小説むすび | 2023年1月発売

2023年1月発売

父から娘への7つのおとぎ話父から娘への7つのおとぎ話

イギリス南西部の建築事務所で非正規社員として働くレベッカは、幼いときに父親が家を出ていってしまい、母親に育てられた。父親のレオには20年近く会っていない。ある日、男性記者エリスが取材目的でレオの行方を尋ねてきた。レオはかつてBBCの子ども番組に出演していた人気俳優だったのだ。エリスはレオが現在どこにいるのか見つけられないという。父親など存在しないかのように暮らしてきたレベッカが母親や親戚に聞いても、「ろくな男じゃない」としか教えてもらえず、生死すらわからない。だが、祖母がこっそり一冊の本を渡してくれる。それは、父親が自分のために書いてくれたらしいおとぎ話の本だった。レベッカはエリスの取材に協力しつつ、本を手がかりに父親を探そうとするが…。“収集家と水の精”“世界の果てへの航海”“魔女とスフィンクス”…7つの奇妙なおとぎ話が収められた本が、知らなかった父親の想いを描き出す。本をこよなく愛する著者が贈る、切なくも心温まる家族の物語。

ポンコツ一家ポンコツ一家

家族紹介。 うちは、 母、80歳、認知症。 姉、47歳、ダウン症。 父、81歳、酔っ払い。 ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。45歳。独身、行き遅れ。 全員ポンコツである。 ただ、皆が皆ずっとこうだった訳ではない。 何十年かぶりに、私は実家に戻った。 まずはその理由を、いや長めの愚痴にお付き合い頂けたら、とても嬉しいーー。 *** 変わり果てた実家。私の知らない母。実家に戻って 住もうなどと、その時は夢にも思っていなかったのに。 ローテーブルの上に、割りばしが突っ込まれたままのカップ麺や缶詰、茶色いお惣菜がこ びりついたプラスチック容器、半分セメント色したミカン、黒炭のようなバナナの皮等々 の食べ残し、残骸が溢れている。ちょっとしたゴミ屋敷だーー。 どんな状況だって、病気だって、「ポンコツ」な人はいない。 でも、愛を持って私は家族を「ポンコツ」と呼ぶ。 *** 「どこのどいつだ〜い?」「あたしだよっ!」「にしおか〜すみこだよっ」 ロングヘアをなびかせ、SMの女王様の格好で行う漫談で人気を博し、エンタの神様にも出演していた芸人・にしおかすみこさん。現在46歳で、髪もバッサリショートヘアにカットしたにしおかさんが「全員ポンコツ」と語る、自分の家族と介護の物語。 ポンコツ一家 目次 1 実家が砂場になっていた          2 記憶力テスト                 3 背比べ                     4 ヘドロとドロボー                5 疑惑                       6 大晦日の大事件                7 一月にクリスマス                8 地域包括支援センターと冷凍マグロ    9 大事な話               10 姉のバタフライ           11 ホタルイカ            12 ママ速報 13 私の大事な話                      14 花火とぎゃくたい        15 干支 16 ワクチンで発熱          17 青い花 18 ソワソワ               あとがき

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