2020年6月発売
一九四八年、フランス。五ヵ月後の七十二歳の誕生日で引退することを決めた精神科医のもとに、最後の新患がやってくる。希死念慮や自傷の衝動に苦しむ彼女の名前は、アガッツ。カウンセリングを重ね、彼女に問いかけるなかで、精神科医は、患者の苦しみから目をそらし他者とのかかわりを避けてきたみずからの人生と、近づいてくる老いや死に対する恐怖を見つめなおす。デンマーク人臨床心理士による、孤独な魂の交流を描いた小説。
「わたしが取り返してほしいものとは…鶴屋南北なのです」不可解な依頼から事件に巻き込まれた森江春策。大道具の上に突如現れた男、振り子のような死に様、紙吹雪の中の女…鶴屋南北に操られているかのような連続死と芝居そのものの謎を追い森江は奮闘するのだが…。
東京の高級住宅街・松涛で窃盗事件発生との報を聞き、萩尾警部補は相棒の秋穂と現場に向かった。被害者でIT長者の館脇によると、盗まれたのは神から与えられたという伝説をもつ「ソロモンの指輪」で、四隠円かけて入手したものだという。キュレーターの音川は、指輪の盗難に暗殺教団が関わっており、館脇が命を狙われていると指摘。古代文明に精通した探偵・石神が館脇の警護につくがー。
侯爵家の嫡男として生まれたテオドールは、自分が異世界転生したことはわかっていても、そこが乙女ゲームの世界で、自分も攻略対象者のひとりだとは気づかずにいた。運命の相手・ミュリエルとも出会い、新しい人生を順風満帆に送っていたが、本人の意図しない行動が次々とシナリオ改変に繋がることに。乙女ゲームの世界に転生した自覚がある公爵令嬢のカトリーナやゲームのヒロインであるアイリーンが困惑する一方、魔王一派の暗躍はとどまることを知らず…!?風雲急を告げる待望の第3巻!
各種族を巻き込んだ争いも落ち着き、平和な日常を取り戻そうとするジル。およそ1年半ぶりにリビティウム皇立学園に戻ることが決まり、友人たちとの再会を果たすが、直後、ジルの父親であるオーランシュ辺境伯襲撃の噂を聞く。犯行声明を出した『亜人解放戦線』を調べるうちに、気になる人物の存在が浮かび上がる…。一方、学園では創立記念の皇華祭が賑やかに開催。皇華祭の『プリンセス』候補になったジルは、選考のための競技に参加することになってー!?「小説家になろう」の話題作、シリーズ書籍化第11弾!
ハリーたちは、分霊箱を探す旅の途中で、古い童話に記された伝説を知る。それは、ニワトコの杖、蘇りの石、透明マントという3つの「死の秘宝」。その一つを手に入れたヴォルデモートは、さらに勢力を増していく。死喰い人を総動員し、ホグワーツを包囲する。激しい戦いの中で、ハリーはついにすべての真相を知る。「一方が生きるかぎり、他方は生きられない」。最後に「死」を制する勝者は、はたして……。
オーストラリアから一時帰国した勝利。その前に現れたかれん。十か月ぶりに再会したふたりは、たがいに想いながら、ぎくしゃくしたやり取りしかできない。-私たち、もうダメなの?試練と波乱の恋の結末はどうなる?大人気シリーズ、堂々の最終巻!!
「ロメリア伯爵令嬢。君との婚約を破棄する」冒険の旅路の末に魔王を倒した直後、アンリ王子はそう宣言した。婚約者を失い、仲間からも見捨てられたロメリアだったが、彼女はくじけなかった。祖国にはいまだ魔王軍がはびこり、魔族に囚われ奴隷となった人たちがいたからだ。彼らを救うため、行動を開始したロメリアの前に、数々の困難が立ちはだかる。だが、彼女はアグレッシブに解決していく。「軍隊がない?地方領主を脅して砦を乗っ取りましょう」「新兵ばかりで使いものにならない?魔物を退治して経験を積ませましょう」「お金がない?商人たちと商談して、資金を出させましょう」そして、ロメリアは忠誠を誓う者たちとともに、いま出陣する!
魔法学園に通う男子学生のスバルは、クールで巨乳な魔女・アルティマイアを師匠と慕って彼女に弟子入りしようとする。だが実は師匠は難病に侵され、すでに終活中の身だった…!絶望しかけるスバルだったが、ひょんなことから自分の精液が特効薬だとわかり、師匠に毎日汁を注いじゃうHな治療がはじまる。師匠は肉体を、弟子は精液を。おたがいに淫らに与えあう師弟は、やがて惹かれあい、心と愛を捧げあう関係に進んでゆく。男性向け小説サイトで好評のファンタジックあまあま学園生活ノベル、待望の書籍化!
幽霊を憑依させることのできる体質の少女メイクピースは、母亡きあと、父方の一族の屋敷に引きとられる。メイクピースが生まれる前に亡くなった父は、死者の霊をとりこむ能力をもつ古い一族の出だったのだ。一族の不気味さに我慢できなくなったメイクピースは、屋敷を逃げだそうとするが…。『嘘の木』でコスタ賞を受賞した著者が、十七世紀英国を舞台に、逞しく生きる少女の姿を描く歴史ファンタジー。
世界登山史上最大級、百九十九人の犠牲者を出した八甲田雪中行軍遭難事件。百二十年前の痛ましき大事件に、歴史雑誌編集者の男が疑問を抱いた。すべての鍵を握るのは、白い闇に消えた、もうひとりの兵士。男は取り憑かれたように、八甲田へ向かうー。
27歳、元甲子園球児。地元の期待を背負い、プロ野球選手になるも戦力外通告。故郷から逃げ、今はスーパーで働く普通の男。それでも、人の夢を後押ししたい。35歳、お笑い芸人。芸歴15年。バイトしながら妊娠中の妻と安アパートで暮らす。売れなければ、もう食っていけないかもしれない。それでも、夢は諦めない。お笑いがなくても人は生活していけるし、世の中は回る。でも芸人がいない世界より、芸人がいる世界の方がずっと楽しい。憂鬱な気分も笑い飛ばす、感動の逆転劇!!
連合艦隊は奇策により、ラバウルに迫る米艦隊に大打撃を与えて撃退することに成功した。戦力を整えるための時間を稼いだ日本軍は、「信濃」「陸奥」の両空母と新型戦闘機「陣風」を配備するが、この戦力で次なる来寇に抗し得るのであろうか。日本の完全屈服を目論む米国は、首相となった山本五十六の講和の申し出をも一蹴、かつてない大兵力をもって攻勢作戦を発動した。果たしてこれが最後の戦いになるのか?山本が目指した日米講和は結実するのかー。シリーズ最終巻。