2022年発売
異世界の小国王子フィル・グレスハートとして転生した俺は、他国の学校に身分を隠して入学。一大イベントの三国王立学校交流会が無事終わり、ようやくのんびりできると思っていたんだけどーー各校の関係者が岐路に就く中、ドルガド王立学校のディーンが、引き続きステアに滞在することに。共同研究のため、ある遺跡を探索するらしい。その遺跡は、召喚獣のランドウとも何やら関わりが深そうだ。いつもは威張りん坊将軍なランドウから、連れていってほしいと、いつになくいじらしくお願いされちゃった。よし、ここは可愛い自称・神様のために、一肌脱ぎますか! ……でも、お願いだからテンション爆上がりで迷子にはならないでね?
王家の跡取りとして生まれたものの、持っていた職業が不遇職だったために、王国から追放されたレイト。闘技祭の本戦出場資格を勝ち取った彼は、さらなる強敵との戦いに備えて修業の日々を送っていた。そんなある日、レイトの前に謎の少女が現れる。彼女はどうやら「塔の大迷宮」という難関ダンジョン攻略の手を借りるために、レイトのパーティに加わりたいらしい。前人未到の迷宮に挑むため、レイト達は新たな冒険に繰り出すーー!
学校で苛烈な虐めをうける宇打ひじり。死をも考え始めてしまうような状態の中、美しいクラスメイトの夕美から一緒に復讐しようと誘われる。夕実も校内で悍ましい仕打ちをうけていたのだ。夕実に誘われるまま、毒を使って仕返しを考えるようになったひじりは、彼女から毒の知識を得ていくが、美しい彼女へ憧れや恋に似た依存を強めていく。そんな中、ひじりが絶望に打ちひしがれる事態が起こり、思わぬ事件に発展してしまう。その悲劇の裏にひそむ悪意にひじりは動揺しながらも、クラスメイトとともに事件を探るようになるが、ついには学園中を巻き込んだ大きな惨劇が発生してしまう。-その裏には驚きの事実が待ち受けていた。
大地震によって悪鬼妖獣の棲家と化した『魔界都市“新宿”』に、人々の悲劇は尽きない。だが、二つの希望ーいかなる魔性をも凍りつかせる妖気と美貌の主ー“人捜し屋”秋せつらと“魔界医師”メフィストが、今日も哀しみの泥沼から人々の生命と魂を救い出す。おまえたちは何者だ!?菊地秀行の鮮烈なるデビュー作『魔界都市“新宿”』のプロローグが四十年の時を経て、ここに完全復刻!
ーーこの仇討ちは、伝説となる。 聖塩に護られし地、レディア王国。 だが悪臣キーラによって王は殺され、国家存亡の危機に立たされる。 列国最強と謳われたレディア騎士団も、護国派と仇討ち派で分裂の危機ーー。 現代人の寺坂喜一がやってきたのは、そんなときだった。 美少女団長クラノスの信頼を得て、仇討ち派の女騎士アンスヴェイを説得にかかる! 「黙れ乳騎士!」「何よ尻騎士!」 「やめろ! 過度な個人攻撃は、俺の世界でも問題になってるぞ!」 ……おのおの方、頼むから仲良くしよ? 再現せよ忠臣蔵! 痛快“討ち入り”ファンタジー活劇、ここに開宴!!
国家のために死ぬことを夢見る少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放にふるまう彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近づく頃だった…渾身の書き下ろし本格青春小説。
文明とは、ある可能性の紛砕であり、開化とは、挫折した夢と怨みの上に咲いた花である。新時代の到来に必然はない。ありえたかもしれない未来と希望のもつれを解きほぐす、5つのネオフィクションの試みが見せる光景とは?
どれが僕で、どれが仮面なのかわからないーー。 進学校に通う高校生の藤原七瀬。優秀だった兄は「異常な父」に反発して家出してしまったが、七瀬は父親の望み通りに淡々と勉強に励む日々を送っていた。恋愛至上主義者の同級生キョウと休日に出かけはするが、恋人というわけではない。そんなある日、人のほとんどいない図書室で、日本人形のような少女アンナに出会う。運命の出会いに心躍らせる七瀬だったが、家族の中で唯一話せる母が入院して余命宣告を受けてしまいーー。「断罪の森」で七瀬の前に現れる、関西弁を話す白猫とは一体何者なのか? たくさんの仮面をつけた主人公の歪んだ世界と葛藤を、現役大学生YouTuberが鮮やかに描いた意欲作!
現役新聞記者だから描けたリアル検察小説。見習い女性検事が異動先の鹿児島で一悶着を起こす「ジャンブルズ」、小倉支部の万年窓際検事が組織から孤立しながら凶悪暴力団に立ち向かう「海と殺意」ほか、全四話+αの連作短編集。
英国推理作家協会スチール・ダガー賞候補 英国歴史作家協会ゴールド・クラウン賞候補 呪われた帆船で連続する怪事件は 悪魔の仕業か? 海洋冒険+怪奇小説+不可能犯罪。あまりに面白すぎる本格ミステリ巨編! 時は17世紀、 大海原を進む帆船で起こる怪事件。 囚われの名探偵に代わり、屈強な助手と貴婦人が謎を追う。 すべては悪魔の呪いか、あるいはーー? --この船は呪われている、乗客は破滅を迎えるだろう。 バタヴィアからオランダへ向かう帆船ザーンダム号に乗船しようとしていた名探偵サミー・ピップスと助手のアレントら乗客たちに、血染めの包帯で顔を覆った男がそう宣言した。その直後、男は炎に包まれて死を遂げる。名探偵として名を轟かすピップスだが、いまの彼は罪人として護送される途上にあり、この怪事件を前にしてもなすすべがなかった。 オランダへと帰国するバタヴィア総督一家らを乗せ、ザーンダム号が出航せんとしたとき、新たな怪事が発生したーー風を受けてひるがえった帆に、悪魔〈トム翁〉の印が黒々と浮かび上がったのだ! やがて死んだはずの包帯男が船内に跳梁し、存在しないはずの船の灯りが夜の海に出現、厳重に保管されていた極秘の積荷が忽然と消失する。すべては悪魔の仕業なのだろうか? わきおこる謎また謎。だが名探偵は牢にいる。元兵士の助手アレントは、頭脳明晰な総督夫人サラとともに捜査を開始するも、鍵のかかった密室で殺人が! 驚愕のSFミステリ『イヴリン嬢は七回殺される』の鬼才の第二作。海洋冒険譚と怪奇小説を組み込んだ全方位型エンタテインメント本格ミステリ!
『看守の流儀』のあの衝撃を、まさかこんな手で飛び越えてくるなんて! 前作に驚いた人にこそ読んでほしい。 --大矢博子(書評家) 特殊な舞台(ルビ:けいむしょ)、普遍的なドラマ そして再び炸裂する仕掛け!(ルビ:ギミック) やってくれるじゃないか。 --西上心太(書評家) 模範囚の失踪、集団食中毒事件、火の気のないところで起きた火災……刑務官たちの信念が問われる事件。 その時、敏腕刑務官・火石に不穏な噂がーー傑作『看守の流儀』に続く待望の刑務所ミステリー。 「悩み抜いてたどりついたのは、乗り越えるのでも、逃げるのでもなく、結局、ただ抱えて生きていくしかないという思いでした」 第一話「しゃくぜん」 釈放前の更生プログラムに参加した模範囚が、外出先で姿を消した。発見されるまでの「空白の30分」で何が起きたのか? 第二話「甘シャリ」 刑務所内で行われた運動会の翌日、集団食中毒事件が発生。果たして故意の犯行なのか。炊事係の受刑者が容疑者に浮上するが……。 第三話「赤犬」 古い備品保管庫で原因不明の火災が起きた。火の気もなく、人の出入りもなかったはずの密室でいったいどうして? 第四話「がて」 窃盗の常習犯である受刑者の心の拠り所は、あるジャズシンガーとの文通。しかし、その女性は実在していなかったーー。 第五話「チンコロ」 「また殺される」と書かれた匿名の投書が刑務所に届く。差出人は元受刑者か。そして、投書に隠された意味とは?
シャルロットは七歳の雌のジャーマンシェパード。お利口だけれど、普段はのんきな元警察犬。彼女と一緒にいると、いろんな事件に遭遇する。向かいの家には隠されたもう一人がいる?偶然関わることとなったドッグスクールの不穏な噂とは?それでも、シャルロットと出会えて本当に良かった。謎に惑い、犬と暮らす喜びに満ちた、極上のコージーミステリー!
その一着を、もっと自由に!もっと楽しく!服に迷うあなたの背中をそっと押すハピネス・エンタテインメント。上野の森に佇む、夜だけオープンする謎めいた洋服屋。そこには一点モノの素敵な服が並ぶ。丹念に仕立てるのはファッションデザイナーの梓振流。ある日、アパレル販売員の五福あやめがお店を訪れた。仕事に追われてばかりの彼女だったが、振流の作るアイテムに心動かされ、退屈だった日常は変わっていく。彼に興味を抱き、同じ時を過ごす中であやめは知る。天才デザイナーの服への想い、哲学、そして隠された秘密まで…。
雪降る夜、ひとりの女が身を投げた。それがすべての始まりだった。非業の運命に翻弄されながらも、強く生きる人々を描く慟哭の長編ミステリー。夏の数日をともに過ごす三組の家族を、悲劇が襲う。最年少の五歳の少女が失踪したのだ。事件性も疑われるが、手掛かりが乏しく、行方は知れぬまま。穏やかな避暑地での日々は永遠に失われてしまったー。三組がそれぞれに秘めた複雑な家庭の事情と、長い時を経て発見された一通の告発状。絡み合った謎が氷解したとき、明らかになる真実とは?第25回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
イラク帰りの元傭兵・鹿島丈は妻の故郷・北海道で、米ソラリス社のデータセンター警備に就く。だが勤務初日、厳重なセキュリティーシステムを突いて、密室殺人が発生。道警やマスコミ、米軍属も駆け付け、現場は混乱を極める。さらに第二の密室殺人が起こってしまい…。封鎖された“クラウドの城”で、鹿島は殺人者と対峙する。IT文明の終着地で、世界を“実効支配”する“バベルの塔”データセンターの内実を描き切った大注目作!ノンストップ、ハードボイルド&本格ミステリー。壮絶にして至高、魂を揺さぶるエンタメ巨編。第25回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。