2022年11月発売
理想と現実に引き裂かれる曖昧なる人間の愚かさを見つめ、キリスト教社会の欺瞞、西欧社会の偽善を炙り出すー『白鯨』の著者メルヴィルが世界の破滅絵図として描いた大長編の問題作。全二十六の書のうち、イザベル登場によりピェールの反逆の人生の火蓋が切られる“第十二の書”までを収録。
理想と現実に引き裂かれる曖昧なる人間の愚かさを見つめ、キリスト教社会の欺瞞、西欧社会の偽善を炙り出すー『白鯨』の著者メルヴィルが世界の破滅絵図として描いた大長編の問題作。故郷からの旅立ち、作家への道と破天荒な人生行路が待ち受ける“第十三の書”から“第二十六の書”までを収録。
他国から出戻ってきた王女アメリアは、船旅の途中、再婚相手によって海に突き落とされてしまう。そんな彼女を助けて共に無人島に漂着したのは、国随一の魔剣士マクスウェル。「姫様のナイト役を精一杯務めさせていただきます!」やたらサバイバル適性のある彼は、食べ物や寝床、果ては温泉まで確保していき…気づけば無人島とは思えないほど至れり尽くせりな生活に!褒美に何が欲しいか聞くと、マクスウェルはアメリア自身を求めてきて!?
18歳のバースデイパーティーで突然相手の好感度が見えるようになってしまったリシェカ。その上、社交界一の人気で“青の騎士”と名高い侯爵令息ジェイドから縁談を持ちかけられて、大混乱!動転するリシェカにからかうような言葉を言いながら、頭上で点滅する好感度だけはどんどんアップしていく。そんな二人が国を守護するクリスタルの調査に行くことに。えっ!私、魔力ゼロの落ちこぼれなんですけど。初めての試練に気合を入れて挑みます!
心優しい第二王女アイリーンは、八年ぶりに会った従兄で騎士団長のレオンハルトに突然降嫁を望まれる。幼い頃はアイリーンを泣かせることが大得意の、悪魔のような人だったはずが「むかしから、ずっと欲しかったんだ」と、甘やかないたずらと溺れるほどの愛で絡め取ろうとするレオンハルト。戸惑いつつも人惹かれていくアイリーンだったが、何故彼がいじわるをしていたのか、その原因である過去を思い出し倒れてしまう。さらに二人の婚約を機に、レオンハルトの旧友である副団長・マクシミリアンに不穏な動きがー?初恋を諦めない騎士団長が泣き虫王女を追いかけまくる執着愛ストーリー!
スクールアイドル同好会に新たな虹がかかる。モノローグで綴られていくメンバーの“素顔”-あなたに知ってほしい。フォトエッセイシリーズ第5弾。
神社の屋根にある千木、鰹木。一般的には、その形や数で祀られているのが女神か男神かわかるとされるが、伊勢ではそれはあてにならない。女神を祀る神社が男神仕様であったり、またその逆も数多く存在する。日枝山王大学民俗学研究室の院生・橘樹雅は、学会出席のため三重へ向かう准教授・御子神伶二に同行。はじめての伊勢で大きな衝撃を受ける。
PC画面に暗躍する“フェルマー”の正体とは?御子柴岳人&斉藤八雲の師弟コンビが対峙する、学園を震撼させるヴァーチャル空間の曲者との対決は極めてスリリング。
私たち、三十八歳。全てが順風満帆にすすんでいる、はずだった。出産によってマミートラックに追いやられてしまった凛。シングルマザーとして、発達障害の子供を抱え貧困から抜け出せずにいる響子。週刊誌のサブデスクにまで昇進しながらも、不妊治療がうまくいかない美華。月一回のランチ会で愚痴をこぼすことでストレスを解消していた私たち。いつの間にか本当の悩みは避けるようになっていた。誰にも言えないその感情はやがてー。日々の痛みに挑む三者三様の闘い。
長女・瑜瑜が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。長女の「一番の理解者」でありながら、本音では戸惑う父・明虎。葛藤を深める彼は娘たち、自らの両親、そして自分、一族三代の記憶を辿り始める。小籠包からたちのぼる湯気が、あらゆる差異を包み込む感動長篇。第44回野間文芸新人賞候補作。
地球外生命を探る研究者シーオの幼い息子ロビンは、母アリッサの急逝で情緒不安定になっていた。シーオは、妻の知人が取り組むfMRI(機能的磁気共鳴映像法)を用いた実験に息子を参加させる。生前のアリッサが残した脳のスキャンデータを元に、母の感情をロビンに追体験させ、彼の精神を解放しようというのだ。その効果は目覚ましく、ロビンは周囲が驚くほどの聡明さを発揮し始め、母が生涯をかけて取り組んだ動物保護への意識も研ぎ澄まされていく。彼の眼には、人間がこの惑星にとって有害と映っていたーブッカー賞最終候補作。
下克上の世で己の力量に自信を失った城主の苦悩…「謀反(ぼうはん)」。ナチスの狂気に抗いユダヤ人移送を拒んだ青年少尉の末路…「丘の上」。日本軍に蹂躙された中国の村娘が見たもの…「彼岸花」。宿敵カルタゴ軍を迎え撃つ暴君が握った国家の命運…「エピポラエの丘」。戦乱の世の、ひとすじの希望。メロスとセリヌンティウスの友情が、不信と懐疑、憎しみと怒りに満ちた暴君の心を開かせるー古代ギリシャ、シラクサを舞台にした表題作ほか、古今東西の戦争をテーマに、人間の機微を描き出す4篇。
夏休み。実家の裏庭で小さな穴を見つけた。気になった俺はシャベルで穴を掘り返す。出てきたのはセミでもモグラでもない、とても小さいゴブリンだった。そしてなんと、その穴の正体は人間が潜るには余りにも小さなダンジョン。俺は偶然手に入れた召喚石で呼び出したゴブリンにゴ治郎と名付け、一心同体のダンジョンアタックを開始した!その一方、世の中もダンジョンと召喚モンスターの存在に気付き始める。コレクター魂をくすぐる召喚モンスターは高値で取引され、召喚モンスター同士を戦わせるイベントまで始まってしまうのだった…。
第一回ステキブンゲイ大賞優秀賞受賞作!漫画・舞台化決定!!「暇人」アプリでアルバイトを始めたタカメの成長と、優しい人々を描いた、大きな希望とちょっぴりの切なさが交差するステキな物語。
神戸山芦屋のとある古い館で、本能寺の変で焼失したとされる名品「白天目茶碗」が掘り出された。ところが、白天目の付喪神である「シロさん」は、どうして自分が割れずに残ったのか、自分自身の来歴さえ思い出せない。シロさんはなぜ芦屋に埋まっていたのか?本能寺の変の真相は?シロさんの持ち主である「先生」、茶道具を偏愛するアラブ人の「ほうっかむりさん」、そしておしゃべりで無邪気なお道具たち(※国宝級)が繰り広げる、異色の骨董ファンタジー!