2021年9月発売
23世紀頃の未来、ポストヒューマン化した人類は、技術的特異点(シンギュラリティ)を迎えた超AIの猛攻で滅亡寸前となり、太陽系の各地へと離散した。 それから10年……。 サイバーパンクとスペースオペラ、サイエンス・フィクション(科学小説)とスペキュレイティヴ・フィクション(思弁小説)が鮮やかに融合を果たす! 血湧き肉躍る大活劇、ファースト・コンタクトの衝撃……魂(エゴ)がデータとなった未来における身体性を問う最新のSFが集結。 ケン・リュウら英語圏の超人気SF作家と、さまざまなジャンルで活躍する日本の作家たちが競演する夢のアンソロジーが登場! (日本人作家の作品は、多くが書き下ろしです) ◎収録作家 ケン・リュウ マデリン・アシュビー カリン・ロワチー アンドリュー・ペン・ロマイン 図子慧 石神茉莉 伏見健二 伊野隆之 片理誠 陰山琢磨 吉川良太郎 平田真夫 待兼音二郎 岡和田晃・齋藤路恵 ◎目次 第一部 サンワード(内惑星圏)の冒険 しろたへの袖(スリーヴズ)〜拝啓、紀貫之どの●ケン・リュウ/訳・待兼音二郎 カザロフ・ザ・パワード・ケース●伊野隆之 おかえりヴェンデッタ●吉川良太郎 Wet work on dry land●片理誠 脱出拒否者●陰山琢磨 第二部 リムワード(外惑星圏)の邂逅 プロティノス=ラヴ●伏見健二 蠅の娘●岡和田晃(原案:齋藤路恵) 宇宙の片隅、天才シェフのフルコース●アンドリュー・ペン・ロマイン/訳・待兼音二郎 硝子の本ーーOriginal Version●平田真夫 泥棒カササギ●マデリン・アシュビー/訳・岡和田晃 第三部 再着装(リスリーヴ)の記憶 メメントモリ●石神茉莉 プラウド・メアリー〜ある女性シンガーの妊娠●待兼音二郎 恋する舞踏会●図子慧 再着装なんて愛の監獄●カリン・ロワチー/訳・待兼音二郎 *『エクリプス・フェイズ』用語解説や世界観紹介、年表、各作品の解説などもたっぷり掲載! 第一部 サンワード(内惑星圏)の冒険 しろたへの袖(スリーヴズ)〜拝啓、紀貫之どの●ケン・リュウ/訳・待兼音二郎 カザロフ・ザ・パワード・ケース●伊野隆之 おかえりヴェンデッタ●吉川良太郎 Wet work on dry land●片理誠 脱出拒否者●陰山琢磨 第二部 リムワード(外惑星圏)の邂逅 プロティノス=ラヴ●伏見健二 蠅の娘●岡和田晃(原案:齋藤路恵) 宇宙の片隅、天才シェフのフルコース●アンドリュー・ペン・ロマイン/訳・待兼音二郎 硝子の本ーーOriginal Version●平田真夫 泥棒カササギ●マデリン・アシュビー/訳・岡和田晃 第三部 再着装(リスリーヴ)の記憶 メメントモリ●石神茉莉 プラウド・メアリー〜ある女性シンガーの妊娠●待兼音二郎 恋する舞踏会●図子慧 再着装なんて愛の監獄●カリン・ロワチー/訳・待兼音二郎 *『エクリプス・フェイズ』用語解説や世界観紹介、年表、各作品の解説などもたっぷり掲載!
「過去なんて消してしまいたい」友達とのトラブルで深く傷ついた温美は、高校ではひとりぼっちの毎日を送っていた。ある日、夜間学校に通う雨夜くんと交換日記をはじめてから、世界が変わっていって…。イケメンで頭もよく優しく完璧な彼を、尊敬のまなざしで見つめ、惹かれていく温美。しかし彼も傷を負い、自分を削りながら「完璧な自分」を演じていたのだ。「完璧じゃない、そのままの君でいい」傷ついたふたりがぶつかり合い、手をとり合い、前を向いていく感動の物語。
舞台は室町時代、播磨国。律秀・呂秀の兄弟は、庶民を相手に病を診て、薬を方じ、祈祷によって物の怪を退ける法師陰陽師。だが、実際に物の怪が見えているのは弟の呂秀だけだった。ある晩、呂秀のもとに恐ろしい異形の鬼が現れる。鬼は、かつて蘆屋道満に仕えた式神で、三百年以上も新たな主を求めていたのだったー。新たな陰陽師ものの誕生!
新年の始まり以降、この国ではだれも死ななくなった。高齢で衰弱する皇太后陛下、成功確実な自殺者、交通事故で十二分に息絶えたはずの人体、致命的な墜落事故…。死の活動停止を寿ぐ歓喜の高波の一方で、商売の材料を奪われた葬儀業界、死の不在によってベッドが不足する病院経営者、生と死の循環が滞る老人ホームなど、危機に陥る人々。国境の村では、生死の需要と供給を補うためにマーフィアが暗躍し、死を求める人々を国外に運びだす。悲喜こもごもの事態の中、テレビ局の会長の手元に紫色の封書が届く…。ノーベル賞作家による驚愕の思考小説。
ウッドハウスの全小説中、否、世界文学史上、もっともイカれていて、ハチャメチャで、ナイスなキャラの持ち主といわれたフレッド伯父さんが、あのブランディングズ城で大暴れ。英国ウッドハウス協会の「一番好きな短編」投票でも堂々のトップを獲得した「ゆけゆけ、フレッド伯父さん」もあわせて収録。
人を凶暴化させる謎のウイルスに、マドンナこと高西麗子環境大臣が感染した。止まらぬ感染拡大、陰謀論者の台頭で危機に陥った、第二次武藤泰山内閣。ウイルスはどこからやってきたのか?泰山は国民を救うべく、息子の翔、秘書の貝原とともに見えない敵に立ち向かうー!!『民王』待望の続編!
栄えつつある神生島に、容赦なく戦争の足音が近づく。島の一族の百五十年を描く驚異の大河小説、波乱の第二巻! 一ノ屋の流れを汲む一橋産業は隆盛を誇り、島の人々の暮らしも少しずつ豊かになっていた。初の男子普通選挙が行なわれ、曰くありげな少女が一橋家を訪れる。火口への投身心中の流行を奇貨に、本土からの観光客も増えた。そうした人々の営みと繁栄の裏側で、平和な島にも戦争が影を落とし始めていたーー。三ヵ月連続刊行、激動の第二幕へ。
ファニーな幽霊たちが東京でとことん迷わせる。日本オリジナル小説、世界に先駆け刊行。コロナ禍とオリンピックで大揺れに揺れる東京を訪れた米国人作家夫婦が出会ったのは、ニッポンが誇る文化的英雄の幽霊たち(太宰、荷風、三島夫妻、黒澤明、宍戸錠、植木等、安藤百福、大松監督、ダダカンetc)。彼らはこの賑やかで寂しい都の何を見せようとしているのか? 狂騒的で、詩的で、懐かしい、〈もののあはれ〉な傑作長篇。
19世紀中盤のアメリカ・ヴァージニア州。黒人奴隷ハイラムは、美しい踊り手でもある奴隷の母と、奴隷主である白人の父とのあいだに生まれた。並外れた記憶力と祖母から受け継いだ神秘的な能力をあわせもつハイラムは、恋人との逃亡に失敗するが、黒人奴隷を逃すネットワーク「地下鉄道」の活動家に見出される。やがて自身もその活動に身を投じ、多くの奴隷たちの物語に触れるうち、自らの力の源である、失われた母の記憶を取りもどしてゆくー。トニ・モリスンが「ボールドウィンの再来」と絶賛した、いまもっとも注目される全米図書賞作家によるデビュー長篇小説。壮大かつエキサイティングな物語。
ジュリアン・バトラー。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称されたアメリカを代表する小説家。バトラーの生涯は長きにわたって夥しい伝説的なゴシップの靄に包まれていた。しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになるー。もうひとつの20世紀アメリカ文学史を描く壮大なデビュー長編小説。
《レギス3への着陸完了。サブ=デルタ92型砂漠惑星。われわれは第二手順に則ってエヴァナ大陸の赤道地帯へ上陸する》この通信から40時間後、まったく意味をなさない奇妙な音声を伝えてきたのを最後に消息を絶ったコンドル号を捜索するため、二等巡洋艦インヴィンシブル号は琴座の惑星レギス3に降り立った。そこは見わたす限りの広大な大地に生命の気配のない、赤茶けた灰色の空間であった。やがて、偵察のために投入された撮影衛星が人工的な構造物をとらえ、探索隊が写真が示す地点へと向かう。たどり着いたのは、奇怪な形状を有し廃墟と化した《都市》であった。《都市》の内部へと足を踏み入れ、調査を進める探索隊であったが、そこにコンドル号発見の知らせがもたらされる。急ぎ現地に向かった一行が目にしたのは、あたり一面に物と人骨が散乱し、砂漠にめり込んでそそり立つ、変わりはてたコンドル号の姿であった。謎に満ちたこの惑星でいったい何が起こったのか⁉ーー『エデン』『ソラリス』からつらなるファースト・コンタクト三部作の傑作のポーランド語原典からの新訳。 【目 次】 黒い雨 廃墟の谷間で コンドル 一人目 雲 ラウダの仮説 ロアン隊 敗北 長い夜 会話 不死身 訳者あとがき(関口時正) 解説 稼働する物語装置、星の啓示(沼野充義) スタニスワフ・レム年譜 黒い雨 廃墟の谷間で コンドル 一人目 雲 ラウダの仮説 ロアン隊 敗北 長い夜 会話 不死身 訳者あとがき(関口時正) 解説 稼働する物語装置、星の啓示(沼野充義) スタニスワフ・レム年譜
【TVアニメも大好評】シリーズ累計200万部(電子含む)の超人気作! クズノハ商会代表としての各国歴訪を終えて亜空に戻った真は、自分の商人としての考えの甘さを痛感していた。改めて人の悪意というものと向き合う決意を固めた彼は、ツィーゲの街の有力商人レンブラントを訪ねる。世の中の表と裏を知り尽くす大商人に教えを乞おうとした真だったが、反対にこの街で進行する革命の計画について意見を求められてしまう。発展めざましいツィーゲの街で、クズノハ商会がさらなる躍進を遂げる!?
主人公デロンダの「アイデンティティ追求」の果てに 行き着いたユダヤ人問題、特異な男女の愛と背徳を ヨーロッパの時代風潮と交錯させ描いた一大ロマン…。 イスラエル建国問題で「歴史を動かした」と評され、 賛否の論争を巻き起こした問題作、新訳で登場! 「この小説で異彩をはなち常に賞讃されてきたのは グウェンドレンとグランドコートの描写である。 『この作品の並はずれた力はきわめて不愉快な男の描写にみられる』 (『英文学史』1927)とラフカディオ・ハーンは言っている」 (「解説」より)。
主人公デロンダの「アイデンティティ追求」の果てに 行き着いたユダヤ人問題、特異な男女の愛と背徳を ヨーロッパの時代風潮と交錯させ描いた一大ロマン…。 イスラエル建国問題で「歴史を動かした」と評され、 賛否の論争を巻き起こした問題作、新訳で登場! 「この小説で異彩をはなち常に賞讃されてきたのは グウェンドレンとグランドコートの描写である。 『この作品の並はずれた力はきわめて不愉快な男の描写にみられる』 (『英文学史』1927)とラフカディオ・ハーンは言っている」 (「解説」より)。
身元を隠して辺境伯ディルクの屋敷でメイドとして働くことになった異国出身のシェーラは、ある日ディルクのお酒に付き合うことに。どうやら彼は何度目かの婚約者にふられてしまったらしい。反省を口にして酔い潰れた彼を介抱したところ、なぜか翌朝、真剣な顔で「責任を取るため、私と正式に恋人となってほしい」と告げられる。早とちりから始まった関係は、さらなる勘違いと誤解を生んで新たな事態を引き起こし!?