小説むすび | 2021年9月発売

2021年9月発売

眠りの航路眠りの航路

出版社

白水社

発売日

2021年9月1日 発売

ジャンル

父子二代の記憶へ漕ぎ出す鮮烈な長篇デビュー作 台湾を代表する作家であり、世界的に注目を集める作家・呉明益の長篇デビュー作の待望の邦訳。のちに『自転車泥棒』や『歩道橋の魔術師』にもつながる原初の物語である。 台北で暮らすフリーライターの「ぼく」は、数十年に一度と言われる竹の開花を見るために陽明山に登るが、その日から睡眠のリズムに異常が起きていることに気づく。睡眠の異常に悩む「ぼく」の意識は、やがて太平洋戦争末期に神奈川県の高座海軍工廠に少年工として13歳で渡り、日本軍の戦闘機製造に従事した父・三郎の人生を追憶していく。戦後の三郎は、海軍工廠で働いた影響から難聴を患いながらも、台北に建設された中華商場で修理工として寡黙に生活を送っていた。中華商場での思い出やそこでの父の姿を振り返りながら「ぼく」は睡眠の異常の原因を探るために日本へ行くことを決意し、沈黙の下に埋もれた三郎の過去を掘り起こしていく。三郎が暮らした海軍工廠の宿舎には、勤労動員された平岡君(三島由紀夫)もいて、三郎たちにギリシア神話や自作の物語を話して聞かせるなど兄のように慕われていたが、やがて彼らは玉音放送を聴くことになるのだったーー。

僕は婚約破棄なんてしませんからね3僕は婚約破棄なんてしませんからね3

僕こと、ラステール王国第一王子、シン・ミッドランドはお嫁さんのセレアを守るために日夜襲い掛かるゲームのイベントってやつと闘っています。「シン君は、やっぱり、私の王子様です!」そう言いながら追いかけてくるゲームのヒロイン、リンスさんは、相変わらずだけれど、ピカールたち攻略対象組のメンバーともだんだん親しくなってきました。そういえば、ゲームのマスコットキャラクターだという黒猫が現れたり、弟のレンが入学してきたりもありましたね…。だけどそんな中、僕らは目いっぱい、学園生活を満喫しました!そしてついに卒業パーティー、断罪イベントの日!僕は緊張して震えるセレアの手をぎゅっと握りました。そんな時ー「この場で、継承権を放棄すると宣言してもらおう」僕たちを断罪したのは、えええぇ、君ですか!?でも、なんの問題もないよね!僕たちには今まで築き上げてきた「絆」が、こんなにもたくさんあるんだから!十歳から始まる王子と悪役令嬢の物語、堂々完結!!

女王の日と雨鬼の国女王の日と雨鬼の国

出版社

創土社

発売日

2021年9月2日 発売

雨の中には鬼が棲んでいる。古代の賢者が書き遺した言葉は正しかった。 〈区外〉のあちこちで、小学生の子供たちが行方不明になったのは、全て雨降りしきる日であった。 そんな冬の午後、銀座通りを歩いていた通行人の前に、近くのビルから女が落ちて来た。 即死したはずの女は、手をかざした通行人に、上の子供を助けてと言い遺してこと切れる。 怯える少年の前に、雨の中から黒い影が近づき、連れ去ろうとしたとき、通行人が立ち塞がる。 六階分の壁を蛇のように這い登って来たのだ。 「うぬらは“雨鬼”か? ならば忘れはすまい、女王ミスティの名を」 奇怪なる死闘の果てに“雨鬼”たちは逃亡し、ミスティは姿を消した。 敵の正体はわかっていた。彼女の生きていた太古ーー“雨鬼”たちは人間を誘拐し、 気力を失った廃人にして帰還させたのだ。すべての子供たちを。 子供が明日への希望を失った世界は滅びるしかない。それこそが異世界の魔物たちの目的であった。 少年を庇ったミスティも〈区長〉との約束によってトラブルを起こせぬ“安らぎの日々”が続き、苦戦が連続する。 彼女に味方する〈区民〉は老妖術使いと彼が生み出した泥人間(ゴーレム)、そしてドクター・メフィストのみ。 だが、やがて、ミスティがその力を存分にふるえるただ一日ーー“女王の日”がやって来た!

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