2022年9月30日発売
人生の半分の期間、 あこがれ続けた人だからーー 「財布は必要ない。ここでは君は僕の客だ」 ストーカーの脅威に悩まされて心身ともに限界だったローラは、 兄の親友ニールの自家用機に乗せられ、目覚めると豪奢な別荘にいた。 厚い胸板の前で腕を組んだニールは、厳しく非情に見える。 少女のころからあこがれ続けた初恋の人、ニール。 大人になってからも、事業で成功を収めて大富豪になった彼を 新聞や雑誌の記事で追いかけ続けていたけれど……。 強引なニールに過剰な反感を抱くローラだったが、 心の奥ではすでに気づいていた。さえない会社員の自分が、 身のほど知らずの恋に傷つくことを恐れているのだと。 兄代わりとして保護者ぶるニールと、積年の恋心をひた隠すローラ。ひとつ屋根の下で暮らすうち、互いの魅力に抗いきれずついに結ばれますが、彼には人を愛せない理由があって……。“みにくいあひるの子”ヒロインの無垢ゆえに熱い恋。A・ウエストの真骨頂です!
はねつけられ、遠ざけられても、 この想いだけは止められない。 サラは親同士の再婚で家族になった義兄と二人で暮らしている。 ある日、義兄に付き添って出席したパーティで、 サラはハンサムで洗練された名門銀行の頭取ニックに出会った。 一瞬で惹かれるが、どうしたことか彼の態度は刺々しい。 義兄との仲を勝手に誤解し、ふしだらな女と言わんばかりに サラを非難すると、強引に唇を奪ったのだ。 私のことなど何も知らないくせに、なぜそんなに傲慢なの? さらにニックは自信満々に、サラを必ず手に入れると言い切った。 無垢なサラは動揺するばかりで、気づきもしなかったーー ニックの瞳の奥に揺らめく、隠しきれない嫉妬と情熱の炎に。 歴代ハーレクイン・ロマンス作家の中でもとくに、稀代のストーリーテラーとして愛され、今もなお語り継がれるシャーロット・ラム。素直になれないヒーローと無垢なヒロインが織りなす、せつなくももどかしいクラシック・ロマンスをお楽しみください。
モデルのクリスは滞在先のニューヨークで驚愕の手紙を受け取った。疎遠になっていた従姉妹が突然亡くなり、その一人娘の後見人にクリスが指名されているのだという。急いで帰郷したクリスを、亡き従姉妹の夫スレイターが迎えた。19歳のころ、クリスは恋人のスレイターに夢中だったが、彼と従姉妹との親密な場面を目撃し、故郷を飛び出したのだった。それから7年、懸命に彼を忘れようとしてきたのに…。懐かしい屋敷で再会したとたんスレイターは嘲りの笑みを浮かべ、冷ややかな声で言った。「きみはぼくに借りがある」借りですって?戸惑うクリスに、彼はいきなりキスを浴びせ…。
天明七年八月の大坂に起った事件が事の発端である。ある明け方、本町橋東詰にある西町奉行所の門前で、有馬家の侍が何者かの手で惨殺された。この侍は曾根崎の色里で湯屋の抱え女郎らを殺したため、有馬家蔵屋敷より奉行所に引き渡されようとしていた。大坂町奉行として大坂城京橋口の東町奉行所に着任した土屋志摩守(冬馬)は、西町奉行所の犯人捕縛に力添えして東町より人数をくりだした。この捕り物の直後、土屋冬馬が道修町の大店を尋ねたところ、この大店の一人娘には四天王寺の御殿に妾奉公にいくという難儀が強制されていた。大坂の闇はどれほど深いのか…。武士の“矜恃と正義と愛”に生きる!土屋冬馬、八重の波乱の行状記。
1930年代、ナチスに迎合する富豪の両親に反発し、同性の恋人と共に中近東を旅したスイス人作家がいた。同じように世界に居場所を失い、中近東に流れ着いた人々がいた。旅先で出会った人々を繊細な筆致で描いた、さすらう魂の吹き溜まりのような短編集。
[商品について] ー倦怠と無関心の中を生きる全ての夫婦へー 妻の久子と出会ったとき、私には幼馴染で結婚を意識し合った恋人・静香がいた。元華族の家柄の生まれで上品な性格の久子に心が移ると、私は騙すように静香と別れて久子と結婚した。しかし子供も生まれ結婚生活が落ち着くと、私は出世欲や夜遊びの快楽に溺れ、次第に家庭を蔑ろにするようになってゆくーー。不徳の中を生きる「私」と妻・久子の人生を縦糸に、日本統治下での朝鮮の歴史や人々の生き様、人間の中にある愚かさを織り込んで紡ぎあげた、夫婦と生の物語。 [目次] はじめに 妻を娶(めと)らば 犬猿の仲 詰問の夜 風の音 砂上の城 栄光の陰で 済州島へ 旅の始まり 大河内家族の朝鮮 幸不幸 二つの出来事 予期せぬ出来事 隠遁生活 天罰覿面 儚きかな人生 死神に勝てず あとがき 略歴 [担当からのコメント] 仮想の人生を描くのが物語であっても、その物語が読者の人生に触れるとき、それは現実となって意味あるものへと変わっていきます。本書の中にある人生に、あなたは何を見るでしょうか。この物語が、あなたの人生にとって良き出会いであれば嬉しく思います。ぜひご一読ください。 [著者略歴] 上杉辰(うえすぎ しん) 私に皆様に誇る程の経歴は有りませんので今、私が思うことを一筆認(したた)めて見ます。 夕暮れの寒い静かな部屋のテーブルの前の座布団に一人ぽつんと座り佇むと人生の黄昏どきを強く感んじます。 仕事に遊びに情熱を滾(たぎ)らした、若き日々を思い浮かべると懐かしくも有り遣る瀬ない気持にも成ります。もう一度、あの日に戻りたいがそれは夢の夢、この頃、時々紙の上にペンを走らせることに何んの意味が有るのだろうと自問自答することも有りますが今の私に出来ることはこれだけと己に言い聞かせ文字を追って居ます。
[商品について] ーブラックホールの向こう側には、輝かしい未来と希望があるのかもしれないー 昼はJAXNで、夜はスナック花子で働く新人宇宙飛行士のミミちゃん。そして51才となった進にデザイナーズ・ベイビーのA子。ブラックホール、デザイナーズ・ベイビー、異星人と衝撃的なテーマを孕みながら展開した彼らの物語は、いよいよ最終章へと向かう。この旅の果てに、彼らは何をみるのかーーブラックホールを中心に展開する、世界と宇宙の謎と幻想の物語、最終巻。 [目次] ブラックホール5の1 プロローグ 時空の中へ 物理の預言 ミミちゃん 月面旅行 進とローリー 洋子の生活 エーテルの波 探査 恋 ローリー 宇宙空間 ミミちゃん2 雨の中で 雨の中で2 女の気持ち その後 3人娘 再会 パルへ 黒い穴 エピローグ tweet ブラックホール5の2 プロローグ 両親 A子とB子の会話 研究 フランソワの挙式 新婚 宇宙の果て たわいもない話 Mの店で 再び 宇宙 ブラックホール A子はどこへ まちあわせ ルル 旅の果てに エピローグ [担当からのコメント] ブラックホールは謎に満ちていて、その中がどうなっているのかは誰にも分かりません。そしてそれはきっと、ヒトにも当てはまることなのでしょう。人生の光と影の先にあるものは果たして何なのかについてこの壮大な宇宙叙事詩とともに思いを馳せる、そんな時間を楽しんでいただければ嬉しく思います。 [著者プロフィール] 織部浩道(おりべ・ひろみち) 1960年生まれ 明治大学大学院博士前期課程修了 税理士会退会 現在、新世紀会、ロイヤルフロンティア 魚座 O型 著書に 『ブラックホール』22世紀アート 『誘惑の星』文芸社 等がある 参考図書 『ホーキング、最後に語る』早川書房 『ホーキング、ブラックホールを語る』早川書房