2020年6月25日発売
「いちばん大きなカタストロフは、しばしば小さな足音で近づいてくる」第二次大戦前夜、オーストリア併合に至る舞台裏を、歴史の断片から描き出す。大企業家とナチ高官との秘密会合、オーストリア首相を恫喝するヒトラー、チェンバレンを煙に巻くリッベントロープ…。彼らの卑小で時に荒唐無稽な行動・決断が、世界を破局に引き込んでゆく。仏ゴンクール賞(二〇一七年)受賞作。
サラリーマンの櫻馬彰は、会社でのストレス発散のため、発作的に京都へ。 祖父が好きだった和菓子を探し歩き、彼が青春を過ごした京大で祖父を偲ぶ。 しかしひょんなことから、精神だけがタイムスリップし、 祖父本人として、昭和初期の京大生として暮らすことに。 個性豊かな京大生たちと友情を育み、 ほほが落ちそうなほど美味しい京都の菓子と、甘酸っぱい青春を味わう彰。 しかし先の戦争で仲間のひとりが死んでしまう運命と知り……。 仲間の運命は、そして彰は現代に帰れるのか? 京大×和菓子×タイムスリップで紡ぐ、美味し懐かし青春物語!
晴香を守り切ることができなかった。自分の無力さを実感し、後悔の念に苛まれる八雲。始まりの場所で待っているー。再び現れた七瀬美雪を前に、八雲は重大な決断を迫られるが…。深淵の果てに、八雲が見たものとは。16年にわたって紡がれた、「心霊探偵八雲」シリーズ遂に完結!!
八雲の魅力をコンプリート!!シリーズ完結記念ファンブック!!スペシャル対談ー京極夏彦、藤巻亮太。八雲の歴史を振り返る著者ロングインタビュー。幻の1冊!?八雲の原点『赤い隻眼』を一部公開!!!八雲たちのその後を描く書き下ろし短編5編収録!!
「はじめまして、僕は死神です。君の魂をもらいに来ました。」病室で目を覚ました真尋は、ある日突然目の前に現れた死神から三十日以内に自分の命が尽きることを告げられる。今まで入退院を繰り返しずっと一人ぼっちだった真尋にとって、死ぬことは何も怖くない……はずだった。しかし不器用だけど優しい死神と日々言葉を交わすうちに、どんどん彼に惹かれている自分に気がつく。もっと生きたい。けれど、無情にも運命の日は訪れてしまう。そんな真尋に、死神は今までついていた“嘘”を告白しはじめるーー。 これは決して結ばれることのない、余命僅かな少女と死神の切ないラブストーリー。
「休部って、どういうこと?」あることがきっかけで走るのをやめる決意をした都。けれど同じ陸上部のエース有川は、そんな都の行動が許せず、納得がいかない。都の迷惑をかえりみず、“走る楽しさ”を思い出させようとしてくる。そんな資格、自分にはないのにー。「また一緒に走ろう。お前が戻ってくるの、待ってるから」自分の殻に閉じこもる都に、有川はそう告げ…!?
江戸幕府二五〇年。侍の世の終わりに見えたのは、円く優しい人の世の始まりー。押しかけ女房になった成瀬家の姫・澪。その夫で、徳川慶勝に忠実に仕える陸ノ介。現代の礎となる激動の時代、翻弄されながらも愛と信義を貫く夫婦の姿を繊細に活写した傑作時代小説。
家でも職場でも周りの人に冷たくされ、辛い思いばかりの人生を送ってきたOL・雨宮咲。挙句の果てに、残業帰りに落雷に打たれて死んでしまった…と思ったら、目の前に神様が現れて、『不幸だらけの人生は手違いだった』と謝罪してきた!お詫び代わりに異世界で人生をやり直すことになったサキは、せっかくなので5才の美少女に転生させてもらい、森でまったりのんびり暮らすことに。神様から授けられた全属性の魔法を自在に組み合わせ、無限に生み出せるオリジナルスキルを駆使して、気ままな引きこもりライフを楽しむ。従魔の猫・ネルに加え、熊のクマノさん親子とも仲良くなり、一生森から出なくていいかも…なんて思っていると、偶然にも、魔物に襲われている人間に遭遇してしまう。助けに入ったところ、なんと彼らは公爵家の一行で、サキを養子に迎えたいと告げてきて…!?転生幼女のハートフル異世界ファンタジー!
ある日突然、親友の佐藤春樹と一緒に異世界に転移した新田聖。聖が「主夫」というある意味レアな職業になったせいか、二人は様々なトラブルに巻き込まれ、退屈しない異世界生活を送っていた。魔法都市デウニッツにて、箒で空を飛ぶ魔法を習得した聖と春樹。資格試験に無事合格した二人だったが、突然光に包まれ、海の向こうのアルデリート魔王国に飛ばされてしまう。包丁を入手したり、ダンジョン探索したり、魔王国を満喫した二人は、デウニッツを目指して、箒で海を越えることに。しかしそんな旅の途中、この異世界にいるはずのない人物と再会するのだったー。主婦とオタクな大親友二人組が行く、異世界ファンタジー、第3弾!
高校生の明野樹は、ある日突然、たくさんの人々とともに見知らぬ空間にいた。イツキたちはこれから勇者として異世界に召喚されるらしい。この空間では、そのためにギフトと呼ばれるスキルが配られるという。しかし、それは早い者勝ちだった。当然勃発するギフト争奪戦。元来積極的な性格ではないイツキは、その戦いから距離を置いていた。だがそうなると、彼に与えられるギフトは残り物しかない。案の定、イツキが手にしたギフトは、最低ランクだった…が、最後の一個にはなんとラストワン賞=おまけがついていた。しかもそれは、「聖剣/魔剣召喚」という超レアなスキル。このスキルのおかげで、イツキの異世界生活は、彼の想像を超えて、波乱に満ちたものとなるー大人気、異世界集団勇者ファンタジー、待望の書籍化!
うだつのあがらない青年・レンは、仕事帰りに突然、異世界に勇者として召喚される。しかしすぐに人違いだったことが判明し、スキルも持っていないと言われて王城の魔術師に追放されてしまった。レンはやむなく冒険者ギルドの掃除依頼で日銭を稼ぐが、そんな中、とんでもない隠しスキルを発見する。なんと製作・入手したものが何でも上位互換されるという力があったのだ。チートスキルを活かして街の困りごとを解決し、鍛冶や探集を楽しんでいたのも束の間、隠しスキルの存在を知った王城の魔術師に逮捕されてしまう。レンはスキルと街の人達の力を借りて大脱走。ギルドの受付係や元衛兵、弓使いの少女といった個性豊かな仲間達を連れ、気ままな人助けの旅が始まるのだった。第12回アルファポリスファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。ヤケクソで挑んだダンジョンにて授かった力ー。スキル吸収・強化能力を駆使して、冒険者としての日々が始まった!ティンバー学園に入学後、高い実力を見せつけ一目置かれる存在となったサナトに、大貴族の嫡男であるセナードが決闘を申し込んでくる。仕方なく相手をするサナトだったが、決闘の最中、セナードの持つ家宝の武具から、悪魔の気配を感じ取る。サナトはセナードに力を貸し、後継者問題に潜む陰謀に立ち向かう!
謎の祭壇の上で目を覚まし、どことも知れぬ異世界を一人放浪することになった俺、伴杭彼方。どうやら訳の分からぬ何かにより、記憶といくつかの強力な能力を失ってしまったらしい。幸い、喰えば喰うほど強くなる“吸喰能力”は健在だし、生きていくにはとりあえず喰わねばならない。気に入らない強者を平らげて、気に入った弱者を助けていくうちに、徐蕨にこの世界での生活基盤も出来上がってきた。邪魔な裏組織は叩き潰し、ゴーレムを使った運送業も絶好調。そうして着実に力をつけていき、とある“迷宮”のボスを撃破した結果、封印の一部が解除され、俺の身体に新たな変化が起きるのだったー。全てを失ってこそ得るモノがあるー奪われたら奪い返す!最強の復讐を喰らわせて、どこまでも成り上がってやる!
異世界に飛ばされ、地球の家電でも異世界の魔道具でも何でも買えるチート能力「異世界商店」を付与されたおっさん・タクマ。その能力を駆使して、恋人・夕夏との結婚式準備を進めていたところ、夕夏の発案により、世話になった人たちに結婚の報告をしに行く事になった。さっそくタクマにとって異世界初めての町メルトを訪れたのだが、そこで彼は、宿屋のスミス一家が苦境に立たされているのを知る。彼らを助けたいと思ったタクマは、「異世界商店」で購入した超高級宿を一家に任せるという、とんでもない事業に乗りだすのだった!?おっさんが異世界を満喫する、ほのぼの冒険ファンタジー、第9弾!
魔境と恐れられる最果ての街ルーメンに、一人の新人冒険者がいた。彼の名は、ロイ。規格外の力を持つ元勇者の少年である。ある日ロイは、街を破壊しようと画策する女魔導士の陰謀に巻き込まれてしまう。女魔導士とその仲間を軽く捻り、無事に街を守ったと思ったのも束の間、ルーメンの街に新たな危機が訪れる。街の防壁を取り囲む大量の魔物達。さらに、街を守る結界の要となる人物まで誘拐されてしまう。女魔導士の計画には続きがあったのだ。ベテラン冒険者達もお手上げな八方塞がりの状況で、無自覚勇者がついに覚醒する!?
神様のイタズラによって命を落としたお詫びに、三つの便利な初期スキルを授かって異世界に転生した銀髪の少年、ラルク。聖国から義父のグルドを救出し、再び冒険の日々を送っていた彼はある日、神様から新たなスキルをもらう。そのスキルは新しい世界を創造するという、とんでもないものだった!とあるダンジョンで悪魔の女性を従魔にしていたラルクは、彼女や他の従魔と協力して理想の楽園作りをすることに。果物の栽培に温泉発掘などなど…。自由気ままに開拓していると、様々な種族がその世界に住み始めー!?無限の可能性を秘めた神童の異世界ファンタジー、第4弾!
魔法適性が「植物」だったせいで、家から追放された元貴族の青年、アシュト。彼は父の計らいにより、未開の森、オーベルシュタインの領主として第二の人生を始めるのだった。希少種族だらけの村の村長としてのんびり暮らすアシュトの家に、一人の男性が訪れた。彼はワーウルフ族というレア種族で、自分の村に疫病が発生したため、助けてほしいのだという。薬を用意して彼らの村に急行し、迅速な対応で村民を治療したアシュトのもとに、ワーウルフ族の少年がやってくる。彼はなんと、自分を弟子にしてほしいと言いだしー!?万能魔法師の異世界開拓ファンタジー、第3弾!
祖国エルサルバドルへの圧倒的な罵詈雑言と呪詛ゆえに作者の亡命さえ招いた問題作『吐き気ーサンサルバドルのトーマス・ベルンハルト』に加え、ひとつの事件をめぐって無数の異説や幻覚をもてあそぶ虚無的な生を描き出す「フランシスコ・オルメド殺害をめぐる変奏」、歴史の淀みにはまり込んだ罪なき市民が暴力の渦に巻き込まれる「過ぎし嵐の苦痛ゆえに」計3篇の「暴力小説」を収めた、現代ラテンアメリカ文学の鬼才カステジャーノス・モヤの広大な物語世界を凝縮した作品集。
高1の汐里は、父と離婚してから忙しく働いている母を支えるため、自分のことは後回しでバイトに明け暮れる日々を送っていた。そんなある日、汐里が仲良くなったのは、クールでみんなから距離を置かれているけれど、ひそかに女子の人気を集める同級生・晃。一匹狼に見えて本当は優しい晃は、汐里の健気さに惹かれていく。彼は、辛いことがあると爪を噛む汐里の親指に「絆創膏がわり」と言って、スマイルマークを描いてくれた。そんな彼を汐里も好きになるけれど、実は晃が、汐里の父の再婚相手の息子だとわかり…?一番近くて遠い場所にいる、汐里と晃。それでもずっと一緒にいたいと願い、運命に立ち向かうふたりの姿に、温かい涙があふれる感動の恋愛小説!!
この家に私の居場所はないー。母親を亡くした高校生の結月は、父の再婚相手の家族と馴染めず、切なさと孤独を感じていた。そんな孤独を紛らわすために、真夜中とある公園にたどり着くが、そこには、なぜかひとり星を見上げる男子がいて…。リツと名乗る彼は、「泣きたくなったらここに来ればいい」と優しく涙をぬぐってくれた。次第に彼に心を開いた結月は、何度も彼に会いにいくが、彼と真夜中にしか会えないのには、切なすぎる理由があった。「結月を悲しませるすべてのものから守りたい」-。リツが本当に叶えたい願いとは…。10代の切ない葛藤がヒリヒリと迫る。読後、心が温かくなる、感動の青春恋愛小説!第4回野いちご大賞大賞受賞作品。