2022年発売
米太平洋艦隊の奇襲という難を逃れ、復興が進む水無月島。 そこに南雲中将率いる第一航空艦隊、そして新鋭機の二式陸攻・泰山が到着した ZZ作戦と銘打たれた計画の役者が揃い、帝国艦隊の報復が始まる。 それは真珠湾攻撃を目眩しに、アメリカ西海岸・サンディエゴ軍港を渡洋攻撃するというものだった。 空爆に成功し、ガラパゴス諸島へと南進する艦隊から注意を逸らすべく囮となった〈大和〉と〈比叡〉。 置き捨てとなった寡兵の駒にスプルーアンス率いる第一六任務部隊が襲い掛かる。 一方その頃、水無月島では自然界による逆襲が胎動し始めて……?
北近江の遠藤喜右衛門、美濃を奪った竹中半兵衛。国境を背に競った両知将が知恵比べの末に選んだのはどちらの「長」だったのか?小谷落城四百五十年を経てお市輿入れの謎を解明する戦国近江の傑作歴史小説!
最低限の食料しか与えず、幼い命を死に追いやり、自分たちだけ温かく安全な家に住む人間を追い出すため動物たちは謀反を起こした。 動物たちは文字を覚え、「動物農園」を営んで、自らのために働く喜びを手に入れる。 しかし一部の豚が君臨し始めると、動物たちが掲げた普遍の戒律は改竄され、恐怖と残酷な死が支配する世界に変わっていくーー。 非人間的な政治圧力を寓話的に批判したジョージ・オーウェルの世紀を超えた衝撃。発掘された名訳を描き下ろし装画とともに。 装幀・本文デザイン 名久井直子
大政奉還前夜、史上最大の乱痴気騒ぎはなぜ起こったのか。やくざ者に老婆に童、新米御庭番と御用町人。三河国吉田宿に降った数枚の御札が、彼らの命運を、そして天下をも混沌の渦に陥れていくーー 作家生活10年目に切り拓く新境地。人智を超えた運命の交錯が、歴史を、物語を駆動する!
世界の美術業界に革命をもたらした美術陶板。その原点は、徳島・鳴門の地にあった!技術を発見、トライ&エラーを繰り返し、芸術作品として昇華、展示することで、世界に類を見ない規模の美術館として広く知られている国際美術館。その設立に尽力した人々の姿を描く。
きらめく海が導くふたりの運命 初夏の風が吹き抜ける湘南の街で出会った圭と玲子。 ふたりの距離は急速に縮まり、圭は結婚を考えるようになるが、 玲子にはある大きな秘密があってーー。 【目次】 運命の出会い 狂い出す歯車 愛のかたち
山間にあるニュータウン「三浦半島二子山ピープルタウン」。 町が造成される前から多くの“うさぎ”が棲息していたことから「うさぎが丘」と呼ばれていた。 娘の大学進学を機に越してきた黒田茂と葵の親子は、平凡な日々を過ごしていたが、 うさぎの惨殺、大学生の連続自殺など妙な事件が起きていることを知る。 不穏な空気が流れはじめた時、葵が突然の失踪。 茂は行方を探して奔走するが、町の暗部に迫ってしまい……。 次々とおこる事件が結びつく時、町に隠された恐るべき秘密が明かされる! 親子の運命はいかに? 一気読みノンストップ・ミステリー!!
時代が今、五木寛之に追いついた!現代のロシア問題、日韓問題に迫る驚くべき陰謀の結末は?著者初のテーマ別作品集、刊行開始!
累計20万部突破!(電子書籍含む) 「出てこい、太陽!」 (──そして、私を平穏に結婚させて!) 全力令嬢ディアドラが国を繋ぐ、大人気恋愛ファンタジー第8弾!
「戦乱こそ、我が天敵!」 幼い兄弟の領地経営ファンタジー第8巻! シリーズ累計25万部突破! (紙+電子) 書き下ろし番外編2本収録!
「ひょっとして私、人気者!?」 事なかれ主義だった元令嬢が自立を目指す、波乱万丈の愛され学園生活開幕! 書き下ろし番外編収録! コミカライズ企画進行中!
思春期の息子、碧人が笑わなくなって三か月。接し方に悩む「ほぼ専業主婦」の舞は、母としてできることを探し、もがいていく。かつて同室に入院していた、トーウンさんの言葉を思い出しながらー。子どもの心は、大人よりも実は複雑。笑顔を取り戻す手がかりは、いまだ世に知られない『ばら』の物語。繊細な感性で孤独に寄り添う小説。
五女・皐月との出会いは、同時に十一人の家族との出会いでもあった。昭和の時代、決して裕福ではない家庭で生まれた彼女たちは、それぞれが波乱に満ちた人生を送ることになるー。
……一緒に死んでくれるよね? ……うん、一緒に死ぬよ。 コロナ禍で推しアイドルに会えなくなった氷織が落ちていった沼は、推しアイドルの〈なりきり〉とのメッセージ交歓だった。 顔を見たこともない相手への恋ーー。それがすべての悲劇の始まりだった。 『みんな蛍を殺したかった』に続く、「黒歴史シリーズ」の第二弾
19歳のハロルドは、79歳のモードを愛してしまった。 孤独な青年は愛することの素晴らしさを知る。 40年前、この芝居を見て、私は号泣した。 黒柳徹子 自殺を演じるのが趣味という19歳の青年ハロルド。 規則に縛られることを嫌い、ひたすら自由に生きる79歳の女性モード。 60歳の年齢差がある二人を結びつけたのは、縁もゆかりもない他人の葬式だった。 しだいにハロルドは天衣無縫に行動するモードに惹かれていくーー特異なユーモア感覚で哀しい現実を描き、高く評価される映画の小説化 原題:Harold and Maude
20世紀イタリアの「最も美しい声」ともいわれる作家、ナタリーア・ギンズブルグ。その人生をたどり現前させる珠玉の37篇で編まれた決定版選集。初公開の記事・ノンフィクションも収める。 屈託なく闊歩する女優さながらの女性、内気でひっこみ思案の女性、どんな女性でも時おり暗い井戸に落ちることがある。その傍らには、相手の目を見られず、内面が崩壊した、でも放っておけない男たち……。17歳のデビュー作から、少し悪意のある子どもの視線で語るような文体は「従来にない言語感覚」と評される。 不器用で孤独で、ことばが一種の「魔法」であった子ども時代。ファシズムにもナチスにも抗って活動したレオーネとの結婚と流刑地での暮らしと夫の獄死、革命が夢であった時間から、社会が反転する戦後の渦の中へ。パヴェーゼやカルヴィーノと働いた出版社での仕事。生活の現場や工場のルポルタージュ。やがて長男カルロは稀代の歴史家になった。 人生は勝手に進み、人はそれを眺めるしかない。そして運命はときに不意打ちをする。「フェミニズムは嫌い」と表明しながら、ナタリーアは共闘し、悲痛を生きのびる多くの女性たちの物語を書き続けた。 編者と訳者による本格的作家論・解説を付す。 I 物語 不在 九月 子どもたち ジュリエッタ 裏切り 帰宅 海辺の家 元帥 わたしの夫 ドイツ軍のエッラ通過 娘たち 冒険の日々 荷馬車に乗って 母親 日曜日 II 記憶とクロニクル 思い出 アブルッツォの冬 ある村の年代記 農民 破れ靴 夏 マテーラの空をカラスが飛ぶ 南の女性たち 子ども時代 女性について アッルミニウム社の工場では百年まえの生活 身障者 フェッリエーリ社訪問 家 恐怖 怠慢 私の精神分析 子ども時代 白い口ひげ パッリダッシの月 パッラマッリオ街 やさしい花 編者解説──ひとつの声の変遷 ドメーニコ・スカルパ 訳者解説 望月紀子