2024年6月発売
ディアマンテ王国でのドタバタを終えたホーラス一行は、ゴーレムづくりに使う魔石を取るため、カオストン竜石国に逗留していた。新たな仲間とともに、コピー機や電話を試作して世直し三昧。やっと平和が訪れたと思っていたのだが…ランジェアたちの功績を笠に着た、冒険者協会の陰謀に巻き込まれてしまった!?弟子を利用されるのは気に食わね〜と鉄拳制裁で一度は黙らせるものの、身の程知らずの冒険者どもはしつこさMAX。危険な力まで手に入れて襲いかかってきてーって、あれ?立ちあがったのはまさかの…「私にもワンパン教えてください!」(しかたないな…)王女様も見せしめ、鉄拳、一網打尽!?無気力鬼畜青年が仲間と行く、のんびりざまぁトラベルファンタジー第二弾!
キム・ウォニョン、キム・ソヨン、イギル・ボラ、チェ・テギュという、背景も活動分野も異なる4人によるエッセイ集。コーヒー、靴下、テレビ、本といった身近な存在の言葉をはじめ、ゆらゆら、ひそひそ、ひんやりなどの状態や様子を示す言葉について、それぞれが文章を綴る。4人の文章に触れることで、新たな気づきや視野の広がりが感じられる1冊。
第56回谷崎潤一郎賞受賞の前作から4年、錬熟の語り口はますます冴えわたる。パンダ来日、人気俳優同士の不可解な結婚、中東危機によるオイルショック…。ふたたび、“蒙昧”の時代を描きだす。
『クライマーズ・ハイ』『日本のいちばん長い日』の巨匠監督が描く青春物語。ハリウッドで女優デビューしながら道半ばに終わった母ーその無念を晴らすべく、単身ニューヨークの演劇学校に飛び込んだ日本人青年。人種の坩堝の演劇学校で経験する、驚くべきメソッドの数々。やがて彼の前に「大きな謎」が立ちふさがるー
彼らはなぜ人を殺すのか。人の心を蝕むのは、悪意か、愛か。渋谷爆弾テロ事件から3年。「哀しいな」「え?私、幸せですよ?」「知ってるよ。俺は、それが哀しいんだ」ベストセラー『And so this is Xmas』、『Change the World』そして…三部作、堂々の完結。
一一八六年。平家一門の生き残りである、亡き平頼盛の長男・保盛はある日、都の松木立で女のバラバラ死体が発見された現場に遭遇する。生首には紫式部の和歌「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜半の月かな」が書かれた札が針で留められ、野次馬達はその惨状から鬼の仕業だと恐れていた。そこに現れた、保盛の友人で和歌を愛してやまない青年歌人・藤原定家は「屍に添えて和歌を汚す者は許せん」と噴慨。死体を検分する能力のある保盛を巻きこみ、事件解決に乗り出す!後に『小倉百人一首』に選出された和歌の絡む五つの謎を、異色のバディが解く連作ミステリ。
歓楽の絶頂を極め、なお新たな楽しみを求めつつもそれが手に入らない貴公子。あるとき彼は、珍しいものを扱う外国人に出会う。谷崎潤一郎の名作が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き本シリーズでは『ルルとミミ』『鼠』『魚服記』『山月記』『赤とんぼ』を担当するイラストレーター・ねこ助によって、鮮やかに現代リミックス。第39弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
車にはねられた悪童アキオが、まだ若き祖父のもとに瞬間移動!?創業者と御曹司の夢と苦難に満ちた“奇想天外”経済小説。第一号市販車は故障で立ち往生続出。喜一郎は公職追放で会社解体?労働争議と苦渋の社長辞任。“タイムリープ”神社で滝行する章男?「恥を知れ」と罵られて臨む米議会公聴会。最新鋭水素自動車MIRAI遭難事故?想像もできなかった涙の再会…。世界のトップメーカーとなったトヨタ自動車の創業者・喜一郎&御曹司・章男が辿った夢と苦難を、あっと驚く特殊設定で書き下ろした経済エンタテインメント!
ー遺族に戦場の実態を伝えるのは、生き残った者の義務だ…肉親が戦死した戦場の様子を知りたい気持がなくなってしまうことなどはあり得ないのだ、その気持に応えるために、とにかく精一杯戦場を語り続けなければならないのだ、と一政は自分に言い聞かせた。-日中戦争末期、旧ビルマに近い雲南の地で、約6万対2800という圧倒的不利な戦いを強いられた騰越守備隊。上官も仲間も次々と斃れるなか、落合一政と白石芳太郎は奇跡的に生き残った。仲間たちがどのように戦い、どのように死んでいったのかを遺族たちに伝えるため、一政は長い年月をかけて『雲南戦記』を出版し、芳太郎も手記をまとめている。そこへ、収容所で亡くなった戦友の妹の消息がわかったとの報を受け、二人は東京まで訪ねていくがー。仲間の命を奪い、郷里を焼け野原にしてしまった戦争は、何を残したのか。南方戦線を経験した著者ならではの、魂の一冊。
全財産を盗られたという、パリ旅行中の美しい日本人女性・原田和子。友人の頼みで、出版社の特派員・大木が一日アテンドすることに。やがて和子は、盗難にあったのは嘘だったことを打ち明けるが、大木は少女のようでいて家庭的なところもある和子に心を動かされー。表題作「愛にはじまる」のほか、若い恋人・尚二と別れようとしている銀座の店主・扶紀子が、まだ揺れ動く心を祭りの喧騒とともに描く「巴里祭」、タイプの異なる二人の男性と付き合いながら、そのいずれとも結婚するのをかたくなまでに拒否する「春の弔い」など、男女の愛欲と旅をテーマにした著者ならではの短篇集。
私は天神さまこと、菅原道真。太宰府天満宮に祀られている学問の神さまである。好きな食べ物は卵かけご飯。家電製品の扱いはちょっと苦手。築五十年の四畳半アパートで暮らす。この国には八百万の神々がいるが、私も含め皆、人の世に紛れて生きている。コンビニで立ち読みをしていたり、ラーメン屋の行列に並んでいたり、公園のベンチでぐったりと休んでいたり、参拝者の願いに耳を傾けていたり…。本書は、そんな神さまたちの何気ない日常のお話だ。
五歳の時に光を失い、揉み療治を生業としているお梅。市井の人々に大評判で、一年先まで申し込みが埋まっている。ところが今すぐ主の腕が動くよう療治してほしいという武士が現れた。お梅でなければ駄目なのだと。武士から「張りつめた者」の気配を感じ取ったお梅は、三日後、主のもとへ向かう!読むと身も心もやわらぐ時代小説。
スポーツ記者の直生は、栄神タイガースの抑えのエース宮城峻太朗に絶大な信頼を置かれている。ある日、直生は宮城がメジャーへ挑戦することを知らされる。その挑戦を喜ぶと同時に、少しだけ羨ましく思う直生。いつか自分も独立して海外で取材がしたい…彼には二人の娘がいるのだが、次女の奏が自閉スペクトラム症で、子育てを妻の栞に任せっきりだった。そんな中、奏が怪我をして入院することに。緊張の糸が切れたように崩れ落ちる栞を前に、直生は何一つ声をかけることができない。深まる溝、先の見えない未来。後悔の中、彼は思う。そもそも自分は、なぜ、この仕事を選んだのか…すると、中学時代に出会った先輩・佐々倉美琴の姿が脳裏に浮かんできた。いま、小さな再生の物語が幕を開ける。
「百歳まで生きてもらう」と節制した食事を強いる長男の嫁。生きているうちに好きなものを好きなだけ食べさせてほしい、と切に願う老夫婦が案じた一計とは…?人の温かさをユーモアたっぷりに描く「生きる幸せ」をはじめ、心を癒し、日々に彩りをそえる六篇の老話を収録。
“妊娠しています”という医師の言葉に、エリンは呆然とした。おなかの子の父親は、大富豪エイジャックス・ニコラウー。出会った瞬間に強く惹かれ、彼の誘惑に抗えず一夜を共にした。さらにもう一夜を共にしたあと、冷たく別れを言い渡されたのだ。今さら彼に妊娠を知らせても、きっと追い払われるだけ。エリンは彼の前から姿を消し、ひとりで産み育てると決めた。2年後、突然エイジャックスがエリンの自宅を訪ねてきた。彼が足を踏み入れると、火がついたように赤ん坊が泣きだす。エイジャックスは鋭く光る眼で言った。「この子は…僕の娘だ」