2022年11月28日発売
舞台はゴールドラッシュに沸く一九世紀ニュージーランド。隠者の死、娼婦の悲劇、金鉱掘りの失踪…。事件の真相を求める一二人の男たちの会合に新参者が闖入し、輝く者たちは運命の天球を廻りはじめる。鏤められた手がかりが加速度的に繋ぎ合わされ、緊張ののち全ての謎が解きほどかれる、超大作ミステリー。二〇一三年ブッカー賞受賞。
小学6年生の夏、マンモス団地「ニジノマチ」に引っ越した。恋しては振られ、告白しては振られること14人。でも隣にいるあの子にだけは、告白しなかった。恋じゃないつもりだったー。笑って泣ける、ほろ苦い恋の「自伝風」小説。
小説家志望の青年・佐倉愁が住むことになったいわくありげな洋館。いかにもな新居で愁の前に現れたのは、裸にYシャツの美少女幽霊、さくらだった。さくらの過去、巷で起こる怪事件をめぐる、“さくらいろ”ドキドキ同棲生活がはじまる。
渋谷ホームレス殺人事件から丸2年。いま問いかける“普通の人々”の実相!気がついたらいつのまにかホームレスになっていた66歳の十和子さん。その十和子さんをなんとか助けようと孤軍奮闘する公務員の永山くんー日ごと酷さを増す社会のひずみに陥る“普通の人々”の実相を、元公務員作家が巧みなフィクションで描く!
家族を失い、人と関わらず生きる僕は、教室の隅でモノクロの絵ばかりを描く日々。そこへ儚げな雰囲気を纏った少女、水無瀬月が現れる。絵を通じて距離が縮まるうち、次第に彼女に惹かれていく。しかし彼女の視界からはすべての色が失われていき、“幸せになればなるほど死に近づく”という運命を背負っていた。「君を失いたくないー」月夜の下、消えゆく彼女の輝きを見つけるために僕は走り出すー。満月の夜の切なすぎるラストに、心打たれる感動作!
大学の映画科で学んでいるサードは、イケメンでプレイボーイなカイと親友同士。強引なカイに振り回されることもあるけれど、何をするにも一緒の大切な存在だった。しかし、サードには誰にも言えない秘密がある。それはー出会った頃からずっと、カイに恋をしていること。恋人や遊び相手が途絶えないカイの恋愛相談を聞きながら、“親友”という近いようで遠い距離に一喜一憂する日々。そんな中、突然カイの態度が恋人に接するかのように甘くなって…!?繊細な恋心を描いたタイBL感動作。
一九三〇年代、ファシズムの嵐が吹き荒れる欧州。超人的な量子技術の開発に成功した“結社ナザレ”は、冷酷な叛乱分子ブライアンの手によって壊滅する。だが、ナザレ主事の檄により、死の瞬間に肉体を離脱したショウやミヨたち結社メンバーは、一九九〇年東京に転生し、量子の力を操る秘密組織“真理の種”を結成。スイスの地下帝国から量子マイクロチップで世界を支配するブライアンら“創造の戦士”との決戦に挑む…。二つのパワーの激突により拓かれる想定外の未来。この本はあなたの意識に覚醒をもたらす!
人類は『すあま』と呼ぶ高度AIに世界の管理を任せていた。その『すあま』がシミュレーション演算を繰り返して導いた結論は、「人類を滅ぼすことが世界の滅亡を回避する唯一の手段である」というものだった。人類は、『すあま』率いる無数の機械兵によって滅亡寸前にまで追い込まれた。それから50年が経過した。生き残った人々が新たな社会を作り始めている中で、少女ライナは親の形見である軍用ライフルを手に、町から町へと移動する隊商の護衛をしていた。そんな彼女の前に現れたトンボ型の機械兵。それは人間の生存を確認した『すあま』が人類を根絶するために放った切札だった。彼女は、仲間を得ながら、次々と襲い来る機械兵と戦い、『すあま』の本体が存在する中心領域へと向かう。彼女の旅の結末は、読者の選択によって変わる。