2021年9月発売
悪徳銘探偵メルカトル鮎に持ち込まれた「命を狙われているかもしれない」という有名作家からの調査依頼。“殺人へのカウントダウン”を匂わせるように毎日届く謎のトランプが意味するものとは? 助手の作家、美袋三条との推理が冴えわたる「メルカトル・ナイト」をはじめ、不可解な殺人事件を独自の論理で切り崩す「メルカトル式捜査法」など、驚愕の結末が待ち受ける傑作短篇集!
『江花病院』に長期入院している閉じ込め症候群の女性患者・岸部愛華が深夜に体調を崩した。当直中の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、愛華は妊娠していた。寝たきりの愛華は誰に妊娠させられたのか?病院は騒然となり、事件はマスコミに報道されて批判の嵐が巻き起こる。真理亜は真相を探るべく、話すことができない愛華のまばたきを通して彼女の“声”を聞くがー!?
暗黒宇宙よりの進行により太陽系は消滅し、滅亡の危機に瀕した光の宇宙。鉄郎は人類再生のために「銀河鉄道999」に乗り最大最後の旅に出る。今度の終着駅は惑星「エターナル」! そして、暗黒宇宙の女王・ダークウィーンと対峙したメーテルは、大きな決断を迫られつこととなる。
“ピンク映画”に出演することになった童貞大学生たちが自らに4つのミッションを課した。(一)女に慣れる(二)女子と話をする(三)女子と気楽に話す(四)童貞を捨てる。舞台は激動の1969年ー遅れてきた新鋭が描く新感覚時代小説。
神秘学に傾倒する伝説的実業家の住む洋館には、独自の英才教育を受けて育った4人の子どもが暮らしていた。当主の龍斎とその血族、奉公人たちの集う館に招待された聖は、徐々にその異様な雰囲気に飲み込まれていき…。読むほどに謎が深まる、再読必至の館ミステリ「魔術師」。ほか「模像殺人事件」を収録。
子どものために「童話」があるなら高齢者のための「老話」があっても良いではないか。人生を嘗め尽くした後、主人公たちに訪れる心が軽くなるような、清々しい笑いと感動と癒しの物語。田舎の山中の老人ホームが突然倒産した!取り残された老人たちの運命は!?痛快老人アクション「なでしこの里」ほか、心に染み入る10の老話集。
お母さん、聞こえますか? 私はこうして生きています。 幼少期、海外養子縁組に出されたナナは、フランスで役者兼劇作家として暮らす。 そんな彼女に突然、人生を変える2つの知らせが届く。 別れた恋人との間に子どもを妊娠したことと、韓国から来た、自分の人生を追ったドキュメンタリー映画への出演依頼と。 生みの親を知らないナナは、生まれてくる子どものためにも自分が“誰なのか”を見つけようとソウルへ向かう。そして、思いもしなかった人たちとの出会いから、35年前、駅に捨てられた暗い記憶の糸が少しずつほぐれていき……。 海外へ養子に出された子どもたち、米軍の基地村で生きた女性たち……。 現代韓国の歴史の中でなきものとされてきた人たちに、ひと筋の光を差し込む秀作長編小説。 第27回大山文学賞受賞作 韓国系国際養子のルーツ探しというこの小説の「特殊な」主題が、日本の読者の方々に「普遍的な」ものとして届くようにと、そして誰かがこの作品を読んでいるとき、生命への尊重や人と人との絆への信頼という明かりが灯ってくれたらと願っています。(「日本の読者のみなさまへ」より)
「15の頃は運命信じてたんだよ。おまえを手に入れて一生幸せにしてやろうって。可愛いもんだろ?」 出会った時から(ある意味)強烈で一途な想いを浴びる遙だが、偶然知紘の「母親」と知り合うことになり、自分の複雑な心中と向き合う…。 神代会で錚々たるオヤジ(ルビ:ヤクザ)たち相手にしたたかに立ち回る「極道」の顔と遙を守り愛する「恋人」の顔。遙が柾鷹に惹かれるのはどっち!? 戸惑う遙をよそに、その出会いは国を巻き込む事件へと発展し!? 大人気シリーズ、ついに15巻!
魔を祓う力を持つ討魔師となった慶次は、恋人兼相棒の有生とバディを解消し、別々の相手と組んで仕事をする日々。 他人となかなか相容れないはずの有生が新バディの嬰子と上手くいってることに慶次はなぜかモヤモヤする。 そんな時、親戚の和葉に、敵対する一族・井伊家から逃げ出した直純を助けてほしいと依頼される。 通常の依頼とは別なので久しぶりに一緒に行動できることに嬉しさを隠せない2人。 しかも道中、隙あらば慶次にエロいことを仕掛けてくる有生の愛が重すぎて…!?
老人となっても少年のまま、成長することのない病、クルベール病。 皇太子でありながらこの病に冒されたエルンストは、位を剥奪され、国内で最も貧しい領地メイセンの領主に任じられる。 初めて見る城の外の世界。微かな不安と、不思議な高揚。 エルンストは彼にひそかに想いを寄せメイセンまで追ってきた戦闘種族の男ガンチェと恋に落ち、共に生きることを誓う。 そして、窮乏するメイセンで極貧生活をおくる領民を救うため、二人は共に、未来に向けて種を蒔き始める。 だが、エルンストの病をめぐる謀略が明らかになり始め…!
「捨ててやった、クロードを。あのフランス人のドブネズミ」 あらゆるものに牙を剥き、すべての人間を敵に回す わきまえない女ハリエットの地獄めぐりがいま始まる…… 伝説の作家アイリス・オーウェンスの最高傑作にして 40年の時を超えて現代を撃つ、孤高の問題作! 〈この凄い小説の破天荒な語りを日本語にできるのは 渡辺佐智江さんしかいないと思い、薦めたらたちまち意気投合、 二人でオーウェンス・ファンクラブを結成した。 ぜひあなたも本書を読んで仲間入りを!〉若島正 真夏のニューヨーク、ハリエットは同居するクロードと仲違いしてアパートを追い出される危機に陥る。身を守るために悪戦苦闘する彼女を待ち受けていたさらなる地獄とは……速射砲のように放たれる、宗教・人種・セックス・フェミニズム等々のあらゆる問題を無差別攻撃した過激なセリフ、知的で過剰なユーモアにあふれた筆致で描かれる一人の女の残酷物語。『ロリータ』の版元オリンピア・プレスでポルノ作家として活躍し、スーザン・ソンタグをして「彼女は最先端(ヒップスター)」と言わしめた伝説の作家の鮮烈な第一長篇がついに邦訳!(1973年作)
ゲームでの攻略を進めるため、レベル上げにダンジョン攻略にと忙しくなるシロたち。高経験値のレアモンスターを狩ったり、新たなエリアへの鍵を手に入れたりと順調にゲームを楽しんでいたのだが、ゲームの世界を飛び出して、NPCの双子が現実世界に現れる。『DWO』を巡る大いなる謎が明かされる、お気楽VRMMOファンタジー第五巻!
レベル9999の仲間たちと無双の連続!!!!! 小説もコミックスも即・重・版の最強“ガチャ”ファンタジー待望の第2巻!! 世界最凶ダンジョン「奈落」の奥深くで追放を宣告され、命を狙われた少年・ライトは唯一もっているスキル《無限ガチャ》で最強の仲間たちを召喚し、圧倒的な力を身に着ける。 復讐に燃えるライトが次の目標に選んだのは、上級種族の筆頭であるエルフ女王国。そこには、かつてライトを冷酷に裏切ったエルフの美女・サーシャと、女王国最強の超エリート集団「白の騎士団」が居た。 サーシャたちをおびき寄せるため、たった一晩で「謎の巨塔」を造り上げたライトだが、その真の目的は自分が命を狙われた理由をエルフたちから聞き出すことにあったーー。 最強“ガチャ”ファンタジー、物語がさらに深まる第2巻!!
「小説家になろう」発、1,000万PV越えの大人気人生逆転スローライフラブコメ!! ブラック職場で地獄の日々を送っていた宮廷鍛冶師のフェイク。 あらゆる仕事を押し付けられていた彼は、いつしか人知れず宮廷一の鍛冶師となっていた! ある日そんなフェイクの才能を見抜き、人柄に惚れ込んだ隣国の公爵令嬢アリシアに彼は引き抜かれることに!? 「私の婚約者になってくれませんか?」 アリシアの告白を受け、彼女の家で鍛冶師としての新生活を送るフェイク。 客一人一人の適性を考え抜いたオーダーメイドの武器は話題を呼び、次第に人々を惹きつけてーー。 美少女令嬢に超溺愛されながら幸せを掴む、WEB発の大人気スローライフラブコメが、大幅増量&アリシア視点の書き下ろしストーリーと共に開幕!
どうにか病を乗り越え、屋台に復帰したアスタ。そんな彼を待っていたのは雨季だけに栽培される新たな食材たちだった。一つ一つ吟味しながら、アスタは皆と美味なる食事を作り上げていく。そして、ついに訪れるアイ=ファの生誕の日。アスタたちはアイ=ファへのプレゼントや美味しい料理など、準備を進めていきー雨続きでも楽しいことがいっぱいな第26巻!!
韓国で20万部突破のエッセイ! 「完璧でなくても平気。 それでもうまく回るから」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 著者はメチャメチャに散らかったキッチンを見て、まるで自分の心と同じだと告白する。 床に落ちたガラスの破片で足を切りながらも、子どもを安全なところに移す……。 そして浴室で泣きだしたらとまらなくなり、「私に必要だったのは涙だったんだ。つらい気持ちを吐き出す涙だったんだ」と気づく。 泣きたいときに泣ける秘密の場所をもつこと。 人のつまらない言葉は聞き流すこと。 SNSと距離を置くこと、たまにはひとりで映画を見に行くこと。 少しずつの積み重ねで、自分の人生は取り戻せる。 完璧でなくても大丈夫。 「良い妻」「良いママ」にならなきゃという強迫観念を捨てよう。 いつも周りのために頑張って、ほったらかしにしていた自分自身に、あたたかい言葉をかけてあげよう。 第一章 他人の視線から自由になる 第二章 やりたいことが何だかわからない私へ 第三章 君に会って知ったこと 第四章 寂しさにとらわれないために 第五章 自由に生きるために 第六章 自分と一緒にずっと幸せになる
承久の乱に勝利し、治天の君と称された後鳥羽院らを流罪とした「逆臣」でありながら、たった一枚の肖像画さえ存在しない鎌倉幕府二代執権・北条義時。謎に包まれたその姿を、小説・戯曲・論考から明らかにする。 2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」視聴者必読! 彼は筋を通した。歴史の動きを見誤まらず、一つの、しかし多分に危機を伴うかもしれぬ決定を敢えてした。政治とはそういうものではないだろうか。東国内の主導権争いは政治以前の問題である。が、日本の政治家たちは、いつの時代にも主導権争いに明けくれて、そのことが政治だとさえ思ってしまう。(…)義時がここで西国のトップと取引きせず、御家人の利益をまず前提に考えたところに、私は東国そのものとぴったり密着した彼の姿勢を感じる。ふつう権力を握れば、たちまちそれを支える階層からは遊離してしまうものだが、義時が東国武士団の利害を直接吸いあげることができたところに、彼のすぐれた政治的資質がある。もちろんこれは個人の資質だけの問題ではない。旗揚げから三十年、内部に諸問題を抱えてはいるものの、東国はまだ若い。生命力も溢れているし、自壊作用も起してはいない。その若さが、組織のトップに健康な判断を下させた、ということであろう。(永井路子「承久の嵐 北条義時の場合」より) 海音寺潮五郎「梶原景時」 高橋直樹「悲命に斃る」 岡本綺堂「修禅寺物語」 近松秋江「北条泰時」 永井路子「執念の家譜」 永井路子「承久の嵐 北条義時の場合」 三田誠広「解説 北条義時とは何ものか」
書き下ろし長篇歴史小説 2022年NHK大河ドラマ 『鎌倉殿の13人』を差配した影の主役、北条政子! 北条時政の長女であって宗時、義時の姉。源頼朝の正妻にして頼家・実朝の母。頼朝没後は尼将軍として鎌倉幕府を実質差配。幕府守護のためには実子も見捨て、承久の変では三上皇を隠岐などに配流した鋼鉄の女帝。 万寿(政子)は義時の正室の兄にあたる伊賀光季(みつすえ)と、大江広元の子息の大江親広(ちかひろ)を、京都守護として派遣した。後鳥羽院に無言の圧力をかける方策だった。 これらはすべて万寿が将軍職を代行して発令したものだった。実朝在世の時期からすでに万寿は鎌倉の最高権威であったが、将軍が不在となったいまは、その権威をあからさまに示して御家人たちを差配することになった。(中略)実際は万寿が幕府を差配し、「尼将軍」と呼ばれていた。--本文より