた玲衣は、二つの凶悪犯罪を結ぶ“あり得ない線”に気づく。協力し始めた二人が執念の捜査で辿り着いた「存在しない犯人」とは。緊迫の報道×警察小説。
富にも人望にも性交能力にも恵まれず、チャイコフスキーを友とし鬱蒼たる公園の管理人として生きる、誰からも羨まれることなき50歳の“わたし”は、ロッカーからまろび出てきた見知らぬ遺体の投棄に失敗し、その冷凍保存に踏み出す。解き放たれた心的外傷が次々に姿を成して管理所を訪れ、恥辱の記憶は踊り、煩悩の連鎖は矮小な舞台を無限の煌めきへと砕き尽くす。著者が20世紀に遺した、文学史上有数に奇妙で、物悲しく、諧謔に満ちた理想宮。
40代のアリスはニュージャージーで専業主婦として暮らしていた。だが、夫は愛人を作って出ていき一人娘はアフリカへボランティアをしに旅立ってしまう。茫然自失のアリスだったが、マンハッタンに住む親友のマギーに背中を押され、化粧をして服装を変えると鏡には20代の頃と変わらない自分の姿が!若者のふりをして恋も就職もやり直すことができるのか?NHKで放送決定した米国テレビドラマ「サバヨミ大作戦!」原作。
大学教授を辞め、テクノロジー企業に身を置いているセオ・クレイ。自らの頭脳が軍事や諜報に利用されかねない生活に倦んでいた彼に、九年前に失踪した子供の事件を調べてほしいという依頼が舞い込む。調査に乗り出したセオは、不気味な都市伝説“おもちゃ男”の背後に殺人鬼の影を見出した。闇に潜むシリアル・キラーを狩り立てろ。セオの怒涛の追跡が始まる!型破りな活躍が読者の度肝を抜く、衝撃の生物学探偵シリーズ第二弾。
2013年秋のロンドン。オリンピックイヤーだった前年に怪我で除隊した女医のジョー・ワトソンは、ベイカー街221bで、頭脳と電脳を駆使して英国の危機に立ち向かう世界唯一の顧問探偵シャーリー・ホームズと同居していた。シャーリーのもとには、女刑事レストレードや政府高官の姉マイキーから難事件が舞い込み、ジョーは助手としてシャーリーと現場に赴いてはwebストランド誌に事件の成り行きを(自分たちを男性化して)連載している。ある日、ジョーの叔母キャロルが結婚するとの報せが。夫となるヘンリーはデヴォン州アルスターの名家バスカヴィルの子孫で、最近、前当主が亡くなって跡を継ぐことになったという。ジョーはバスカヴィルの屋敷に招待されるが、脱獄した殺人鬼と魔犬伝説が街を騒がせ、さらには叔母夫妻に脅迫状が届く。ジョーたちに危険が迫っていた。半電脳と人工心臓のためになかなかロンドンを離れられないシャーリーは、ジョーを助けることができるのか!?突出した独創性とキャラ立ちで話題をさらった女性化現代版ホームズ・パスティーシュ『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』に続く、冒険と友情の第2弾!
ウルトラマンティガが地球に光を取り戻した後、人類は月や火星の開発に全力で邁進する、ネオフロンティア時代を迎えたー。地球平和連合TPC傘下のスーパーGUTS、その養成機関ZEROの訓練生アスカ・シンは、隊員選抜試験の最中、謎の球体スフィアに急襲される!絶体絶命の窮地に陥った彼の前に現れたのは、新たな光の巨人・ウルトラマンダイナだった!!スーパーGUTSとスフィアとの激闘、アスカとユミムラ・リョウの揺るぎない絆、父・カズマ消失に秘められた謎…全てが明かされる。平成ウルトラマンシリーズ屈指の熱作、完全小説化!
彼女の名前は米米。中国南東部のシリコン島で日々、電子ゴミから資源を探し出して暮らす最下層民“ゴミ人”だ。彼女たちは昼夜なく厳しい労働を強いられ、稼ぎは何代にもわたって島を支配してきた羅、陳、林の有力御三家に吸い取られていた。しかし、テラグリーン・リサイクリング社の経営コンサルタント、ブランドルと陳開宗が島を訪れてからすべては変わり始める。テラグリーン社の環境再生計画に翻弄され、利権を奪い合う御三家たち。いっぽう、米米は開宗と恋に落ちるが、想像し得ない未来が彼女を待ち受けていた…。『三体』の劉慈欣が激賞した、中国SFの超新星によるデビュー長篇。
高校生たちが選ぶ「今年の1冊」--第8回高校生直木賞、受賞作! 「分かり合えない母と娘」 壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるか? 羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。 いじめが原因で学校に行けなくなった高校生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。 ところが、このショールをめぐって、母と口論になり、少女は岩手県盛岡市の祖父の元へ家出をしてしまう。 美緒は、ホームスパンの職人である祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。 一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。 実は、とてもみじかい「家族の時間」が終わろうとしていたーー。 「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパン。その様子が人の生き方や、家族が織りなす関係に重なり、『雲を紡ぐ』を書きました」と著者が語る今作は、読む人の心を優しく綴んでくれる一冊になりました。
教科書に墨を塗らされた良仁たちは、大人が起こした戦争にふり回された子供だ。同時に大人たちもまた、自分たちの起こした戦争に、深く傷つきさいなまれていた。だからこそ、大人と子供が一緒になって作り上げた『鐘の鳴る丘』は、あんなにも圧倒的に、世間に受け入れられたのだろう。『鐘の鳴る丘』は、大勢の人にとって、自分たちの物語だった。戦後七十五年ー著者渾身の最新作!
家族を捨てて駆け落ちした不倫カップル(「はねつき」)。逃亡中のヒットマンと、事情を知らない元同級生(「ゆすらうめ」)。新興宗教の元教祖だった老婦人(「ひかり」)。親の決めた結婚から逃げてきた女とその妹(「ままごと」)。子育てに戸惑い、仕事を言い訳に家から逃げた男(「かざあな」)。行き詰まった人々が、ひととき住み着く「家」を巡る連作短編集。
花のお江戸に隠された、猫又の陣地六つ。花陣・姫陣・祭陣・武陣・黄金陣・学陣。各陣の新米猫又は、将軍様の庇護のもと、江戸城内の学び舎「猫宿」で修業に励む。猫宿の長は、魔王と呼ばれたあの戦国武将(!)。みかんたちの力を試そうと様々な試練が課せられてー。お江戸猫又ファンタジー。
「目の前で苦しんでいる人から目を背けることは、どうしてもできん」一九〇四年(明治三十七年)、紀州・新宮に西洋の王様がかぶる王冠のような看板を掲げた洋食屋「太平洋食堂」が開店した。店の主人は「ひげのドクトル(毒取る)さん」と呼ばれ、地元の人たちから慕われていた医師・大石誠之助。アメリカやシンガポール、インドなどに留学した経験を持つ誠之助は、戦争と差別を嫌い、常に貧しき人の側に立って行動する人だった。やがて幸徳秋水、堺利彦、森近運平らと交流を深めていく中、“主義者”として国家から監視されるようになった誠之助に待ち受ける運命とはー。ドラマチックな筆致と徹底した時代考証が融合した超近代的歴史長編誕生!