2022年発売
食品会社の社長・篠原の遺体が高速道路の非常駐車帯で見つかった。手形が不渡りになり、自殺の恐れがあると、妻からの捜索願を受理していた大阪・京橋署の上坂と磯野は、自殺とみて捜査を始める。篠原をめぐる人間関係、巨額の保険金、そして手形の行方……絡まりもつれ合う糸をほぐすような調査から見えてくる真相、その連鎖から浮かび上がる複数の事件は。
75歳になって、86歳のひとを好きになって、何が悪いの? 燿子がついに出会った「ぴったりな人」。 人生仕上げの情愛がもたらすものはーー。 ベストセラー『疼くひと』で70代女性の性愛を描いた著者が、 実感を込めて後続世代に送る、希望の物語 奇跡の出会い、周囲の偏見、肉体的交わり、終活への備え…… 「人は老いても、毎日を幸せに生きる権利がある」を合い言葉に、 燿子と理一郎がとった選択は?
「エレアル」-パラオの言葉で、「明日」「未来」の意味。太平洋戦争さなかの昭和17年。日本統治下のパラオ・コロール島。小学校教員である宮口恒昭の長男・智也はある事件をきっかけに、パラオ人少年のシゲルと親友になった。だが、父の転勤で智也も隣島へ転校することに。二年が過ぎ偶然再会したふたりは喜び合うが、戦争の暗い影は、こののどかな南の島々にも迫っていたー。時は流れ、昭和63年末。パラオ共和国独立準備のため訪日したシゲルは、天皇の容体悪化が報じられる中、戦後すぐ消息が途絶えた宮口家の人々を捜しはじめるのだが…。日本人とパラオ人の歴史と心の交流、戦争の悲惨さ、そして日本人の未来を問う、感動長篇。
この刹那と闇の時代に、百年を見渡す物語が、京の町角から現れた。 それは、身近な家族の物語であり、また「この先はどうなる」と引っ張られ、 若い世代もぐいぐい読める、食いつきのいい物語だ。 時は、たった今の令和の時代への渡り廊下のような一夜。 平成の終わりだけが告げられ、次の時代が令和となることはまだ分からないという平成29年、西暦2017年の12月だ。翌々年の5月には令和の世となる一歩前である。 場所は古都の没落した家、そこで始まった何気ない夜に、百年を見渡す物語が、思いがけず隠れていた。蔵の財産をすべて捨てるというユニークな直接行動をとる祖母が、ほんとうは日本人と日本社会の闇と格闘する日々を重ねてきた。それを29歳、みずからも苦しみのただ中に居る男子の手で明らかにする姿を、意識の流れと呼ぶべき手法も用いて劇的に、哀切に、そして平易に、語り尽くす。 深まる闇の時代を一体どうやったら生きられるのか。 胸に染み入るその答えがここにある。 百年を見渡す日本にしかない物語。
「全てが同じに見える煤けた世界で、草花は、鳥は、虹は、ぼく自身は、本当はどんなイロをしているんだろう。魔女に会えたら、ぼくにも見ることができるのかな」 舞台は”イロ”を失った世界。色彩が見えるのは”魔法使い”だけーー。 ある日、鮮やかな世界に憧れを抱く少年・ルーマは、魔女が住むといわれている森へと向かう。 迷い込んだ森で出会ったのは、魔法使いの少女・イリア。 二人の出会いが“イロ”のない世界の運命を変えていくーー。 ネット時代の物語を紡ぐ歌い手・そらるが、自らの楽曲を題材に描くファンタジー冒険譚。
酒呑童子を倒したリオたちは、それぞれ力不足を実感していた。サージスは刀の修行、シャルはスキルのパワーアップのため旅へ出る。リオは海ダンジョンの書庫から、厄災対策に必要な本を探して複写することに。すると道中で、荷物の中に黒くて丸いドロップ品があることに気づく。トーストに載せると『小倉トースト』と名前が変化。口に運ぶと優しい甘さでとっても美味!更にはうなぎやシナモンクッキーなど、どこかで見たことのある食べ物がたくさん登場。だが、楽しいイベントの裏で忍び寄る厄災の影もー!?がんばり屋な少女の物語、第三弾!
チェルシーに住む二組の芸術家夫婦が、初めての下宿人であるベンジャミン・カンを隣家から迎えることになった。だがしかし、その隣家とは、クリフォード・フラッシュによって設立された、法廷で無罪放免となった殺人犯たちが生活を営むアスタリスク・クラブの本部であった! ところが、カンが下宿を始めた翌朝、あちこちにネズミが出没する下宿の自身の部屋で息絶えたカンを、芸術家の妻ファンが発見する。カンとの連絡が途絶えたことを不審に思ったフラッシュは、リリー・クルージを新たな下宿人として送り込むが、リリーとも連絡がとれなくなってしまう。下宿人を迎え入れるたびに次々と死体になっていくことで疑心暗鬼となり恐慌をきたした夫婦たちが死体の処分を巡って右往左往の大騒ぎを繰り広げるいっぽう、二人が殺害されたことを知ったアスタリスク・クラブの面々は、秘密裡に死体を取り戻すべく芸術家宅への侵入を企てる…… 熱烈なファンを生み出し、近年再評価の著しいパミラ・ブランチによる、ブラック・ユーモアをふんだんにちりばめたクライム・コメディの傑作! 【炉辺談話】 『死体狂躁曲』(山口雅也) 死体狂躁曲
温泉、プラネタリウム、神社仏閣、水族館! 絶景に心を奪われる!! 日和は会社の社長のすすめで行ったひとり旅にはまり、 東京〜長野〜名古屋の「一筆書きの旅」に出るまで成長した。 旅を重ねるごとに自信が付き、仕事にも恋にもいい影響をもたらしている。 しかしある日突然、旅欲がなくなってしまった。これまで純粋に楽しんできたつもりが、 現実から「逃げるため」に旅をしていたのかもしれない、 と落ち込んでしまう。日和は悩みながらも、高知、愛媛、宮崎、鹿児島へ向かうがーー。
初めて「売文」を試みた文学少女時代。挫折を噛み締めた学生漫画家時代。高揚とどん底の新宿・六本木時代。作家デビュー前夜の横田基地時代。誹謗中傷に傷ついたデビュー後。直木賞受賞、敬愛する人々との出会い、結婚と離婚、そして…。積み重なった記憶の結晶は、やがて言葉として紡がれる。
古いフランス製の家計簿に書きこまれた膨大な文書を翻訳してほしい、と文化人類学者河島からの依頼。最後にVincent van Goghと署名があって、ゴッホ直筆かもしれない。しかも署名付き家計簿は二冊存在するという。贋作ならば、なぜ複数必要だったのか。ぼくは翻訳を進めるいっぽう、家計簿の来歴を追った。だが、謎は深まるばかりだった。
「了見の餅」同じアパートに住む友人が元気ないっぽい。「イトコ」イトコという存在の不思議についてバズり記事書きたい。「最終日」美術展の最終日に駆け込んでマウントとってくる奴。「宵」映画研究会の言い伝え、〆切間近になると現れる怪奇。「ファシマーラの女」駅がいっぱい生えてくる変な町で。「カーテンの頃」失った両親の友人“にしもん”と二人暮らし。ちゃうか?ちゃうことないか?全6篇の陽気な短編集。
ここ、「メゾン・ソレイユ」には、わけありな人ばかりが住んでいるの。…あら。あんたも入居資格は充分あるみたい。もしかして小説家の梅野優作の都市伝説を聞いてやってきたの?推理小説が好きな人も多いのよ、このアパート。あっちで事件、こっちで事件…管理人のわたしが休む暇もないんだから。何か悩んでるっていうなら、三階の心理カウンセラーに相談するのがいいわ。「眠れるようになる本」を紹介してくれるみたい。たしか、題名は『グッドナイト』だったはずよ。
国内トップの大学を卒業し一流企業に就職したものの退職、現在はフリーランスの翻訳者として慎ましく暮らす凛子。姪の莉緒は、読書と昆虫が大好きで論理的思考が得意だが、融通が利かずコミュニケーションに難がある、危うい小学生だ。莉緒の中学受験に伴走することになった凛子は、周囲の期待にうまく応えられなかった自分の半生を振り返るー。頭がいい女子だから、いくつもの幸せを受け取れなかった。そんな私が、彼女の背中を押していいのだろうか。