2024年11月20日発売
『嘘つき姫』で鮮烈デビュー、2作目『海岸通り』で芥川賞候補。 ファンタジックな世界観と異国情緒ただよう文体で読者を魅了する、2024年最大の新人が、文芸界に風穴を開ける。 次世代の「本物」を探すみなさま、この「才能」を、見つけてください。 〜〜〜〜〜〜 手のひらのミクロコスモス。地獄の口に何度でも出くわす人生、でも私だけの天国に続く糸も確かに光り、ここにある。この物語の中に。 ーー 一穂ミチ とびきり美しい物語群の中に暗さや裏切りがあって、人間の光と影を同時に見せてくる…才能って“これ”のことね!? ーー佐伯ポインティ 孤立と連帯のあわいを揺れる不器用な人間の心。その迷宮の出口は、意外なところに開いている。 ーー千街晶之 注目作家の変幻自在っぷりが炸裂。一編一編異なる魂を持つ、驚異的な短編集。 ーー瀧井朝世 坂崎さんの紡ぐ、宝石箱がきらめくような言葉づかいに、もう、夢中です!!! ーー三宅香帆 〜〜〜〜〜〜 ★収録作品★ 「ベルを鳴らして」(日本推理作家協会賞短編部門受賞作) そこにひとつの戯画がある。家一軒ほどの大きさのタイプライターだ。 「イン・ザ・ヘブン」 地獄はどこにでもある。内とか外とか関係ない。 「名前をつけてやる」 これは「バッグ・クロージャー」これは「ランチャーム」これは「ポイ」 「あしながおばさん」 拝啓 盛夏の候、時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 「あたたかくもやわらかくもないそれ」 ゾンビは治る。マツモトキヨシに薬が売ってる。 「渦とコリオリ」 水流は左に渦を巻いている。 邦文タイピストの少女がついた歴史を変える嘘や、禁書運動家の母親を持つ少女の始祖サンドで繋がれた絆、流行り病「ゾンビ」で親友を亡くした女性の不思議な一晩etc. 人生ベストの一編が、ここに。 ベルを鳴らして イン・ザ・ヘブン 名前をつけてやる あしながおばさん あたたかくもやわらかくもないそれ 渦とコリオリ
「物語に救われ、読書に呪われた」 君はなぜ、小説を読むのか? 読者を唖然とさせる飛躍とどんでん返しが待っていて、「小説」の意味を痛切に問い直す。--小川哲 何もかも投げ出して小説に没頭するうしろめたさを知るすべての人に捧げたい傑作。--大森望 小説を愛するすべての人に届くべき作品。--けんご 【あらすじ】 五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。 一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。 そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。 しかし、その屋敷にはある秘密があった。 読むだけじゃ駄目なのか。 それでも小説を読む。 小説を読む。 読む。 宇宙のすべてが小説に集まる。
冴えない容貌、天才的な頭脳、人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。大福亜子と入籍を果たし、まだ式は挙げられていないものの、結婚生活にも少しずつ慣れてきた、そんな時。福引きの一等賞で、とんでもない「景品」をもらったという相談がーー。 いつもより、事件も謎も、喜びも驚きも、超特盛! 累計53万部突破!の大人気シリーズ「猫弁」、第2シーズンここに完結! 婚約から三年かかってやっと入籍した百瀬と大福亜子。 しかしまだ、結婚式を挙げられていなかった。 ある日、亜子の勤め先、ナイス結婚相談所に思わぬ客が訪れる。 百瀬法律事務所の事務員、仁科七重だった。 亜子にしか叶えることのできない「願い」があるらしい。 百瀬は、ひなた商店街の野原鮎太の相談を受けていた。 福引きで当たった一等賞の「景品」。 そのせいで、夫婦の間に亀裂が走ったそうだ。 次から次へと迫り来る事件を、百瀬は乗り越えられるのか? シーズン2、感動の完結編、いよいよ開幕! 第1シーズン 『猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち』 『猫弁と透明人間』 『猫弁と指輪物語』 『猫弁と少女探偵』 『猫弁と魔女裁判』 第2シーズン 『猫弁と星の王子』 『猫弁と鉄の女』 『猫弁と幽霊屋敷』 『猫弁と狼少女』 『猫弁と奇跡の子』(本作)
理想を求める中間管理職の奮闘に切り込む、シニカルなボディ・メイキング文学。勤務先で係長に抜擢された後藤は、ボディビルの選手でもあった。ある日、社内の人材の無駄に切り込み組織の代謝を上げると大会に向けて停滞中だった減量も進むことに気づき、身体を仕上げるべくチームの脂肪の除去に驀進し始める。肉体と組織がシンクロしたとき、たたき出されるのはベストパフォーマンスか、それともーー
六十代の主婦・雅美は、大谷選手が書いたマンダラチャートを真似て、マス目を埋めてみる。 もし、人生をやりなおせるならば、「女性が胸を張って生きられる世の中にしたい」。 そう記した途端、雅美はマンダラチャートに飲み込まれ、中学生に戻ってしまう……。 同じくタイムスリップした、かつての憧れの人・天ヶ瀬とともに、昭和の古くさい価値観を変えようと、奮闘する雅美だが……。
働くってことは、生きるってことだ。 「東京バンドワゴン」シリーズの著者が贈る、 高校生たちが大人の階段を上る青春群像。 〈カラオケdondon〉の奥まった一室。そこはお客に貸さない部屋。通称〈バイト・クラブ〉のための部室だ。 ここの部員になるための資格は、【高校生の身の上で「暮らし」のためにバイトをしていること】。 ファミレスにガソリンスタンド、バッティングセンターなどなど。稼いだお金の使い途は学費だったり生活費だったり、将来のためだったり。 お金はなくても、ここには私たちなりの「青春」がある。 でもある日、そんな日常を一変させるような事件が起こるーー。
益田一族がいなければ、日本は四度滅びていただろう@@白村江の戦い、元寇、秀吉の朝鮮出兵、そして幕末の開国と、外敵から日本を護るため、歴史の裏側で尽力した山陰・益田家の、四つの時代の人々を描く連作集。政治、諜報、戦記、そして文明への志の物語。
南北戦争下のルイジアナ。戦場での過酷な体験に苛まれ、伯父の農園で無為な日々を送る外科医のウェイド。殺人容疑を掛けられ、ウェイドの助けを借りて農園から脱走した奴隷女性のハンナ。さまざまな運命に翻弄される彼らが、最後にたどり着いた真実とはーー。
廃校が決まった柳垣小学校で最後の秋祭りが行われる。あの日、担任の先生と町の外からやってきた絵描きの男の姿を見てしまった類と玄。息子の母親会で祭りの準備をしていた類は、人気作家になった玄と再会するがーー「ドヴォルザークの檻より」類の夫、悟志の元浮気相手である千沙は、東京でバツイチ子ありの男・翔琉と暮らす。翔琉が娘の結婚式に参列する日、千沙は廃校が決まった母校の秋祭りを訪れーー「いつかのあの子」
江戸末期から明治へと移り変わる頃、現在の山梨から静岡の間の物流を担っていたのは舟だった。物を運び、人を運び、それぞれの生活があった。自然に翻弄され、時代に翻弄され、ままならぬ日々を抱えながらもおかれた場所で懸命に生きる人間達がいる。 名も無き人々のありのままの姿を力強く描き出す短編集。
怪異による超常現象×名探偵の論理! 30年前から繋がる惨劇の連鎖。その死は祟りか、殺人か? 探偵に憧れて調査会社に就職した倭文だったが、霊を呼び寄せる特異体質が災いしすぐに異動になる。そこは変調課という超常現象に特化した部署だった。リゾート開発会社の依頼で、作業員の不審死が続く五福島に調査に行く変調課のメンバー。その島は30年前に、関係者全員死亡という不可解な連続殺人事件があった場所だった。
下鴨神社の森で暮らす漂泊の巫女、桔梗。京の権力者たちに請われるまま霊視した平将門の姿に彼女は心惹かれた。朝廷が「鬼」と恐れるような者でなく、善政を志す溌剌とした偉丈夫だったから。運命の悪戯で桔梗は坂東へ。やがて将門と出会い、その寵愛を一心に受ける。しかし満たされた時間は長くは続かない。桔梗は霊の目を通して気付く。側近の興世王が纏う不穏な影に将門が呑み込まれつつあることに……。
2025年1月公開の映画「366日」の脚本を手掛けた福田果歩の書下ろし小説。沖縄の高校で出会った美海と湊。母を失い絶望している湊を元気付けたのは、美海の笑顔だった。やがて恋に落ち、時を重ね、こんな日々がずっと続けばというふたりの願いを、一瞬で奪う悪夢が湊を襲う…。あなたは最後を誰と過ごしたいですか?本当の幸せとは何ですか?沖縄のアーティストHY「366日」からインスパイアされた感動の物語に、涙が止まらない…!
いつだって、ここからが始まり。 心もお腹も満たされる、 淹れたてのコーヒーと賄いパスタあります。『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』、待望の続編。 鎌倉の古い洋館でシェアハウスを始めた香良。 個性豊かな住人たちと楽しく穏やかに暮らしていたが、そんな日々も永遠には続かない。 シェアハウス「おうちカフェ」の住人たち 尾内香良 男出ひとつで育ててくれた父が亡くなり、カフェを引き継ぐことに。人付き合いが苦手なシャアハウスのオーナー。 林三樹子 香良の大学時代からの親友。離婚して家を飛び出し、今では共同経営者のよう。 藤村里子 ちょっと神経質。愛犬「ツン」といつも一緒。三樹子と大喧嘩をするも今では仲良し。 道永あゆみ コーヒー豆の焙煎を勉強している。絶賛、片思い中。 加藤千恵子 大事に育てた息子とその嫁に嫌われ、自分の家から追い出されてしまう。 倉林美佐緒 隣人・グラディスさんの愛娘。フランスから帰国し、「おうちカフェ」の新しい住人に。
吉永小百合さん主演映画『いのちの停車場』シリーズ最終話。主人公は映画で広瀬すずさんが演じた看護師・麻世。 これで安心して死ねるよ。 ありがとう、ありがとう。 余命わずかな人たちの役に立ちたいーー“熱血看護師”麻世が「緩和ケア科」で学び、最後に受け取ったものは。 震災前の能登半島の美しい風景と共に、様々な旅立ちを綴る感動長編。 患者さんの苦痛を取り、嫌だと思うだろうことをしない。 それが最後にできる最高の仕事。 まほろば診療所の看護師・麻世は、能登半島の穴水にある病院の看護実習で「ターミナルケア」について学ぶ。激しい痛みがあるのに、どうしてもモルヒネを使いたくないという老婦人。認知症と癌を患い余命少ない父に無理やり胃ろうつけさせようする息子。そして麻世が研修の最後に涙と感謝と共に送るのは、恩師・仙川先生だったーー。
新聞雑誌の原稿に、翻訳、暗号文の解読……。 文章に関する依頼、何でも引き受けます。 どんな無理難題もペン一本で解決してみせる“売文社″のもとには、 今日も不思議な依頼が持ち込まれてーー。 ある日、暴漢に襲われた“ぼく”を救ってくれた風変りな人々。彼らは「文章に関する依頼であれば、何でも引き受けます」という変わった看板を掲げる会社ーーその名も「売文社」の人たちだった。さらに社長の堺利彦さんを始め、この会社の人間は皆が皆、世間が極悪人と呼ぶ社会主義者だという。そんな怪しい集団を信じていいのか? 悩む“ぼく”に対して、堺さんはある方法で暴漢を退治してやると持ち掛けるが……。 暗号解読ミッション、人攫いグループの調査……。社に持ち込まれる数々の事件を、「売文社一味」はペンの力で解決する! 世の不条理に知恵とユーモアで立ち向かえ。驚きと感動が詰まった珠玉の推理録!
神様たちの争いに巻き込まれ、異世界に転生してしまった男性、石原那由多。しかも、なぜか三歳児の姿になって、左目には意志を持ち、コミュニケーションがとれる神様の欠片が宿っていた!? その神様の欠片にツクヨミと名付けたナユタは、転生後に降り立った危険な森を抜けて、やがて古の空飛ぶ城郭都市の遺跡を発見する。さらに、遺跡にあった魔法のジオラマの中で生活できることがわかると、そこを拠点にすることを決めるのだった。前世の趣味で集めた御朱印を通して日本の神様の力を借りたり、オリジナルの魔法を開発したり、ドワーフの街に行ってみたり……ちょっぴりお茶目な神様の欠片に導かれ、ナユタの異世界スローライフが、いま始まる!
シュバルツ国の第二王子クレスは、王位争いを避けて自由に生きるため、あえて辺境の地ナバールへ追放されることを選んだ。念願のスローライフに向けて日々努力するクレスの下に、姉のカルラが突然訪問してくる! 小さい頃からカルラを避けてきたクレスだったが、彼女は密かにクレスを見守っていたという。諜報員として活動する彼女の強さを借りて、暴れる魔獣を討伐するなど、辺境改革を進めていくクレスに、今度は隣国から交流の誘いが届く。クレスのスローライフに待ち受ける、次なる波乱とはーー!?
高校生の遠藤和也はある日、車に轢かれ、目が覚めるとーーなんと異世界に転生し、侯爵家の長男・シンになっていた! 五歳になったシンは神様から祝福という特殊な能力を授かったのだが……それは最低級位、F級の《テイム》であった。この能力でできることと言えば、雑魚スライムを従えることくらい。落ちこぼれの烙印を押されたシンは侯爵家から追放されてしまう。しかし、シンはスライムを『大量』に使役することでどんどん強くなり、冒険者として自由に生きていくことを決意してーー元落ちこぼれ貴族が質より量で成り上がる、超爽快ざまぁファンタジー!