2024年12月13日発売
「人を轢いたかもしれない」 厳格な父親からの一本の電話。それが悪夢の始まりだったーー 80歳目前の武は、教職退任後、市民講座で教える地元の名士。父の武と同じ教職に就く敏明は、妻の香苗と反抗期の息子・幹人との平凡な生活を送っていた。 このところ父の愛車に傷が増え、危険運転が目に余るようになってきたため、敏明は免許返納を勧めるが武は固く拒絶する。 さらに、市民講座の生徒である西尾千代子と武との親密な関係を怪しむ噂が広がり、敏明は悩みを深めていた。 そんなある日、近隣で悪質な轢き逃げ事件が発生。 「あれってーーまさか」 疑念に駆られ、事件の真相を探る敏明が辿り着いた“おぞましい真実”とは? 『悪寒』『不審者』『朽ちゆく庭』に続く、不穏で危険な家族崩壊サスペンス! 【著者プロフィール】 伊岡瞬 (いおか・しゅん) 1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞しデビュー。2016年に『代償』、2019年に『悪寒』が啓文堂書店文庫大賞を受賞。2020年に『痣』で徳間文庫大賞を受賞。『不審者』『朽ちゆく庭』『清算』『水脈』など著書多数。
人情味あふれ、端正にして典雅。卓越した筆致でたどる戦国の世から軍国明治、現代のビジネス社会まで。軍神に生気を吹き込み、等身大に描く表題作「ノーチ 夜」をはじめ、庶民によりそう「帽子」「小さな砦」など、物語の醍醐味を堪能。珠玉の短編小説集の誕生です。 挫けぬ人 小さな砦 ノーチ 夜 庭の千草 帽子 碁仇
時を隔ててわかる、愛するということ、家族であること “森沢文学”の真髄!心が静かに癒される、珠玉の家族小説 趣味の釣りをきっかけに、週末を桑畑村で過ごすようになった忠彦。現地でできた親友の浩之をはじめ、温かな人々や美しい自然に囲まれた桑畑村は、彼にとって「第二の故郷」と呼べるほどの場所だった。しかし、数年後、自身が勤める建設会社が桑畑村でリゾート開発を進めていることを知る。その事実を知った忠彦は浩之に会いに桑畑村へ向かうが、そこで人生を揺るがす出来事に遭遇してしまう。その日を境に、忠彦と家族の運命は大きく変わり出していき……。 不器用ながらも自分の信念を貫いた男と、その家族の絆を描いた感動の物語。
異形の容姿、恋する狂気、特注の魔銃剣により『鉄血の乙女』と呼ばれる公爵令嬢アーシャ・リボルヴァ。彼女は愛する皇帝陛下アウゴの平穏な治世を害する敵を降した後、陛下の正式な妃候補となり甘い日々を堪能していた。 しかしそんなアーシャに目をつけたのが、南の女公フェニカ・チュチェ。彼の地の支配者であり争いを好む彼女は、アーシャたちが望む国の在り方が受け入れられないようでーー 今回も陛下への思いが募りすぎて大暴走のアーシャは、さらなる強敵から仲間たちを守り抜けるのか!? 銃も恋情も飛び交う激闘ラブストーリーの第2巻、満を持して登場ですわ!
長旅から帰ってきたリーリア。1ヶ月の休養を経てクリスやニコ王子と再会し、いつも通りの日々に戻りつつあった。そんな中、クリスから『オールバンス家に幽霊が出る』という噂が流れていることを聞いたリーリアたち。幽霊の正体とは一体…。 一方、レミントンの事件により学費を払えない学院生が増えていることを知ったリーリアは、自分のお金を使って奨学金を出す提案をする。この提案がランバート殿下と四侯当主を巻き込み、レミントンの凍結資金を動かす大きな話になってしまう。さらなる噂に、監理局との不和、そして新たな護衛も現れてー…! 戻ってきた日常も相変わらず大忙し!?待望の第10巻!!
類まれな魔法の能力を持つ王妃セシルは王位継承戦に敗れ、辺境の戦争地帯で最前線に立たされていた。幽閉された母のために魔力を振るい続ける彼女はいつからか「死姫」と呼ばれ、畏怖の対象となっていた。そんな折、セシルは「最強の白狼」と謳われる孤高の剣士と出会う。剣士の名はエドガー。強大な魔力を持つ魔法使いと圧倒的な力を誇る剣士が運命の出会いを果たすとき、王国の運命を大きく揺らぎ始める!
乙女ゲームの悪役令嬢に転生するも自ら公爵家を脱出し、大神殿で見習い聖女として穏やかな日々を送るペトラ。ラズーの地に冬が到来し、十歳となったペトラだったが、春になったら乙女ゲームのヒロインである義妹のシャルロッテがグレイソン皇太子との婚約を結ぶために大神殿に訪れることを知り、悪役令嬢フラグ再発の可能性を心配しつつも一年ぶりのシャルロッテとの再会を楽しみにしていたが…。一方、美少女(?)ベリーはペトラとの交流によって徐々にその在り方が変化してきたようでー。「第3回一二三書房WEB小説大賞」金賞受賞作!!
王妃として日々公務をこなすユリアだったが、ある催事の最中に突如ユリアの体調に異変がー。その原因は相性のよい異性で…?『魅了のあなた』自国開催となった国際親善大会を盛り上げるべく、国王ローレン自ら出場することに。そして、参加国からの貴賓として訪れたふたりの姫君からのお願い事を発端に、ユリアも舞姫の一員として勝利の舞を踊ることになりー。『球技大会は荒れ模様』全五篇で送る大人気溺愛ロマンスファンタジー、第3巻!!「第1回一二三書房WEB小説大賞」銀賞受賞作!!
白川家に囚われた里葉を救うために広龍や片倉、ザックたちを擁して『白川事変』を制した雨宮家は、重家探題により一定の処罰を与えられながらもさらなる勢力拡大を遂げていた。その一方、裏世界からの“侵犯”の増加により、侵犯妖異専門の探索者をタレント化した存在である『ヒーロー』が台頭。そして、『白川事変』から3年。ついに類を見ない規模の侵犯が始まるのだったー。「第2回一二三書房WEB小説大賞」銀賞受賞作!!
シリーズ第1巻「人魚の姫」は、表題作のほか、「眠りの精」「みにくいアヒルの子」「野のはくちょう」「アヒルの庭で」「コウノトリ」「ナイチンゲール」の7篇を収載している。「人魚の姫」「みにくいアヒルの子」などの代表作の他に、「野のはくちょう」は、白鳥に変えられた11人の王子を妹のエリーザの献身的な愛で救う物語など、100年以上読み継がれ今でも多くの人々に愛され続けている名作揃いの一冊。 人魚の姫 眠りの精 みにくいアヒルの子 野のはくちょう アヒルの庭で コウノトリ ナイチンゲール
セヴァン・ヴァレーにわだかまる邪神カルトの物語の終着点! ラムジー・キャンベル作品集『グラーキの黙示』第3巻 マッターホルン・プレスが、英国のセヴァン・ヴァレーに根を張るカルト教団の聖典を、『グラーキの黙示録』のタイトルで無許諾刊行してから、150年近くの歳月が流れた。 ブリチェスター大学のアーキビストであるレナード・フェアマンは、この伝説的な書物の“唯一現存する写本”を大学に収蔵するべく、英国北部の海岸沿いに位置するガルショウという町に赴くことになる。ちょっとした日帰りの旅のつもりだったが、そうはならなかった。求める『黙示録』の各巻は、この風変わりな町の別々の住人が所有しているというのである── 英国怪奇・幻想文学界の巨頭、ラムジー・キャンベルが16歳の頃に執筆した「湖の住人」に登場して以来、彼の作品世界の背景に見え隠れし続けた忌まわしき神話典籍、『グラーキの黙示録』。50年もの間、その全容を匿(かく)し続けてきたヴェールが、他ならぬラムジー・キャンベル自身によってついに剥ぎ取られた!
明治の終わりから大正、昭和初期に活躍した、能登(現在の石川県羽咋郡志賀町富来)出身の自然主義作家・加能作次郎の5つの作品を収録した作品集。加能作次郎のデビュー作「恭三の父」、10代の少年の女性への心理を京都の町の生活の中で描いた傑作「乳の匂ひ」、成長した息子と父との長年の交流と心の動きを丹念に追う晩年の名作「父の生涯」の3つの小説と、作家の生地でありすべての作品に大きな影響を与えた能登半島の自然・人情・生活が描かれるエッセイ「能登の西海岸」「能登の女」を収めました。 加能作次郎と同じ能登半島・七尾市出身で加能作次郎の研究をライフワークとする編者による小論「加能作次郎と能登」が収録されているので、作家や作品の背景への理解も深まるでしょう。 作品に一貫して流れる人の情愛に眼差しを向ける姿勢と、それをとおして描かれる人間の心のやさしさ、故郷への愛情と葛藤は、現代の私たちの心情と驚くほど共通しています。 菊池寛、芥川龍之介、宇野浩二、久米正雄、広津和郎らと同時代に活躍し、長く正当な評価を受けてこなかった加能作次郎の魅力を再発見する一冊です。 恭三の父 能登の西海岸 能登の女 乳の匂ひ 父の生涯 加能作次郎と能登 杉原米和 一 父の肖像 二 海を揺籠に 三 「ふるさと」の唄 父と子の物語 おわりに