小説むすび | 2021年4月発売

2021年4月発売

怪と幽 vol.007 2021年5月(7)怪と幽 vol.007 2021年5月(7)

民話ーー昔話、伝説、世間話といった語り伝えられる物語は、いまも私たちの暮らしの中に息づいている。 明治から昭和にかけて、柳田國男をはじめとする民俗学者たちによって聴き集められた「話」は、一九七〇年代に興った民話ブームで大きな広がりを見せた。 全国の民衆から採集された「話」は、当時の記憶を残す一級資料として、その地に生活する人々の営みを真空保存している。 誰もが知る昔話「桃太郎」にも、様々なヴァージョンの類話が各地域に存在しており、そこには確実に語り手の体温が遺されている。 そして、ネット社会の現代でも「話」は、つねに変化を遂げながら脈を打ち、産声をあげ続けているのだ。 お化け好きをとりこにし続ける、愛おしき化け物のふるさと・民話の魅力を再発見しよう! 強力な連載陣もお見逃しなく! シリーズ最終編「了巷説百物語」が、ついに始動!! ●特集 LOVE 民話 【対談】京極夏彦×黒史郎  【寄稿】飯倉義之、伊藤慎吾、徳田和夫、花部英雄、廣田龍平、間宮史子 【インタビュー】板倉俊之(インパルス)  【再録】ざんねんな民話の世界 ●小説 京極夏彦、有栖川有栖、山白朝子、恒川光太郎、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介、波津彬子 ●インタビュー/エッセイ 小松和彦、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己、荒俣宏 ●グラビア 嘉村ギミ、芳賀日出男、佐藤健寿、新作能「アマビエ」、怪食巡礼 ●怪談実話 我妻俊樹、中山市朗、春南灯 ●お化け友の会ひろば 大倉流小鼓方・上田敦史、志村真幸、弘前乃怪、北陸怪談研究会、妖怪朗読家ゆうか、化け通『モンスターハンターライズ』  etc……

舞踏会舞踏会

発売日

2021年4月29日 発売

優雅で感傷的な自虐小説?繊細な含羞に裏打ちされた狂気? これも文学なのだ、ではなく、これこそが文学なのだ、と敢て言おう。 佐川恭一は、令和日本文学の、黒光りに輝く希望の星である。 ーーーー佐々木敦(ことばと編集長) 5編の妄想と諧謔によって綴られる佐川恭一ワールド全開の一冊。 妻と娘との三人家族のわたしは、職場でも家庭でも孤立していき、限られた小遣いの中でわずかな喜びを見出す日々。強靭な精神を持つ妻に太刀打ちできないわたしは家出することで抵抗するが ・・・「愛の様式」 苦手なドッジボールに誘われるまま参加したことをきっかけに、現実のぼくの心と体はどんどん乖離していく。十歳を目前にしたぼくはすべてを消し去ってしまおうと決意する ・・・「冷たい丘」 この世界はしらふで生きていられる場所じゃない。勝者しか存在を許されない会場で、ぼくたちは倒れるまで下手なダンスを踊り続けるしかない ・・・「舞踏会」など、「ことばと」掲載の表題作を含む5編を収録。 愛の様式 冷たい丘 舞踏会 ひだまりの森 友情(浜大津アーカスにて)

ひきなみひきなみ

著者

千早茜

出版社

KADOKAWA

発売日

2021年4月30日 発売

小学校最後の年を過ごした島で、葉は真以に出会った。からかいから救ってくれたことを機に真以に心を寄せる葉だったが、ある日真以は島に逃げ込んだ脱獄犯の男と一緒に島から逃げ出し、姿を消してしまう。裏切られたと感じた葉は母に連れられ東京へ戻るが、大人になって会社で日々受けるハラスメントに身も心も限界を迎える中、ある陶芸工房のHPで再び真以を見つける。たまらず会いに行った葉は、真以があの事件で深く傷ついていることを知りーー。女であることに縛られ傷つきながら、女になりゆく体を抱えた2人の少女。大人になった彼女たちが選んだ道とは。 【書店員の皆さんから熱い声続々!】 ●魂はつながる。 上辺だけの関係ではない、お互いをよりどころにし、求めているのが切実すぎる。 現代社会が生み出す歪みと実に激しい描写が混ぜ合い、その文学性に引き込まれていく。 二人の背負ったもの、葛藤、悲しみは現代にもつながっている。 ーージュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん ●今、ここで涙を流した自分が、 いつかその涙を忘れたとしても涙を流した過去はなくならない。 その過去が未来の自分をきっと抱きしめてくれる。 諦めること、逃げること、それができる強さは、いつか闘うための力になる。 諦めていい、逃げてもいい、いつかきっと闘える日が来るから。 ーー精文館書店中島新町店 久田かおりさん ●不満にあふれた現状を飛び越える。と口では簡単には言えるけど、 今いる場所で迷って諦めて踏みとどまっても、 それでも足掻いてでも前へ進んで行くかけがえのなさ。 ずっと一緒にいなくてもいい、 それでもどこかで誰かと繋がって心を共にしていれば、きっと良い方向へ光があたっていく。 ーー大盛堂書店 山本亮さん (※「もくじ」欄に続きます) (※こちらでも、書店員の皆さんから寄せられた感想をお届けします) ●闘ったり抗ったりする力がどうしても出ない時は、 自分のまま生きていけばいいとそっと背中に手を当ててくれる。 どうしようもなく弱ってしまった時には、優しく寄り添ってくれる友達のような本。 息がつまりそうなしんどさを抱えている人にぜひ読んでもらいたい。 ーー三洋堂書店新開橋店 山口智子さん ●真以と再会するまでのミステリーの行方に疾走感がとまらない。 自分にとっての美しいもの、自分が本当にやりたいこと、確かな強さを受け取った。 ーーうさぎや矢板店 山田恵理子さん (5月7日更新。コメントは、お寄せいただいたものを一部抜粋・編集しております)

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