2023年4月発売
テロリストを追え! 圧巻の国際警察小説。 香港国家安全維持法成立以来、日本に流入する犯罪者は増加傾向にある。国際犯罪に対応すべく日本と中国の警察が協力するーーインターポールの仲介で締結された「継続的捜査協力に関する覚書」のもと警視庁に設立されたのが「特殊共助係」だ。だが警察内部では各署の厄介者を集め香港側の接待役をさせるものとされ、「香港警察東京分室」と揶揄されていた。メンバーは日本側の水越真希枝警視ら5名、香港側のグレアム・ウォン警司ら5名である。 初の共助事案は香港でデモを扇動、多数の死者を出した上、助手を殺害し日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を逮捕すること。元教授の足跡を追い密輸業者のアジトに潜入すると、そこへ香港系の犯罪グループ・黒指安が襲撃してくる。対立グループとの抗争に巻き込まれつつもユー元教授の捜索を進める分室メンバー。やがて新たな謎が湧き上がる。なぜ穏健派のユー教授はデモを起こしたのか、彼女の周囲で目撃された謎の男とは。疑問は分室設立に隠された真実を手繰り寄せる。そこにあったのは思いもよらぬ国家の謀略だったーー。 アクションあり、頭脳戦あり、個性豊かなキャラクターが躍動する警察群像エンタテイメント! 【編集担当からのおすすめ情報】 「機龍警察」シリーズの著者が放つ、警察小説の新たな傑作がここに! アジアを舞台に、今、現実に起こりつつあることさえ呑み込み、リアルとフィクションのあわいに生み出された珠玉の物語。必読です。
『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』の著者による、清冽なる時代小説 消えた若君と、蠢く陰謀 その時、男はーー。 江戸藩邸の“なんでも屋”--藩邸差配役・里村五郎兵衛 誰にもできぬお役を果たすのが、勤めにございます 里村五郎兵衛は、神宮寺藩江戸藩邸差配役を務めている。陰で“なんでも屋”と揶揄される差配役には、藩邸内の揉め事が大小問わず日々持ち込まれ、里村は対応に追われる毎日。そんななか、桜見物に行った若君が行方知れずになった、という報せが。すぐさま探索に向かおうとする里村だったが、江戸家老に「むりに見つけずともよいぞ」と謎めいた言葉を投げかけられ……。 最注目の時代小説家が描く、静謐にして痛快な物語
未知のウイルスが露わにしたものはーー 厚労省の変人役人vs中抜きハイエナ!? 東城大学医学部付属病院に新しく赴任してきた中堅医師・洲崎は、医師のワークライフバランスを主張。 さらに、病棟に「効果性表示食品」を導入しようとし、上司である田口医師と対立して…… 累計1080万部突破の「バチスタ」シリーズに連なる、「コロナ」三部作、堂々の完結! (あらすじ) 2022年7月ーーコロナ新規感染者は一日10万人を超えていた。第7波、第8波と、波状攻撃で新型コロナウイルスは日本社会に襲いかかる。 医療現場は医療崩壊の状況を超え、今や「医療麻痺」に陥っていた。 その頃、ホスピス病棟とコロナ病棟の責任者を兼務している田口公平は、新任の中堅医師・洲崎に手を焼いており、 この問題を解決するため、禁断の一手、厚生労働省の白鳥圭輔を東城大に召喚するが……。
1983年の初版から、総合的に改訂、更新。 900 を超える新しい項目で、最新の情報を網羅している。新しい作家や挿絵画家が紹介され、マンガ、ファンフィクション、非印刷物出版などの開発についての記事と、賞や受賞者に関する追加情報を加えた全面改訂版。
ある年の大晦日の夜、アルジェリア駐在のフランス陸軍士官エクトール・セルヴァダックは、従卒のベン= ズーフとともに、尋常でない衝撃を受けて気を失う。意識を取り戻した彼らは、西と東が逆転し、一日の長さが半減し、重力が六分の一となり、誰もいない孤島にいた……。彗星の一撃によって地球もろとも宇宙空間に運び去られたセルヴァダック一行の、パラレルワールドで展開される太陽系ロビンソン漂流記。奇想天外、ジャンルSFの出発点と目され、〈驚異の旅〉の転換点を刻する問題作、初の完訳。
ラジオドラマ化、コミカライズも話題に!! 神話のふるさと・宮崎県美郷町をモチーフにした作品を全国から募集。企業版ふるさと納税を活用した、物語資源で地域の魅力を発信する文学賞(審査委員長・中村航)の第5回作品集。 【収録作品】 大賞&MRT宮崎放送賞 「かざのもりびと」潮路奈和 優秀賞(日本放送作家協会賞) 「ドンタロ様と河童の日」東紀まゆか 優秀賞(審査員特別賞) 「王の犬」黒井友 佳作 「金の飴」門武鸞 「靴が鳴る」中野七海 「雲、ひとひら」紫陽花 「その灯が消えないように」阿井千尋 「私の姉妹」羽鳥郁 「もう一つの、師走祭りのその中で」阿部凌大
“あの日”何があったの? 死んだあの子と“私”に…… 校舎裏で殺された女子生徒、容疑者は“親友”とされる一人の少女。 食い違う18の証言、やがて浮かび上がる戦慄の真実。 主人公は高校一年生の女の子、ジュヨン。ある日校舎の裏で親友のソウンが死体となって発見され、警察から容疑者として取り調べを受けることになる。昨日の放課後、ソウンと大げんかをしたのは確かだが、記憶は途中からすっぽりと抜け落ち、殺人の記憶はない。 裕福な家庭で何不自由なく育ち、誰からも羨まれるジュヨン。一方、貧しい家庭で育ち、学校ではあまり目立たなかったソウン。性格も周囲の評価も正反対だが、他の誰も間に入り込めないような親友だった。物語は、勾留されたジュヨンの心の声と、周囲の人たちの証言を交互に綴っていく。当初バラバラに見えた「真実」をめぐる証言は、ある方向に集約していくのだが……。 殺したい子 作者の言葉 訳者あとがき
かつてタレント歴史学者を夢見たロスコフは、落ち目だった。1995年に「冷戦下米国のソ連スパイ事件」を巡る書籍を出版したが、直後CIAが機密解除、本は一夜にして紙くずに。妻とは離婚し大学を退職、酒浸りだったロスコフは、同性愛者の娘のラディカルフェミニストの恋人に刺激され、研究を再開、サルトルやボリス・ヴィアンと親交があったアメリカの詩人・ウィローについての書籍を刊行する。客わずか5人の出版記念トークショーの席上、ロスコフはウィローが黒人であることを記述しなかった理由を問われる。翌朝掲載されたブログ記事が炎上し、ロスコフはレイシストだという非難にさらされる。さらに自分を擁護するツイートに返信したロスコフは、炎上を煽ってしまう。ツイートした知人は、極右政党に入党していたのだー。現代社会への痛烈な皮肉。超弩級の注目作!ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、アカデミー・フランセーズ賞、ジャン・ジオノ賞…フランスの名だたる文学賞レースで候補作入り!!フロール賞受賞作!
交際していた恋人・加奈子が既婚者と知った朝陽大輝。関係を清算しようとしたが、加奈子は朝陽の目の前で自死してしまう。葬儀後、加奈子の夫・清瀬隆が朝陽の家を訪れる。二人の関係を知っており、「貴方しか加奈子の話が出来る相手がいない」と言い張り、なぜか日々料理を提供する。清瀬に嫌悪感を抱き彼の作る食事も拒否する朝陽だったが、自分に執着する彼と接するうち、新たに複雑な感情が生まれていく。ある時、嗜虐心の赴くままに清瀬と接した朝陽は、彼が「不能」であること、その背景にある加奈子との凄絶な関係性を知りー。
オカルト雑誌編集部で働く大学生ライター×異界へ行くことを夢見る「赤い女」 ラストが深く沁みる、新時代の青春恋愛ホラー 零細出版社でアルバイトをしている大学生の米田は、雑務やHPの更新の他に実話怪談の記事の執筆を担当している「怪談ライター」だ。 ある日米田は取材の最中に、乃亜という不思議な、赤い服を着た女性と出会う。 彼女はオカルトマニアで実際に怪談の現場に多数足を運び、科学的に証明できるのかどうかや、再現性がある事象なのかどうかを確かめているのだった。 そして乃亜は怪談の中でも特に「神隠し」について執着しており、自らもいつか異界へと行くことを夢見ていた。 初めはかかわり合いになりたくないと感じていた米田だったが、深夜のオカルトスポット巡りなどのまっとうではないデートを通じて、否応なく距離を縮めていく。 だが彼女には、怪異にまつわる切ない過去があったーー。 そして夏休み、米田と乃亜は、奇妙な祭りの風習があるという話を聞いて、後輩の実家がある山奥の土地に赴いたのだが……。 == 僕の彼女は、怪談になったーー。 大切な人に会いたくなる、切なくみずみずしい青春恋愛ホラー == ※Web小説サイト「カクヨム」投稿作に大きく加筆修正をし書籍化。 装画=春 (『ノーコピーライトガール』)
Twitterで生まれた新しい文学“140字小説”の旗手となる作家・方丈海による珠玉のショートショート170余の作品を再編集・再構成し、完全オリジナル短編作品も加えて新しい仕立てでお届けする。掲載された140字小説群を読み終わるとき、最後に始まるのは“瑞月”の過去と現在、そして未来を救う物語ー。Twitter文学の最前線を歩む方丈の“到達点”にして新展開となる物語の行く末を見届けるのはー“あなた”です。
法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人、血を抜き取られた少女の変死体。 一連の事件の真相と共に、街に隠された秘密が浮かび上がる。 僕(宏哉)と杏梨は、週に3回クリニックで人工透析治療を受けなければならない。そうしないと生命を維持できないからだ。ベッドを並べて透析を受ける時間は暇で、ぼくらは学校の噂話をして時間を潰す。 僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには監視カメラが設置されてもいる。 髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、“法律”だけは犯してはいけないのだ。 一見奇妙に見えるかもしれないが、僕らにとってはいたって普通のことだ。しかし、ある変死事件をきっかけに、鏡沢高校、そして僕らが住む街の秘密が暴かれていくーー。 『法廷遊戯』が映画化され注目を集める現役弁護士作家の特殊設定リーガルミステリー。
ポルトガルの詩人、ペソア最大の傑作『不安の書』の完訳。 長年にわたり構想を練り、書きためた多くの断章的なテクストからなる魂の書。 旧版の新思索社版より断章6篇、巻末に「断章集」を増補し、装いも新たに、待望の復刊!
台風による豪雨で土砂災害が発生し、ひとつのニュータウンが消失した。復旧現場から発見された一家四人の惨殺遺体。防災ジャーナリスト名取陽一郎が現場に立ったとき、真実への扉が開かれるー異彩を放つ!真相解明の新たなロジック。
激動の大塩平八郎の乱──大坂から脱出し、江戸に潜伏する泡界坊。ここでも不正を許せぬ心に火がついた。公方様御側衆の土田新吉郎が、将軍のおぼえめでたいのをかさにきて利権をめぐって悪行三昧。泡界は新吉郎を破滅させるため、類例のない大胆な策を講じる!
遠未来、変貌した人類が異星人と果てしのない戦いを繰り広げるさまを壮大なスケールと美しいヴィジョンで描く「鏖戦」。月コロニーでの、壮絶かつ衝撃的な実験を描いた「凍月」。2022年11月に逝去したベアを追悼する、ハードSFの代表中篇2篇を収録した一冊
1926年12月3日、『アクロイド殺し』などで注目を集める気鋭の作家アガサ・クリスティーが失踪した。ときにアガサ、36歳。最愛の母親を亡くし、夫のアーチーは年若い下流階級の娘ナンと愛人関係にあって、ひどく落ち込んでいたという。そして失踪当日の朝、離婚を切り出した夫と大喧嘩をしたアガサは、夫と幼い娘テディの乳母に手紙を残して、煙のように姿を消した。捜索には延べ数千人の警官が動員されたが、アガサは一向に見つらず、夫による殺害と遺体遺棄まで疑われたー11日後、ホテル滞在中に発見されるまでは。一方、アガサからアーチーを略奪したナンは、ある秘密を抱えていた…不可解な失踪のあいだ、アガサとナンに何が起こったのか?世界で最も有名ナミステリ作家の実際の失踪事件をもとに描かれた衝撃のサスペンス。