2021年発売
標的は、日本国民1000万人ーー。 羽田空港に突如、中国のステルス爆撃機が飛来した。 女性パイロットは告げる。「積んでいるのは核兵器だ」と。 核テロなのか、あるいは宣戦布告なのか。 警察庁の鶴来(つるぎ)は爆撃機のパイロットを事情聴取しようとするが、護送中に何者かに拉致されてしまう。 囚われた彼女を助けたのは鶴来の義兄で警備員の真丈(しんじょう)だった。 真丈は彼女に亡き妹の姿を重ね、逃亡に手を貸す決意をする。 核起爆の鍵を握る彼女の身柄をめぐり、中国の工作員、ロシアの暗殺者、アメリカの情報将校、韓国の追跡手が暗闘する。 一方、羽田には防衛省、外務省、経産省の思惑が交錯する。 いったい誰が敵で、誰が味方なのか。なぜ核は持ち込まれたのか。 爆発すれば人類史上最大の犠牲者がーーその恐怖の中、真丈と鶴来が東京中を奔走する。 『天地明察』、『十二人の死にたい子どもたち』、「マルドゥック」シリーズ等数々のヒット作を生み出した著者が、作家生活25年のすべてを込めた極上の国際テロサスペンス。 冲方丁デビュー25周年記念作品。 【プロフィール】 冲方 丁(うぶかた とう) 1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。 2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。 主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『麒麟児』『もらい泣き』などがある。
デビュー作『カモフラージュ』を超える衝撃。待望の最新小説発売。 本当の私は誰。 結婚、セフレ、パパ活、トラウマ……。不穏さで繋がる全5編。 たくらみに満ちた、著者の新境地。 「1 小夜」 「小夜と今年中に籍を入れたいと思う」。夕食の最中に告げられた、30歳の彼からの味気ないプロポーズ。23歳という自分の年齢が結婚に適しているのかどうか、小夜にはわからなかった。 「2 パンちゃん」 獣医の石川は、去勢手術をするたびに自分のモノが切られる夢を見る。そんなある日、友達以上恋人未満の女性とラブホテルへ行くことになりーー。 「3 ユイ」 恋愛シミュレーションゲームをプレイするがごとくパパ活女子との逢瀬を繰り返す星野は、これまで出会った誰とも違う、ある女子大生と出会う。 「4 ちぃ」 美大生の彼女が、才能と人柄にのめり込んだハジメ先輩。すべてを賭けて好きになったその恋の末路はーー。 「5 小夜」 誰もがうらやむ幸福な結婚式の、秘密。 【著者プロフィール】 松井玲奈(まつい・れな) 1991年7月27日生まれ。愛知県豊橋市出身。著書に『カモフラージュ』。
「離婚して10年、そして、私はようやく恋をした」。 パリで暮らすシングルマザーのマリエ。 小さな投資グループを主宰するアンリ。 2019年にはじまる、マリエとアンリの運命的な出会いの行方。 新しい世界の、永遠の恋を描いた、辻仁成の最新長編小説。 いまだ世界中で収束の兆しを見せない新型コロナウイルス。 長年パリで暮らす著者が、パリで暮らす女性を主人公に、コロナ以前と以後にまたがる運命の出会いと愛の奇跡を描いた長編小説。 パリでの生活を発信しつづけ、多くのファンを持つ著者による、この時代にしか書けなかった大人の恋愛小説。 【著者略歴】 辻仁成(つじ・ひとなり) 東京都生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。作家・詩人・ミュージシャン・映画監督と幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版Le Bouddha blancでフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『日付変更線』『父 Mon Pere』『エッグマン』『真夜中の子供』『84歳の母さんがぼくに教えてくれた大事なこと』他、著書多数。
戦国末期、三木城主の別所長治は、信長に叛旗を翻す。織田勢を率いる秀吉の猛攻に耐え、籠城戦が続くなか、飢えに苦しむ領民は、究極の選択へと追い込まれ…華々しい合戦絵巻の裏側に存在したひたむきな生の物語。
〈氷と炎の歌〉で描かれる世界の300年前、東方のヴァリリアからドラゴンを従えてウェスタロスを征服したエイゴン一世に始まるターガリエン家の治世を綴った年代記。原書を二分冊・2カ月連続刊行。本書を原作にした米ドラマ「House of the Dragon」が製作中
「学魔」高山宏による超絶翻訳いよいよ登場 中野好夫、平井正穂、富山太佳夫、そして朝日新聞で進行中の柴田元幸ら、名だたる訳者が挑戦してきた英国18世紀の名作に「学魔」高山 宏が挑戦する。 「英国十八世紀文学叢書」全6巻はこれにて完結! 高山新訳計画上等 臥薪嘗胆十年待望 中野平井勿論結構 富山柴田当然最高 超絶神訳愈々登場 猥雑饒舌自由奔放 開巻驚奇多事多端 英国名作眼前一変 <目次> 第一部 リリパット渡航記 第二部 ブロブディングナッグ渡航記 第三部 ラピュタ、バルニバルビ、ルグナグ、グルブドゥブドリブ、ジャパン渡航記 第四部 フウイヌム国渡航記 第一部 リリパット渡航記 第二部 ブロブディングナッグ渡航記 第三部 ラピュタ、バルニバルビ、ルグナグ、グルブドゥブドリブ、ジャパン渡航記 第四部 フウイヌム国渡航記
デビュー作『法廷遊戯』が、ミステリランキングを席捲! 弁護士作家、弩級の第2作 <STORY> 若き家庭裁判所調査官・瀬良真昼(せら・まひる)。 どんな少年も見捨てない。 そう決めて彼らと向き合ってきたはずだった。 しかし、狐面の少女が犯した凄惨な殺人事件を目の当たりにして、 信念は大きく揺らぐ。 不可解なことに、被害者は全員同じ高校に縁のある人々だった。 被害者遺族の男子高校生を担当する真昼は、 思わぬ形で事件の真相に迫りーー? 圧巻の青春リーガルミステリー!
あなたの絶望を確かめましょうーー。現代の「祈り」と「贖罪」を描いた、破格の新人現る! 「噓の仕立て屋」を生業とするサチのもとへ、二人の少女が訪ねてきた。数日後、片方の少女がビルの屋上から身を投げ、サチは残された少女を“逃がす”ことに。彼女を追う謎の男とヤクザたち。一年前の〈未成年売春婦殺人事件〉と少女たちの恩讐渦巻く関係とは。そして、彼らを待ち受ける「門」の向こうの世界とは一体ーー。
冴えない男と秘密を抱えた美女の間に割り込むアンドロイド。奇妙な三角関係のゆくえは? 独身男のチャーリーは、母親の遺産を使って最新型アンドロイドを購入した。名はアダム。どんな問題も瞬時に最適解を出すAI能力を利用して、チャーリーは上階に住む女子学生ミランダと恋仲になることに成功した。だが彼女は重大な過去を秘めており、アダムは彼女に恋心を抱きはじめる。人工知能時代の生命倫理を描く意欲作!
料理が下手でフラれた私。 嫌いな言葉は「料理は愛情」-- 料理嫌いな優花は、ずっと好きだった真島に高級バレンタインチョコを渡すも 「好きな人に手作りチョコをもらったから」と振られてしまう。 真島が憧れていた相手は料理教室の先生だった。 その日から、彼女の格闘と迷走が始まった! 自炊に挑戦し、料理男子と合コンし、初めて「みりん」を購入するも 料理が上達するどころか好きにもなれずに苦悩する日々。 “料理は愛情”というけれど、料理が嫌いな優花の愛情は一体どこにーー⁉
37年ぶりに再会した瞳子と亮。かつて恋人同士だった二人は、今も変わらぬ互いへの思いに気づく。だがそれぞれ妻として、作家として生きるためについた嘘が次第に暴かれていき…カンレキの恋を描く感動作。
新米魔女のメイは使い魔を召喚したところ、なぜか容姿端麗な高位魔族が現れてびっくり! 可愛い黒猫のはずがなんで!? ギルと名乗る彼に強引に契約を結ばされてしまう。普段は寝てばかりのギルだけどトラブルが起こるたび強力な魔力で助けてくれる。しかしある時、騒動に巻き込まれて使い魔契約の証であるブレスレットを壊されてしまい!?
長男の智晴(ちはる)を産んだ由紀子は、優しい夫と義理の両親に囲まれ幸せな家庭を築くはずだった。しかし、双子の次男・三男が産まれた辺りから、次第にひずみが生じていく。死別、喧嘩、離婚。壊れかけた家族を救ったのは、幼い頃から母の奮闘と苦労を見守ってきた智晴だった。智晴は一家の大黒柱として、母と弟たちを支えながら懸命に生きていく。直木賞候補作『じっと手を見る』の著者が描く、心温まる感動の家族小説。 ひとつの家族の一代記みたいなものを書きたいと思ったのが最初のきっかけです。それも「普通の家族」ではなく、シングルマザー、離婚家庭など、そのときどきによって有機的に形を変えていく家族を書きたいと思いました。世間から見たら歪なものであっても、それでも「家族」なんだよ、どんな形をしていても「家族」としてどれも間違ってない、ということを伝えたかったですーー窪美澄 ははのれんあい 目次 第一部 第一章 かぞくのはじまり 第二章 せかいのひろがり 第三章 ちはる、あにになる 第四章 かわっていくかぞく 第二部 第一章 ちはる、ははになる 第二章 ちはる、こいをしる 第三章 あたらしいかぞくのかたち
ムーミンママの明るくてほっとする一言にいやされましょうームーミン谷の知恵をいっぱいつめこんだ、あなたへの一冊。
小田原を抜けてしばらく経った頃、国道沿いに元プロレスラーが営む「ルート517」という店が見えてくる。 ドライブインというより、大衆食堂というのにピッタリなため、「国道食堂」という名もある。 この店の食事は、どれも美味しいが、ちょっと変わっているのは、プロレスのリングがあること。 さまざまな人々が集うこの店には、偶然か運命のいたずらか、とんでもないことが起きることがあって……。 好調シリーズの続篇刊行! CONTENTS 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー 加藤和美 三十八歳 保険外交員 池野美智 三十四歳 総合商社徳萬 アグリビジネス部一課マネージャー 高幡しずか 三十六歳 ネイチャーフォトグラファー 賀川みさ子 七十一歳 〈国道食堂〉従業員 賀川ふさ子 七十一歳 〈国道食堂〉従業員 鈴木みのり 二十四歳 株式会社日番印刷 インハウスデザイナー 桜川順子 三十六歳 巡査部長 武蔵野警察署大尽稲荷前駐在所 育休中 小村美也 十七歳 治畑市立東第一高校三年 久田亜由 二十七歳 株式会社ニッタ 機器オペレーター 夏川伊久美 六十九歳 元女優 有宮波乃 三十四歳 茶道講師 高幡しずか 三十六歳 ネイチャーフォトグラファー 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー 二方将二 二十九歳 マンキュラスホテル東京 料飲部企画課ディレクター 二方一(将一) 三十四歳 俳優 本橋十一 五十八歳 〈国道食堂〉店主(元プロレスラー) 黒岩蘭子 三十三歳 トラックドライバー
母と父代わりの伯父に会わせるため、初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。だが時間になっても現れず、彼はそのまま姿を消した。光一は限界集落をテーマにしたフォトエッセイを連載しており、ふたりは結婚後、地方移住の計画を立てていた。自宅のPCに転送された写真を手がかりに、光一の妹・美彩と足取りを追う途中、希美は光一の元交際相手・優子も失踪していることを知る。二人は一緒なのかー?悲しみと怒りを抱えつつ婚約者の足跡を追う女性がたどり着いた衝撃の真相!『白砂』の乱歩賞作家が放つ書下し社会派サスペンス。