2020年5月15日発売
転校をきっかけに、故郷に戻ってきた栞。幼馴染みで初恋の相手との再会を楽しみにしていたが、彼ー葉桜はまるで別人にように冷たくなっていた。ところがある日、葉桜が泣いているところを見つけた栞は、彼の“涙の秘密”を知ってしまう。その秘密のタイムリミットは『来年の春』。葉桜を助けるために思い出作りに励むが、一方で栞もずっと言えなかった想いを抱えており…。第一回ビーズログ小説大賞“現代部門”受賞作!
傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だったーー。 2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか…… 犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!
せつらvs.せつら!? 〈魔界都市“新宿"〉夢の対決! 天才人形師が生んだ哀切の造形とは? 超人気シリーズ最新刊書下ろし! 生きているようだ、という感嘆は彼女の作品のためのものと言われた、天才人形作家桜田国子。秋せつらは女子大生楓の捜索を依頼されるが、捜し当てた部屋の生活痕は、対象が人外のものであることを告げていた。「ここにいたのは、人間じゃない」楓は、亡くなった娘を偲んで国子が手がけた人形だったのだ。楓と思しき容疑者による殺人が発生し、美貌の人捜し屋になぜか強盗殺人の嫌疑が及んだとき、そこには四人のせつらが……(「〈新宿〉人形物語」より)。〈魔界都市〉の人捜しは哀しみが宿命。“絶望”を紡ぐシリーズ最新刊! 未帰還児童 〈新宿〉人形物語 客の後ろに誰がいる? 幽霊屋敷 帰って来た男
スポーツ用品販売会社に勤める素子は、同じく保育園に通う子供を持つ珠理を誘って、日帰り温泉旅行に出かけることに。ずらりと食卓に並ぶのは、薬味をたっぷり添えた鰹のたたき、きのこと鮭の茶碗蒸し、栗のポタージュスープ。季節の味を堪能するうち、素子は家族を優先して「自分が食べたいもの」を忘れていたこと、母親の好物を知らないまま亡くしてしまったことに思いを巡らせ…(「ポタージュスープの海を越えて」)。彼女が大好きな枝豆パンは、“初恋の彼”との思い出の品。病に倒れた父の友人が、かつて作ってくれた鶏とカブのシチュー。-“あのひと口”の記憶が紡ぐ6つの物語。
都会のへりの窪んだところにあるガケ下の町。僕はその町で、“流星新聞”を発行するアルフレッドの手伝をしている。深夜営業の“オキナワ・ステーキ”を営むゴー君、メアリー・ポピンズをこよなく愛するミユキさん、「ねむりうた」の歌い手にしてピアノ弾きのバジ君、ロシアン・コーヒーとカレーが名物の喫茶店“バイカル”を営む椋本さん、ガケ上の洋館で、“ひともしどき”という名の詩集屋を営むカナさんー。個性的で魅力的な人々が織りなす、静かであたたかな物語。
織田信正ー通称帯刀。一部の史料にしか名を残さず、一般的にはその存在を認められていない織田信長の“幻の長男”である。弟の家臣として生きることを選び、村井重勝と名を変えた彼は、戦場で、内政で、獅子奮迅の活躍。織田家は再び、攻勢にでた。存在しないはずの“幻の長男”は、日本の運命を大きく変えていくー!!“本能寺の変”が起こる天正十年まで、あと十二年。
父ベルグリフの元仲間の一人、パーシヴァルがいるとされる場所『大地のヘソ』へと向かった一行。旅慣れない体に鞭打ちながらも父は娘や仲間に支えられ彼と再会し和解することが出来たのだった…!元仲間の最後の一人。エルフであるサティアを捜しに皆で旅を続けるが、アンジェリンは再会した仲間たちと笑いあう父親の知らない笑顔に心を締め付けられる…。一方、彼女の変化に気付き悩む父。仲良し親子、ついに親離れの時…!?そして、捜索のため向かった帝都で国に反旗を翻しているという女エルフの情報を耳にする一行!そのエルフとは、はたして…。ベルグリフたちは、無事サティを見つけ出すことが出来るのか!?
ゲオルギス枢機卿の邪悪な儀式を探るため 単身、敵地に潜入したエルド。 敵の精鋭部隊さえも蹂躙し、無双の限りを尽くすエルドの前に 上位魔法を操る謎の人物が立ちはだかった。 「賢者専用の魔法が使える……だと?」 エルドの前に現れた「もう1人の賢者」 それはゲオルギス枢機卿その人だった……! 賢者 vs.賢者ーー!! ついに究極の頂上決戦が勃発! 「賢者は馬鹿が使ってもそれなりに強いが ーー考えて使えば、無敵だ」 その言葉を実証するかのように、 最強賢者エルドの知識と知略が炸裂!! 最高峰の知識と最強の知謀を有する賢者エルドは 世界を支配するゲオルギス枢機卿さえも圧倒するーー!!!
「最後に笑うのはこのわたくしだということを、嫌というほど思い知らせてやるわ」 希代の悪女スカーレットの亡霊にとり憑かれたコニーは、その復讐に付き合う羽目になった。 十年前の処刑の真相を調べるための潜入捜査に、死神閣下ことランドルフ・アルスター伯との偽装婚約、果ては大貴族に睨まれての弾劾裁判と、忙しい日々を送るコニー。 だが、王国内に潜む陰謀の影が見え始めたと同時に、彼女自身にも得体のしれない魔手が迫る。謎の襲撃者をかろうじて撃退したのもつかの間、今度は親友であるケイトが誘拐されてしまいーー!? リリィ・オーラミュンデが遺した謎の言葉『エリスの聖杯を破壊しろ』の意味とは? そして、スカーレットを処刑台に送り込んだのは誰なのか? 悪女の亡霊×地味令嬢のコンビが、王国の闇に潜む巨大な陰謀に立ち向かう、大好評の貴族社会クライムサスペンス第二弾!
昏き者どもの拠点をつぶし、水竜の集落を救ったラックたち。彼らは今回の襲撃を経て、狼の獣人族の村に密偵がいると疑い始めた。早速ラックはケーテの背に乗せてもらい、村に向かうことにしたのだがー。「…お、男の人の前で裸になるなんて、ハレンチだわ!!」人型から竜になろうとしたケーテを見て、セルリスが絶叫した。ケーテは服を破らないよう裸になってから変身する習慣なのだ。ひと悶着ありながらも、狼の獣人村に到着したラックは、潜んでいた密偵を始末し、ヴァンパイアの襲撃も退けていく。だが、事態はそれだけでは終わらない。ヴァンパイアの死骸から、王都を丸ごと吹き飛ばせる魔道具と、敵が湧き出る魔法陣を見つけたラックは、迷わずその魔法陣へと飛び込む。果として、そこでラックを迎えたのは…比類なく強大なヴァンパイア・真祖!!王都の民を丸ごと生贄にしようと企む真祖とラックがーいま、激突する!!元・勇者パーティーの最強魔導士ラックが、愉快で強い仲間たちと、時にのんびり、時に無双して楽しい毎日を過ごす大人気ストーリー、第5弾!!
かつてその世界で魔法と最強を極め、“賢者”とまで称されながらも『魔法戦闘に最適な紋章』を求めて未来へと転生したマティアス。幸運にも最強の紋章を手に入れられたが、転生先の未来では魔法戦闘に最適な紋章が「失格紋」扱いされ、優れた魔法理論さえ退化させられていた。そこに魔族の陰謀を認めたマティアスは、最悪の魔族を屠り、一度は敵となった古代文明時代の王グレヴィルと疎通。無詠唱魔法普及に尽くすべく彼を王立第二学園の教師に据えた。彼から新たな脅威「壊星」について聞いたマティアスは、過去の自分・ガイアスを蘇生させ「壊星」を宇宙に還す。さらには上級魔族から「人食らう刃」を奪還、ついに『破壊の魔族』ザドキルギアスまで退けると、凶悪な魔族で溢れたダンジョンに潜り、資源を集め、新たな武器錬成を開始する。一方、ほぼ時を同じくして、史上最凶の囚人たちを捕らえたエイス王国の「禁忌の大牢獄」に新たな上級魔族が襲来。囚人たちを恐ろしい魔物『鎧の異形』に変え始めー!?
1991年、自国での生活に絶望したアルバニア人が多数、アドリア海を越えてイタリアへ渡った。「新天地」への船出ーしかし、出発を間近に控えた乗客の中に、自ら船を下りてしまったひとりの男がいた。彼が思い起こす、「敗残者」としての人生とは。無名の元数学教師ファトス・コンゴリを一躍、アルバニアの最重要作家の地位に押し上げたデビュー小説。