2024年発売
愛犬ショコラと、こっちで再会した母さんに、エルフの幼馴染カレン。更にはトリケラトプス(?)のポチも加わって、異世界生活もにぎやかになってきた。今回はご近所のドラゴンさんの住まう里に訪問!トラブルの解決を頼まれたりもして、帰ってきたら庭に謎の大きな植物が。中から生まれたのは家族全員の魔力を受け継いだ子供で…!?いろんなことが起きる中、母さんがなにやら思い詰めた顔をしていて…そして話してくれたのは、昔の話。異世界転移してきた少年と孤独に生きていた少女が、出会って家族になるまでの物語だった。母さんの生い立ちと過去を知ることになった僕らはー。母さんが笑って暮らせるように、あなたの想いは僕が引き継ぐからね、父さん。
黄道十二宮を用いたイスラム教の加入儀礼の最中に宗派の導師が殺され、容疑をかけられた新聞記者。急行列車内で起きたロシア皇女のダイヤをめぐる犯罪に巻き込まれた舞台俳優。パンパの大草原を望むテラスで雄牛の行進を眺めつつ刺殺された農場主。下町の安ホテルに集う人々に新来の田舎者がもたらした波紋とその結末。雲南奥地の至聖所から盗まれた宝石を追ってブエノスアイレスへやって来た中国人魔術師の探索行……。身に覚えのない殺人の罪で投獄され、服役中の元理髪店主イシドロ・パロディが、面会人が持ち込む数々の難事件を対話と純粋な推理のみで解き明かしていく。熱心な探偵小説ファンでもあるボルヘスとその盟友ビオイ=カサーレスがH・ブストス=ドメック名義で合作。二十世紀文学の最前衛に位置する二人の作家のもうひとつの貌を教えてくれる、奇想と逆説と諧謔に満ちた探偵小説連作集。 H・ブストス=ドメック 序文 世界を支える十二宮 ゴリアドキンの夜 雄牛の神 サンジャコモの先見 タデオ・リマルドの犠牲 タイ・アンの長期にわたる探索 訳者解説
地下鉄内での防犯のため、試験導入された地下鉄私服警備員として働く穂村明美。 彼女は、二年前に地下鉄駅構内で起きた暴行事件によって恋人・要一を失い、その事件の真相をつかむために警備の仕事に就いていた。 勤務の中で、明美は乗客たちの様々な事情に触れていく。そして要一の事件の手がかりを掴むが……。 江戸川乱歩賞受賞の著者が紡ぐ、心震えるヒューマンサスペンス!
ステージ1の直腸がんの手術で、術後3日目の大出血により死亡した夫。手術ミスを確信する妻は、銀子に医療訴訟の弁護を依頼する。その病院は、14年前、20代の健康な女性が気胸の手術で命を落とした事件で、銀子が、師匠と仰ぐ弁護士のもとではじめて医療訴訟を戦った病院だった。2つの医療過誤事件を扱うこの小説の登場人物はすべてフィクションだが、実際にあった複数の事件を再構成した内容となっている。 本書は、医療と裁判の両方の現場を知り、医者と弁護士のダブルライセンスをもつ著者にしか書けない内容である。患者側弁護士として医療裁判を戦ってきた著者が、圧倒的に患者側が不利な今の日本の医療裁判のリアルを伝えたいとの思いを、この小説に託している。 2つの事件を経て、「銀子」自身が成長する物語にもなっている。 1 病院で殺された 2 密室での心得 3 長引いた手術 4 ICUにて 5 苦い過去 6 ビデオの衝撃 7 ウソの代償 8 真っ赤なスーツ 9 女の闘い 10 母の無念 11 涙の法廷を終えて 12 被害者はだれか 13 新たな戦い 14 黒づくめの男たち 15 ビデオは語る 16 10分の戦場 17 迫る証人尋問の日 18 父、裁判に出る 19 外科医のプライド 20 違和感の正体 21 戦いは続く
「女の地獄って地続きなんだよね。」 恋愛・結婚・親子関係・不倫・友情・美容・美醜ーー あらゆることに絶望しながらあらゆることを諦めて それでも希望を捨てきれない女性たちを 新進気鋭の作家 白井瑶が描く短編オムニバス小説。 『死者とセックス』『まだ「女の子」やってるの?』ほか 著者ブログで連載の短編小説に加え、 SNSで話題「全自動お茶汲みマシーンマミコ」 シリーズ完結の新作書き下ろしストーリーを収録。
444万部!新章始動から3年ぶりの第2弾 シリーズ累計444万部! 執事探偵×令嬢刑事コンビの国民的ユーモアミステリ、 新章スタートから3年ぶりの第2弾! 「お嬢様の素晴らしすぎるお考えは、 残念ながら『休むに似たり』でございます」 1笠原邸の殺人 自宅にて、絞殺死体で発見された資産家の老人。 現場にはなぜ割れた大皿が散らばっていたのか。 2灰色の血文字 アイドルの撮影中にスタジオで芸能事務所の社長が殺された。 ダイイング・メッセージらしき血文字”アキラ”の意味は? 3浜辺のパラソルの問題 別荘のある島での婚約披露パーティに招かれた麗子と影山。 しかし、主役がビーチパラソルの下で死体となって見つかる。 4服を脱がされた男 多摩川の河川敷で全裸の変死体が発見された。 犯人はなぜ被害者の衣服を奪ったのか。 5四回殺された女 ワンルームで見つかった若い女の首吊り死体。 殴って絞めて刺して吊るしてーー前代未聞の殺し方の理由とは!? ”迷”推理を繰り広げる風祭警部に、”空気読めない”後輩の愛里ちゃん。 2人に振り回されながら、麗子は影山と5つの難事件に挑む! 【編集担当からのおすすめ情報】 新章の第1弾『新 謎解きはディナーのあとで』は8月に文庫化! 未読の方はこちらもあわせてお楽しみください。
ロメリアに炸裂する、魔王軍の最後の一手 ガンガルガ要塞の激闘から二年。 ロメリアと列強六か国からなる連合軍は、魔王軍をあと一歩のところまで追い詰めていた。行く手を阻むのは、最大の要害グラナの長城。この魔王軍が建設した防衛設備さえ超えれば、魔王軍の本拠地であるローバーンは目の前であった。 ロメリアと連合軍は、グラナの長城攻略のための準備を着々と整えつつあった。しかし魔王軍特務参謀のギャミが、起死回生の一手と共に軍勢を繰り出す。 魔王軍を率いるのは、魔王の実弟ガリオス。脇を固めるのは、ガリオスの息子であるガオンとガダルダ、ガストンに末弟のイザーク。 襲来する魔王軍に対し、ロメリアは絶対の忠誠を誓うロメリア二十騎士を率いて立ち向かう。アルが炎と共に槍斧を旋回させ、レイが風を纏い翼竜を駆る。グランとラグンの双子が槍を振るい、オットーが戦槌を打ち鳴らしカイルが跳ぶ。 互いに力と技の限りを尽くし、死闘を繰り広げる。そして両軍がせめぎあう中、用意周到に張り巡らされたギャミの策が炸裂するーー。 ロメリアと魔王軍、歴史に刻まれる激戦が、ここに開始される。
結婚式へ向け、集約する運命の行方はーー。 結婚式まで残り一か月。 レイナード・ローデリック公爵は、侯爵令嬢リリアナ・フォルティスの生家フォルティス家、そして義母ジュリアの背景を探っていく。やがて辿り着いたジュリアの生家であるはずの土地で、レイナードはにわかには信じがたい真実に直面する。 そんな折、レイナードは最後にして最悪の夢を見る。 夢の中でレイナードが目にしたのは、リリアナの異母妹ミレイアが仕掛けた最後の陰謀にまんまと引っかかり、愛しい婚約者であるはずのリリアナを「悪女」と認識してしまった自分の姿だった。 絶対に覆してやるーー。 「望まぬ未来」の悪夢を打ち砕くため、レイナードは危険な賭けに出る。 レイナードが相対するのはミレイアの策略。 そしてその背後にある、義母ジュリアの抱える闇。 愛しい婚約者と無事結婚式を迎えるため、レイナードはすべてのフラグを叩き折る。 コミカライズも好評配信中の婚約逆転ファンタジー、気になる後日談も網羅してここに完結!
予知夢で見たのは、アランの破滅!? ピクニックを終え、アランやレベッカとの仲の深まりを実感するソフィーア。けれどある日、ソフィーアはふたたび予知夢を見てしまう。視界に映ったのは、事業が潰れてしまい激しく落ち込むアランの姿。なんとか彼を助けたいと思うも、直接アランに夢の内容を話すことは出来ない。ネオから、アランが新しく『お揃い服』の事業を始めると聞き、夢に現れたのはきっとそれだと予想するソフィーア。レベッカのデビュタントに合わせて、お揃い服を宣伝して事業を盛り上げる。けれどその裏で、怪しい影が迫っていたーー。
29歳。何を失ったのかもわからず、会社を辞めた。 18歳の老猫・すずこの家出をきっかけに、迷い多き男女が、走って、逃げて、追われて、追って。東京タワーに見守られ、それぞれの自分らしい生き方と、自分のいるべき場所をみつけていくーー。 第2の思春期世代の、疲れた心を軽やかにしてくれる物語。 【あらすじ】 就職して6年、広告代理店で残業とプレッシャーに疲れ切っていたさくらには、唯一自分を取り戻せる場所があった。芝公園にあるプリンセスホテルの2811号室。窓一面に広がる巨大な東京タワーを眺めながら、ここで七央(なお)さんのマッサージを受けるのだ。初めてこの部屋に足を踏み入れた日、さくらは東京タワーの堂々たる姿に自分が恥ずかしくなり、涙が止まらなかった。仕事を続けられたのは、何度もこの部屋の彼女(東京タワー)の前で悔し涙を流したからだ。7年目、ついに会社を辞めたさくらは、自分の未来に悩みつつもプリンスホテルでの時間を守っていた。そんなとき、七央が飼っている18歳の老猫すずこが行方不明に! 焦る七央と失業中のさくら、さらにさくらの同級生の千夏(ちなつ)、舞(まい)。自分が一番大切にしているものはなんなんだろう? どうすれば自分らしく生きていけるのだろう? そんな悩みを抱えながら、彼らは全力で駆け回る。 プロローグ ご挨拶 第1幕 家出 第2幕 青い酒 -さくらの苦悩ー エピソード1 アルプス 第3幕 シスタークララの占い -千夏の場合ー エピソード2 老犬 第4幕 夏の嵐 -舞の事情ー エピソード3 禊ぎ 第5幕 おおー! エピローグ すずこの気持ち
芸術としての価値を生みだす核心部分を削ぎ落とすことによって、音楽はいまだかつてない、あらたな芸術性を創造するーユニークなクリエイティビティとピュアな感性、そこからうまれた想像力が紡ぐイノベーション・ストーリー。
過去の日本を救うべく、令和から昭和に時空を繋げた科学者の田伏由佳。とはいえ、やりとりが可能だったのは、タブレットと情報のみ。限られた条件のなか、昭和日本は現代の最新鋭テクノロジーに近似する物を開発、兵器に組み込むことにより、国力で勝る米国を相手に互角以上の戦いを繰り広げる。 起死回生の日本本土爆撃も阻止され、窮地に陥った米国であったが、なぜか日本は攻撃の進行をゆるめた。両軍が奇妙な停滞を見せ、ここぞとばかりに米国は最新艦を中心として艦隊戦力を増強させるや、ガダルカナル島上陸作戦を決行する。だが日本も、ただ沈黙していたわけではない……秘中の秘の新兵器が、ひそかに動き始める!
北海道文学の神髄と始原が明らかになる。 《挽歌》とは誰の死を悼むものだろうか。 原田康子文学を「喪失の文学」「喪の文学」として捉えつつ、《挽歌》の歴史的な意義を明らかにし、喪失と成熟の枠組みから北海道文学の新たな構築を試みる。 はたして北海道文学は可能であろうか。 序章 終焉と出発、喪失と成熟 第1節 問題提起 第2節 札幌をめぐる二つの風景 第1章 原田文学の誕生と形成 第1節 原田康子の習作期 第2節 初期作品の特徴ーー原田文学の出発、『北方文芸』の三作 第3節 習作期、初期、風土性 第2章 喪失の時代 第1節 『北海文学』の諸作 第2節 短編集『サビタの記憶』--『挽歌』の協和音 第3章 挽歌四部作 第1節 『廃園』--庭の荒廃、希死観念、廃墟の跡 第2節 『挽歌』--戦後風景、喪の儀式、新旧の交替 第3節 『輪唱』--血筋、疑似家族、高台の終焉 第4節 『病める丘』--丘の病、旧時代の終焉、丘の終焉 第4章 喪失の果て 第1節 『殺人者』、『素直な容疑者』、『満月』--推理小説、幻想小説 第2節 『望郷』、『北の森』、『星から来た』、『日曜日の白い雲』--病の深化 第3節 『虹』、『星の岬』--虹の象徴性、星の隠喩 第5章 喪の終焉、自己史の再構築 第1節 『聖母の鏡』--自我像の鏡化、再生への芽生え 第2節 『海霧』--過去記憶、原点回帰、癒しの到来 終章 喪の文学、北海道文学の始源 あとがき/索引
あの瞳に射抜かれて、私は一億円盗んだ。感動の疾走エンタテインメント! 「ストラーダ、一緒に逃げよう」。共に駆けるだけで、目と目を合わせるだけで、私たちはわかり合える。造船所で働く事務員、瀬戸口優子は一頭の元競走馬と運命の出会いを果たす。情熱も金も、持てるすべてを「彼」に注ぎ込んだ優子が行きついた奈落とは? 言葉があふれる世界で、言葉のない愛を生きる。圧倒的長編小説!
笛が鳴っている。 名前を呼ばれている。 逃げないと、 化物がやって来る……。 公園で〈笛吹き鬼〉をして遊ぶ六人の少女たち。 だが、奇妙な笛の音が鳴った時、一人、また一人と姿を消してしまう。 数年後、事件の当事者で、ホラー作家となった背教聖衣子がこの事件を調べはじめると、眠っていた「笛吹き鬼」も蘇るーー。 禍々しい信仰が残る地で続く、奇っ怪な事件。
幼い頃から、ピンクもリボンも恋愛も好きではなかった。 だから私は、世界から逃げ出したーー。 「やさしい死に方」を教えてくれるという喫茶店に集まった三人。 「女」であることへの違和感を押し殺してきた沙保。 家の関係で、ゲイであることを誰にも言えなかったミナト。 そして、なぜここにいるのかわからないほど、全てから自由に生きる律。 奇妙な共同生活の中で、沙保はこれまでの「当たり前」から解き放たれてーー。
大人だって道に迷うことあるよーー。 離婚を機に実家へ戻ったシングルマザーの詩織は、両親や友人たちとゆるやかに繋がりながら、七歳になる息子・翔との日々を積み上げていく(『可及的に、すみやかに』)。引きこもりの息子・蒼汰を案ずる幸子は、些細なきっかけから万引きに溺れていく。罪を重ねていく幸子を待つものとは(「掌中」)。ままならぬ日々を、それでも進むひとたちへ。純文学界注目の書き手が母と子を描く中編二編。