2022年6月8日発売
ニューヨーカー憩いの場・セントラルパークで殺人事件が発生!凶器は、忍者の暗殺道具『手裏剣』。目撃情報からニューヨーク市警の刑事が訪ねたのは、忘却探偵・掟上今日子が新たに構えた「置手紙探偵事務所ニューヨーク支局」だった。憧れのニューヨーク市警に容疑者として目を付けられてしまった今日子さんは、自らの疑いを晴らし、事件を解決することができるのか?彼女の過去を知るFBI捜査官ホワイト・バーチも暗躍し…?忘却探偵、謎解きの舞台はついに世界へ!
企業で弁護士として働くレックスは、子供時代をすっかり捨て去ったつもりだったー実の両親からきょうだい七人が虐待されたつらい過去を。いまは充実した毎日を送っている彼女は、刑務所で亡くなった母親の遺言をきっかけに、事件後ばらばらになったきょうだいのそれぞれと連絡をとる。“恐怖の館”と呼ばれるようになる家で、あのころ彼らきょうだいは監禁されていた。ろくに食事も与えられず、鎖につながれて。その過去の絶望がよみがえるとき、レックスは…。読む人の心を揺さぶる、衝撃のサイコサスペンス。
これといった使命もチート能力もなく、平民落ち、政略結婚、故国喪失と、状況に翻弄され、そのたび自ら運命を切り拓いてきた転生令嬢カレン。移住先の帝国で、転生仲間の魔法使いエルと再会するが、彼女はチート持ちの天才ゆえの問題を抱えていた。カレン自身もやっかいな相手に目を付けられ、まもなく帝国中枢をも巻き込む悲劇が!様々な思惑の渦巻くなかで、地獄の釜の蓋が開く第3巻。書籍特典として書き下ろし短篇×2本収録。
2011年3月11日。津波が母と娘を呑み込んでから、ゆいの時間は止まったままだった。海から逃れるようにして東京でラジオパーソナリティとして働いていた彼女はある日、「風の電話」の噂を聞く。岩手県大槌町の庭園に置かれたその電話ボックスはどこにもつながっていないが、亡くなった人ともう一度話したい人びとが訪れるという。ゆいは庭園を訪れるものの、なかなか二人に話しかけられない。そんななか、妻を病気で亡くし、娘と暮らす毅に出会う。実在する「風の電話」を通じ、喪失の痛みから癒えていく人びとを、イタリア人作家がやさしい筆致で描く感動の長篇小説。
「ママ、ぼくたち“るろうのたみ”になるの?」一九三七年、スターリン体制下のソ連。朝鮮半島にルーツを持つ十七万の人々が突然、行き先を告げられないまま貨物列車に乗せられ、極東の沿海州から中央アジアに強制移送された。狭い貨車の中で語られる人々の声を物語に昇華させ、定着を切望しながら悲哀に満ちた時間を歩んできた「高麗人」の悲劇を繊細に描き出す。