2024年発売
たとえあなたの花嫁になっても、 私はずっと、片想い……。 ルーシーが長年片想いしている大富豪社長マーカスは、 彼女を愚かな小娘と決めつけ、顔を合わせればお説教ばかり。 だから、今、ルーシーの会社が倒産の危機に瀕していても、 惨めな姿をさらしたくなくて、彼にだけは相談できなかった。 ある夜、財界の大物が集うパーティに出たルーシーは、 会社再建の協力者を見つけた喜びでシャンパンを飲みすぎてしまう。 すると、同じパーティに出席していたマーカスに見咎められ、 強引に屋敷へ連れて帰られたうえに、突然、唇を奪われた! そしてついに憧れのマーカスと結ばれ、ルーシーは幸せをかみしめたーー やがて彼に跡継ぎを作るための“合理的”な結婚を求められるまでは。 ポーカーフェイスでありながらじつは情熱的な二人のロマンスを巧みに描いた、大スター作家ペニー・ジョーダン。3部作〈華麗なる日々〉最終話をお贈りします。本作はまさに山あり谷ありのジェットコースター・ロマンス。苦労続きのルーシーの片想いの結末は?
美しき花嫁とすり替わった私は、 がっかりされる花嫁……。 花嫁姿のドミニクは分厚いベールに顔を隠し、新郎ギデオンの隣にいた。 この2カ月間、ギデオンを陰からひっそり見つめるうち、 ドミニクは誠実そうで温かな笑顔の彼にいつしか恋をしていた。 だが今、彼女の心は落ち着かなかったーー本当に私がギデオンと結婚を? これは従兄弟が考えた悪ふざけの計画。彼女の貧しい母に家を与え、 一生涯年金も払うと約束され、やむなく計画に協力してしまったのだ。 一方、ギデオンの心は浮き立っていたーーついに愛しの女性と結婚した! 金髪に青い瞳の美しい彼女は、この2カ月間、僕を魅了してきた。 ギデオンはたまらなくキスがしたくなり、新妻の顔を覆うベールを……。 その瞬間、彼は驚きに声を失った。このこげ茶色の髪の女性は、誰だ?! 悪友に騙されて見知らぬ花嫁ドミニクと結婚してしまったギデオン。婚姻を無効にするつもりだったのに、彼は意地を張ってドミニクを連れて新婚旅行に出かけ、それだけにとどまらず、はずみで初夜を共にしてしまい……。リージェンシーの旗手サラ・マロリーの傑作!
最愛の放蕩貴族との結婚。 それは、私の片恋を証明するだけの結婚。 家族に自由を奪われてきたソフィアはある夜、こっそり外出に成功した。 だが帰り道に何者かによって、見知らぬ屋敷へ連れ去られてしまう。 そこにいたのは、なんと彼女が密かに想いを寄せるワイアット卿! 彼は駆け落ちした妹を捜していて、ソフィアは人違いされたのだった。 そうと知った彼女はぜひ力になりたいと、彼と妹捜しを始める。 しかし行方がつかめないまま、宿を取らざるをえなくなった夜、 ワイアット卿からキスと抱擁を受け、ソフィアは思わずつぶやいた。 「愛しているわ」その瞬間、拒絶され、彼女の頬を涙がこぼれ落ちた。 このままでは、彼に置き去りにされてしまう……。意を決した彼女は、 翌朝まるで別人になったーー男装をし、長い髪をばっさり切り落として! ワイアット卿はソフィアが供も連れずに彼と二人で過ごしたことや、レディともあろう者が少年の格好をして彼と行動を共にしたことを考え、ある結論に達します。それは、名誉にかけて彼女と結婚することでした。愛する人と愛なき結婚などしたくないソフィアは……。
これぞダイアナ・パーマーの真骨頂! ベスト作品賞&ベストヒーロー賞、受賞作。 天涯孤独のテスは大牧場主ハート兄弟のもとで家政婦をしている。 彼女にとって初めて得た家庭のようなものだけれど、 次男のキャグだけは怖くてたまらなかった。 かつて特殊部隊にいた彼は眼光鋭くいつも彼女を監視し、 ことあるごとに冷たい態度をとるからだ。 それでもテスはキャグの誕生日に心をこめてケーキを焼いたが、 彼はそれを見るや猛烈に怒り、バースデーケーキを壁に投げつけた! ひどいわ! まさか、これほどまで嫌われていたなんて……。 じつは密かに想いを寄せていた彼からの仕打ちにショックを受け、 テスは荷物をまとめて牧場を出ていこうとするがーー 大好評企画《不朽のファン・セレクション》より、2000年上半期のベスト作品賞&ベストヒーロー賞第2位に輝いた名作をお届けします。なぜかテスに冷たいキャグ。じつは彼には、心の奥にしまっていた、バースデーケーキにまつわる少年時代の悲しい記憶が……。
大滝信吾は、さる身の上を秘して、浅草寺の一角で寺子屋を開いている。 源吉や三太、おさよなど多くは町人の子だ。 そんな穏やかな春の日、子どもたちと縁側で握り飯をほおばっていたとき、源吉の姉が助けを求めて駆け込んできたーー大切な人々を守るため、信吾は江戸の闇と真っ向から闘うことに。 浅草の四季を舞台に、家族や友人、下町の人情に支えられながら、果たして信吾は天命を見つけられるのか。 第一話 三社祭と鬼 第二話 紫陽花横丁 第三話 父と子 第四話 片陰 第五話 秋風吟 最終話 錦木
母の納骨を終えた作田まひろ(22)は、「別れ」を受け入れるため、幼い日に母と一度だけ訪れた寿司店にやってきた。 海辺の町の鄙びた商店街の「江戸前夕凪寿司」という小さなお店。 意を決して暖簾をくぐるも、ランチ営業はちょうど終わったところだった。 がっかりしたまひろだったが「ちょっと、お客さぁん」と若い女性の綿飴みたいな声に呼び止められ、まかないの海鮮丼をいただくことに。 「さやかさん」と呼ばれる声の主は、ふんわりした見た目とは裏腹に、丁寧な「仕事」をする凄腕の寿司職人でーー。 名手・森沢明夫による『キッチン風見鶏』『おいしくて泣くとき』に続く〈最高においしい小説〉シリーズ第三作目は、海辺の町の知る人ぞ知る寿司店が舞台。 厳選されたネタと職人の丁寧な仕事による極上の寿司をご用意して、常連客も訳アリ客も、心を込めておもてなしします!
漆黒から始まる旅路 性愛とは一体何で、なぜかくも残酷なのか? 美しい大樹に魅入られた家族の呪われた生/性を描く表題作のほか、幸福とは、倫理とは、生とは何かを鮮烈に問う二作品を収録。 漆黒・桎梏 シオンの国に行けた稀なひとびと 神を信じない男
「アサシン クリード」に新たな歴史を刻む 幕末日本を舞台にした完全オリジナル小説 16歳の司馬篤湖は会津藩士の父を持ち、侍として将来を嘱望される兄に憧れている。嫁いでいてもおかしくない年頃の篤湖だが、侍を夢見て刀を振り、稽古に明け暮れる毎日を過ごしてきた。かつて女侍は存在していたが、篤湖にとっては雲の上の出来事。その夢は決して叶わぬはずだった。 1867年11月9日、江戸幕府第15代将軍、徳川慶喜が大政奉還を表明。続く王政復古の大号令によって、1603年から続く江戸幕府はその幕を閉じた。しかし、慶喜の処遇に不満を募らせた旧幕府勢力と新政府が京都で激突。日本史上最大の内戦とされる戊辰戦争が勃発する。 やがて父に、そして兄にも徴集がかかる。戦場に赴くふたりに家を託された篤湖だったが、大人しくふたりの帰りを待てるはずもない。己の剣の才を証明する好機とばかり、自らの意思で戦いの場に身を投じる。 だが、篤湖を待ち受けていたのは、黒き思惑が錯綜する陰謀だった。国内情勢が急速に悪化していくその背後で、天皇に与するテンプル騎士団と幕府を支持するアサシン教団が鎬を削っていたのだ。国を蝕む野望を眼前にした篤湖は、己の天命を理解した。 家族を、そしてこの国を守る。決意を胸に篤湖は立ち上がる。手にした刀、勇気、そして兄妹の絆を武器にーー。
天才と名高い宮廷魔術師団長マレフィクスの補佐官になったミリー。マレフィクスは効率重視で全ての食事を錠剤化したり、「凡庸な人間は私とは違うので休憩したほうがいい」とナチュラル高慢な気遣いをしてきたり、何かとズレている変人だった。愛想笑いで対応するミリーだが、ある日「求婚したい人がいるので口説く練習に付き合ってほしい」と頼まれる。あの団長が求婚!? と浮き立つも、話を聞くうちミリーは確信するーーもしかしなくても私のことでは?「これって告白ですか?」「違います」謎の意地を張るマレフィクスにほだされ、ミリーは『練習』を引き受けることに。しかし、変人魔術師が普通のデートをできるはずもなく……!?
「彼女こそ、私の運命の人だ! 私は絶対に彼女と結婚する!」侯爵令息レスターに、舞踏会で突然宣言された伯爵令嬢ソフィア。彼は顔よし身分よしのスーパーエリート。一方ソフィアは、恋愛には興味0で領地経営に邁進する地味令嬢。……いや、私たち今日が初対面ですよね? どういうこと!? 何かの間違いですぐに撤回されると思いきや、なぜか侯爵家はノリノリで、そのまま縁談が進むことに。戸惑うソフィアに熱い視線を向け、レスターは驚くべき告白をする。「私はーー私は、頭が悪い」え、今なんとおっしゃいましたか? 有能令嬢とちょっぴりポンコツな侯爵令息、こんな出会い方をするはずじゃなかった2人のハートウォーミングな恋物語。
明智光秀の重臣・斎藤利三麾下の馬廻・苫野十蔵は、本能寺の変で真っ先に討ち入って織田信長に手傷を負わせ、森蘭丸を討ち取った先鋒隊のなかにいた。しかし、わずか11日後の山崎の戦いでは、明智勢の潰走とともに早々に戦場を離脱する。無事逃げのびた十蔵だったが、京で晒される主君・光秀の首を見る群衆のなかで羽柴秀吉の足軽に捕らえられ、鴨川で磔刑に処される。 親も知らず幼くして奥三河の寺に預けられ、師である住職が遊女に産ませた子であるという自身の出生の真実を知るや、父を殺害して逐電。安土に流れ着き、安土城普請の石切り場で働くようになる。 やがて城の主である織田信長への崇敬の念を高めた十蔵は、「士」になることを夢見るようになっていく。その後、キリシタン大名・高山右近の知遇を得た十蔵は、右近の口利きによって明智家への仕官が叶い、晴れて「士」になった。 そして、主君・光秀による「本能寺の変」では、崇めていた信長を率先して討ち、山崎の合戦で羽柴秀吉に明智軍が破れると、真っ先に戦場を離脱し、逃げる光秀が小栗栖で討たれるのを手助けする。 父もない、主君もない、仏にもキリストの神にも心を動かさない十蔵。一介の下級武士だが、その生き方には、いかなる境遇にあろうと自らの「心」にこそすべての価値を置くかれ独特の人生感・死生観があった。 人はみないずれ死ぬ。自らの内面の渇望に忠実に生き切る者こそ、本当の「士」ではないか。 鴨川で磔柱にくくられ、晒されながら弱っていく身とともに回想される「無意味」だった生涯。しかし十蔵は、自らに問うた「士とは何か」を確信し、みじめな刑死に快感や達成感すら覚えるのだった。 戦国最大のクーデターに巻き込まれながら、それでも自らの命を自らのために生き切ろうとした「士」の人生を、臨場感あふれる文体で描く書き下ろし長編小説。 2026年大河ドラマ「豊臣兄弟!」の見せ場でもある「本能寺の変」「山崎の合戦」が、主人公の十蔵の目線で読み手を引き込む迫真の描写でイメージ豊かに描かれている。 第一章 本能寺 第二章 奥三河 第三章 安土 第四章 琵琶湖 第五章 京 第六章 甲斐 第七章 坂本 第八章 山崎 第九章 小栗栖 第十章 鴨川
★第25回本格ミステリ大賞【小説部門】受賞作品 森田みどりは、高校時代に探偵の真似事をして以来、人の〈本性〉を暴くことに執着して生きてきた。気づけば二児の母となり、探偵社では部下を育てる立場に。時計職人の父を亡くした少年(「時の子」)、千里眼を持つという少年(「縞馬のコード」)、父を殺す計画をノートに綴る少年(「陸橋の向こう側」)。〈子どもたち〉をめぐる謎にのめり込むうちに彼女は、真実に囚われて人を傷つけてきた自らの探偵人生と向き合っていく。謎解きが生んだ犠牲に光は差すのか。痛切で美しい全5編。 時の子 縞馬のコード 陸橋の向こう側 太陽は引き裂かれて 探偵の子
「これからずっと、死ぬために生きるつもりなの?」 高校2年の祈里は、体調が優れず伯父が働くクリニックに行くと、あと数年しか生きられない病気だとわかる。 これまでの友人関係も、将来のために頑張っていた勉強も無駄になると絶望し、心の拠り所だったより江さんの家に向かう。 すると、なぜか去年同じクラスだった春日井くんがいて、より江さんは祖母であること、さらに亡くなったことを知らされる。 遺品整理を手伝ううち、どんどん彼に惹かれていくが、このまま好きでいていいのか、悩みは募るばかりでー。 『交換ウソ日記』、「世界は「」で」シリーズの著者が描く、号泣必至の青春恋愛小説。
自分にないものを、たくさん持っている人たちが眩しかった。 高校1年生の海実は奥二重がコンプレックス。アプリで加工をしているとクラスの男子にからかわれてしまう。ショックのあまり、自分の顔がおかしく見える「思春期の風邪」に罹ってしまった。マスクで顔を隠して学校に通うが、次第に家から出るのもつらくなっていった。そんなとき、よくない噂の多いクラスメイトの久米くんに「俺の息抜きに付き合って」と声をかけられ、授業をサボることになってーー。 ひとつの出会いが私の世界を変えてくれる。 共感度抜群!この物語はあなたの宝物になるーー。 『青春ゲシュタルト崩壊』の著者が贈る、恋と勇気の青春物語。
【第15回 小説 野性時代 新人賞受賞作】 選考委員・冲方丁賞賛! 「書き手の心をとらえて離さない面白い何かを、 渾身の力で形にしようとする熱量に圧倒されました」 伊賀忍者・向井正綱は、甲賀衆に襲われている市女笠の少女を助ける。少女ーー雪姫は伊勢の戦国大名・北畠具教の愛娘。織田信長の子・茶筅丸への輿入れが決まっていたが、不本意な婚礼を嫌い、織田家の非道を京の幕府に訴え出ようとして狙われたのだった。 「北畠を、伊勢を、お助けください!」 姫君の懇願を聞き入れた正綱。山野を駆け滄海を渡り、甲斐の武田を引き入れ熊野水軍をも動かす。敵は信長。織田の大軍との大勝負が、はじまる……!
第15回 小説 野性時代 新人賞 受賞作! 落語好きの父に連れられ寄席に通うなか「演芸写真家」という仕事を知った宮本繭生は、真嶋光一に弟子入りを願い出る。「遅刻をしないこと」「演者に許可なく写真を撮らないこと」を条件に許可されるが、ある日、繭生は高まる衝動を抑えきれず、落語家・楓家みず帆の高座中にシャッターを切ってしまう。繭生は約束を破ったことを隠したまま演芸写真家の道を諦める。それから4年、ウェディングフォトスタジオに勤務する繭生のもとに現れたのは、あのみず帆だった……。
おちこぼれの女性ジャーナリストが異国の砂漠の地で掴んだ、 自分しかできない仕事、そして、人間のほんとうの幸せとは フリージャーナリストとしての活躍の道が拓けずくすぶっていた寿美佳(すみか)は、摂氏六十度を軽く超える砂漠の地で、鉱石を運ぶトラックに乗っていた。 ここはオーストラリアでも「デッドエンド」と呼ばれる地帯。この先の鉱山で、元引きこもりの日本人労働者や、海外の政治犯が強制労働に従事させられているという疑惑を聞きつけて、記事を書いて一山当てようと潜入取材に乗り込んだのだ。金がない寿美佳のスポンサーとなったのは、夫の研究者・クセナキス博士がここに閉じ込められていると訴える博士の夫人だった。 博士を救い出すという任務も帯びながら、命からがら苛酷な砂漠を越え現地にたどり着いた寿美佳だったが、そこで出会った博士をはじめとする3人の労働者が語ったのは、寿美佳が全く思いもよらない背景だった……。 ここは見捨てられた場所、そして、途方もなく自由な土地ーー 「他の場所では生きられなくても」、今、自分の身体が、能力が、拡張していく。 人生の本質や、生と死の尊厳を、外から判断できるのか。 ほんとうの幸せとは何かに迫る著者の真骨頂。
雪の深夜の当直中、刑事の松野徹は不審車両に遭遇し職務質問する。運転手の藤池光彦は急発進、徹は追跡するが車は交差点に突っ込み、光彦と通りかかった車の家族四人が死亡する大惨事となる。警察への批判が強まりかけたとき、光彦が事故直前に強盗致傷事件を起こしていたと判明、非難は遺族に集中した。冤罪を疑う光彦の両親から再捜査を嘆願された徹は、自責の念に誘われるように引き受けてしまう。新事実など出てきようがない、はずだったがーー。 序章 二〇二二年 二月 第一章 二〇二二年 八月 第二章 二〇二二年 九月 終章 二〇二三年 二月
僕らはパーキンソン病という荷物を持って歩いている。でも、ひとりぼっちじゃない! ─ 樋口了一 パーキンソン病を宣告されたシンガーソングライター・樋口了一(『手紙〜親愛なる子供たちへ』で 第42回日本有線大賞有線音楽優秀賞および第51回日本レコード大賞優秀作品賞を受賞)が主演を務めたことでも話題になった映画『いま ダンスをするのは誰れだ?』、待望の小説版。 40代で若年性パーキンソン病と診断された主人公と、彼を取り巻く人たちの絶望と希望。 映画では描き切れなった葛藤とドラマを丁寧に拾い上げ、新たな感動をお届けします。 巻末には、本作の主演を務めた樋口了一との対談も収録。 働き盛りの主人公が難病とされるパーキンソン病を発症し、苦悩し葛藤しながら、新たな自身に出会い、病気を一つの個性として乗り越えていく様が描かれている。 パーキンソン病は発症すると「身体を思うように動かしにくくなる」などの神経症状が現れる。国内には30万人ほどの患者がいると推定されている。高齢層のみならず若年層も罹患するパーキンソン病。 孤立に強いられる人が多数いるこの疾患、本作ではポジティブな側面を描くなど、当事者に対して密な取材を重ねた古新監督ならではの視点が温かい。 パーキンソン病の当事者とそのご家族だけでなく、なにかに行き詰っている人、諦めようか、努力するのはもうやめようか、と思っている人にも、観てほしい(読んでほしい!) 樋口了一
第二次世界大戦下のヨーロッパで 敵国の書物を収集せよーー 実在の図書館司書に材をとり、 本を愛する者たちの闘いを描いた、 心揺さぶる傑作長編! ベストセラー作家の本領発揮 1942年、第二次世界大戦下。ニューヨーク公共図書館で働く司書のマリアは、大統領令に基づく任務を帯び、ポルトガルのリスボンに旅立つことになった。その任務とは、身分を偽り、戦略分析のため枢軸(すうじく)国の刊行物を収集すること。報道写真家の母をスペイン内乱で亡くしたマリアは、危険を冒してでも戦争を終わらせたいという強い想いを抱いていたのだ。 同時期、リスボン。書店を営む青年ティアゴは、書類偽造の天才である書店員ローザとともに、迫害から逃れようとするユダヤ人避難民を命懸けで援助していた。マリアは街で本や新聞を集めるうちにふたりと出会い、戦争を終わらせるためのさらなる任務に臨むことに── 戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書に材をとり、本を愛する者たちの闘いを描き上げた、心揺さぶる傑作長編!訳者あとがき=高山祥子