2020年6月発売
引退を決心した71歳の精神科医のもとにやってきた最後の新患は、若くして希死念慮にとらわれた女性だった。精神科医は彼女の面談をとおして、他者とのかかわりを避けてきた自らの人生に向き合う。デンマーク人精神科医が描く、老いと死を静かに見つめる小説。
「わたしが取り返してほしいものとは…鶴屋南北なのです」不可解な依頼から事件に巻き込まれた森江春策。大道具の上に突如現れた男、振り子のような死に様、紙吹雪の中の女…鶴屋南北に操られているかのような連続死と芝居そのものの謎を追い森江は奮闘するのだが…。
東京の高級住宅街・松涛で窃盗事件発生との報を聞き、萩尾警部補は相棒の秋穂と現場に向かった。被害者でIT長者の館脇によると、盗まれたのは神から与えられたという伝説をもつ「ソロモンの指輪」で、四隠円かけて入手したものだという。キュレーターの音川は、指輪の盗難に暗殺教団が関わっており、館脇が命を狙われていると指摘。古代文明に精通した探偵・石神が館脇の警護につくがー。
文久二年(1862年)。酒を巡る騒動から6年、江戸は仄暗い不安に揺れていた。討幕の動きが日に日に強まるなか、甚夜は妖刀を巡る事件をきっかけに、幕府に忠義を捧げる会津藩士・畠山泰秀と出会う。泰秀は幕府存続という目的のため、鬼を使役する武士だった……。大人気和風ファンタジーシリーズの第四巻。武士と鬼ーー滅びゆく者たちの美学を描く幕末の物語。
高等部編突入! あいかわらずシナリオ改変しています!(無自覚) 侯爵家の嫡男として生まれたテオドールは、自分が異世界転生したことはわかっていても、そこが乙女ゲームの世界で、自分も攻略対象者のひとりだとは気づかずにいた。運命の相手・ミュリエルとも出会い、新しい人生を順風満帆に送っていたが、本人の意図しない行動が次々とシナリオ改変に繋がることに。乙女ゲームの世界に転生した自覚がある公爵令嬢のカトリーナやゲームのヒロインであるアイリーンが困惑する一方、魔王一派の暗躍はとどまることを知らず……!? 風雲急を告げる待望の第3巻!
ジルが学園のプリンセス候補に⁉ 1年半ぶりに学園に戻ることが決まり、友人たちとの再会を果たしたジルは、父親であるオーランシュ辺境伯が襲撃されたという噂を耳にする。犯行声明を出した集団を調べるうちに、気になる人物の存在が浮かび上がるが……? 一方、学園では創立記念の皇華祭を開催。皇華祭の『プリンセス』候補になったジルは、選考のための競技に参加することになってーー⁉
ダンブルドアは逝ってしまった。数々の謎、疑惑、使命、そして「R.A.B」のメモが入った偽の分霊箱を遺して。17歳、魔法界での成人を迎えたハリーは、分霊箱を見つけ破壊するため、旅立つことを決意する。一方、勢力を増したヴォルデモートは、ついに魔法界の支配へと動き出す。残る分霊箱は、どこにあるのか? あてのない旅は、ハリー、ロン、ハーマイオニーの揺るぎない友情にも、ひびを入れる。
ハリーたちは、分霊箱を探す旅の途中で、古い童話に記された伝説を知る。それは、ニワトコの杖、蘇りの石、透明マントという3つの「死の秘宝」。その一つを手に入れたヴォルデモートは、さらに勢力を増していく。死喰い人を総動員し、ホグワーツを包囲する。激しい戦いの中で、ハリーはついにすべての真相を知る。「一方が生きるかぎり、他方は生きられない」。最後に「死」を制する勝者は、はたして……。
再会を果たした勝利とかれんはーー。 秀人とともに日本に一時帰国した勝利のもとに、かれんが現れる。 たがいに想いながら、ぎくしゃくしたやり取りしかできない二人。--私たち、もうダメなの? 試練と波乱の恋の結末は!? 累計545万部突破(発行時時点)のシリーズ、最新刊にして最終巻。堂々の完結!! 〜前巻までのあらすじ〜 高校3年生になろうという春休み。父親の九州転勤と叔母夫婦のロンドン転勤のために、勝利は、いとこのかれん・丈姉弟と共同生活することになった。 5歳年上の彼女をいつしか愛するようになった勝利は、かれんが花村家の養女で、勝利がアルバイトをしていた喫茶店『風見鶏』のマスターの実の妹だという事実を知る。かれんも次第に勝利に惹かれ、二人は恋人同士となった。 大学に進学した勝利は、叔母夫婦の帰国と父親の再婚・帰京を機に、アパートで一人暮らしを始める。一方、かれんは、高校の美術教師を辞め、鴨川の老人ホームで働きながら介護福祉士を目指すことになる。 マスターと由里子との間に生まれた新しい命を、勝利とかれんも心から祝福する。しかし、絶望的な事件は起こった。 うちひしがれた勝利は、逃げるようにオーストラリアへ。研究者の秀人のもと、あたたかい人たちに囲まれ、その心は次第に癒えてゆく。一方、日本でもそれぞれの時は進み、ある事故の知らせで勝利は急遽帰国したのだった……。
人類を救うため、どん底令嬢が立ちあがる! 「ロメリア伯爵令嬢。君との婚約を破棄する」 アンリ王子がそう宣言したのは、魔王を倒した直後だった。 王子の側には聖女エリザベート、帰らずの森の賢者エカテリーナ、東方の女剣士呂姫が並び立ち、「役立たず」と弾劾の指を向ける。 だが王子達は知らなかった。 ロメリアには幸運を授ける『恩寵』と呼ばれる奇跡の力があることを。 婚約者を失い、仲間からも見捨てられたロメリアだが、彼女はくじけなかった。 祖国にはいまだ魔王軍がはびこり、魔族に囚われ奴隷となった人たちがいたからだ。彼らを救うため、行動を開始したロメリアの前に数々の困難が立ちはだかる。 まず軍隊が手元にない。傷を治す癒し手もいない。資金が無い。 しかしロメリアは、全ての問題をアグレッシブに解決していく。 「軍隊がない? 地方領主を脅して砦を乗っ取りましょう」 「傷を治す癒し手がいない? 教会と話をつけて融通してもらいましょう」 「お金がない? 商人たちと商談して、資金を出させましょう」 「手に入れた兵隊が新兵ばかりで使い物にならない? 魔物を退治して経験を積ませましょう」 そしてーーロメリアは忠誠を誓う者たちとともに、いま出陣する!
澁澤龍彦生前に企画されながらも実現を見ずに終った幻の選集が、半世紀の歳月を経てついに刊行。 第3巻は草迷宮、戦国茶漬、照葉狂言、ななもと桜、化銀杏、夜行巡査、貴婦人、瓜の涙、全8篇を収める。あわせて、澁澤龍彦の名品「ランプの廻転」も収録。 草迷宮 戦国茶漬 照葉狂言 ななもと桜 化銀杏 夜行巡査 貴婦人 瓜の涙 「ランプの廻転」澁澤龍彦
魔法学園に通う男子学生のスバルは、クールで巨乳な魔女・アルティマイアを師匠と慕って彼女に弟子入りしようとする。 だが実は師匠は難病に侵され、すでに終活中の身だった…! 絶望しかけるスバルだったが、ひょんなことから自分の精液が特効薬だとわかり、師匠に毎日汁を注いじゃうHな治療がはじまる。 師匠は肉体を、弟子は精液を。おたがいに淫らに与えあう師弟は、やがて惹かれあい、心と愛を捧げあう関係に進んでゆき…!? 男性向け小説サイト「ノクターンのベルズ」で好評のファンタジックあまあま学園生活ノベル、待望の書籍化!
私、町村梓は女子大で卒論に向けてギリシャ悲劇を研究している。横浜国際大学の演劇サークルに入って女優を目指している親友の美智に頼まれてギリシャ神話に題材をとった「イカロスの翼」という芝居の台本を書く羽目になる。梓には三島達夫という叔父がいて、幼い頃、失語症になったが『星の王子さま』の読み聞かせで治ったという。その叔父が、横浜国際大学の教授に赴任して梓の大学にゲスト・スピーカーとして講義をすることになった。その題目が「サン=テグジュペリのノブレス・オブリージュ」である。果たして達夫は何を話すのだろうか?
英国、17世紀。幽霊が憑依する体質の少女メイクピースは、暴動で命を落とした母の霊を取り込もうとして、死んだクマの霊を取り込んでしまう。クマをもてあましていたメイクピースのもとへ、会ったこともない亡き父親の一族から迎えが来る。父は死者の霊を取り込む能力をもつ旧家の長男だったのだ。屋敷の人々の不気味さに嫌気が差したメイクピースは逃げだそうとするが……。『嘘の木』でコスタ賞を受賞したハーディングの最新作。
雑誌「歴史サーチ」の編集部員・菅原誠一は、特集企画「八甲田山雪中行軍遭難事件」を担当することになった。遭難死した兵士の数が記録によって違うことに気づいた彼は、青森で取材を開始。当時の悲惨な状況を改めて知る。特集企画は成功を収め、社長からもう一度、特集を組むこと指示された菅原は、再び青森を訪れた。遭難死した兵士数の違いにこだわる彼は、遭難事件の半年後に病死した稲田庸三一等卒に注目。取材のため、地元ガイドの小山内ととともに冬の八甲田に足を踏み入れた、菅原が見たものとは一体ーー。話題の歴史小説『茶聖』の人気作家が、世にも有名な「八甲田山雪中行軍遭難事件」を題材に挑んだ、傑作クライムノベル!
27歳、元甲子園球児。地元の期待を背負い、プロ野球選手になるも戦力外通告。故郷から逃げ、今はスーパーで働く普通の男。それでも、人の夢を後押ししたい。35歳、お笑い芸人。芸歴15年。バイトしながら妊娠中の妻と安アパートで暮らす。売れなければ、もう食っていけないかもしれない。それでも、夢は諦めない。お笑いがなくても人は生活していけるし、世の中は回る。でも芸人がいない世界より、芸人がいる世界の方がずっと楽しい。憂鬱な気分も笑い飛ばす、感動の逆転劇!!
連合艦隊は奇策により、ラバウルに迫る米艦隊に大打撃を与えて撃退することに成功した。戦力を整えるための時間を稼いだ日本軍は、「信濃」「陸奥」の両空母と新型戦闘機「陣風」を配備するが、この戦力で次なる来寇に抗し得るのであろうか。日本の完全屈服を目論む米国は、首相となった山本五十六の講和の申し出をも一蹴、かつてない大兵力をもって攻勢作戦を発動した。果たしてこれが最後の戦いになるのか?山本が目指した日米講和は結実するのかー。シリーズ最終巻。