2024年4月発売
「ある日、突然異世界へ転移してしまったらー。」そんな話に花を咲かせるのが日常の会社員・コウは、いつものように電車に揺られていたはずが気付けば異世界に来ていた。森をさまよい数時間、奇跡的に出会えた商人・アルベリクの助けを借りるもなにしろここは異世界。剣と魔術が存在するこの世界で、現代日本を平凡に生きてきたコウはなんの価値も見出せそうにない。生きていくための選択肢として「奴隷」を提示されたコウは、暫定“持ち主”であるアルベリクから過剰に撫でまわされながら、“脱・売れ残り”を目指し奴隷として気高く生きていく…!!
小国の王子であるセナは、「惹香嚢」という男でも妊娠可能な特殊な臓器を体内に有している。発情期には男を惑わす魅惑的な香りを放つため、問題が起きぬよう、たった一人で牢に隔離されるという生活を送っていた。淫売と罵られ、家族にさえ顧みられないセナだったが、ある日突然父王から「お前を、レスキア皇帝に嫁がせる」と命じられてしまう。惹香嚢持ちとはいえ、男が後宮入りした例はなく、帝国への従属の証しとして嫁いでも、殺されてしまうかもしれないー。命令には逆らえず、セナは侍従一人だけを供にレスキア帝国へと向かう。そして迎えた皇帝との初夜。発情したセナが目にしたのは…。
男でも妊娠可能な「惹香嚢」という臓器をもっているため、小国の王子であるセナは従属の証しとしてレスキア皇帝アリオスへと嫁き、息子アスランを出産する。自分と同じ惹香嚢体で生まれたアスランが竜王の伴侶として婚配者に選ばれたため、セナは神山より派遣された獣人族の護衛官イザクとともに神山へ向かうことに。しかし、やっと辿り着いた神山では不可解なことが起こっていた。次々と消える惹香嚢体、謎の多い上位神官の行動、そして皇帝廃位ー。利権を求め各国の思惑が交錯するなか、息子を守るため神山からの脱出を図るセナだったが…。
おなかの子に白血病の可能性が…。キャシーは相手がいないけれどどうしても子供が欲しくて、クリニックで人工授精を受けて現在、妊娠4カ月。胎児の異状を知らされた彼女は、骨髄提供をしてもらえるか確かめるため、見知らぬドナーの男性と連絡を取ることにする。不安にさいなまれるキャシーだったが、いざ電話で話すと、ウッドという名の彼はもちろん協力すると言ってくれた。それだけでなく、何くれとなく気遣ってくれる優しい彼に、キャシーは思わず胸をときめかせた。いいえ、だめよ、絶対。声しか知らない男性に恋なんてしている場合じゃないわ…。
やむにやまれぬ事情で生活苦にあえぐアリーは、姉の遺児を引き取って育てながら、病院で懸命に働いている。ある日、趣味の登山中に息が止まるほどハンサムな男性と出逢い、ショーンという名の彼と協力して、遭難していた少年を救った。緊迫した状況で的確な判断をくだす彼の姿を見て、アリーは胸のときめきを抑えることができなかった。かたや、ショーンは悪天候の中を独りで歩いていた彼女を傲慢な口調で責めたかと思うと、「君が欲しい」と言って戸惑わせる。良くも悪くもアリーの心を独り占めにしたショーンが、なんと翌日、彼女の勤める病院に新任医師としてやってきた!
ある嵐の夜、ライザは血のつながらない義兄ロークと結ばれた。クルージングに出た船上で、激情に駆られてのことだった。だが、直前にマストから落ちて脳震盪を起していたロークは、断片的に記憶を失い、翌朝には彼女と結ばれたことを忘れてしまう。義妹への潜在的な罪の意識からか、以来、彼はライザに冷たくなった。あの一夜の思い出に胸を焦がしても、報われることはないんだわ。耐えかねたライザは書き置きも残さずに家を出たー身重の体で。5年後、無事に生まれた息子を育てながらロンドンで自活する彼女の前に、突然、以前と変わらぬ非情さを漂わせたロークが現れる!しかも彼は、幼い息子を、ほかの男性の子供だと信じこんでいて…。
施設育ちのロージィは幸せとはいえない子供時代を過ごしたが、実の父親に見つけだされて一緒に暮らし、真の親の愛を知った。ところが4カ月後、父は心臓発作で急死してしまう。幸せは手にしたとたん、指の間からこぼれていく…。悲嘆に暮れる彼女の前に、魅惑的な黒髪に高身長の男性が現れるー。父の養子でギリシア大富豪のコンスタンティン・ヴォーロス。遺言書により、遺産はすべてコンスタンティンに渡るが、彼がそれを受け取る条件は、ロージィと結婚することだという!ロージィのことを養父の愛人だったと固く信じこんでいる彼は、蔑みの目を向けながら、彼女に偽装結婚を持ちかけた。
ロンドンの路地裏の下宿屋に暮らすパーディタは、3カ月前に市場町で旅一座に拾われ、経理や衣装管理の仕事をしている。じつは彼女にはそれ以前の記憶がない。“パーディタ”も仮の名だ。ある日、仕立屋で用事を済ませ、急ぎ自宅に足を向けたつもりが、なぜか下宿屋ではなく大きな屋敷に帰り着いてしまった。「お、奥様」驚き顔の執事に中へ招き入れられ、彼女は混乱した。奥様って…?私は何者でもない、名もなき路地裏の住人だけれど。しかし、どこか見覚えのある部屋に通されてしばらくすると、怒った男性ーエピング伯爵が雷のごとく飛び込んできて言い放った!「君への要求はただ1つ。私たちの子供がどうなったかを話すことだ!」
「きみの名は?」名門貴族ジェームズ・オルドハーストに尋ねられ、ベッドに寝かされた娘は必死で答えた。「わたしは、アン…」嵐の夜、ずぶ濡れで行き倒れになっていたところを彼に拾われたが、彼女は名前以外のいっさいの記憶を失っていた。心身ともに弱り果て、不安ばかりが募るなか、何くれとなく世話してくれる優しくてたくましいジェームズに、アンはいつしか特別な想いを寄せていた。彼は誰もが結婚したいと憧れる、社交界随一の魅力的な貴公子。出自不明のわたしなんかと関わったら、彼の名誉に傷がついてしまう!密かに身を引く決意を固め、アンは屋敷からひっそりと姿を消した…。
最近の体調不良の原因が妊娠と知って、ヴィエナは愕然とした。医者から“妊娠できない”と言われていたのはなんだったのだろう?だが子供の父親ー富豪ジャスパーはこの知らせを歓迎しないはずだ。私は数日一緒に過ごしただけの、ただのベッドの相手だから。でも、男らしい彼は私を大切にしてくれた。そんな人は初めてだった。悩んだ末に、ヴィエナはジャスパーに赤ん坊ができたと告げた。ジャスパーがすぐに子供の父親になりたいと言ったのはうれしかった。けれど、彼が続いて口にしたのは“義務”という言葉ばかりだった。私がいちばん欲しいのは愛なのに、愛のない結婚が答えなんて…。
亡き夫の追悼式に現れた見覚えのある男性の姿に、スカーレットは凍りついた。アリスティド!なぜここに?2年半前、二人は恋人同士だった。だが億万長者で、名うてのプレイボーイのアリスティドは、結婚も子どもも不要と公言し、スカーレットとの正式な交際すら認めようとはしなかった。妊娠していた彼女は失望して別れを告げ、幼なじみの親友と偽装結婚して、密かに子どもを育ててきたのだ。詰め寄るアリスティドに、スカーレットは身を震わせた。“あなたには双子の子がいるの”なんて言えるはずもない…。
手術室専属看護師長のアミリアは27歳。やりがいのある仕事と良い仲間に恵まれ、充実した毎日を送ってはいるものの、唯一、婚約者のことで気を揉んでいた。昇進と倹約には熱心だが、結婚はおろか、そもそもアミリア本人に無関心すぎるのだ。釣り好きの父に誘われた北欧への3人旅も、結局彼は父娘を残し、仕事を理由に先に帰国してしまった。もう諦めるしかないの?そんなとき旅先で出会ったのが、ハンサムな医師ギデオンだった。父と同じ釣り好きで話は弾み、気遣いのできる穏やかな彼に、アミリアは急速に惹かれていく。でも…私には婚約者がいるわ。お見通しだと言わんばかりに彼が呟いた。「僕と結婚すればいい」
キャリーは育ての親だった伯父夫妻と、従姉夫妻の4人を事故で一度に亡くし、遺された赤ん坊ダニーを引き取った。たとえ貧しくても、かわいいダニーがいれば幸せだった。だが半年後、ダニーの叔父でギリシア大富豪のニックが現れた。「生活苦の独身女性に大事な甥は任せられない」なんて傲慢な言い分!キャリーは腹を立てたものの、ダニーが病気になり、ニックに助けを求めざるをえなくなる。すると彼の自家用ジェットでギリシアの別荘へ連れていかれ、信じられないことに…プロポーズされたのだ!
死に戻った今世で、元夫だけが自分に冷たくなってしまった。そんな逆境にもめげず、元夫イーサンに猛アタックする侯爵令嬢アナスタシア。普段は素っ気ないのにピンチになると必ず助けてくれる彼に、戸惑いと期待で心揺れていたがー「もうイーサン様には関わらないでいただきたいんです」イーサンと婚約するという令嬢ルアーナから接近禁止を宣告されてしまい!?絶望に打ちひしがれるアナスタシア。でもイーサンには隠された真意があるようで…?
留学先で出会った公爵令息のクロムと結婚する気満々で、父皇帝のもとに赴いた戦う皇女様ディアナ。なのに大臣たちが結婚に猛反対。国一番の名門魔法学園に編入し彼が首席で卒業することを条件にされてしまう。憤慨するディアナは、クロムがどれほど優秀か見せつけてやるんだから!と闘志を漲らせる一方、再び彼とラブラブな学園生活を送れることに胸がときめく。ところが二人の周りで次々と不可解な事件が起こり、真相を探ろうとするが!?
容姿端麗、頭脳明晰、英雄と言われながらも性格が悪く傲慢極まりないーそんな騎士団長ジェラルドの秘書官をすることになったソフィア。継母からお給金を搾取されているため高給に釣られてしまったのだ。着任早々、なぜか彼に気があると勘違いされ否定すれば「結婚ではなく、愛人でよいと?」と説教が始まる始末。ついに我慢の限界が来てブチギレてしまうが、継母が勝手に決めた結婚相手から乱暴されそうになったところを彼に助けられて!?
正しく生きたい、その女、所持金2億円。相田愛奈は、正しいことがなにより強いと信じている。独特の正義感から人間関係をこじらせ現在は無職。そんな彼女の銀行口座には、幸運にも得た約2億円がある。にもかかわらず、節制した生活を続けている。その一方で、福祉団体等に多額の寄付をしていた。そんな愛奈のもとに、同じく無職だが、こちらは浪費家の従姉妹・忍が転がり込んできた。さらに、Amazonの“ほしい物リスト”で約3万円分の品を贈った相手から、お礼らしいお礼がないことに気づく。なぜ?どうして?数々の出来事が正しさセンサーに引っ掛かり、悶々とする愛奈の日々が始まった。
いずれ迎える破滅エンドを打ち砕くため、イベントのフラグをすべてへし折ることを誓うアブソリュート。そんなある日、隣国・スイロク王国で起きた反乱を抑えるため、援軍として呼ばれることに!本来は勇者に起こるはずのイベントで、悪役貴族・アブソリュートは民衆を救い、レオーネ王女を救うことができるのか!
サラリーマンの佐藤竜斗は、魂を異世界の吸血鬼の体へと転移された。日光も聖水も効かない無敵最強の吸血鬼・リュウトとなった彼は体の前の持ち主、吸血鬼・シェザードから「人と吸血鬼の平和な共生」の夢を託される。たまたま救った村の村長として、特産品作りや村人たちの住居拡大に粉骨する日々を送るなか、さらなる繁栄を目指し、リュウトは交易をしに街へと出向く。それが国を巻き込むレベルの大事件に発展することに!?