2020年5月20日発売
入社2年目の報日新聞記者・永尾哲平は、千葉県下で起きた猟奇的な連続絞殺事件の取材を始める。捜査情報をつかめずに苛立つ記者クラブは県警批判を開始。犯人逮捕の手がかりを得られない県警は、ある取引を報日新聞に持ち掛ける。記者の永尾と県警一課の刑事・津崎庸介。2人は交錯する2つの使命に揺れ動く。
小劇団を主宰する僕“竹田武志”のもとに、父から連絡があった。余命三ヵ月だというー。自意識が炸裂する僕と、うまくいかない「劇団」、かわっていく「恋人」、死に行く大嫌いな「父親」。周囲をとりまく環境が目まぐるしく変わる中、僕は故郷の福岡と東京を行き来しながら、自分と「家族」を見つけなおしていく。不完全な家族が織りなす、歪だけど温かい家族のカタチ。
人間は闘争を欲す。それは平和のためでなく 王都を陥落し、魔王としての脅威をしめしたドワイト。だがその侵略戦争の勢いをとめることはない。すべては世界に平和をもたらすため。そんななか、エルフの里より人間の進攻からの守護依頼がとどく。そしてその先で出会う生前の因縁。順調に勢力を広げるドワイトたち新魔王軍だったが、しかし世界はその最強を許さず次なる刺客を送り出す。世界は魔王の存在をゆるさず、勇者という力をひとつの人間に宿す。では、それを迎え撃つドワイトの信念ははたして正義なのか悪なのか。 その答えは正義と悪が交わした剣の先に委ねられた。
学園生活に退屈していたテオドールの前に色欲の魔王アスモデウスが現れ、西方グランデン領で起きている連続神殿襲撃事件の情報をもたらす。その直後なんの偶然か、テオドールの西方領への留学が決定、他の特待生らと共にそこへ赴くことになる。その道行を、赤く煌めく星々が不気味に照らす。「天高き夜空に紅き星々が瞬く時。それすなわち凶兆なり」。グランデンへと到着した彼らは大英雄クロード・デュラス将軍と会う。魔神を超えるほどの大英雄の威圧感に、戦闘衝動を必死に抑えるテオドール。この地の特待生で現役軍人でもあるクラリスを交え、留学生として平穏に過ごすテオドールたちだったが、裏では奇怪な事件が蠢き、その魔手は着々とグランデン領を侵食していくー。
「実は、世界は、もう壊れはじめているんだ」幼馴染の翔子と再会した書店店主・大介は、すっかり忘れていた小学校時代の出来事を思い出す。同級生四人と忍び込んだ、町で一番高いマンションの最上階。そこにいた不思議な男は、世界の終わりを予言した。その真意を確かめたくなった大介と翔子は、三十年前の記憶をたどりながら再びマンションを訪れるが、男がマンションから飛び降りたという噂を耳にして…。大人になった俺たちは、世界を、自らを、救うことはできるのか。同級生との再会で呼び覚まされた、三十年前に出会った不思議な男の記憶。「ひび割れた世界」に生きる人々のかすかな希望を力強く描く連作短篇集。
津波で失われたはずの手帳。行方不明のまま永い時を経た少年からの伝言。そこからは強いメッセージが発信されていた。騙されるということ自体が一つの悪なのだ。やられっ放しで判断力を失う前にやれることがある。僕たちはもう迷子のままではいられない。やけに心に沁みる、再生の歌ふたつ。
義理人情に厚いヤクザの親分・阿岐本雄蔵のもとには、一風変わった経営再建の話が次々と舞い込んでくる。今度の舞台は、北千住にある古い映画館!TVやネットに押されて客足が落ち、映画館の社長も閉館を覚悟。その上、存続を願う「ファンの会」へ嫌がらせをしている輩の存在まで浮上する…。マル暴に監視されながら、阿岐本組の面々は、存続危機の映画館をどう守る!?笑いあり、涙ありの「任侠」シリーズ第5弾!
「どうして親は私に殺しのテクニックを叩き込んでくれなかったのだろう」会社に追いつめられ、無職になった30代の敬子。男社会の闇を味わうも、心は裏腹に男が演出する女性アイドルにはまっていく。新米ママ、同性愛者、会社員、多くの人が魂をすり減らす中、敬子は思いがけずこの国の“地獄”を変える“賭け”に挑むことにー。「おじさん」から自由になる世界へ。
一九八六年、中曽根内閣は懸案の自主憲法制定を成し遂げた。自衛隊は改称され国軍へ昇格。また日銀は絶妙の金融政策でバブル経済を軟着陸させ、日本は好景気のまま発展した。だが今、その社会は危機に瀕している。「シンク」という謎の穴がすべてを飲み込み、同時に感染症も流行。政府が隠蔽する世界の崩壊を阻止する鍵を握るのは、一人の日本人学者だった。彼を探し保護せよとの命を受けた土門康平陸軍中将は、この任務を遂行し、日本を、この世界を救うことはできるのかー?大石英司が描く世界滅亡の書。
西部劇の舞台のような町、黒人奴隷が鞭打たれるプランテーション、現代アメリカの壊れた家庭、砂に埋もれたユートピア、16世紀イギリスの修道院…。暴力と欲望に満ちたさまざまな時代と場所で、夢も希望もなく、血まみれで生きる人々。人間の本質を暴き出し、一瞬の美しさを切り取った、O・ヘンリー賞受賞作「よくある西部の物語」ほか全10編収録のデビュー短編集!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界に来て半年。クロの「究極のベビーカステラ」作りに協力したりと、賑やかな毎日が続いていたある晩。夜の散歩をしようと屋敷の庭に出た快人は、仕事が一段落したというリリアに遭遇する。いつも通り、和やかに会話をするふたりだったが、部屋に戻る直前、意外なサプライズが起きて、快人を驚かせる。リリアの気持ちに気付いた快人が取った行動は…!?「モーニングスター大賞」大賞受賞作、絆が深まる第9巻!
マグル(人間)界では、不可解な事件が続発する。魔法大臣も、闇の帝王の復活が原因であることを、ついに認めざるを得ない。ハリーは6年目を迎えたホグワーツで、ダンブルドアの個人授業を受けることになった。一方、宿敵ドラコは何らかの使命を受け、校内で怪しい行動をとっている。「魔法薬学」の授業では、急に優等生になったハリー。その秘密は、『半純血のプリンス』と署名された古い教科書だった。
ダンブルドアの特別授業は、若き日の闇の帝王、トム・リドルに迫る旅だった。それは、ハリーが生き残るための重要な鍵になるという。やがてハリーは、過去に作られた、ヴォルデモートの不死を支える「分霊箱」の存在を知る。そして、ダンブルドアに伴われ、分霊箱の捜索に向かうが……。ドラコに科された使命とは? 『半純血のプリンス』の正体とは? 次々明かされていく真相は、さらなる謎を呼ぶ。