2020年8月発売
繊細な鉛筆画と、美しい水彩画ミドルアースの決定的なイメージ!スケッチと初期のコンセプト画が満載。アイディアの段階から完成にいたるまでの過程が手にとるように分かる。本書のために新たに描かれた多数のフルカラーの絵やスケッチもふくめ、200以上の豊富な図版が掲載された決定版!
殻、空、虚、骸…あれは都市の、この世の、崩壊の音。富士が裂けた。電線のカラスが道にボトボト落下した。雨みたいにばらばらと人の死が降った。生き残った者は、ツルツルの肌を持つあのひとたちに奉仕した。パンデミック後の光景、時の層を描く小説7篇。
その目はあまりにも死んだ兄の目に似ていた。あの時、逆賊のテントで、みずからの手で殺したあの兄の目に…… 絶対平和主義を貫き、正しい生き方を求め、 最後には自死を選んだ伝記作家の名手ツヴァイクーー 聖書、聖典を材に、時代の「証人」として 第一次大戦中から亡命時代に至る激動の時代に書き残した、 人類永遠の主題「戦争と平和」をめぐる四つの物語。 本邦初訳を含む新編新訳。 シュテファン・ツヴァイクは、自死する前に、世界が彼に何をあたえ、そして奪ったかを書きとめた。その記述は、まぎれもない絶望の冷徹さからくる容赦のない正確さをもってなされた。彼は名声の喜びと屈辱の災禍を記録する。彼は、自分がそこから追放された楽園について語る。 ーハンナ・アーレント あなたこそは本当にわれわれの時代が必要としている、高潔なヨーロッパ精神の体現者です。このような人が現れるのをわたしは二十年来待ちわびていました。われわれロマンス語圏の国には、どうしてあなたほどのスケールの批評家がいないのでしょう! ーロマン・ロラン ツヴァイクの作品の多くは、無垢でありながら闇の領域に足を踏み入れてしまう人物の視点から語られている。わたしは常々、ツヴァイク自身は冒険をしないタイプの人、つまり彼が作品のなかで掘り下げて書いているのはあくまでも自分が興味をもった出来事で、彼自身の体験ではないのだと思っていた。だが事実はまったく逆のようだ。 ーウェス・アンダーソン
ー負けました。これをいうのは人生で何度目だろう。将棋に魅入られ、頂点を目指し、深みへ潜ってしまった男。消えた棋士の行方と魔の図式の謎を追って、北海道の廃坑から地下神殿の対局室まで旅が始まる。芥川賞作家が描く傑作将棋エンタテインメント。
誰もが孤独の部屋の中から、報われない愛の行き先を探している。1930年代末、アメリカ南部の町のカフェに聾啞の男が現れた。大不況、経済格差、黒人差別……。店に集う人々の苦しみを男は静かに聞き入れ、多感な少女を優しく包みこむ。だがその心は決して満たされないーー。フィッツジェラルドやサリンジャーと並ぶ愛読書として、村上春樹がとっておきにしていた古典的名作、新訳で復活!
いとこのサブリナの葬儀の前、美容部員のコリーナに祖母は言った。「あんたがメイクしてやりなさい」-サブリナは、黒髪に淡いブルーの瞳のとびきりの美人。なのになぜ、一族の悲運に連なるように、死を選ばなければならなかったのか。女たちは若くして妊娠し、男たちは身勝手に姿をくらます。だが一族の絆は固く、知恵のある祖母が、しばしば娘と孫を助ける。コロラド州デンバーのヒスパニック系コミュニティで、やるせない日常を生きるさまざまな世代の女たち。アメリカ建国以前からこの地に根ざしながら、非白人として疎外される痛みと苛立ちを描いて、一躍注目を集めたデビュー短篇集。2019年、全米図書賞最終候補作。
身長、寿命、インターネット、XVideos-21世紀、ピークに達したかに見える人間の能力と文化。だが、それはまだ前戯にすぎなかった。画期的人類史観を打ち立てる表題作はじめ長編3編を1冊に収録。
本番当日に失踪した舞台女優と数年ぶりに再会した脚本家の心に去来したもの(「不在の百合」)。かつての仕事仲間の訃報を私に告げた、意外な人物(「隠したこと」)。自堕落な生活を続ける後輩との会食で、私がとったある行動(「反復」)…。都会の片隅で生きる人々の埋もれた「真実」が明かされるとき、過去の重みが忍び寄る。佐々木譲が贈る渾身の人間ドラマ、全13篇。
それでも私たちは生きて、ゆっくりと消滅していくだろう。母と子、妻と夫、恋人、同僚、同級生…人々は親切に、礼儀正しく傷つけあう。「私たちの“ここ”と“今日”を記録する作家」が贈る、希望も絶望も消費する時代の生活の鎮魂歌。
伯爵令嬢のユフィは素敵な恋に憧れて婚活に励むものの、いつもシスコンな兄のネイトに邪魔されてばかり。血の繋がりはないけど、剣の腕前は騎士団一! その上類いまれなる美貌! なのに「俺のユフィは世界一可愛い。虫除けはしっかりやっておかないと」……溺愛をこじらせまくりの残念な兄。そんな時、侯爵令嬢の誘拐未遂事件が勃発。護衛となったネイトと共に騒動に巻き込まれて!?
王太子からの婚約破棄を喜んで受け入れ、無駄に有り余った魔力を駆使してスローライフを楽しむ元悪役令嬢シルヴィ。現在は魔物に襲撃されてしまった町を復興させるべく、前世の記憶をもとに新たな特産品やコンセプトカフェの展開を計画中。だがそれを引き金に隣国の陰謀に首を突っ込む羽目になり、ついにはシルヴィ自身がエセ側妃として後宮に嫁ぎ潜入捜査をすることに。彼女に想いを寄せつつもしがらみ故に自分を抑える第二王子・エドガーとしてはモヤモヤが止まらない !? 魔王級悪役令嬢と生真面目王子の破天荒スローライフ!
「男はね。女に上に立たれるのが嫌なんだよ」特例で女公爵になった途端、そんな理由で男から婚約破棄を申し込まれたルナータ。キレた彼女はこっちこそお断りだととっちめ、領地に引きこもり独身生活を謳歌することに。そんな中、森の小さな城で眠る麗しき青年を発見。目覚めた彼は何と突然ルナータの唇を奪ってきて!?実は百年前に魔法で眠らされた王だという彼の妙な距離の近さに戸惑いつつも、一緒に暮らすうちに頑なな彼女の心は和らぎ始め…
吉見駿は空想好きな中学生。祖父から受け継いだ「能力」によって、見たい風景を「見る」ことができる。小学生のときの親友・真夜の葬儀の帰り道、駿は河川敷で幽霊となった彼女に再会する。川で溺死した真夜は、死の瞬間の謎のために河川敷の、半径二十メートルの範囲に捕らわれてしまったという。塾からの帰宅途中、河川敷を自転車で走っていた真夜は川の方から「助けて!」という叫び声を耳にした。少女が溺れていることに気付いた彼女が川に入ったそのとき、木の枝を踏んだような音と共に意識を失ったという。「能力」のためか、自分だけが真夜の姿を見ることができると知った駿は、仲間と共に彼女の死の真相を探っていく。溺れていた少女を捜していくなかで、町の不良・郷原の関わりが見えてくるが……。
パイロットの夢に近づくべくCA採用試験を受けた治真。見事合格、同期の女性たちと訓練に入るが、実は彼には秘密がある。父が、航空事故を起こし引責したパイロットなのだ。けれど、その事件にはおかしなところがあった。素性を隠し有能な男客としてスタートを切った治真だが…。笑えて泣けるお仕事エンタメ、全六話。
VRゲーム『リアデイル』に酷似した世界で冒険者のハイエルフ"ケーナ"として生きる各務珪奈。 辺境の村に滞在する彼女のもとへかつてのプレイヤー仲間シャイニングセイバーから緊急連絡が入る。 魔物の群れが王都に向かっており、ケーナに救援を求めてきたのだ。 ケーナは魔物の主力部隊に立ち向かうために出立することに。 一方で巨大な亀の姿をした守護者の塔が現れるのだが、魔物と戦闘中のケーナに代わり、エクシズとクオルケが二人で対処せざるをえなくなりーー!? 200年後から始まるエルフの伝説、第5弾!!
没後80年記念作第二弾!文豪の「観念・人世」の世界を、原文に忠実な、ストレス0の美しい現代語訳でー金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長が1文1文まで完全監修&解説をした、制作陣入魂の一冊!