小説むすび | 2021年発売

2021年発売

シンデレラの眠れぬ夜シンデレラの眠れぬ夜

疎遠の父に日陰者扱いされてきた娘は、 恋も、愛も、すべてが怖ろしくて……。 私を妊娠して捨てられてもなお、父を想い続けて一生を無駄にした母。 そんな母を見てきたので、シャーロットは恋愛に臆病になっていた。 ある日、父の突然の事故死で、莫大な遺産を継ぐことになり、 シャーロットのもとに警備会社経営の大富豪ジェイスが派遣されてきた。 たくましくて男らしい、黒い瞳と髪を持つ端整な彼に、思わず胸が高鳴る。 だが、働きながら大学院に通い、苦学の末に社会に出た芯の強い彼女には、 護衛は必要なかった。疎遠な父の遺産なんて放棄するつもりだから。 一方ジェイスにとっても、守るべき相手との特別な関係は禁忌だった。 惹かれ合うはずのないシャーロットとジェイスだが、 相続の話し合いのためNYへ向かう機上、唇と唇が触れ合い……。 王道シンデレラ・ストーリー『ガラスの靴のウエイトレス』(I-2637)の関連作です。ベテラン作家スーザン・メイアーの描くヒロインは、自立心が旺盛な努力家で、好感度抜群! 疎遠の父がNYの大富豪だったとわかっても、独立独歩を貫こうとするヒロインにご声援を。

ジーナの小さな秘密ジーナの小さな秘密

私が守るべき秘密ーーそれは、 私を捨てた彼の娘を、産んだこと。 ある日、事故で頭を打って救急搬送されてきたイタリア人を見るなり、 看護師のジーナは凍りついた。なぜ、マルコがロンドンに? 3年前、出張先のフィレンツェで医師の彼に出会って強く惹かれ、 めくるめく6週間を過ごしたのに、あっさり別れを告げられたのだ。 その後、ジーナは娘をーーマルコの子を産んだが、彼はそれを知らない。 妊娠を伝えようとしたが、電話でも手紙でも連絡がつかなかった。 そこまで嫌われているのなら……。そう思い、あきらめたのだった。 今、病室で意識を取り戻すも、記憶喪失に陥ったマルコの言葉に、 ジーナはうろたえる。「なぜか、君とは親しい仲だった気がするが?」 娘のことは言わないわ! 冷たい彼にもう傷つけられたくないから。 「君との将来は考えていない」かつてマルコに投げつけられた台詞を忘れられないジーナ。もしもマルコに娘の存在を明かしたら、今度は娘が傷つくと考えます。けれども、マルコは偶然ジーナの娘を見かけたとき、その瞳の色から、自分の子だと気づいてしまい……。

秘密のまま別れて秘密のまま別れて

おなかに小さな命がいると知ったのは、 無一文で路上に放り出されたあと……。 「社長から、電話を取り次ぐなと言われておりますので」 ギリシア大富豪クリストの秘書の返答に、エリンは愕然とした。 クリストと同棲していたのに、理由も告げられずに突然捨てられ、 エリンは気まずくなって、彼が所有するホテルでの仕事も辞めた。 すべて忘れよう……。そう思った矢先、妊娠しているとわかったのだ。 収入もないので、せめて援助を、と必死で彼の実家にも連絡したが、 息子はもうすぐ結婚するから関わるなと釘を刺されたのだった……。 3年後。困っていたエリンに働き口をくれた現在のボスに呼ばれ、 オフィスの中へ入ると、そこにいたのはーー エリンの仕事場であるホテルを買収しにやってきた、クリストだった! 〈授かり子を密かに〉と題し、シークレットベビーがテーマの珠玉作をお贈りします。3年前の別れ際、クリストとのあいだに小さな命をーーしかも、男の子と女の子の双子を身ごもっていたエリン。そうとは知らないクリストは、なぜか怒りに満ちていて……。

伯爵が愛した灰かぶり伯爵が愛した灰かぶり

伯爵の目に飛び込んできたのは、 王女のドレスをまとった、清貧の乙女。 両親亡き後、エレナーは老婦人の付添人としてつましく働いていたが、 ある日突然、婦人の親戚ラヴェナム伯爵からプロポーズされる。 ハンサムでやさしい彼を密かに慕ってはいたけれど、 話が合う君となら、ベッドで飽きてからも穏やかに暮らせるだろうから、 などという理由で結婚なんて。ショックで逃げ出したエレナーは、 ひょんなことから、さる公爵未亡人の町屋敷で世話になることに。 事の顛末を聞いた公爵未亡人は面白がり、伯爵の追跡をかわすため、 エレナーを豪華なドレスと宝石で飾り、架空の国の王女に仕立て上げた。 変装の成果を試したい夫人に、あらゆる夜会や舞踏会に連れ出されるが、 そこには必ず、怒りにたぎるまなざしのラヴェナム伯爵がいるのだった。 ヒストリカルのベテラン人気作家アニー・バロウズが贈る『公爵の秘密の願い』の関連作です。伯爵は、エレナーの変装も、彼を欺くことになり自己嫌悪に陥っている彼女の心もお見通し。公爵未亡人の前では調子を合わせながらも、ある夜ついにしびれを切らしーー

伯爵家の事情伯爵家の事情

不埒な侯爵に物申すはずが、 身も心も囚われて……。 誕生日の夜、ロス侯爵グレイは社交界の集まりから屋敷へ戻り、 書斎に足を踏み入れたとき、ただならぬ気配を感じて身構えた。 そこには、薄汚い服を着たひどい身なりの少年が一人。 少年は銃を構えて叫んだ。「妹の純潔を奪って孕ませた責任をとれ!」 世間から罪作りな男と呼ばれてはいるが、まるで身に覚えがない。 グレイは隙をついて銃をたたき落とし、少年を床に組み敷いた。 よく見れば、艶やかな肌に、丸みを帯びた頬、豊かなまつげ……。 少年のだぶだぶの上着の下に手を入れ、体に触れるーーこれは、女だ! だが次の瞬間、銃を取り返そうとする“少年”ともみ合った勢いで 弾丸が飛び出し、体を貫かれたグレイは、崩れるように気を失った……。 少年に扮したヒロイン、ケイトは、責任として養育費を支払わせようと、ただ脅すだけのつもりでした。けれども銃の暴発に動転し、侯爵を家に連れ帰って必死に看病することに。眠る侯爵は地上に落ちた大天使のように美しく、彼女は思わず見とれてしまうのでした。

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