小説むすび | 2024年5月発売

2024年5月発売

成金令嬢の幸せな結婚 〜金の亡者と罵られた令嬢は父親に売られて辺境の豚公爵と幸せになる〜成金令嬢の幸せな結婚 〜金の亡者と罵られた令嬢は父親に売られて辺境の豚公爵と幸せになる〜

出版社

講談社

発売日

2024年5月2日 発売

「君は金にがめつすぎる。婚約を破棄させてくれ」 ずっと王妃教育を受けてきたベアトリーチェは王太子に婚約破棄を告げられた。毎晩開かれる無駄なパーティー。浮気相手に送る豪華なドレスの数々。ベアトリーチェは最後に臣下として浪費を抑えるように進言するも、逆に『金の亡者』と虐げられ、王宮から追放されてしまう。 しかも、王太子は自分の借用書を実家に擦り付けて来た。 「お前のせいで領地が潰れるではないか! どうしてくれるんだ!」 領地を立て直そうと一生懸命だったのに、ベアトリーチェは父に『ブタ公爵』と名高い辺境のアベル・オルロー公爵に売られ、借金のカタにされてしまった。 しかし、オルロー公爵領は荒れ地で有名。 城もボロボロ、収穫は見込めず、辺境に相応しい有様だった。 「この領地には無駄が多すぎます!」 ベアトリーチェは公爵領の改革を決意する。成金令嬢と呼ばれたトラウマから最初は尻込みしていたが、なりふり構っていられない。 改革が進むにつれて税収も上がり、順調に借金を返済していく。 そしてオルロー公爵も『ブタ公爵』からだんだんと変わってきて……。 「俺の容姿を気にせず旦那と呼んでくれた君を、心から愛している」 「私は異性からの愛よりお金のほうが好きです」 これは、ちょっとズレた令嬢と距離感のおかしい公爵のじれったい恋愛譚。

小さくも重要ないくつもの場面小さくも重要ないくつもの場面

いくつもの秘密は家族をどこへ連れていくのか 『マグヌス』で知られるフランスの著名な小説家が、互いの関係を模索する再構成家族の姿と秘密を詩的に描いた中篇小説。 幼い頃から母のいないリリは、赤ん坊の頃の自分の写真を見て、自分はいったいどこから来たのか、母はどこへなぜ行ってしまったのかと疑問を抱いてきた。父の再婚により、新たに四人の兄姉ができるが、継母ヴィヴィアンや異母兄姉との関係を模索しながらも心からは馴染めずにいた。 ある日、家族そろって出かけたピクニックで写真を撮るため、子どもたちはぎゅうぎゅうに身を寄せ合った。それが悲劇につながるとは知らずに……。 やがて兄姉たちがそれぞれの道に進んでいく一方、リリはどこへ向かえばいいのかわからず、左翼グループと共同生活をしてみたり彫刻に打ち込んでみたりするものの、どれも長続きせずさまよう。 タイトルが示すとおり、小さいがひとつひとつが何らかの働きや意味をもつ多くの出来事の連なりで構成されている。リリは愛する人を見つけ、自分の居場所にたどり着けるのか。知りたかった秘密は明らかになるのか。喪失を抱えながらも、時の重なりを感じ、自己や他者と向き合うことの尊さを静謐に描く。

スターリングラード(中)スターリングラード(中)

20世紀の『戦争と平和』、戦争を貫くヒューマニズム 『人生と運命』(みすず書房)の読者が待ち望んだその前編となる全三巻。人情味あふれる物語が居間のランプに照らされ、戦場の火炎に炙られる。市民と兵士に、さらにはドイツ兵にも同情の視線が注がれたポリフォニックな群像小説。 本書は1942年4月のヒトラーとムッソリーニ会談から、主人公の一人クルイモフがヴォルガ川を渡ってスターリングラードへ入る9月まで、5カ月未満の物語だ。冒頭、コルホーズ労働者が召集令状を受け取る心理描写の細やかさは、本書の典型的特徴だ。「老練な赤軍の将軍、新米の民兵、恐怖におののく主婦を描くとき、グロスマンは分け隔てのない思いやりと敬意をこめてペンをふるう」。そして「スターリングラード駅防衛戦の描写は『イーリアス』に匹敵しよう。グロスマンが描く、24時間以内に確実に死ぬことを知っている若者たちの内面描写は真に迫っている」。 本書は、英国のロシア文学翻訳家チャンドラー夫妻の校訂による、検閲・削除された原稿の追加を含む改訂英訳版(2019年)からの邦訳となる。

ほら話とほんとうの話、ほんの十ほど[新装版]ほら話とほんとうの話、ほんの十ほど[新装版]

鬼才の魅力を多彩な短篇で 『ラナーク』『哀れなるものたち』で知られるスコットランドの伝説的鬼才の短篇集が、待望の復刊! ファンタジーとリアリズム、笑いと哀しみ、アイロニーとウィットが混淆する饒舌な語りに思わず舌を巻くが、目に飛び込んでくる異彩を放つイラストも、作家自身の手になるもの。アリ・スミスをして「現代のウィリアム・ブレイク」と言わしめたグレイの多彩な魅力が存分に詰め込まれているのが本書なのだ。 学校を牢獄のように感じる〈わたし〉が、外へ出る想像上の〈ドア〉を恩師から授かる「ミスター・ミークル」。窒息するような現実から逃れようとする夢や欲望が、本書では多様なジャンルを横断しながら変奏される。コンピュータが導入された会社内でのちぐはぐぶりを皮肉った「内部メモ」。軟派で洒落者の鼻持ちならないイングランド人の男を揶揄した「あなた」。おしゃべりな歯医者に治療される不安と恐怖が迫る「トレンデレンブルク・ポジション」。なぜ靴下にガムがくっついているのか、その原因を綿密に理論化して可笑しい「時間旅行」。囲い込まれた世界に嫌気がさした男が、夢のような新しい移住先で体験する破滅の寓話「新世界」など──粒ぞろい短篇をほんの十ほど。

軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。5 〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。5 〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜

出版社

一迅社

発売日

2024年5月2日 発売

私は軍人です! 愛する友達を護るためならば、私は喜んで剣を振るおう! 学園祭の魔物騒動は、マジェンダ帝国による宣戦布告だった。戦争が始まり軍人として前線に立つことになったラゼは、セントリオール皇立魔法学園を退学する。皇国はあらゆる兵器を使う帝国に苦戦していたが、軍の上層部がラゼに単身での帝国潜入及び破壊工作を命じて……!? 一方で、ラゼの退学を知ったフォリアたちは、彼女と連絡を取ろうとするが、家も仕事も過去も何もかも分からずじまい。それもそのはず、ラゼ・グラノーリは偽名であり、彼女の本来の姿は名誉貴族で、最強軍人であることが判明しーーフォリアたちは友達と再会するために戦地へと向かう! 前世知識と軍人としての技能をフル活用して、ミッションコンプリートです! どうか天の導きがあらんことをーー! 軍人ラゼの異世界転生ラブコメディ第五弾♪

シーボルトの親友シーボルトの親友

発売日

2024年5月2日 発売

友をとるのか、それとも国か。 その究極の選択が招いた運命を、彼は 後悔しなかった。 50人を超える検挙者を出したシーボ ルト事件には今も多くの“謎”と“何故” が残る。 著者が膨大な史料を読み込み、江戸時 代後期に起こった大疑獄の真相に迫る。 <出版社より> シーボルト事件では多くの日本人が検挙され、 中でも重罪とされた4人には死罪や永牢など の処分が下されました。本書の主人公はその 一人、シーボルトの信頼厚いオランダ通詞の 吉雄忠次郎です。終身禁固刑となった忠次郎 は北国の米沢新田藩に預けられることになり、 天保元年(1830)から座敷牢で幽閉されます。 その、次第に衰弱していく忠次郎を親身に看 病した医師が吉田元碩です。 忠次郎は厳しい取り扱いのなか2年8ヶ月後、 天保四年(1833)に死去しました。本書では 忠次郎が吉田の問いにとつとつと答えるかた ちで、事件の全貌が現れてきます。ただシー ボルト事件には幾つかの謎が残されていて、 著者は膨大な史料を読み込み、背後に蠢くあ る雄藩の存在を指摘しています。 まさに歴史ファン必読です。 定価(本体価格1800円+税) 判型:四六判 並製 382ページ ISBN978-4-88851-405-7 C0093 発行日2024年4月23日(初版) <内容> シーボルトの親友 シーボルトはスパイだったのか!? 長崎と江戸で進む幕府の捜査、次第に追 い詰められていく腹心の阿蘭陀通詞の視 点から「シーボルト事件」を描く迫真の 小説 NIPPON 日本から追放されて30年後、日蘭修好通 商条約締結の翌年安政六年(1859)に長男 アレクサンダーを伴って再来日を果たした シーボルトの栄光と挫折を描く

モンティチェロ 終末の町でモンティチェロ 終末の町で

【内容説明】 鳴り響くアメリカ国歌、銃声。逃げ惑う住民が辿りついたのは元大統領邸宅(モンティチェロ)だった……。近未来アメリカを舞台に、トマス・ジェファーソンと奴隷の間に生まれた女性を先祖に持つ女子学生が、暴徒化した白人至上主義者から逃れ、因縁の場所で運命と対峙する表題作をはじめ、全6編を収録したデビュー作品集。バージニア州シャーロッツビル周辺を主な舞台に、人種差別や経済格差の問題等、さまざまなテーマを内包する中編(表題作)1本と短編5本を収録。本書は、全米批評家協会賞ジョン・レナード賞最終候補、ニューヨーク・タイムズ紙2021年ベストフィクション10冊に挙げられた。2022年リリアン・スミス図書賞受賞。 (原題 My Monticello) 【著者略歴】 ジョスリン・ニコール・ジョンソン(Jocelyn Nicole Johnson) バージニア州レストンに育つ。ジェームズ・マディソン大学で美術と教育の学位を取得し卒業。公立小学校の教師として視覚芸術を指導。デビュー作となる本書で、リリアン・スミス図書賞、バージニア図書館フィクション賞を受賞。PEN/フォークナー小説賞のロングリスト、全米批評家協会賞ジョン・レナード賞最終候補等にも選ばれた。

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