2021年10月20日発売
もう半年以上触れていない妻に赤ちゃんができた。どういうことだ!?「ピー」で光る息子の指。命が落ちたのは夫婦の谷(「畏れ入谷の彼女の柘榴」)。西暁には子守り上手の猿と、子供に悪戯するカニがいる。「人を愛せない」らしい俺が人を探す中、人の行かない場所で見つけたものは?(「裏山の凄い猿」)。人の形をした「心残り」がやってくる、特別なわが家。でもずっとそこで育んだ「正しさ」の中でじっといてるわけにはいかないんだよ、ブラザー!(「うちの玄関に座るため息」)
三人の従姉妹たちと暮らす「私」は、スカートをはいて通った小学校を卒業し、ぶかぶかの詰襟を着て中学校に通い始めた。みずからを「森の子ども」と呼ぶクラスメイトの少女と、ささやかな交流が始まるがー(「四月の岸辺」)。テロ事件を起こした教団を離れ、東京からひとり山梨の集落に移住した男は、子ども時代を「森の共同体」で過ごしたという青年と出会う。彼の眼はあまりに澄んでいたー(「導くひと」)。群像新人文学賞から現れた、揺らぐ時代の表現者。
その少女の歌を、聴いてはいけないー。神奈川県警少年捜査課の高尾が謎の高校生「オズヌ」と難事件に挑む!神奈川県内で薬物売買や売春などの少年犯罪が急増。一連の事件を洗い始めると、「ミサキ」と呼ばれるカリスマ的人気の女性ボーカルが浮かび上がってきた…!?
思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。現代日本に確実に存在する貧困、虐待、過重労働ー。「当事者でもない自分が、書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、社会の一員として、作家のエゴとして、全力で書き尽くした渾身の作品。
稀代のカリスマは、なぜ殺されたのか。“奇跡”の限界集落で発見された惨殺体。その背後には、狂気のテロリストによる壮絶な陰謀が隠されていた。否応なく迫られる命の選別、そして国民の分断ー。最悪の結末を阻止すべく、集落の住人・陽菜子は“死神”の異名を持つエリート官僚・雨宮とともに、日本の存亡を賭けた不可能犯罪の謎に挑む。
順風のときも希望を失ったときも“大人の童話”が道しるべになってくれる!仕事、人間関係、運を好転させる最強のメッセージ!
高知県を走る観光特急「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」の、雑誌記者・三杉克郎が予約をキャンセルした座席で、陰陽道の達人・高見恵二が殺された。十津川警部らは三杉を疑う。二日後、茅ヶ崎で元首相夫人・伊東宏子が殺された。高見と宏子は『日本』である全てを守るため「検閲」をする組織「日本桜会」の理事だった。三杉は太平洋戦争末期、国際法規違反の命令で特攻出撃した三杉の祖父・克馬のことを調べていた。祖父の特攻機「白菊」は、卑劣な特攻命令で高知の空から沖縄の海に飛んでいったのだ。その真相を探る三杉に何者かの脅迫がー。十津川は歴史の真実と、連続殺人事件の謎をめぐり闘う!
蜂矢徹郎、大学三年生。行動原理はもれなく内定獲得のため。常時スーツで(寝る時も!)誰に対しても敬語、友人の取捨選択は就活に有益か否か。周囲からは「就活侍」とイジられているがどこ吹く風。就活を一世一代の大勝負と見なして猪突猛進の徹郎に勝利の女神は微笑むのか!?進路に悩む学生と、未来に慄く全ての人に贈る長編青春小説!
東日本大震災で被災した三陸沖の有人島、天ノ島に現れた、NPO法人「ウォーターヒューマン」代表、遠田政吉。「復興のカリスマ」と豪語する彼は、見捨てられた島に支援隊を立ち上げ、救世主として君臨するが、復興支援金四億二千万円の横領疑惑が発覚する。島を復活させるための命の金が、たったひとりの男の私利私欲のために溶けて消えてしまったのだ。地元出身の新聞記者、菊池一朗は、島を冒涜した遠田の罪を追い、得体の知れない詐欺事件の解明に奔走する。
神社巡り、御朱印集めが趣味の高校生カップル、律と祈里。律には長らく思いを寄せられている香楓という幼馴染がいた。香楓はある日、二人のデート現場に先回りして現れるが…(「デイドリーム・デイ」)。駆け出しのエッセイスト・來女木誠は、編集者との打ち合わせの前に「縁切榎」に立ち寄る。そこには、入院中の父・ひろみの書いた絵馬が掛かっていた。誰もが息をのむような美貌を誇る父の、晩年の願いとは…(「チャーミング・マン」)。パワースポットを舞台に、一筋縄ではいかない男女や家族の関係を鮮烈に描き出す要注目作。
写真館を営んでいた父の影響で、カメラマンを目指すようになった匠海。父の死後、母との関係性が悪くなった匠海は,逃げるように東京の大学に入学し、写真を学び始める。しかし、待っていたのは、学費と生活費を稼ぐだけで精一杯の毎日。「これを乗り越えれば夢に近づける」と自分を奮い立たせていたが、ある出来事をきっかけに、休学を決める。実家にも帰れず、衝動的に向かった先は長野県・辰野町ーかつて父が蛍の写真を撮影した場所だった。なんの計画もなく訪れた匠海を出迎えてくれたのは、父が愛した美しい景色。そして、それぞれの事情により辰野で暮らす人々との出会いが、彼の心を変えていくー。自分の居場所を見つける物語。
幸せは蜜蜂が運んでくれる。 苦労人の養蜂家イヴァンと蜜薬師の花嫁アニャのもとに、新しい家族がやってきた──!? イヴァンとアニャ、ふたりの結婚を賭けて蒔かれた蕎麦の種は見事に芽吹き、アニャはようやく結婚を受け入れた。家族となったアニャとマクシミリニャンに、山暮らしの知恵や山の養蜂技術を教えてもらいながら、イヴァンの山暮らしはますます充実していく。 そんなある日、山の麓にある村マーウリッツァに向かったイヴァンとアニャは、お世話になっている草木染め職人の老婦人、ツヴェートが倒れているのを発見して…!? 苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が、幸せいっぱいに送る山の日々。 自然の恵みいっぱいの食卓に心がはずむ癒しの新婚物語、完結巻! 4万字大ボリュームの書き下ろし番外編収録!
不遇な運命を辿るはずが、最恐と恐れられる「氷の侯爵様」こと父ランベルトと暮らすユリアーナ。溺愛される日々を居心地良く感じていたある日、ランベルトに再婚の話が持ち上がり、ユリアーナはショックのあまり家出してしまう。ひとまず顔なじみの仲間たちと一緒にパーティを組み、冒険者に扮して旅をすることに。すると、ランベルトにそっくりな容姿を持つメンバー・アロイスの様子がおかしい。本人との特徴が一致しないばかりか、ランベルトみたいな“匂い”がするのだ。そんな中、娘の家出にショックを受けたランベルトの家出の報せが届き…!?父娘ゲンカの行方に、『世界の理』の謎に、ユリアーナの親戚問題まで、幼女は今日も次から次へとやることいっぱい!転生美幼女が愛と魔法で無双する、ほのぼのお屋敷ファンタジー第2弾!
レオンスと五人のお嫁さんたちの結婚式から五年ー。たくさんの子どもたちに囲まれて幸せに暮らすレオンス。だが娘のロゼーヌとネーリアが成長するにつれ、二人がレオンスと同じ転生者であると判明する。それもネーリアはなんと、かつて魔界を一人で火の海にした焼却士だったのだ。このままでは世界最強の刺客たちが娘を殺しにやってくるかもしれないと悩むレオンス。見かねた魔王が息抜きにと家族全員を魔界へ招待してくれるが、そこにかつてネーリアに故郷や家族を焼き尽くされた前魔王・ガルまで召喚されてしまう。ネーリアへ復讐するため、襲いかかってくるガル。「どうせ死ぬなら、妻と娘を守って死ぬか」『父親』レオンスの、命を懸けた戦いが始まる!
悪役令嬢(になるはずの)妹ディアーナを破滅エンドから守るため、攻略本作りに乗り出す公爵家嫡男・カイン。そんな彼に届いたのは、父からの留学命令だった。『妹の成長を一瞬でも見逃すなんて、耐えられない!』という訴えも虚しく、隣国の地を踏むことに。だが、寮で同室になったのは乙女ゲームシナリオの分岐で妹を側姫にして苦しめる、女たらしの第一王子!?カインは迷わず、破滅フラグをへし折るために動いていく。一方、ディアーナも兄に会おうと、ある計画へと勝手に動き出し…?「どんなに離れようとも、君の未来は俺が守る!」「ディは、お兄さまが大好きですのよ!」移ろいゆく季節のなか、約束を胸に兄妹が挑む!破滅回避のフルラブ・ファンタジー!書き下ろし番外編4本&巻末おまけ「虹になった魔法使い」&おまけ漫画を豪華収録!
「一生忘れられない結婚式にしよう」貧乏伯爵令嬢のアリスは幸せで満たされていた。婚約者のアーサーがウェディングドレスや結婚式会場、公爵邸の彼女の部屋など全てにおいて最高のものを準備してくれていたのだ。「人生で一番浮かれているかも」と無邪気に笑う彼に、愛しさが溢れていく。そんな彼の良き花嫁となるために、幼馴染であるグレイとの再会や、家庭教師からの嫌がらせをひとりで乗り越えるアリス。その一方で、彼女の変化に対し、過保護なアーサーは人知れず不安を覚えていて…彼のとあるひと言をきっかけに、初めての喧嘩にまで発展して!?
魔物ひしめく河流を生き延びて、数ヶ月。魔術の師匠・セレジュラに弟子入りしたアーリシアだったが、その平穏は唐突に破られる師匠を脅す暗殺ギルドの幹部が、依頼を手に現れたのだ。自分たちを利用しようとする相手に対し、彼女の答えは一つー「敵になった者はすべて殺す」。師匠の代わりに暗殺仕事を引き受けると、賊の内部へと潜り込んでいく!偽りの“仲間”との騙し合い、最恐の悪役令嬢カルラとの邂逅…少女を待ち受けるのは自由か、死か?大切な人のため、技を鍛えろ!武器を取れ!最強主人公が闘う、爽快バトルファンタジー第2巻!書き下ろし番外編2本&キャラクター設定集収録!