2020年2月発売
戦争で婚約者を失った女性ジャーナリストを見舞う惨禍と逃げ出した亀を繋ぐ“失われた輪(ミッシングリンク)”を探し出せ! 女流本格エリザベス・フェラーズのノン・シリーズ長編“ Hunt the Tortoise”が70年の時を経て初邦訳! 亀は死を招く 訳者あとがき
私は二度結婚した。そして、夫は二人とも死んでしまった──。故郷アメリカを離れ、ローマで暮らす若手女優とその兄。彼らは名門出身の政治家と有名女優の夫妻に惹かれて近づくが……。ルネサンス期の戯曲をもとに、エドガー賞受賞作家が描きだす傑作ノワール
アカプルコで書店を営むリディアの幸せな日々は、カルテルのボスの差し金で家族16人を殺され、崩壊した。彼女は、生き残った幼い息子ルカを連れ、メキシコを縦断してアメリカを目指すことを決意する──過酷な運命の中で、明日を信じて進み続ける人々を描く。
可愛らしくもときに怖ろしい、江戸の猫が勢揃い! 守り神としての猫、事件を目撃する猫……いま読んでおきたい女性時代作家が描く珠玉のアンソロジー お店の守り神である木彫りの猫がなくなり、その行方を捜す「猫神さま」(西條奈加)、長屋で一番偉い猫の“サバ”が、夫婦の揉め事を解決する「包丁騒動」(田牧大和)、臆病な火消しの男へ按摩が与えた猫頭巾に込められた恐るべき謎「だるま猫」(宮部みゆき)など、愛らしくも摩訶不思議な存在である江戸の猫にまつわる短編六作を収録。 令和を代表する女性時代作家の共演による珠玉のアンソロジー。
本書は、現在米国で活躍中の小説家、J. ロバート・レノン著 Pieces for the Left Hand: 100 Anecdotes の全訳である。本書は全7章から構成されており、1頁から3頁程度の掌編100編が所収されている。そのほとんどが本邦初訳であるだけでなく、一冊の図書としては、J. ロバート・レノン氏を初めて日本に紹介するものである。 序文 第一章 地方と都市 廃道 選挙 最新ニュース 要求 開店 模倣者たち ふつうの生活 ライバル 乗り越えよ 落ち着き 静寂 パイプライン 木の葉 第二章 謎と混乱 近道 目撃者 入れ替わり 腕時計 下線の引かれた頁 マリア像 侵入者 トリック 危機 夕陽 慣れ親しんだ物体 指 いかにも現実にありそうな 明晰夢 聖母マリア 双子 迂回路 哺乳瓶 アジサイ 夢解釈 第三章 嘘と非難 原稿 ベルト式研磨機 女優のペット 正義 遭遇 手紙 以前の車 もう少しで 財宝 箪笥 セメント製郵便受け キリストを信じよ ケビン テロリスト 道順 距離 第四章 仕事と金 六十ドル 豚肉 道具 最後の食事 知り過ぎて 専門家 軍服 技術者 金がすべてではない 第五章 親と子ども 喪失 通夜 妊娠 母親 父親 息子 違い デニムタッチ ネズミ 紅茶 耳の不自由な子がいます 枝 キス クーポン 第六章 芸術家と大学教授 インターラーケンの方尖塔 修道女 低い身長 概念芸術 二人の教授 空洞の扉 ペテン師 マイクワールド 隕石 左利き 第七章 運命と狂気 場面 猿 名前 おかしな人たち 新しい埋葬 公案 防空壕 ひらめき 毎晩ロックの生演奏 覚悟 綴り たたみ魔 妄想 起きそうにない 煙 花束 相続 簡潔 訳者あとがき
日ノ本すら破壊する斎藤道三の最終兵器“国滅ぼし”とは?その核心に行き着いた三代目義龍が下した驚愕の決断とは!?著者初の書き下ろし。従来の戦国史を根底から覆す、瞠目の長篇時代小説。
音楽のこととなると時間も忘れて熱中し、時には体を壊してしまう、心優しき作曲家の夫・裕而。裕而を支えながら、オペラ歌手になるという自分の夢も諦めない、いつも前向きな妻・金子。ともに音楽を愛する二人は、文通を通じた大恋愛の末に結婚する。作曲家として成功した裕而の一番の理解者となった金子は、戦時歌謡を作らざるをえなくなった裕而の苦悩に寄り添い続けた。戦後、疲れ果てたこの国の人びとを励ますために寝食も忘れて曲を作り続ける裕而に、金子はー。
弱肉強食、毎日が世紀末な魔界にオーガ族として転生した元日本人、ゴーラン。 本来は肉の壁としてしか使われない脳筋種族ながら、転生前の記憶を持つゴーランは周囲に「知略に長けたオーガ族だ」と一目置かれ、小魔王メルヴィスの国で次第に成り上がりつつある。 そんな折、気まぐれで掴みどころのないヴァンパイア族の軍団長・ネヒョルがメルヴィスの支配の系譜から姿を消した。実力者の突然の離反である。混乱に陥るゴーランやファルネーゼ将軍らに、三百年まえの厄災を語り始めたのは、魔王トラルザードの国の使いとして来ていたメラルダ将軍だった。かつて周辺国で暴虐の限りを尽くし、数多の町を滅ぼした集団『ワイルドハント』の頭目も、ネヒョルという名であったというのだーー 消えたネヒョルの狙いは何なのか。メルヴィスの国を併呑せんと次々攻め込む周辺国への対応策はーー取り組むべき問題が山積しているというのに、オーガ族の村には伝染病の兆しまで現れーー!? 鬼の身体に知性と戦闘狂の魂を宿した戦士・ゴーランの骨太魔界戦記、勢い止まらぬ第2巻登場!
その日、キャットは息を切らして上司のもとに駆けつけた。そこで信じられないほどハンサムな男性に目を奪われる。人々から神のごとく崇められている王ゼインは、キャットに仕事を依頼し、その日のうちに自分の国へ連れ去った。外国人が訪れない土地で、彼女は王のために働くことになった。そしてある日の深夜、黄金の宮殿の夢のように美しい部屋へ迷いこんだとき、王に誘惑されて純潔を捧げてしまう。キャットは知らなかった。この国では王と結ばれた無垢な女性は、宮殿から出ていけなくなるのだとー。ヒーローと一夜を過ごしたあと、結婚という自分の運命を知り、恐れおののくヒロイン。彼は王として、国の人々から大変な尊敬と憧れを集めていた。冴えない自分がそんな男性の妻になる?妊娠がわかると、ヒロインはますます追いつめられて…。
私は彼に娘をもたらしただけの妻。 決して愛されることはない。 ポピーは両親に顧みられず、祖父母に引き取られて育った。 今は祖父は亡く、祖母と幼い娘リリーと暮らしている。 娘の父親は2年前、スペインでただ一度愛し合ったリコ。 旅先でお金をだまし取られたポピーが、帰国費用を稼ぐため メイドに雇われた公爵家の御曹司だ。ひと目見た瞬間から リコに恋していたポピーは、彼に身も心も捧げた……。 でも翌日、帰国する彼女をリコは追ってはこなかったばかりか、 婚約解消したはずの女性と結婚してしまったのだ。 だがある日、彼は再び現れる。まさか娘を奪うつもりではーー? 実らなかった身分違いの恋を忘れられぬまま、娘を心の支えに生きてきたポピー。一方、リコは妻を喪ったあと、ポピーが娘を産んだと知って花嫁に望みますが……。斬新かつドラマチックな作風で人気沸騰中のダニー・コリンズが綴る、王道シンデレラ・ロマンス!
両親と船旅に出た白血病の少女につき添う看護師のフィリダ。途中で少女の病状が悪化し、一緒に下船せざるをえなくなるが、言葉も通じない土地で重病患者を独り抱え、フィリダは途方に暮れた。そこへ、同じホテルに滞在するオランダ人医師、ピーテル・ファン・シッタートが現れ、少女を診察して病院へ送った。悲しいことに、少女がそのまま静かに息を引き取ってしまうと、その後のこともピーテルが何くれとなく手配してくれた。なんて頼れる人なの。もう会うこともないのだろうけれど…。だが、患者を亡くした無念さと見知らぬ土地にいる心細さで、彼女が涙しかけたとき、ピーテルが言った。「肩を貸してあげようか」
もう忘れたと強がってみせても、 この胸にいるのは、あなただけ……。 少女の頃、ドネッタは馬術大会でさる王国の皇太子エンリコと出会った。 毎年、顔を合わせるうちに親しくなり、16歳のとき初めてキスをした。 エンリコが大学進学のため大会に出られなくなると、 卒業したら二人で旅に出ようと約束し、文通で心を通わせ合った。 ところが彼は国事に忙殺されるようになり、やがて手紙もとだえると、 彼の薄情さにドネッタは人知れず懊悩したのだった。 5年後、ようやく気持ちに区切りをつけたドネッタのもとに、 エンリコの国で開かれる馬術大会への招待状が届く。 いったいどんな顔をして会えばいいの……? ドネッタは戸惑ったが、 愛しの皇太子とまた会いたくて、彼の待つ、かの国へ飛んだーー ハーレクイン・イマージュ2600号を記念して、代表作家レベッカ・ウインターズの珠玉作をお贈りします! 真綿で首をしめられるような失恋の痛みに耐えてきたドネッタと、そうとは知らないエンリコの再会やいかに? 本作は『終わらない片思い』の関連作です。
今や大富豪となった彼と再び愛を育む。 そんな夢物語は望むべくもない。 ほんの軽い気持ちで遺伝子検査を受けたところ、 家族の誰とも血がつながっていないとわかったジェイド。 両親の話によれば、彼女はハリケーンに見舞われた日に生まれたため、 病院でほかの赤ん坊と取り違えられたとしか考えられない。 事態を把握した病院から調査を依頼された人物が家にやってきたとき、 ジェイドは言葉を失った。高校時代の初恋の人、ハーレー・ダルトン! 悲しい別れのあとハーレーは会社を立ち上げて大成功を収めたという。 今や大富豪となった彼と、かたや出自さえわからなくなってしまった私。 ジェイドは思いがけない再会に密かにときめいた自分を戒めた。 人生に打ちのめされてしまった私が、彼と釣り合うはずもないのだから。 予測不能なロマンスで一躍人気作家となったアンドレア・ローレンスがお贈りする〈運命の歯車〉。赤ん坊のときに起きた取り違えをきっかけに展開するロマンスをお楽しみください。本作では遺伝子検査で衝撃の事実を知ったジェイドの再会物語が描かれます。
予定日まであとひと月と迫ったある日、急な陣痛に襲われたナオミ。そこに居合わせた元婚約者の大富豪ロイスに励まされながら、玉のような双子の女の子を無事出産し、彼女は感動に包まれた。数カ月前、ナオミは我が子欲しさに匿名ドナーの子を宿し、その後に出会ってすべてを受け入れてくれたロイスと婚約した。だが、彼にはかつて流産を機に去っていった別の婚約者がいたと聞き、その女性と失った子の代わりかと思うと辛くて、やむなく別れたのだった。いまだにロイスの感触、匂い、優しいまなざしを忘れてはいないけれど、今、しばらく双子の世話を手伝うと申し出てくれた彼を前に、ナオミは自分を戒めたー愛を期待したら、また傷つくことになる、と。
ローアンは、金融界の大物イサンドロと政略結婚で結ばれた。イサンドロにとっては便宜的な結婚でも、ローアンは彼を愛していた。やがてローアンは妊娠し、かわいい男の子を出産したが、わずか数時間後、彼女はメモだけ残し、ひとり病院をあとにした。実は、ローアンは病に冒されていた。もう長くないと悟った彼女は、大切な跡継ぎの体に害が及ばぬよう、いっさいの治療を拒否し、母親を失うつらさを息子に味わわせないよう、身を引いたのだった。なにより、夫への愛を、最期の瞬間まで隠し通せる自信がなかった。2年後、ローアンは奇跡的な回復を遂げた。息子に会いたいーだがその願いが叶う前に、怒りに燃えた夫との再会が待っていた。
小さな村で秘書をしていたエリンは、ひょんなことから、ロンドンに住む企業経営者ジョシュ・ソールズベリーと出会う。強く惹かれたものの、彼は雲の上の人だ。想いがかなうわけがない。ところがジョシュは電話をかけてきて、ディナーに誘ってくれた。いったい何を着ていこう!?パニックに襲われるエリンの前に、疎遠になっていた母親が訪ねてきて、驚きのニュースをもたらす。なんと母親は、ジョシュの父親の愛人だったというのだ。男性関係において、エリンの母親の評判はよくない。思わぬ因縁に自信をなくした彼女はディナーの約束を断ったが、その夜、運命はエリンとジョシュを不思議な形で引き寄せてー。
レイチェルの母とガブリエルの父は長年愛人関係にあり、 二人は義兄妹のようにひとつ屋根の下に暮らしてきた。 親たちの関係が複雑でも、ガブリエルは優しく接してくれ、 レイチェルが19歳になった夜、ついに互いの想いを確かめ合った。 彼女にとって、ガブリエルは一生をかけて愛する人になった。 ところが数日後、彼は人が変わったように別の女性を連れ込み、 2週間後には、父親の会社の支社設立のため、国外に去ってしまった。 ガブリエルを恨んでも愛することは止められず、数年が過ぎたとき、 彼が婚約者を連れてきた。そしてレイチェルは初めて真相を聞かされる。 どれだけ愛し合っていても、二人は決して結ばれない運命にあった……。 レイチェルが純潔を捧げた翌日、ガブリエルは父親から恐ろしい事実を聞かされたのでした。二人は異母兄妹なのだと。禁断の愛を断ち切るために別の女性と婚約したガブリエルでしたが、いよいよ結婚式が近づいたある日、ほんとうの真実が明らかになります。
道北・枝幸における鮭定置網漁の草分けとして、長らく漁業権を維持してきた網元の佐賀家。戦後の漁業法改正で漁業権喪失の危機を迎えた一家は、“まるは”大洋漁業への漁場貸しに再興の望みを懸けるがー。時代に翻弄される網元一家の人間模様を描く異色のドキュメントノベル。