2024年1月26日発売
その女は愛する男を殺し、陰部を切り取り逃亡したー。脚本家の吉弥は、少年時代に阿部定事件に遭遇。以来、ゆえあって定の関係者を探し出し、証言を集め続けてきた。幼なじみ、初恋の人、初めての男、芸妓屋に売った女衒、更生を促した学校長、被害者の妻、そして、事件から三十年が経ち、小料理屋の女将となっていた阿部定自身…。それぞれの証言が交錯する果てに、定の胸に宿る“真実”が溢れだすー。昭和の猟奇殺人「阿部定事件」。何が彼女をそうさせたのか?性愛の極致を、人間の業を、圧倒的な筆力で描き出す比類なき評伝小説。
ウクライナ系米国人医師カーチャ、チョルノービリ原発近郊出身の鉱山技術者ミーシャ、青い髪の活動家スラヴァ、独立広場でピアノを弾く元KGBスパイ…冬のウクライナ、首都キーウ。それぞれの過去を抱えた人々の運命が交錯するー喪失と、希望への物語。ニューヨーク公共図書館若獅子賞受賞作。
災害公営住宅への移転に伴い解体作業が進む仮設住宅の一室で見つかった他殺体。発見場所は出入り口がすべて施錠された完全密室、被害者は町役場勤務の、仮設住民の担当者。笘篠誠一郎刑事と蓮田将悟刑事は仮設住民と被害者とのトラブルの可能性を想定し、捜査にあたる。そこで遭遇したのは、蓮田にとって忘れがたい決別した過去に関わる人物だった。
脱出不可能な孤島、足抜け厳禁の遊廓、追手だらけの深山。絶体絶命の窮地を罪人は逃げきることができるのか!歴史小説の第一人者が描く江戸の闇。唯一無二の逃亡短篇集。地獄から生き延びよ!
メッセージアプリの消えない「入力中…」、雨音が聞こえ続けているカーテンの向こう側、授業中に回される小さな折り手紙、少女たちが体験したひと夏の戦慄。「」の姿を視認した時、物語は再び動き始める。『かわいそ笑』『6』に続く、新進ホラー作家・梨の単著第3作目!299の断片が紡ぎ出す、聞こえなかった旋律と戦慄ー
国語教科書にのった名作についてもっと知りたい、読みたいときに。2011(平成23)年版から2024(令和6)年版までの小学校国語教科書(1年生、2年生、3年生)に出てくる物語文・詩・説明文215作品より、作品が掲載された図書586冊を収録。図書館でのレファレンス業務、読書指導にも役立つ一冊。巻末に「教科書別索引」「書名索引」付き。