2021年6月発売
時空の覇権を争う二大勢力“エージェンシー”と“ガーデン”の工作員は、あらゆる時代と場所に介入し、自陣に有利な未来を作り出すべく永い暗闘を続けていた。ある平行世界で二つの巨大帝国を壊滅させるミッションを成功させた“エージェンシー”の工作員レッドは、作戦遂行中ずっと、本来ならそこにいるはずのない敵の存在を感じていた。そして、激闘を終えた静寂の中で、“ガーデン”の工作員ブルーからの手紙を発見するー思いがけず文通を始めた彼女たちは、やがてお互いを好敵手と認めあうようになるが…ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞を受賞した、超絶技巧の時空横断SF中篇。
舞台は、1965年、ディープサウス(アメリカ最南部)、フロリダ州の美しい大学町。当時の湿度や空気、香りまでふっと漂ってくる。好奇心旺盛な青年の体験や思考を通して、私たちは、アパルトヘイト(人種隔離)が見せかけの平和の維持に機能していた時代や、今もアメリカの根底に横たわる分断の歴史を追体験する。
5年つきあった彼氏と別れた編集者の咲は、失恋の傷を癒す旅に出て雪山で遭難した。そこで自衛官の紘一に救助された咲は「あなたのこと、ずっと待ってました」と抱きつく。それから3か月、「交際ゼロ日」で結婚した2人。だが、結婚生活初日から価値観がスレ違い、数日で大ゲンカ。離婚を決意する。そして、同時に両家の父母にも離婚騒動が勃発し…。北川景子、永山瑛太ほか出演。「全員離婚家族」が巻き起こす人気ドラマが小説に!
地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費…『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。
緋雪の依頼を受けて、地図に記されていない封都インキュナブラへ向かったジル。そこは『喪神の負の遺産』-“旧神”を奉ずる者たちの魂魄を材料にして形作られた幻想の都だった。“聖母”アチャコと“神子”ストラウスの本拠地へと足を踏み入れたジルは、苦戦の末、絶対絶命の危機を迎えてしまい…!?「なろうコン」大賞受賞作『吸血姫は薔薇色の夢をみる』の100余年後の世界を描く人気シリーズ、第13弾!
魔王を倒すために勇者一行の一員として旅立った聖女は、道中に後輩の聖女見習いと婚約者だった勇者に裏切られ、殺されてしまう。死の間際、日本の女子高生だった前世を思い出すものの、何の役にも立たず花のモンスターに食べられてしまう。気がつけば、女子高生&聖女の記憶を持ったまま、上半身は人、下半身は植物のモンスター・アルラウネに転生していた。裏切り者に復讐はしたいが、地に生えているので移動はできず、魔物だからと退治されたくもない。よし、だったら光合成をしながら静かに暮らそう!平穏無事な日々を望むも、そうはいかないモンスター娘の徒然日記。
コミック版好評連載中! 高遠夜霧と壇ノ浦知千佳は、高校の修学旅行中、クラスごと異世界に召喚された。 賢者から《ギフト》を与えられたクラスメイトたちがほぼ全滅してしまう中、《ギフト》を受け取れなった二人は、夜霧が元々特殊な《即死能力》を持っていたのと、知千佳が壇ノ浦流弓術という古武術の達人だったのに加え、壇ノ浦もこもこという強力な守護霊が憑いていたこともあり、この世界で飄々と旅を続けていた。 しかし、この世界の神であるマルナリルナが死んだことで、元の世界に帰るために集めていた《賢者の石》が融合して女神となり、ルーと名付けられて夜霧たちの同行者になる一方、UEGと名乗る女神も復活し、この世界を滅ぼそうと動きはじめた。 ルーが完全復活すれば元の世界に帰れるらしいのだがーー
「ねえねえ、あなたはくさのせいれいさん?」俺の声が聞こえるハイエルフの幼女セフィとの出会いで、運命は動き出す。セフィに“ユグ”を名づけられ、エルフの里でのんびりと育てられることになった…かと思いきや、どうやらエルフは迫害を受け、逃げてきたらしい…。-エルフたちを守るために雑草は奮闘し、進化する!異色の雑草成長ファンタジー。
優秀なサンチェス公爵家には二人の姉妹がいた。姉のフローラは才色兼備かつ聖女候補。妹のカロリーナは地味で才能もない落ちこぼれ…そんなカロリーナのもとに隣国との関係調整のため第二皇子との縁談が舞い込む。ただし皇子は、野蛮で残酷無比と噂の人物。「私でも役に立てるなら」と政略結婚を受け入れるカロリーナだったが、嫁いでみると人生が一変。噂に反して紳士的な皇子や皇后に正当に評価され、自分を認められるように。一方王国に残されたフローラは不調続きでー第2回アース・スターノベル大賞、奨励賞受賞。
「会いたかった!」 「申し訳ないが、人違いだろう」 オリアナにとって公爵家嫡男のヴィンセントは優しく一途な、最愛の恋人だった。 幸せな学校生活を送っていたが、十七歳の春に二人とも謎の死を迎えてしまう。 ーー気がつくとオリアナは七歳の頃に巻き戻っていた。 入学式に念願の再会を果たすが、ヴィンセントには前の人生の記憶がなかった。 しかも、付き合っていたことをほら話だと思われてしまい、第一印象は最悪に……。 それでもオリアナは決意していた。この人生では必ず彼を守り抜くと。 彼が心配でなんとか傍に居続けようとがんばる女の子と、彼女が気になりながらも素直になれない男の子の、生きるか死ぬか二度目の魔法学校生活、スタート!
かつて“鬼才”と称された女騎士アメリアの転生者であり、国王ヴァルターの唯一の護衛役である貴族令嬢フローラは縁談話から逃れるため、ミスレナ商国に行くことに。出発前、“北の魔女”システィアに彼の地で薬草の採取を頼まれたものの、ミスレナに着くなり「トラブルメーカーだから」と単独行動を余儀なくされる。「こうなったら一人でさっさと依頼をこなして、二人の鼻を明かしてやる!」と息巻くフローラだったが、次第にアメリアとヴァルターにとって因縁深い暗殺者集団の陰謀が明らかになっていき…。前世で命を懸けて守った王子=現国王に振り回される、強くて可愛い転生女騎士の戦闘系!?ラブコメ第2巻!
202X年春、日中外相会議開催の四日前、尖閣諸島水域で石垣島の漁船二隻が、領海侵犯した中国海警船三隻に追い払われる事件が発生。そんな中、米インド太平洋軍司令部から、SLBM搭載可能の原子力潜水艦を含む三隻の中国潜水艦が所在不明との一報が入る。さらに中国艦隊が南沙諸島の太平島領海に急接近しているというのだ。次々と軍事行動を起こす中国。日本国内でも尖閣諸島を護れとの声が高まるのだが、政府は軍事衝突に発展するのを恐れ具体的に対処しなかった。国の対応に業を煮やしたある民間人らが尖閣諸島への上陸を企て、作戦を実行に移した!尖閣をめぐる日中戦争、ついに勃発か!?
同人女子とドルオタ男子の、偽装結婚から始まる楽しすぎる結婚生活。相沢咲月は普通の会社で働くOLだが、趣味で同人作家をしている。それは会社には秘密だ。そんな咲月はある日イベント会場で突然プロポーズされた。その相手はメガネ姿のドルオタ…じゃなくて、会社ではクールで知られる同僚の滝本さんだった!会社ではできるサラリーマン、でもプライベートではバリバリのオタクーそんな共通点がある二人の結婚生活が楽しくないわけなくて!?超打算で結婚する咲月と、打算の顔して実は咲月がずっと好きだった滝本さんの偽装結婚の話。
野生のJKとあだ名される柏野由紀子はひょんなことから異世界で大衆酒場『ニホン』を営むことに。彼女の人柄や料理の腕に惹かれ、有力者たちが次々と常連客になっていく。竜騒動も解決し、王都には無事平和が戻った…かと思いきや、移民の大量流入による区画整理のゴタゴタで、お店周辺がにわかに騒がしくなってしまう。常連客たちの勧めもあり、日頃の労をねぎらうため、海へとバカンスに出かけることになった大衆酒場『ニホン』のメンバーなのだが、行動力の塊である由紀子は、そこで『海の家』を開くことを思いついて…!
小説家としてデビューして4年。デビュー時こそもてはやされたが、今や確定申告の時に税務署の人にまで、生活できるのか心配されるほどの収入しかない。ある日、散歩がてら立ち寄ったデパートの屋上でできていた人だかりに、引き寄せられる。その日が、人生の変わり目となることも知らずにー。「猫」に人生を惑わされた人々の顛末はいかに!?
幽霊の存在については、それは肯定する人はいる。では、妖怪は?妖怪がほんとうにいると思っている人がどれくらいいるだろうか?しかも、おとなで!ひょっとして、富安陽子は、そういう数少ないおとなのひとりではないか、と私は感じていたのだ。インタビューなら、気がゆるんで、富安陽子の本音が出るのではないかと、私はそう思ったのだ。そうしたら…。富安陽子が生み出す妖ファンタジー×現実世界。その魅力の理由を、『ルドルフとイッパイアッテナ』の著者が解き明かす!
母のような女にだけは、なりたくなかった。「理想の妻」としての人生を全うした母。正反対の生き方を選んだ娘。幸せを手にしたのは、はたしてー。『主婦病』で絶大な支持を得た著者が描く、「家族」の呪縛を解き放つ感動作。
七百万人都市、香港。一人の少女が、スラムの闇に飲み込まれた。「ぼくは、彼女の人生を、まだ見届けていない」日本の大学に通う瀬戸和志は、亡き恋人の幻影に導かれ、建築学院の交換留学生として、再び香港の地を踏む。幽霊屋敷に間借りする活動家、ビルの屋上で暮らす船民、黒社会の住人、共産党員と噂される大物建築家。さまざまな出会いを経て、次第に浮かび上がる都市の実相。そして、彼女がひた隠しにしていた過去。「誰も、この街の引力には勝てない」“回帰”の時が刻一刻と近づく。いくつもの謎と、矛盾と、混沌をはらみながら、和志は、民主化運動の狂騒へ引きずり込まれてゆく。
ただ街を映すだけのライブカメラは、嘘のない「正しい」世界…。パンデミック下の孤独な者たちの群像劇。(『ただしみ』)。コロナ禍の新たな日常を送る、育ち盛りの中学生・玲奈のもとに、ある日突然おとずれた「濃厚接触」の知らせ(『腹を空かせた勇者ども』)。顔の見えない「ジェントルマン」の声に従い、反ユートピアの物語を紡ぐ男がくわだてる、脱ディストピアの叛乱(『オキシジェン』)。感染症を世界へ巻き散らすことを計画する組織“臆病なテロリスト、臆病な殺人者”に志願したわたしが出会った、究極の人工美を備えた女・アイラ(『MINE』)。死者は活発に人肉を求め、生者が死んだように隠れて暮らす世界で、ぼくは飼い猫を探す旅に出た(『天国という名の猫を探して悪魔と出会う話』)。最前線の作家たちが贈るもうひとつのパンデミック。