2020年7月発売
ヴンダーカンマー(驚異の部屋)。それは近世ヨーロッパで作られていた珍奇な博物陳列室。いま、それを現代に甦らせようとする一人の少女がいた。渋谷唯香、十六歳。緻密な計算のもと、次々と集められていくおぞましきコレクション。それはいったい何のため?誰のため?最後に残された1ピースの空虚を埋めるものとは…。小説投稿サイト「エブリスタ」×竹書房が贈る禁忌のホラー、突き抜けたエグさがクセになる背徳のイヤミス!第1回最恐小説大賞受賞作。
クーデターで台湾に誕生した中華連邦は、その存在を確固とすべく、積極防衛と称して南シナ海やフィリピン北部へ侵攻した。中国製主力兵器の前に、フィリピン軍とベトナム軍は一蹴され、先島諸島にも危機が迫る。さらに増長する中華連邦は、その裏で驚愕の作戦を進めていた。日本の首都・東京空襲である。海自の八八艦隊と空自のF-35B艦載機隊は、北上する中華連邦・空母機動部隊の防壁になりうるのか!?権力欲と復讐、力を行使したいという人間の欲求が歴史を歪ませ、混沌に巻き込まれた男と女の苦悩が、悲鳴と絶叫となって空に、海に響くー。
住良木の過去を知る謎多き神の実在顕現、木戸・阿比奈江。そして水妖調査の中で出会ったゲロのオッサンことネプトゥーヌスとともに奥多摩のキャンプ地にやって来たゲーム部一行。出所不明の「水妖」の出現とオリンポス勢力の不可解な介入ー解決すべき問題はあるものの、まずは川辺でのカレー作りや先輩達の水着披露等、夏合宿を全力でエンジョイする住良木達。そんな彼等の前にオリンポス勢力の実在顕現が現れる!オリンポス勢力の目的、そして木戸先輩とネプトゥーヌスが抱える事情とは?巨乳で美人な先輩達とのウハウハでザブーンな夏合宿!あふれ出る母性を持った木戸の正体に“先輩”の反応はー?
盟友との再会、そして決裂。オープンワールド全土を巻き込むラストバトルの行方は。最強クライムアクション三部作ここに完結!
首都直下巨大地震のAI予告がひょっこり産み落とした異物。退避を拒んだ住民を前に、皇帝就任を宣言する男が現れたのだ。究極の凡人か、はたまた超人か。その従者となることを申し出た青年は、当初の目的を忘れ、皇帝とともに破滅へのカウントダウンを待つことを選んだ…。その時、もう一人の「陛下」は??タブーに挑む空前のファンタジー。
「年齢・性別・属性の異なるメンバーが夢の世界で生活を共にする」。特殊睡眠導入剤“フェリキタス”の開発で莫大な財を成した、ソムニウム社による極秘人体実験“プロジェクト・インソムニア”。被験者に選ばれた蝶野は、心に癒えぬ傷を抱えた失意の日々から一転、自らの願望を具現化できる“夢”の世界に魅了されてゆく。しかし、とある“疑念”の発露が、完全なる理想郷を突如おぞましい悪夢へと変貌させる。ここは夢か、それともー。蝶野のかつての盟友、蜂谷が囁く。「聞いたことないか?夢の中で死ぬと、現実でも死ぬっていう都市伝説」。世間を震撼させたバラバラ殺人事件、消えた天才ピアニスト、口径が合わない大量の銃弾、そして、終わらない殺害予告。幾重にも張り巡らされた“悪意”の連鎖が前代未聞の惨劇を呼び起こす。巧緻にして大胆不敵、期待の俊英による新感覚ミステリ。
現代文学の新星、乗代雄介が15年以上にわたり書き継いだブログを著者自選・全面改稿のうえ書籍化!書き下ろし小説、『虫麻呂雑記』(140枚)を併録。
地上から人が消え、最後の一人として生き残ったケイト。彼女はアメリカのとある海辺の家で暮らしながら、終末世界での日常生活のこと、日々考えたとりとめのないこと、家族と暮らした過去のこと、生存者を探しながら放置された自動車を乗り継いで世界中の美術館を旅して訪ねたこと、ギリシアを訪ねて神話世界に思いを巡らせたことなどを、タイプライターで書き続ける。彼女はほぼずっと孤独だった。そして時々、道に伝言を残していた…ジョイスやベケットの系譜に連なる革新的作家デイヴィッド・マークソンの代表作にして、読む人の心を動揺させ、唯一無二のきらめきを放つ、息をのむほど知的で美しい“アメリカ実験小説の最高到達点”。
日本が高度経済成長の頂点に向かっていた1970年、CM業界の末端に位置する弱小制作プロダクションに潜り込んだ吉野洋行・21歳。初めて監督したCMは、思いもしないトラブルに見舞われ苦いスタートとなる。次々と襲い来る困難にも負けず、クリエイターとして一歩ずつ成長していくー。度胸とアイデアで魔物ひしめく業界を駆け上がる、血湧肉躍の冒険譚!
忘れ去られた廃墟を甦らせる…しかしそれは、未来の廃墟でもある。“私”という旅人は、荒涼とした風景に思索をめぐらし、破片を拾い上げ、過去の事跡から連想の糸をたぐる。消え去ったさまざまな時間と空間を、いまここに呼び戻している。
難民問題が深刻化する近未来の日本。受け入れ派と排斥派が対立するなか、教育施設から脱走した難民集団『モグラ』によるテロ行為が頻発していた。警視庁公安五課の東郷は、一カ月後に控えたG20でドイツ首相の暗殺が企てられているという情報を掴む。暗殺計画の首謀者・村瀬は暗殺者を雇ったというが、年齢、国籍、性別、すべて謎に包まれていた。その頃、資金繰りに苦しむ会社経営者・香椎のもとに一本の電話が入る。香椎が元自衛官で、ソマリアで傭兵として暗躍していた過去を知っていた相手は、ある提案を持ちかける。東郷、香椎、謎の暗殺者ーそれぞれの思惑が交錯し、死闘が始まった!!生と死を裁くヴァルキリーは誰に微笑むのか。衝撃のサスペンス。書下し。
1937年の東京。隅田川で拾われた男が病院に運ばれてくる。身元不明の男は記憶を失っていたが、なぜかこれからやってくる戦禍の時代を知っているかのようだった。「遭難者」。とある北の国。猛吹雪の夜、図書館に一人の少年が取り残された。暖房もない極寒の館内。そこに突然現れた謎の男は少年を救い、やがて大切なことを伝え始めたー。「図書館の子」。時とたたかい、時に翻弄される者たちを描く全六編。
医大の解剖学実習で組まれたのは、異例ともいえる女性4人だけの班だった。城之内泰子教授の指導の下、優秀な成績で卒業した彼女たちは、真摯に医療の道を歩む。医学部不正入試と過酷な医療現場。5人の女性医師がつむぐ涙と希望。-そして秘められた意外な真実。デビュー作『サイレント・ブレス』で話題の現役医師が描く切実な人間ドラマ。
イタリアの美術館から盗まれたクリムトの絵画「婦人の肖像」が発見される。その絵を入手したのは評判の悪い美術商・吉崎為一郎だ。資金洗浄で生き延びてきた吉崎のバックには美術集団「朱鷺の会」がいる。有名実業家・清水谷貴実社長が、そのクリムトを30億で買うらしいと業界が騒いでいる。そんな中、明治初期に日本美術を精力的に集めたフェノロサのコレクションが密かに買い戻されていて、そこには一級品の北斎の肉筆画が存在しているという。どうやら件の朱鷺の会がその隠し財産を継承しているのではと噂されるが…。突然日本に現れた「クリムト」。美術愛好家たちを奮い立たせる幻のコレクション「北斎」。『大絵画展』『フェルメールの憂鬱』に続く、絵画ミステリー第3弾!!
警視庁捜査一課の青山陽介は、不可解な殺人事件の捜査で関わるようになった検事の稲城に、ある刑事失踪の調査を命じられる。向かったのは、事故死や病死と判断された人物の関係者の失踪が連続する武蔵野東署。美しき検案医・夏目塔子が関係するのか。そして稲城も失踪し、謎は深まっていく。青山は、同級生の“不安椅子探偵”小鳥冬馬に助けを求め、それらの背後にある大きな力の存在を知るー。新進気鋭作家が放つ、新感覚“警察ミステリー”!