小説むすび | 2021年3月発売

2021年3月発売

不死者の弟子 3 〜邪神の不興を買って奈落に落とされた俺の英雄譚〜不死者の弟子 3 〜邪神の不興を買って奈落に落とされた俺の英雄譚〜

大精霊が封じられし杖を死守せよ! 《神の血エーテル》の材料調達のため、魔法都市マナラークに滞在していたカナタたち。 その最中、カナタは都市近郊の地下に誕生した蜘蛛の魔王・マザーを倒し、密かに都市を救っていた。 危機を乗り越えた魔法都市マナラークで、カナタはもう一人の異世界転移者・コトネと親交を深める。 そんな折、次なる魔物の脅威に備えるべく、あらゆる装備を使いこなす《軍神の手》を持つコトネに、大精霊が封じられた《赤き権杖》が王族より下賜された。 一方、その情報を掴んだ凄腕の盗賊団《血の盃》と《黒の死神》ロヴィスは、伝説の杖《赤き権杖》を狙い、結託してマナラーク襲撃を謀るーー! ポメラやコトネとともに応戦するカナタだったが、人類の脅威である《人魔竜》に数えられるリッチの少女も立ちはだかりーー!? 無自覚なままに最強になってしまった青年が、不死の少女と英雄に至るファンタジー、第3幕!

理不尽ゲーム理不尽ゲーム

欧州最後の独裁国家ベラルーシ。その内実を、小説の力で暴く。 群集事故によって昏睡状態に陥った高校生ツィスク。老いた祖母だけがその回復を信じ、病室で永遠のような時を過ごす一方、隣の大国に依存していた国家は、民が慕ったはずの大統領の手によって、少しずつ病んでいく。 10年後の2009年、奇跡的に目覚めたツィスクが見たものは、ひとりの大統領にすべてを掌握された祖国、そして理不尽な状況に疑問をもつことも許されぬ人々の姿だった。 時間制限付きのWi-Fi。嘘を吐く国営放送。生活の困窮による、女性の愛人ビジネス。荒唐無稽な大統領令と「理不尽ゲーム」。ジャーナリストの不審死。5年ごとの大統領選では、現職が異常な高得票率で再選される……。 緊迫の続く、現在のベラルーシの姿へとつながる物語。 “この小説が文学賞を受賞したとき、たくさんの賞賛とともに、批判の声もあがりました。 「そんなはずはない」というものでした" --作者 【著者プロフィール】 サーシャ・フィリペンコ 1984年、ベラルーシのミンスク生まれ。サンクトペテルブルグ大学で文学を学ぶ。テレビ局でジャーナリストや脚本家として活動し、2014年に『理不尽ゲーム』で長編デビュー。本書は複数の文学賞にノミネートされ、「ルースカヤ・プレミヤ」(ロシア国外に在住するロシア語作家に与えられる賞)を受賞した。 現在も執筆を続けており、ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチからも高く評価されている。 【訳者プロフィール】 奈倉有里 (なぐら・ゆり) 1982年東京生まれ。東京大学大学院卒。博士(文学)。訳書にミハイル・シーシキン『手紙』、リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』(以上新潮クレスト・ブックス)、ボリス・アクーニン『トルコ捨駒スパイ事件』(岩波書店)、『ポケットマスターピース10 ドストエフスキー』(分担訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ)、『ナボコフ・コレクション マーシェンカ/キング、クイーン、ジャック』(分担訳、新潮社)など多数。

千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女

著者

武川佑

出版社

文藝春秋

発売日

2021年3月26日 発売

人の運命を踏みにじろうとする本当の敵は誰か? 峠で茶屋の給仕をする娘・小鼓は、ある日すべてを失うことになる。 都から来た高僧・青蓮院義圓(のちの義教)が、故郷坂本の町を焼き払ったのだ。 義圓は小鼓の父を追って、坂本までやってきたらしい。 なぜしがない足軽にすぎない父の命が狙われるのか? しかも父は「良兼」という小鼓の知らぬ名前で呼ばれていた。 義圓が父に向って刀を振り下ろす寸前、小鼓は父の前に飛び出したーー。 その後の意識は小鼓にはない。 目を覚ました小鼓は、左の肩から先を失っていた。あのとき腕を切り落とされてしまったのだ。 なぜ私が腕を失わなければならなかったのか? 父親は何者なのか? この腕でどうやって生きていけばいいのか。 小鼓は、突如としてこの世の理不尽の渦に巻き込まれることになる。 だが、途方に暮れる小鼓が生き残る道を探る中で、父に手ほどきされた軍略の才能が自らにあることに気づく。 そうだ、誰も助けてくれないのなら、私は与えられたこの「力」で私を助ける! 小鼓は自らの力で戦場を渡り歩きながら父の謎を追い、そしてその謎の解明が、義圓への復讐心を育てていく……。 デビュー作『虎の牙』で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞した気鋭の書き手が放つ、渾身の書き下ろし長編。

断絶断絶

出版社

白水社

発売日

2021年3月26日 発売

ジャンル

〈ニューヨーク公共図書館若獅子賞〉受賞作品  中国が発生源の未知の病「シェン熱」が世界を襲い、感染者はゾンビ化し、死に至る。無人のニューヨークから最後に脱出した中国移民のキャンディスは、生存者のグループに拾われる……生存をかけたその旅路の果ては? 中国系米国作家が放つ、震撼のパンデミック小説!  6歳のとき中国からアメリカに移民したキャンディスは、大学卒業後にニューヨークへとやってくる。出版製作会社に職を得るも、やりがいは見出せない。だがそんな日常は、2011年に「シェン熱」が中国で発生したことで一変する。感染するとゾンビ化し、生活習慣のひとつを繰り返しながら死に至るという奇病で、有効な治療法はない。熱病はニューヨークへも押し寄せる。恋人や同僚をはじめ、人々が脱出していくなか、故郷のない彼女は、社員の去ったオフィスに残る。機能不全に陥った街には、もはや正気を失い息絶えた熱病感染者と自分しかいないーある日、彼女はついにニューヨークを去る決心をする。そして脱出の途上で、ある生存者のグループに拾われ、安全な〈施設〉へ向かうという彼らの仲間に入れてもらうのだが、それはキャンディスにとって、新たな試練の始まりだった……。

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