2024年3月発売
15人vs15人の団体戦「七帝柔道」。この旧七帝国大学だけの寝技中心の柔道に憧れ、増田俊也は2浪の末に北海道大学に入学した。しかしかつて無敵を誇った名門・北大柔道部は、旧七帝大同士で競う大会・七帝戦で、2年連続最下位であった。さらに増田の1年、2年の七帝戦でも1勝も出来ず、主力の上級生たちはみな引退してしまう。かつてない絶望的なチーム状況の中、果たして北大、復活なるか。副主将となった増田は主将の竜澤とともに、部内外の仲間たちに支えられながらチームを率いていくーー。 あの日の少年は青年となり、因縁の戦いに向かう。 「命をかけて最下位を脱出するんだ」 第1章 たった2人の抜き役 第2章 札幌には観光に来た 第3章 汗の蒸気と柔道場 第4章 沈む泥舟 第5章 函館の潮風、札幌の豪雪 第6章 怪物新入生がやってきた 第7章 北海道大学柔道部の焦燥 第8章 後藤主将、七帝戦を率いる 第9章 寝技仙人は東の方角にいる 第10章 対東北大学定期戦 第11章 雪が積もりはじめた札幌で 第12章 昭和最後の日 第13章 最後の七帝戦 第14章 東北大学との死闘 第15章 人の世の清き国ぞとあこがれぬ
吉原惣名主の川口屋平左衛門に「診てもらいたい」と頼まれた遊女・桐葉は、奇妙な女だった。彼女の言動に疑念を抱いたおゑんは、廓の用心棒・甲三郎や薬草に詳しい末音らの力を借り、その謎に迫ろうとするが…。
一九八〇年。ルイジアナ州の沖に小型飛行機が沈んだ。サルベージダイバーのボビー・ウェスタンは、海中の機内で九名の死者を確認する。だがブラックボックスがなくなっており、彼は十人目の乗客がいたのではないかと推測する。この奇妙な一件の後、彼の周囲を怪しい男たちがうろつきはじめる。徐々に居場所を失った彼は、追われるように各地を転々とする。テネシー州の故郷の家、メキシコ湾の海辺の小屋、雪に閉ざされた古い農家ー原爆の開発チームにいた父の影を振り払えないまま、そして亡き妹への思いを胸底に秘め、苦悶しながら。喪失と絶望を描き切ったアメリカ文学の巨匠、最後の二部作。妹の物語を綴る長篇『ステラ・マリス』と対をなす傑作。
一九七二年秋。二十歳のアリシア・ウェスタンは、自ら望んで精神科病棟へ入院する。医師に問われ、彼女は語る。異常な聡明さのため白眼視された子供時代。数学との出会い。物理と哲学。狂人の境界線。常に惹かれる死というものについて。そして家族ー原爆の開発チームにいた物理学者の父、早世した母、慈しんでくれた祖母について。唯一話したくないのは、今この場所に彼女が行き着いた理由である、兄ボビーのこと。静かな対話から孤高の魂の痛みと渇望が浮かび上がる、巨匠の遺作となる二部作完結篇。『通り過ぎゆく者』の裏面を描いた異色の対話篇。
四十一歳、モデルとして華やかな生活を送る美智。四十二歳、「ええとこのお嬢さん」で実家の両親と暮らす晴子。四十三歳、大手の外資系で働くキャリアウーマンの喜美江。全く違う境遇の三人が出会ったのは、土砂降りの日に飛び込んだコーヒーショップだった。初めは「見栄」や「プライド」でぎくしゃくすることもあった彼女たちだが、それぞれが抱えている悩みや問題を共有する中で、不思議な絆が芽生えていく。しかし、実はお互いに明かしていない本当の姿があって…心を許し合える関係でも、どうしても言えない秘密がある。三人の女性の人生が交差する時間を描いた、“第二の青春”群像劇。
日本一の泉源数を誇るが故に、それぞれの旅館が独立していて助け合うことの少なかった温泉街。「このままではいけない」それに気づいた人々が、老舗旅館の焼失を機についに動きだした。一人は社長、一人は議員、一人は女将として…。明治時代から続く福井県の名湯での実話を基にした、悲運からの再生奮闘劇!
経済を発展させ社会貢献を行うはずの銀行による信じられない暴挙。冷酷とも思えるその動きには依然として黒い策略が見え隠れしていた。金融機関と中小企業の攻防をリアルな筆致で描いた社会派小説。
「自分には死ぬ楽しみが残されている。その瞬間を今から楽しみに待っている」……老大学教授が、過去と現在の間を行きつ戻りつしながら、思い出すのは、英国滞在中の生活のこと、親友のこと、切磋琢磨した研究者仲間とのこと。文学者として過ごしてきた日々を綴りつつ、今も澱のように心に溜まっていたのは親友中田の娘、秋子さんと母親を異にするある姉妹のことだった……。「死」から、自らの人生を遡るように綴られる英文学老学徒の自伝的随想風小説。 *今昔/*日記/*回想/*友人/*長女/*関係/*読書/*類縁/*境目/*秘密/*産声/*独歩
インドの聖典『マハーバータラ』の作者、ヴィヤーナによって著された『シュリー・グル・ギーター』を、国際的に活動している神実現を果たした霊的なマスター、パラマハンサ・ヴィシュワナンダが解説する!
元アイドル・現タレント兼人気YouTuberの佐藤ミケーラ倭子、渾身の初小説! 「見ざる・言わざる・聞かざる」ならぬ、「見ちゃった!・言っちゃった!・聞いちゃった!」ことによる失敗を、妄想のプロが軽妙な筆致で綴ります。 抱腹絶倒のワードセンスを楽しみ、奇想天外なラストに救われる、令和の恋愛を詰め込んだ新感覚のやかましショートストーリー13編。 YouTubeの人気作に加え、新作もたくさん書き下ろしています。 追いかけられるとなぜか冷めちゃう? 初デートで割り勘ってどう? 「いい人止まり」で終わっちゃう? 性格より顔が大事? などなど、 恋愛に奮闘する登場人物の素直な心の声に「あるある……」と共感すること間違いなしです。(ビックリマークの数にもご注目!!!!!) たとえドジして振られても、わがままクレーマーでも、恋する人は最高におもしろくて、かわいい! 「恋はもうこりごり!」なあなたにぜひ読んでほしい、10分で元気をチャージできる一冊です。 第1章 見ちゃった! 復讐なら目に入れても痛くない CASE 1 追いかけられるとなぜか冷める女の心理 CASE 2 初デートで割り勘だったときの女の心理 CASE 3 別れた元彼のSNSを見ちゃう女の心理 CASE 4 彼氏の部屋に女の形跡があった女の心理 第2章 言っちゃった! 口から出たら思いのほかデカかった CASE 5 「いい人」で終わる男に対する女の心理 CASE 6 彼氏欲しいと欲しくないの間でのたうち回る女の心理 CASE 7 振った彼氏が未練なさすぎてやっぱり別れたくない女の心理 CASE 8 論理的に話す男 vs. 感情的な女の心理 CASE 9 「なんでもいい」ばかり言う男の心理 第3章 聞いちゃった! 耳をすませば聞こえてくるよ唸り声 CASE 10 付き合いたては猫被りまくる女の心理 CASE 11 旦那の性格より顔を取った女友達に対する女の心理 CASE 12 関係は冷めきってるけど自分からは振りたくない男の心理 CASE 13 失恋した友達の話を毎回聞く女の心理
血が繋がっていようがいまいが、どうでもいいと思っていたのにー。明日見つむぎはごく幼い頃に父と母を亡くし、母方の親戚である奈緒に引き取られた。奈緒は心に不調を抱えながらも「義母」としてつむぎを懸命に育てる一方、心の距離を取ることにはこだわり、「母」と呼ばれることをかたくなに拒んでいた。そんなある日、病院から奈緒が倒れたと連絡が入る。持病の子宮腺筋症が悪化し、大量に出血したのだという。急ぎ病院に駆けつけるつむぎだったが、そこで医師から奈緒の病状だけでなく、奈緒がつむぎの実の母親であることも告げられる。信じがたい話に愕然とするが、医師が持つカルテにはたしかにこの病院で奈緒がつむぎを出産したことが書かれていてー。母はなぜ、義母だと嘘をついたのか。18年間隠された出生の謎を追う、現役医師作家が描く圧巻の家族小説。
いいひと歴40年。この度、一身上の都合によりサイテー男に転身します! 四十路の独身男、平田は自他ともに認める「いいひと」。だが、モテない。結婚はおろか恋人すらできない。「いいひとなんだけどね……」って、もういい! こうなったらとことんサイテーになってやる! 立派な「サイテー男」になるべく向かった場所とはーーふかわりょうが描く、痛快! 人生180度逆転劇!
祭りをやらないと、この村はなくなります!-信じない人々をどう説得する!?感染症の大流行や、地方の過疎化が進んだせいで、「祭り」が行われなくなった地域が増えた。これまで地域の祭りで鎮められていた八百万の神々が怒り、暴れだしたため異変が頻発する。このような事態に対処するために組織されていた祭祀保安協会の九重十一とアシスタントの八多岬ー怪しさ満点の二人が、異変を解決しようと、荒ぶる神々を鎮め、処分していく。人々に忘れられた神をあるべき姿に戻すことーあなたを正しく祀らせてください。
独立から13年が経過した1975年。フランスの影響から脱却し、自力での経済発展を図るアルジェリアにとって、領土の84%を占め、豊富な石油が埋蔵されるサハラ砂漠を通じた輸送ルートは生命線となる。しかし、ソフトサンド地帯での長距離走行に堪えうるフランス製タイヤ「サハラX」に頼らざるを得ないというジレンマを抱えていた。そこに日本製タイヤの商機を見出した七洋商事とニホンタイヤは、精鋭チームをアルジェリアに派遣する。国際入札に向けた駆け引きが続く中、旧市街カスバの一角にたたずむカフェバーで、七洋商事の井原はパリで知り合った幸と思いがけない再会を果たす。一方、確実と思われていたニホンタイヤの落札が“ゼロ”という衝撃的な知らせが舞い込みー。二転三転する展開に息もつかせぬ国際派ビジネス小説第3弾。
グレア過敏症という厄介な体質を持つ八雲。その体質のせいでDomの支配が受けられず、鬱症状が出るSub不安症になった八雲を救ってくれたのは、偶然出会った11歳下のDom・星那だった。優しく包容力があり、大人びた表情を見せる星那。自分より頭1つ分低いところから放たれる、見上げるグレア。星那からのグレアだけは何故かとても心地よく、もっと求めたくなり…。年下に溺愛される、愛されDom/Subユニバース。
「皆の者、久しぶりである」──天正十年九月、安土城に死んだはずの織田信長の姿があった。 だがその正体は、信長ではなかった。本能寺の変の直前、異変によって転生した、令和に生きる光明寺一久であった。一久は後世の知識を活かし、明智光秀と和解。今後は共に協力することを誓い、三ヶ月の雲隠れの後、家臣の前に現れたのである。 だがこの間、織田家は北条、上杉、毛利の反攻、三好勢の謀叛に苦しんでいた。劣勢を打開すべく、一久は自ら四国出陣を決意するが、主君の様子に羽柴秀吉が違和感をおぼえ始め……。 生まれ変わった最強軍が、天下取りに邁進する波乱の戦国シミュレーション、開幕!
令和日本からの助けにより、史実とは異なる歴史を歩み始めた昭和日本であったが、それでも米国との力の差は容易に埋められなかった。過去の日本を救わんとする科学者、田伏由佳は、引き続きテクノロジーの提供など過去への干渉を続ける。 そんななか、圧倒的な国力を覆すべく、未来からもたらされた人工知能は、ある作戦を導き出す。それは、米総司令官マッカーサーを捕縛するという、なんとも大胆不敵な奇策であった。 一方、態勢を整えた米太平洋艦隊は、熾烈な反撃を開始。それに対し日本海軍は、無人攻撃機……いわゆるドローン部隊を投入し、戦局の打破を試みる。そしてついに最新鋭機「震電」が、B24大編隊と激突する!