2020年6月発売
編集長・和田は、六道珍皇寺の井戸に消えた編集者・佐伯を追い京都に来た。一方、十津川警部はある討論会で、京都もアメリカの原爆投下目標だったと知る。佐伯の事件を追って京都に来た十津川は、六道珍皇寺と薬師寺をつなぐという謎のトンネルで現世とあの世がつながっている証拠を見つける。しかし十津川はある疑問を抱くー。京都を知り尽くした著者が、京都と戦争、京都人の本質をテーマに、幻想的な手法で挑んだ、意欲的エンターテインメント!
日本は未曾有の食糧難に襲われていた。橘トシ子19歳。大阪の旧家のいとはんは、国民学校の教師となるが、栄養不足で命を落とす子どもたちを何とか助けたいと願う中、少ない燃料で大量の穀物を食べられるポン菓子の存在を知る。一念発起、ポン菓子製造機を作ろうと使命感に燃え、製鉄所のある北九州に女ひとり乗り込み、工場を立ち上げるために奮闘するトシ子。子どもたちを飢えから救い、復員した人々にポン菓子売りの職を与えた、実在の女性の苦難を乗り越えていく姿に迫る、感動の物語。
那覇で占い屋を営む崎島乙郎。彼の運命は超常的な力を宿した美少女・仲村ヒカリとの出会いで一変する。彼女のアイデアで、崎島は霊感がある者を募り“ユタの館”を開業、一躍注目スポットに。だが、突如海から上陸した人ならざるもの・マリンコーに盛況はかき消された。国境を越えて無差別殺戮を開始したのだ。荒廃した世界を生き抜くため、残された人々の狂騒は激化するばかり。極限状態の果て、崎島たちはヒカリに隠された大いなる秘密を知り…。
新川綾が事故に遭い手術をした。綾には幼い娘・青葉がいるが父親である新川昭男は仕事でまったく連絡が取れない。青葉の叔父、秋山礼人は新川が重役を務める会社「ブッシュワッカー」に行くが、社長の城之内は新川への連絡自体を拒否する。絶対的独裁者の会長・座主の命令で、会社の地下の巨大な密室と化した迷宮で何かが行われており、新川はそこにいるらしい。すったもんだの末に、中に入ると、五人の男女の遺体が発見された。そして密室の中の密室、外側から鍵のかかったコンテナから、唯一の生存者が発見された。この事件はいったい何だったのかー秋山は独自に事件の再検討を行うが…。奇才が仕掛けるトリッキーな罠、罠、罠。真相に呆然となる野心溢れるミステリーの傑作!
職場でのあらゆるハラスメントに疲れきり、常日頃、屋上から身を投げたいという衝動に駆られる“私”。拠り所は三人の女の先輩だけ。ある日、先輩たちから渡されたのは、古くから受け継がれてきた絶望から抜け出すための「呪文書」だったが…(「屋上で会いましょう」)結婚・離婚・ハラスメント・突然死ー現代の女性たちが抱えるさまざまな問題や、社会に広がる不条理を、希望と連帯、やさしさとおかしさを織り交ぜて、色とりどりに描く9作品を収録。韓国文学を代表する人気作家チョン・セラン、初めての短編集。
「いちばん大きなカタストロフは、しばしば小さな足音で近づいてくる」第二次大戦前夜、オーストリア併合に至る舞台裏を、歴史の断片から描き出す。大企業家とナチ高官との秘密会合、オーストリア首相を恫喝するヒトラー、チェンバレンを煙に巻くリッベントロープ…。彼らの卑小で時に荒唐無稽な行動・決断が、世界を破局に引き込んでゆく。仏ゴンクール賞(二〇一七年)受賞作。
サラリーマンの櫻馬彰は、会社でのストレス発散のため、発作的に京都へ。祖父が好きだった和菓子を探し歩き、彼が青春を過ごした京大で祖父を偲ぶ。しかしひょんなことから、精神だけがタイムスリップし、祖父本人として、昭和初期の京大生として暮らすことに。個性豊かな京大生たちと友情を育み、ほほが落ちそうなほど美しい京都の菓子と、甘酸っぱい青春を味わう彰。しかし先の戦争で仲間のひとりが死んでしまう運命と知り…。仲間の運命は、そして彰は現代に帰れるのか?京大×和菓子×タイムスリップで紡ぐ、美味し懐かし青春物語!
晴香を守り切ることができなかった。自分の無力さを実感し、後悔の念に苛まれる八雲。始まりの場所で待っているー。再び現れた七瀬美雪を前に、八雲は重大な決断を迫られるが…。深淵の果てに、八雲が見たものとは。16年にわたって紡がれた、「心霊探偵八雲」シリーズ遂に完結!!
八雲の魅力をコンプリート!!シリーズ完結記念ファンブック!!スペシャル対談ー京極夏彦、藤巻亮太。八雲の歴史を振り返る著者ロングインタビュー。幻の1冊!?八雲の原点『赤い隻眼』を一部公開!!!八雲たちのその後を描く書き下ろし短編5編収録!!
病室で目を覚ました真尋は、ある日突然目の前に現れた死神から三十日以内に自分の命が尽きることを告げられる。今まで入退院を繰り返しずっと一人ぼっちだった真尋にとって、死ぬことは何も怖くない…はずだった。しかし不器用だけど優しい死神と日々言葉を交わすうちに、どんどん彼に惹かれている自分に気がつく。もっと生きたい。けれど、無情にも運命の日は訪れてしまう。そんな真尋に、死神は今までついていた“嘘”を告白しはじめるー。
「休部って、どういうこと?」あることがきっかけで走るのをやめる決意をした都。けれど同じ陸上部のエース有川は、そんな都の行動が許せず、納得がいかない。都の迷惑をかえりみず、“走る楽しさ”を思い出させようとしてくる。そんな資格、自分にはないのにー。「また一緒に走ろう。お前が戻ってくるの、待ってるから」自分の殻に閉じこもる都に、有川はそう告げ…!?
江戸幕府二五〇年。侍の世の終わりに見えたのは、円く優しい人の世の始まりー。押しかけ女房になった成瀬家の姫・澪。その夫で、徳川慶勝に忠実に仕える陸ノ介。現代の礎となる激動の時代、翻弄されながらも愛と信義を貫く夫婦の姿を繊細に活写した傑作時代小説。
家でも職場でも周りの人に冷たくされ、辛い思いばかりの人生を送ってきたOL・雨宮咲。挙句の果てに、残業帰りに落雷に打たれて死んでしまった…と思ったら、目の前に神様が現れて、『不幸だらけの人生は手違いだった』と謝罪してきた!お詫び代わりに異世界で人生をやり直すことになったサキは、せっかくなので5才の美少女に転生させてもらい、森でまったりのんびり暮らすことに。神様から授けられた全属性の魔法を自在に組み合わせ、無限に生み出せるオリジナルスキルを駆使して、気ままな引きこもりライフを楽しむ。従魔の猫・ネルに加え、熊のクマノさん親子とも仲良くなり、一生森から出なくていいかも…なんて思っていると、偶然にも、魔物に襲われている人間に遭遇してしまう。助けに入ったところ、なんと彼らは公爵家の一行で、サキを養子に迎えたいと告げてきて…!?転生幼女のハートフル異世界ファンタジー!
ある日突然、親友の佐藤春樹と一緒に異世界に転移した新田聖。聖が「主夫」というある意味レアな職業になったせいか、二人は様々なトラブルに巻き込まれ、退屈しない異世界生活を送っていた。魔法都市デウニッツにて、箒で空を飛ぶ魔法を習得した聖と春樹。資格試験に無事合格した二人だったが、突然光に包まれ、海の向こうのアルデリート魔王国に飛ばされてしまう。包丁を入手したり、ダンジョン探索したり、魔王国を満喫した二人は、デウニッツを目指して、箒で海を越えることに。しかしそんな旅の途中、この異世界にいるはずのない人物と再会するのだったー。主婦とオタクな大親友二人組が行く、異世界ファンタジー、第3弾!
高校生の明野樹は、ある日突然、たくさんの人々とともに見知らぬ空間にいた。イツキたちはこれから勇者として異世界に召喚されるらしい。この空間では、そのためにギフトと呼ばれるスキルが配られるという。しかし、それは早い者勝ちだった。当然勃発するギフト争奪戦。元来積極的な性格ではないイツキは、その戦いから距離を置いていた。だがそうなると、彼に与えられるギフトは残り物しかない。案の定、イツキが手にしたギフトは、最低ランクだった…が、最後の一個にはなんとラストワン賞=おまけがついていた。しかもそれは、「聖剣/魔剣召喚」という超レアなスキル。このスキルのおかげで、イツキの異世界生活は、彼の想像を超えて、波乱に満ちたものとなるー大人気、異世界集団勇者ファンタジー、待望の書籍化!
うだつのあがらない青年・レンは、仕事帰りに突然、異世界に勇者として召喚される。しかしすぐに人違いだったことが判明し、スキルも持っていないと言われて王城の魔術師に追放されてしまった。レンはやむなく冒険者ギルドの掃除依頼で日銭を稼ぐが、そんな中、とんでもない隠しスキルを発見する。なんと製作・入手したものが何でも上位互換されるという力があったのだ。チートスキルを活かして街の困りごとを解決し、鍛冶や探集を楽しんでいたのも束の間、隠しスキルの存在を知った王城の魔術師に逮捕されてしまう。レンはスキルと街の人達の力を借りて大脱走。ギルドの受付係や元衛兵、弓使いの少女といった個性豊かな仲間達を連れ、気ままな人助けの旅が始まるのだった。第12回アルファポリスファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。ヤケクソで挑んだダンジョンにて授かった力ー。スキル吸収・強化能力を駆使して、冒険者としての日々が始まった!ティンバー学園に入学後、高い実力を見せつけ一目置かれる存在となったサナトに、大貴族の嫡男であるセナードが決闘を申し込んでくる。仕方なく相手をするサナトだったが、決闘の最中、セナードの持つ家宝の武具から、悪魔の気配を感じ取る。サナトはセナードに力を貸し、後継者問題に潜む陰謀に立ち向かう!
謎の祭壇の上で目を覚まし、どことも知れぬ異世界を一人放浪することになった俺、伴杭彼方。どうやら訳の分からぬ何かにより、記憶といくつかの強力な能力を失ってしまったらしい。幸い、喰えば喰うほど強くなる“吸喰能力”は健在だし、生きていくにはとりあえず喰わねばならない。気に入らない強者を平らげて、気に入った弱者を助けていくうちに、徐蕨にこの世界での生活基盤も出来上がってきた。邪魔な裏組織は叩き潰し、ゴーレムを使った運送業も絶好調。そうして着実に力をつけていき、とある“迷宮”のボスを撃破した結果、封印の一部が解除され、俺の身体に新たな変化が起きるのだったー。全てを失ってこそ得るモノがあるー奪われたら奪い返す!最強の復讐を喰らわせて、どこまでも成り上がってやる!