2021年7月発売
アンナの複雑な事情を知り、その悲しみを分かち合ったラシェル。 そんなある日、国王陛下からは王太子妃として認めるための難しい条件を提示されてしまう。 覚悟を決めたラシェルは、条件をクリアするために奔走するのだがーー 悪役令嬢が精霊と共に未来を変える、異世界ハッピーファンタジー、第三弾!
松山駅に到着した特急「しおかぜ3号」のトイレから、女性の刺殺体が発見された。被害者は竹内祐子、三十歳。お見合いパーティを主催する“ドリーミング・クラブ”の理事長だった。サクラを使ったり、ずさんな経営で会員からの文句も多く、恨んでいる者も少なくないという。何人かが容疑者として浮上するが、本命と思われた今中みゆきのアリバイを、何と十津川警部自身が証言することになったのだ…!?「海を渡る殺意ー特急しおかぜ殺人事件」等、トラベル・ミステリーの傑作四篇を収録。
サバイバル生活唯一の希望ーエルフとの交流。下心丸出しな大願を胸に最強モンスターユーノスは、彼女らとコスプレ撮影したり一緒に冒険したりと夢を膨らませながら、監視任務に没頭していた。その矢先、彼の願いを嘲笑うかのように大事件が勃発した。凶悪モンスター“森林の悪魔”が彼女たちを襲ってきたのだ。心のオアシスを守るため、ユーノスは立ち向かう!この事件のせいで危険種認定されたり、気狂い魔法使いに禁忌魔法で封じられたりしてもどこ吹く風。今こそ、エルフの花園をこの目に焼き付けんと、お調子者な彼はただ我が道を行くのだった。元凡骨青年のサバイバルファンタジー第2弾!
翻訳スキルを駆使して人や動物、魔物のトラブルすら解決!超お人好しな冒険者が人外パーティと紡ぐ、ハートフル冒険ファンタジー!
「おにーたま?」乙女ゲームの攻略対象キャラに転生したカインは、妹・ディアーナの愛らしさに悲鳴を上げた。この天使が、数多の破滅エンドを迎える悪役令嬢になるなんて信じられないーいや、そんな未来があっていいわけがない!強く拳を握ると、妹を優しい淑女へと育て上げつつ、ヒロインに成り代わって、他の攻略対象キャラたちの抱える闇を次々と払拭していく。頼りは前世のゲーム知識と孤児の侍従。全ては愛する妹のためー兄の挑戦が今はじまる!「おにーたま、ディ、にんじんもたべたのです!」「えらい!ディアーナは何て素晴らしいんだ!!!」今日も兄が妹を溺愛する、破滅回避のフルラブ・ファンタジー!大幅加筆&書き下ろし番外編4本&巻末おまけ「うさぎのみみはなぜながい」収録!
『堆塵館』でごみから財を築いた奇怪な一族の物語を紡ぎ、『おちび』でフランス革命の時代をたくましく生きた少女の数奇な生涯を描いた鬼才エドワード・ケアリー。その彼が本国で発表し、単行本未収録の9篇(『おちび』のスピンオフ的作品を含む)+『もっと厭な物語』(文春文庫)収録の1篇に、この短篇集のために特別に書き下ろした6篇を加えた、日本オリジナル短篇集。書き下ろしイラストも多数収録。ケアリーらしさがぎゅっと詰まった、ファン垂涎の一冊。
両親を事故で亡くした高校生の島津康平は、失意の日々を愛猫のクロに救われる。そのクロが、ある日どこからか謎の液体が入った瓶を持ち帰ってきた。うっかり瓶を割ってしまい、不注意で負った傷に液体がかかると、みるみるうちに傷が治っていった…。これって治癒ポーションなのでは!?瓶の出所を探るため、クロのあとをつけた康平が辿り着いたのは自宅の庭にある納屋。しかも、床にできた穴の先には、どこからどう見てもダンジョンとしか思えない風景が広がっていてー!?飼い猫とともに奮闘する日帰りダンジョン探索記。
熾烈な現代社会を生きる人間の愚かさ・愛おしさを、種の変化を予感させる特異な兆候をもつ人々“シントマー”を通してユーモラスかつスリリングに描き出す。現代韓国を代表する人気作家による、奇想天外なオムニバス風長編小説。
第165回芥川賞候補作 ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すがーー。 【著者略歴】 高瀬隼子(たかせ・じゅんこ) 1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学部文学部卒業。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞。2020年に同作でデビュー。著書に『犬のかたちをしているもの』がある。
榎本了壱は、少年期から、詩、ダンス、美術、デザイン、映像、演劇、出版、編集、俳句、そして、文化やアートイベントへと、奔放な遊牧民のように、領域を定めない表現の世界を越境し続けてきた。そして今、文章と絵画の一人コラボレーションで、渾身の吃驚奇想の迷宮世界を表出し始めている!
ひと味ちがう「怖い!」「不思議?」中国歴代の怪談・奇談集10作品に収められた怪異譚・奇談61話。鬼、鬼女、妖怪、死者と霊魂、不思議な現象など、日本の怪異妖怪にも通じる興味津々の内容。好評だった2002年のオリジナル版に新たに20点の挿画を加えた。
不妊治療の末、夫が浮気相手と子どもを作り、離婚した塔子。帰った故郷で見つけた亡き祖父のトランクは、異世界への扉だった。魔力が支配する過酷な世界「亜ノ国」に飛ばされ、塔子は村の娘ムリュの世話係を任される。一目会ったときから、なぜかムリュに夢中になる塔子。六十年に一度城で行われる「六祝の儀」にムリュも参加するというが、それは少女達が競い合う、命がけの儀式だった。塔子はムリュを守り、生き残れるのか。すべての母と娘に贈る感動の物語。第54回野間児童文芸賞作家初の一般向け長編!
建築会社に勤める勝人は、コーヒーショップ店員の華と運命の出会いを果たす。一目で心を奪われた勝人は、彼女との距離を少しずつ縮めていく。ところが、それから勝人は奇妙な子どもの姿を目撃するようになる。自分以外の誰にも見えない幻影に苦しめられながらも、華の優しさに救われる勝人。一方、華の弟である星也は、突然様子が変わった姉が気に入らない。華の彼氏は、本当に信用できるやつなのか?血のつながらない姉にほのかな恋心を寄せる星也は、親友の葉月とともに、勝人のことを調べ出すが…。あのとき、「わたし」が黙っていなければー。見て見ぬふりの負の連鎖が忌まわしき悪夢を招く戦慄のサイコ・ホラー。
二・二六事件と西安事件。1936年に起きた2つのクーデター事件をつなぐ見えない糸をたぐることによって、歴史の転換点を描いた傑作。命や名誉よりも大切な価値を知る者が真の英雄なのである。 ーー佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官) 時代の求めに身を呈した軍人、記者たちが作り上げる重層の歴史ドラマ。国境を越えて連鎖する事件の決行者の役割を照射することで、見えざる大戦前夜の構図が浮き彫りになってくる。日中の若き軍人が訴えた「兵諫」の思想とは。 ーー保阪正康氏(作家・評論家) 日本で二・二六事件が起きた1936年。中国の古都、西安近郊で、国民政府最高指導者、蒋介石に張学良の軍が叛旗を翻すクーデターが発生。蒋介石の命は絶望視され、日米の記者たちは特ダネを求め、真相に迫ろうとする。 日本では陸軍参謀本部という秘密の匣の中で石原莞爾が情報を操っており、中国では西安事件の軍事法廷で、張学良は首謀者ではないとする証言がなされた。 日本と中国の運命を変えた2つの兵乱にはいかなるつながりがあったのか。 「蒼穹の昴」シリーズ第6部は、興奮の軍事法廷ミステリー!
わたしの宿り主、チノンソ。ナイジェリア、ウムアヒア郊外で養鶏を営む彼は、橋かけ飛び降りようとしていた女性ンダリを助けた。ふたりは恋に落ちるが、チノンソに学歴がないことを理由に、ンダリの家族は交際に猛反対した。彼女と結婚するために、チノンソは家や鶏を売り、キプロスの大学に入学する。しかし現地に着いたとき、手続きを仲介した旧友にだまされていたとわかる。金もなく、家もなく、ンダリからも遠く離れたチノンソを、さらに苦難が襲う。数百年にわたり人間に宿りつづけてきた守り神“チ”-わたしーは、徹界の法廷でチノンソの人生を語りはじめる。西欧の語りとナイジェリアのイボ神話を融合させた、現代の『オデュッセイア』と評される文芸長篇。ブッカー賞最終候補作。