2024年3月5日発売
辺境貴族の跡取りであるラグナは、元日本人の転生者で、この世界は彼の知る乙女ゲー世界だった。のんびり暮らしたいのに、慣れない領地運営に翻弄される日々。 そんななか、突然、ラグナと格上貴族との婚姻が決まってしまう。そうして嫁いできたアリシアは、なんと乙女ゲーの「悪役令嬢」だったーー。 彼女が「悪役」たる理由が、アリシア自身にないことを悟ったラグナ。徐々に絆を深めていくものの、アリシアが何者かに命を狙われてしまう。 迫りくる魔の手を払いのけ、アリシアを破滅の運命(シナリオ)から救うことはできるのか!?
牧瀬丈二は会社帰りに、傷ついたドラゴンの子供を拾う。 ダンジョンやモンスターの存在は当たり前になったが、ドラゴンを手懐けるのは丈二が世界初。 おはぎと名付けたその姿を配信してみると、かわいすぎて大人気に! さらにおはぎに惹かれて巨大狼やスライムなど、次々とモンスターが集まってきて!? バズりまくったので脱サラして、庭にできたダンジョン内に牧場づくり。 牧場の様子を配信しながら、モンスターたちとのんびり暮らします!
セツナとアルトのリペイドでの生活も一月が過ぎ、国の一大行事「建国祭」が迫っていた。しかし国王は建国祭より国難対応を優先する。その態度に危機感を抱いた王妃から依頼を受けたセツナは、国王と王妃を取り持つある計画を秘密裏に進めるが、あと少しというところで思わぬ事態に。一方、アルトたちと静かに余生を過ごすラギは「残された時間で何ができるだろう」と悩みを深める。季節は夏から秋へ。北国で交錯する温かな人間模様。 プロローグ/第一章 トルコキキョウ《良き語らい》/第二章 アメジストセージ《家族愛》/第三章 ヒヨドリジョウゴ《すれ違い》/第四章 トルコキキョウ《楽しい語らい》/エピローグ/追章 杜若《音信》
原作小説での破滅を回避するため、ひたむきに努力して仲間を集め、絆を深め合う「私」と「俺」。 けれど、そんな二人の前に様々な障害が立ち塞がる。 原作の勇者と聖女がちょっかいを出してきたり、義母に命を狙われたり、さらには原作のラスボスである魔族の皇子まで! お互いを想いながらも、転生者であることを隠し続ける二人の運命は大きく揺さぶられて……!? 愛憎入り乱れ、風雲急を告げる悪役転生逆転ファンタジー第2弾!
第8回カクヨムWeb小説コンテスト カクヨムプロ作家部門 特別賞受賞! 王道RPGの主人公ルークに、とあるゲームオタクが転生した。 才能に恵まれ、予習も完璧、のはずだったのに。 チュートリアルで、幼馴染の本命ヒロインを守りきれなかった。 この世界ではご都合主義は起きない。 それでも、とルークは誓う。 必ず英雄になって、世界を救ってみせる! 本来の自分を隠し、ルークの冒険をなぞり始めた彼に、 仲間たちは原作とは違う反応を示していきーー? 英雄になる使命を負った少年の偽りの英雄譚、開幕。
「運命の相手」と心が通じ合うとき奇跡が起き幸福がもたらされるという言い伝えにより、伯爵令嬢スカーレットは「運命の相手」を示す赤い糸を鑑定。だが、自身の赤い糸は途切れていた! 家族からは政略結婚の役に立たないと虐げられ、スカーレットは平民になるため家出を考えるも、残忍と噂の公爵に嫁ぐことを命令される。 その後スカーレットは、隣国ルーゼンフェルド国王リオハルトの赤い糸が途切れているのを見て驚く。 赤い糸は自分と運命の相手にしか見えないのだ。 リオハルトはスカーレットに「お前が俺の”運命の伴侶”だ」と告げるがーー!? 一人で生きていくことを決めた糸切れ令嬢が本当の愛に出会うじれキュンラブストーリー!
オーガストと無事婚約破棄し、リュスカと婚約することとなったアンジェリカ。 正式に婚約を結ぶために、リュスカの生まれ故郷、スコレット公国に向かうことに。 アーノルドとデイジーも引き連れて向かった先で、リュスカに抱き着く女性が! リュスカの幼馴染であるフレアは、自分こそがリュスカにふさわしいと主張する。 アンジェリカをリュスカの婚約者の座から蹴落とそうと、あの手この手の嫌がらせを仕掛けて来るフレアだが、アンジェリカはへこたれず彼女を撃退。 業を煮やした彼女は、ついに頼ってはいけない相手《強欲の魔女》を頼ってしまいーー!? アンジェリカとリュスカは無事魔女に打ち勝てるのか!? したたか令嬢とそんな彼女を支える公子のラブストーリー第二巻!
誰もが恐れる氷帝・アルセイフの冷たい心を癒やし、ついに婚約したフェリア。 出会った当初からは考えられないほど、アルセイフから甘い愛情を注がれる日々を送っていた。 ずっと落ちこぼれ認定されていた魔力も、実は偉大な存在である《精霊王》の力をその身に宿していることが発覚。 誰かを“護りたい”という強い意志によって力を発揮できることに気づいたフェリアは、その力をコントロールする修行をはじめることに。 そんなある日、「どんな手を使っても貴女を手に入れる」--フェリアを狙って超絶美形な魔王・カリアンが現れた。 策士な魔王による画策で、フェリアとアルセイフは大ピンチに! ……2人の運命はいったいどうなる!?!? ドキドキハラハラの第2巻!
30年ぶりにアメリカから帰国し、武蔵野の一角・うらはぐさ地区の伯父の家にひとり住むことになった大学教員の沙希。 そこで出会ったのは、伯父の友人で庭仕事に詳しい秋葉原さんをはじめとする、一風変わった多様な人々だった。 コロナ下で紡がれる人と人とのゆるやかなつながり、町なかの四季やおいしいごはんを瑞々しく描く物語。 【著者プロフィール】 中島京子(なかじま・きょうこ) 1964年、東京生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務ののち、フリーライターに。アメリカ滞在を経て、2003年『FUTON』で小説家としてデビューする。2010年『小さいおうち』で直木三十五賞、2014年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞を受賞。2015年『かたづの! 』で河合隼雄物語賞、歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、柴田錬三郎賞、同年『長いお別れ』で中央公論文芸賞、翌年の日本医療小説大賞を受賞。2020年『夢見る帝国図書館』で紫式部文学賞、2022年『ムーンライト・イン』『やさしい猫』で芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)、同年『やさしい猫』で吉川英治文学賞を受賞した。そのほか、著書多数。
北海道浦河町で生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。 パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰の「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いないーーと確信していた。 そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。 二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。 一進一退しながらも着々と結果を残していくカムナビ。 目指すは、日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇。 生産者、厩務員、調教師、馬主、ジョッキー……ホースマンたちの夢を一頭の競走馬に懸けた熱き物語。 【著者プロフィール】 馳星周(はせ・せいしゅう) 1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。96年デビュー作『不夜城』で第18回吉川英治文学新人賞受賞。98年『鎮魂歌』で第51回日本推理作家協会賞、2020年『少年と犬』で第163回直木賞受賞。他の著書に『約束の地で』『神奈備』『雪炎』『蒼き山嶺』『パーフェクトワールド(上・下)』『雨降る森の犬』『ソウルメイト』シリーズ、『黄金旅程』『ロスト・イン・ザ・ターフ』ほか。
江戸を舞台に、個性豊かな三人の婆たちの日常とその周りで起こる悲喜劇をコミカルに描く「女性の老後」をテーマにした長編小説。 名手宅の祐筆(文書や記録を取り扱う職)を得て静かな余生を過ごしたいお麓(ろく)は、おはぎ長屋という長屋に住んでいた。これで老後の安泰は約束されたと思い込んでいたが、その平穏な暮らしはわずか一年で終わりを迎えた。お菅(すげ)が越してくると、さらに半年後にはお修(しゅう)がやってきたのだ。二人の幼馴染はお麓の長屋を毎日欠かさず訪ねてきては、心底どうでもいい話をしゃべり散らす。 お麓はこの先、二人とうまくやっていけるのか。安穏に暮らすはずの余生はどうなってしまうのか。さらには、いろいろな事件に巻き込まれていき……。
幕府直轄の出羽の島に、なぜ蝦夷地の赤い花が?その島では曇って海が霞んで見える日に、怪異な浮き物が沖合に現れる。幕閣が江戸から送り込んだ若き藩主たちがその正体に迫った時ー文化文政の世、幕府の威光に陰りが見え始めた世情を照らし出す、時代ミステリー。第15回日経小説大賞受賞。
天国で何不自由なく暮らしているトオルのもとに舞い込んできた、人生やり直しのチャンス。死に別れた最愛の妻に指輪を手渡すべく、GTRを賭けた「禁断のクイズ大会」に参加することにートオルは無事に元の世界へ戻ることができるのか。そして、最後に明かされる衝撃の事実とは。表題作「GTR(天使のように僕は死んだ)」ほか、ユーモアたっぷりな全4編を収録。
源氏物語に傾倒した現代の女官がつづる京都滞在の日記物語。皇族の若い女宮さまを主人公に、マスコミ・バッシングによる心の傷をいかに癒すのか。皇室にゆかりの寺社仏閣や源氏物語にちなんだ洛中洛外を舞台に思わぬ出逢いが女宮さまの、そして女官達の心をほぐし、新たな人生の扉を押し開けていく。「やまとことば」と自作の和歌十首ほどを織り込むことで、源氏物語の趣をほのかに再現しているのも、この著作の魅力のひとつ。皇室とマスコミ、皇室と国民の関わりや在り方に対しても国民的議論に一石を投じたいという作者の意欲作。 《第一週》起す;一帖 鴨川;二帖 宇治;三帖 離宮;四帖 伏見;五帖 嵯峨;六帖 祇園;七帖 篭り;八帖 東山;九帖 近江;《第二週》承ぐ;十帖 今出川;十一帖 明石;十二帖 野兎;十三帖 観世音;十四帖 奈良;十五帖 先斗町;十六帖 豊国;十七帖 建勲《第三週》転ず;十八帖 作業場;十九帖 門跡;二十帖 糺の森;二十一帖 銀閣;二十二帖 芸術家;二十三帖 洛中洛外;《よりあと》結ぶ;二十四帖 談義;二十五帖 御寺;二十六帖 御所;二十七帖 清明
気が付くと鬱ゲームの世界のアドマト公爵家嫡子フェゼとして転生していた主人公。しかし、前世の記憶だとフェゼは死の運命を辿るキャラクターだった。そんな結末を避け、生きて元の世界に帰還するべく、異界に通じるとされる開天神代の魔法具を入手するためにダンジョン攻略に挑む。さらに資金を稼ぐためマモン商会で出会ったネイを誘ってビジネスを始めたり、やがては戦争も起こす羽目にー!!生きるためならどんな手段も厭わない主人公による、異世界攻略ファンタジー開幕!
俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て━━。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか?
不登校の遥香は、リビングの本棚の片隅で一冊の汚れた本を見つけた……『アンネの日記』。 そして、それが不思議なできごとの始まりだった。 遥香が閉じこもる狭い部屋に、アンネ・フランクたちが突然現れる。そして強引に住み着いていく。 アンネたちはここで奇跡を待つのだと言う。当惑し混乱し反発する遥香。だが、やがて遥香とアンネとのあいだに深い友情が芽生えていく。遥香の心が動き出す……。 心揺さぶるファンタジー小説。
戦禍に苦しむ世界の子どもたちへ、届けよう、比嘉正子の「愛」を。敗戦直後の日本で、時の権力GHQと対等の関係を築き、戦後復興と生活者のための活動をつづけた女性がいた。彼女の名は「比嘉正子」。戦後の消費者運動の生みの親でもある。一人の女性が、政府・財界と対峙して、しなやかに誇り高く闘い抜いた原動力は、すべての人への「愛」だった。2025年3月比嘉正子生誕120年を迎える。今、戦禍に苦しむ世界の子どもたちへ、届けよう、比嘉正子の「愛」を…。