2023年2月発売
現代アイルランドの劇作家たちは、どのようなドラマツルギー(劇作術・演劇観)で歴史や風俗、イェイツ、オケイシーからベケット、マクドナーなど、現代アイルランドを代表する劇作家25人の40作品を紹介・分析する一冊。
新兵器・クロスボウを駆使した策で辺境に攻め入る巨大盗賊団を返り討ちにした領主ノエイン。その襲撃に隣領の名門貴族・ケーニッツ子爵が関与していると見抜いたノエインは、落とし前を付けるべく子爵のもとへ向かう。腹の探り合いの末、ケーニッツ子爵に非を認めさせたノエインは、代償として王国北西部の貴族閥への仲介を要求。貴族閥の晩餐会に参加することになるが、いざ会場へ行けばノエインは盗賊団を壊滅させた新興領主として大貴族の注目の的で!?さらにノエインが持ち込んだ“手土産”は、会場中の貴族を騒然とさせることになりー!?一方、盗賊団の件でノエインの実力を認めて以来、友好的なケーニッツ子爵から縁談が持ち込まれる。相手は子爵の娘・クラーラ。成婚すれば子爵の後ろ盾を得られることもあってノエインは縁談を進めるが、クラーラは消極的な様子。そこで「幸福な結婚」を目指すノエインは一計を案じて…!?ひねくれ領主の辺境開拓物語、第三幕!
“神の見えざる手”を仲間に引き込んだカナタたち。世界の存続を目指すカナタたちは、上位存在から尖兵として送り込まれた世界の大罪人であるルニマンとルシファーを撃ち破る。上位存在がロークロア世界を終わらせるために打った次なる手は、“沈黙の虚無ゼロ”に封じられた呪いの発動。呪いは世界全土を蝕み、あらゆる生き物の命を奪っていくー。ゼロの呪いを止めようとするカナタたちだが、最後の刺客である不死者の魔術師・ゾラスが立ちはだかる。さらには、カナタをこの世界へと送り込んだ元凶であるナイアロトプまでもが姿を現しー。世界を統べる神と相対したカナタたちは、最終決戦に挑むー!無自覚なまま最強になってしまった青年が、不死者の少女と英雄に至るファンタジー、第7幕!
勇者パーティーの1人、暁の魔女レイシー。孤児であった彼女は魔法の力を見込まれ、国との契約のもと生かされていた。そんなレイシーは魔王討伐を終えた後に貴族と結婚するはずだったが、相手から他に好きな人がいると婚約破棄されてしまう!レイシーがすんなりと受け入れる一方、傍で見ていたお節介な勇者は彼女に代わり貴族へ反撃。結果、レイシーは国から解放されることに!そこで初めて「自由に生きてみたい」という願いを得たレイシー。願いは聞き入れられ、王都から離れた村に大きな屋敷を与えられる。-やってきた村では穏やかな時間が流れていた。しかし、何もない村は困りごとも多いようで、レイシーは自分にもできることはないかと考えるように。そんな折、魔術が人の役に立つことを知った彼女は『何でも屋』を開くことを決意する!けれど世間知らずの彼女が行うこと、生み出すものは規格外のものばかりのようで…?書籍限定エピソード「竜のポスト便」収録!「小説家になろう」発、第7回WEB小説大賞『金賞』受賞!
婚約破棄の慰謝料を元手に、カフェオープンという夢を叶えたフローレス。さらに、常連客の公爵騎士・ライアンとの恋も成就し、幸せな日々を送っていた。そんななか、フローレスのカフェの噂を聞きつけた王女様がお忍びで来店。王女様の好みにあわせた珈琲やデザートでおもてなししたところ、一瞬でカフェの虜になったようで…!?その噂が王都に広まり、人気店として一層注目を集めたフローレスだったがー好調な売上に嫉妬したライバル店から、嫌がらせを受けてしまう!!でっち上げの悪評をばら撒かれ、店の評判は急降下。閑古鳥が鳴く事態に!「それでも、勝つまでやるのがフローレスだろう?」「当然!転んでもただでは起きないわ」ライアン達の手も借りながらー反撃開始!!再び店を盛り立て、国一番の人気カフェにするための策を考えて…!?超前向き令嬢の気ままなセカンドライフ、第二弾!!
弟子シーウェルに別れを告げてから数年後。10歳になったクラウディアと13歳になったノアは、呪いの調査のため、伝説の魔女『アーデルハイト』によって海の中に建設されたラーシュノイル魔法学院へ短期入学することに。目的は『船を攫う歌』による客船の沈没や失踪事件の解明。その学院でクラウディアは、いつも放課後に歌を歌っているという八年生のフィオリーナと出会う。彼女は自身も『お姫さま』であると名乗り…?さらにフィオリーナにはラウレッタという妹がおり、魔力量は多いものの魔法の制御に難があるため、初級クラスにいるという情報を得る。調査の鍵になるとにらんだクラウディアは、わざと魔力鑑定で失敗することで初級クラスに所属し、ラウレッタと接触を図ることに…!?そして、ノアの故国であるレミルシア国の王太子・ジークハルトも学院に所属しているようでー。伝説の魔女と黒髪従僕が織りなすファンタジー、第3幕!
『芋くさ令嬢』と呼ばれ、王女の命令でナゼルバートと結婚することとなったアニエス。妊娠が発覚したアニエスが穏やかに過ごす一方で、ナゼルバートは忙しく領地を駆け回っていた。しかし、役人不足は日々加速するばかり。根本的な解決を目指す二人は、育成のための学校建設を決意し、隣国ポルピスタンへ視察に行くことに!訪れたのは、ポールの通うマスルーノ国立学校。視察では成長した弟の姿も見ることができ大満足のアニエスだったが、なんと宿への移動中にはぐれて迷子になってしまう…!そこを助けてくれたのはポルピスタンの王子バレンだった!無事宿に着き、お礼をしたいと伝えたところ食料事情改善の手助けを依頼され…?話を聞くと、この国でもスートレナのような不毛の土地が増えているらしい。問題解決が領地の役にも立つと考えたアニエスたちは、依頼を受けることに!しかし、調査を進める中でアニエスの『強化魔法』に目を付けられてしまいー!?
『BLUE GIANT』もうひとつの物語 沢辺雪祈は、言葉を覚えるより先に音を覚えたーー。 幼い頃、音が「色」に見えた少年は、やがてジャズの魅力に取り憑かれ、運命の仲間たちと出逢う。目指すは日本一のジャズクラブ「ソーブルー」での10代トリオ単独公演! ただ真っ直ぐに、ただただ真摯にピアノと向き合い続ける青年は、夢の舞台で磨き上げたソロを響かせ、喝采を博すことができるのか!? 大人気コミックのストーリーディレクターが魂を込めて書き下ろすフルボリューム音楽小説!! 漫画でも映画でも描かれなかった『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
通りを、アスファルトを、山道を、海岸沿いを、並んで、ひとりで、知覚を冴え渡らせ、無と化し、鳥の声に耳を澄ませ、寡黙に、饒舌に、物悲しく、意気揚々と、自由を求めー歩く。自分の人生を、主体的に歩き続けるとはどういうことだろう?古今東西の作家、音楽家、思想家たちの言葉に触れながら思策を深める渉猟の記録。現代ノルウェー文学の金字塔的作品、ついに邦訳!!
過保護に育てられたレデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、同年代の少女のいる知人宅で休暇を過ごすよう親に命じられ、気乗りしないまま、シルバーのロールスロイスに乗せられ目的地に向かっていた。ところが、霧が濃くたちこめた荒れ地の途中で、いきなり、意味も分からないまま、お抱え運転手のブランドンに車からつまみ出されてしまう。同じころ、周到な計画のもとに、“ナイフ”と呼ばれる若者がボースタル少年院から逃亡する。ビルは荒れ地をさまよううちに少年パッチと知り合い、行動をともにするようになる。二人はビルが思わぬ形で手に入れた暗号で書かれた文書を解読しながら、“にやついた若者”、“ヴァイオリン”、片手が鉤爪の男との、追いつ追われつの冒険へと踏み出してゆく。オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いたクリスチアナ・ブランドが、すべての少年少女のために、みずみずしい筆致で、荒涼とした大地と海が広がるイギリス南部のダートムアを舞台に繰り広げられる冒険を描いたジュヴナイルの傑作。
“彼女が目を上げ、二人の目は出会った。「どうか教えて下さい」彼女の視線に胸の内に熱い波がわきたち、思わず身が震えるのを感じながら、ロマンは言った。「教えて…」彼が繰り返すと、彼女はすべてを悟ってまた目を外した。その頬がさっと赤く染まった。「ああ、なんと早く!」ロマンの頭にそんな思いがよぎった…”優秀な弁護士としての首都での暮らしにピリオドをうった青年ロマンは、画家として第二の人生を歩むために、故郷の村クルトイ・ヤールへと戻ることにした。旧知の友や親類に囲まれた素晴らしく愉快な日々。都会では忘れていた人間としての生活に、彼は大きな喜びを感じる。そして、やがて彼は運命の女性にめぐり会う…。“現代文学のモンスター”の異名をとる作者が、ツルゲーネフ、チェーホフ、ゴーゴリといった19世紀ロシア文学の精髄を戯画化しながら描く、衝撃のスプラッター・ノヴェル。
デビュー10周年を記念してお贈りする、ファン必携のバラエティブック!!書き下ろしSS、ロングインタビュー、シリーズ相関図、コミカライズなどーぎゅぎゅっと盛りだくさんでお届け。
新婚年の差カップル、まだ見ぬ家族とご対面ー?高校生の本川弥尋が出会ったのは、やり手に見えてどこか放っておけないエリート会社員の三木隆嗣。美少年の弥尋に降りかかる数々の災難を経て互いを深く愛し合うようになった二人は、ついに結婚!晴れて家族になった。出逢い、恋して、愛し合い、入籍ーと、手順を踏んできたものの、まだご挨拶できていない人が…?
『分解する』『ほとんど記憶のない女』につづく、「アメリカ文学の静かな巨人」の三作目の短編集。内容もジャンルも形式も長さも何もかもが多様なまま自在に紡がれる言葉たちは、軽やかに、鋭敏に「小説」の結構を越えていく。作家が触れた本から生まれたミニマルな表題作「サミュエル・ジョンソンが怒っている」をはじめ、肌身離さず作家が持ち歩くという「小さな黒いノート」から立ち現れたとおぼしき作品など、鋭くも愛おしい56編を収録。
1989年夏の東ドイツ。大学で文学を学ぶエドは、恋人を事故で亡くして絶望し、人生からの逃亡を決意する。向かったのはバルト海に浮かぶ小さな島、ヒッデンゼー。対岸にデンマークを望むこの島は、自由を求める人々の憧れの地だ。島に到着したエドは、さしあたり一夏を過ごそうと「隠者亭」の皿洗いの職に就く。実質、島はクルーゾーというカリスマ的な男によって統治されていた。強烈なパワーで周囲を動かすクルーゾーに、エドは畏怖と憧れを抱く。やがて、クルーゾーは詩への情熱からエドを特別な存在として認め、二人は心を通わせ、深い絆で結ばれていく。だが、夏が終わり、秘かに国境を越えようと住人が一人また一人と去っていくと、平穏な日々に亀裂が…。最後に一人、島に残った男が知る世界の大転換と、友との約束とは?夢と現実の境界を溶かす語りで国家の終焉を神話に昇華させた、ドイツ書籍賞受賞作。