2022年12月28日発売
当時のベルリンってどんな街?エリスとの出会いは何時ごろ?苦悩の豊太郎の徘徊ルートは?その疑問、六草いちかにお任せください。
ロザリーンの子供たちは、“緑の小径”近くのこの家から巣立っていった。司祭になると言って家を飛び出した長男ダンは、ニューヨークのアート界周辺を漂浪して久しい。次男エメットは、アフリカ各地で途上国支援に身を捧げている。一番上の長女コンスタンスは、夫と子供たちとの平凡だが穏やかな毎日を送っている。末っ子のハンナは、女優になったものの、いまは赤ん坊を抱えて休業中。そんななか、夫亡き後独りで暮らす母ロザリーンから4人にクリスマスカードが届く。我が家を売ることにしたという一文に驚き、これまで帰郷を避けてきた子供たちがクリスマスに久しぶりに勢ぞろいする。だがぎこちない距離感とそれぞれのわだかまりからたびたび小さな諍いに。たまらずロザリーンは車で出かけてしまうが…。自分の居場所はどこなのか。現代アイルランド文学の第一人者が精巧な筆致でリアルに描き出す、潮の満ち引きのように離れても引き戻す強い家族の愛と変化の物語。2016年度アイルランド文学賞受賞作。
いよいよ、王立学校に入学するレオン。入学式で試験の時に知り合ったロニーと友達になる。このまま何事もなく入学式を終えられるかと思いきや、レオンとロニーを見下してくる生徒に絡まれてしまう。しかし、その場に来ていたリシュアン達のおかげで何とかその場は収まったーー。その後、レオンは屋台でクレープを販売したり、魔法具研究会にマルティーヌ達と所属して、既存の魔道具の改良や、新しい装置の開発など、学園生活を満喫する!快適な生活を目指すスローライフファンタジー第3弾!
悪役に転生していた公爵家三男の僕、7歳になりました。よい子になれたら神様とか勇者とかも見逃してくれるんじゃないかなって思うので、ゲームの始まり頃までによい子になるって決めてます。魔王は封印したし、運命はいい方向に変わってきてるはず!なのに、帝都近くの森で黒いモヤモヤだらけの魔物発見!?魔王の呪いが残ってるなら、僕が悪役になるフラグも残ってる…ぜつぼう。でも、大好きなお兄様やおともだちとのしあわせな未来のためにがんばります!悪役のご令息のゆるふわ異世界転生ファンタジー第3弾、本編ほぼ書き下ろしで登場。
履きなれたスニーカー。半袖の上に羽織る、夜の肌寒さを考慮したパーカー。イヤフォンとスマホは人生の必需品。帰りがてらアイスが食べたくなった時のための、予備の500円。それからー17歳の私。全部、夜を越える武器になる。きみの物語が、誰かを変える。小説大賞大賞受賞作!
「私、ずっと教会に騙されてたの?」聖女として最高の名誉である“神の花嫁”に選ばれる度、ループしてしまうティア。しかし花嫁=生贄だと知り、逃げ出すことを決意する。迎えた13度目の人生、「今世は悪女になって自由に生きよう」と聖女の力をひた隠し、追放されることに成功! しかも悪女らしく敵国のドラゴンを助けたら…待っていたのは、冷酷な竜騎士王子からのお迎え&溺愛だった!? 土地を浄化したり、ループ前の知識を活かして特産品を作ったりと隣国で大活躍するティア。新生活が幸せなので、もう絶対聖女には戻りません! 自称悪女な無自覚愛されチート聖女の、痛快ラブファンタジー、開幕!
婚約破棄された聖女が嫁ぎ先で大活躍!?取り戻した真の力で王家を華麗にざまぁ!能力を持たない空っぽ聖女と家族から虐げられているリュミエール。その上、婚約者の王太子も義姉に奪われてしまう。居場所を失ったリュミエールは冷徹と名高い銀竜公爵・レクシオールに娶られるも、彼は見かけによらず領民思いの名君だった。実は真の聖女だったリュミエールが取り戻した力で大活躍するうちに、銀竜公爵との距離も近づいていく。一方、身勝手な王太子はリュミエールを取り戻そうと必死で…。今さら戻れなんてどの口が言っているんですか?幸せな第二の人生を手に入れた末っ子令嬢の無自覚逆転劇!
リィンスガヤ王国第一王子であるトッドは、この世界に生まれた瞬間から前世の記憶を持っていた。そして、ここが前世でプレイしたゲームの世界で、自分は全シナリオで破滅エンドを迎える「かませ犬」キャラであることまで理解する。やがて訪れる最悪の未来を変えるため、トッドは前世のゲーム知識を使って次々に破滅フラグを折っていく。真のエンディングでさえ報われない「かませ犬王子」が目指す、エンディングの向こう側にある世界とはー。
神の導きにより“光の聖者”として覚醒したヤマトは、伯爵令嬢クラウディアやケモ耳亜人少女のラッシュと共に、追放先である『北端魔境』に新たな国を作ることを決意する。しかし宿敵である“勇者”ジャスティスが再び『北端魔境』にやってきたことで新たな事件が勃発する。一方、元勇者候補のミーアは、故郷を目指す旅の途中で一風変わった女侍と幼女忍者の母娘に出会い…?
明治32年に「中央新聞」に連載された『シャーロック・ホームズの冒険』全12作の翻案と、翌33年に同紙に連載された「マーチン・ヒューイット」シリーズからの5作品の翻案。日本探偵小説の黎明期に生み出された記念碑的な作品の数々を、120年以上の時を経て初単行本化! 初出紙の挿絵129点を完全収録! では何故、南陽外史は『不思議の探偵』のあとに、シャーロック・ホームズ譚ではなくマーチン・ヒューイット探偵譚を連載したのだろうか? おそらく彼は、黒岩涙香の影響から抜け出して、イギリスの探偵小説を中心に独自の世界を築こうとしていたのではないかと思われる。(…) しかし『稀代の探偵』を発表したあと、南陽外史は、どういうわけかイギリスの探偵小説に対する関心が急激に薄れていったようで、結局、『シャーロック・ホームズの回想』が彼の手で訳述されることはなかった。(…)『不思議の探偵』の新聞連載が好評であったにもかかわらず、単行本として出版されなかったのも南陽外史の意向だったのかもしれない。 今回、『不思議の探偵』と『稀代の探偵』が復刻されたことにいちばん驚いているのは、案外、東京郊外の多磨霊園に眠る南陽外史その人ではあるまいか。(「編者解説」より) 不思議の探偵 毒蛇の秘密/奇怪の鴨の胃/帝王秘密の写真/禿頭倶楽部/紛失の花婿/親殺の疑獄/暗殺党の船長/乞食の大王/片手の機関師/紛失の花嫁/歴代の王冠/散髪の女教師 稀代の探偵 三度に渡る不思議の窃盗/自殺に擬う不思議の暗殺/水雷秘密設計書の不思議の紛失/希臘古代宝玉の不思議の消滅/破船に搭載せし万両箱の不思議の行衛 編者解説
サーガはここから始まった! 高校を卒業して自立のときを迎えた双子の兄弟を取り巻く貧困、暴力、薬物ーー。そして育ての親である祖母への愛情と両親との葛藤。全米図書賞を二度受賞しフォークナーの再来とも評される、現代アメリカ文学を牽引する書き手の鮮烈なデビュー作。 「デビュー作には作家のすべてがある」とはよく聞く言葉だが、本作はただ舞台が同一であるという以上に、後続の作品でも一貫して問われ続ける貧困、人種、格差といったテーマや問い、そして事物(人物、動物、植物、薬物)が描かれている。 (…)南部の黒人コミュニティが人種差別だけでなく階級的にも虐げられた存在であることは、カトリーナ後の政府の対応の酷さによりアメリカのみならず世界中が知ることになった。しかし、そもそもカトリーナ以前から南部の黒人たちが過酷な生を強いられていることを『線が血を流すところ』は痛烈に突きつける。その筆致に、一切の容赦はない。 青木耕平「狼の街(ウルフ・タウン)の慈悲深い神ーージェスミン・ウォードが刈り取れなかった男たち」より