著者 : 三上延
『ビブリア古書堂の事件手帖』&『神様の御用人』新作収録! 三上延、浅葉なつ、近江泉美、紅玉いづき、似鳥航一、杉井光の6名の大人気作家が贈る、「神様×本」というテーマから生まれた珠玉のアンソロジー集。 現存する最古の日本語訳聖書をめぐる栞子たちの物語(三上 延『ビブリア古書堂の事件手帖』番外編)、『源氏物語』幻の帖「雲隠」を巡って紡がれる神々の物語(浅葉なつ『神様の御用人』番外編)、「本の神様」がいると噂される図書屋敷で『注文の多い料理店』のような不思議な世界に迷い込み (近江泉美『深夜0時の司書見習い』番外編)、パパ活中の女子大生と『人間失格』(紅玉いづき『カミサマは待ちぼうけ』)、「ゴッド オブ 。神様 団子」と言い残して倒れた青年と、あるミステリー作家(似鳥航一『下町和菓子 栗丸堂』)、天国にある出版社が聖書の矛盾を修正すべく神の監修のもと奔走(杉井光『ハレルヤ出版編集部』)。読み応えたっぷりの珠玉の6作が収録! 【参加作家一覧】 三上 延/似鳥航一/紅玉いづき/近江泉美/杉井光/浅葉なつ 「ビブリア古書堂の事件手帖〜約翰福音之傳〜」三上 延 「下町和菓子栗丸堂〜神様団子〜」似鳥航一 「カミサマは待ちぼうけ」紅玉いづき 「深夜0時の司書見習い〜注文の多い図書館〜」近江泉美 「ハレルヤ出版編集部」杉井 光 「神様の御用人〜雲隠〜」浅葉なつ
三つの時代をまたぎ紐解く、鎌倉文庫の謎 まだ梅雨の始まらない五月の終わりの鎌倉駅。よく似た顔立ちだが世代の異なる三人の女性が一堂に会した。 戦中、鎌倉の文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」。千冊あったといわれる貸出本も発見されたのはわずか数冊。では残りはどこへーー夏目漱石の初版本も含まれているというその行方を捜す依頼は、昭和から始まり、平成、令和のビブリア古書堂の娘たちに受け継がれていく。 十七歳の「本の虫」三者三様の古書に纏わる物語と、時を超えて紐解かれる人の想い。 プロローグ 第一話 令和編『鶉籠』 第二話 昭和編『道草』 第三話 平成編『吾輩ハ猫デアル』 エピローグ
春の霧雨が音もなく降り注ぐ北鎌倉。古書に纏わる特別な相談を請け負うビブリアに、新たな依頼人の姿があった。 ある古書店の跡取り息子の死により遺された約千冊の蔵書。高校生になる少年が相続するはずだった形見の本を、古書店の主でもある彼の祖父は、あろうことか全て売り払おうとしているという。 なぜーー不可解さを抱えながら、ビブリアも出店する即売会場で説得を試みる店主たち。そして、偶然依頼を耳にした店主の娘も、静かに謎へと近づいていくーー。 ◆目次◆ プロローグ・五日前 初日・映画パンフレット『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』 間章一・五日前 二日目・樋口一葉『通俗書簡文』 間章二・半年前 最終日・夢野久作『ドグラ・マグラ』 エピローグ・一ヶ月後 プロローグ・五日前 初日・映画パンフレット『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』 間章一・五日前 二日目・樋口一葉『通俗書簡文』 間章二・半年前 最終日・夢野久作『ドグラ・マグラ』 エピローグ・一ヶ月後
ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本ーー横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。 どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。 深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始めるーー。
旧図書室を護るため、生徒会長の旭山扉から課されたビブリアファイトを戦い抜いた響平とこぐち。なんとか部室の廃止は免れ、二人も新学年へと進級した。新部員の戸成早紀も加わり、ますますビブリアファイトへの熱も高まるかと思いきや、ちょっとだけ増えた旧図書室の利用者の相手をしたり、響平はこぐちに想いを伝えられずモヤモヤしたりと相変わらずの日々。しかし、思いがけず市立図書館で小学生に本の紹介をすることになった一行は、そこで出会った聖桜女学園のお嬢様、天塚のどかとビブリアファイト三番勝負をすることになりー。実在の名作も多数登場する、本好き少女と恋する少年を描く、青春の1ページ。
ある夫婦が営む古書店がある。鎌倉の片隅にひっそりと佇む「ビブリア古書堂」。その店主は古本屋のイメージに合わない、きれいな女性だ。そしてその傍らには、女店主にそっくりな少女の姿があったーー。 女店主は少女へ、静かに語り聞かせる。一冊の古書から紐解かれる不思議な客人たちの話を。古い本に詰まっている、絆と秘密の物語を。 人から人へと受け継がれる本の記憶。その扉が今再び開かれる。
鎌倉のとある高校で、友達には秘密で小説の朗読配信を行っていた前河響平。中二病溢れる小説も書き綴っていたが、ある日、その小説を書いたノートを学校で紛失してしまう。 拾ったのは図書部員の卯城野こぐち。小動物系で、読書に熱中すると作品世界に入り込んでしまう読書少女だった。熱中しすぎる性格のため、人の多いところで読書が出来ないこぐちにとって、唯一安心して読書ができるのが旧図書室。しかし、利用者のほとんどいない旧図書室は廃止の危機に陥っており、二人は旧図書室を護るため、オリジナルルールの書評バトル「ビブリアファイト」に挑むことに──。 お勧めの本をプレゼンするビブリアファイトでは、実在の名作を多数紹介。原作小説の栞子さんも登場する、本好き高校生たちの青春の1ページ。
ビブリア古書堂に迫る影。 太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していくーー。 奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。 青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった……。 人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。
太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。 違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。 本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。 過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か?
静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは──今はただ待ってほしい、だった。 ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。 脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然──彼女は母を待っていたのか? すべての答えの出る時が迫っていた。
鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。 変わらないことも一つある──それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき──。
レガリオン帝国がセーロフ王国に侵攻を開始する。ヴィクトルの不気味な宣告が現実のものとなり、騎士学院の面々もついに戦場へと赴くのだった。すでにセーロフ王国は持久戦に持ち込むため、国土の半分から撤退をしていた。その際、取り残されている民間人がいることを知ったジャンは密かに救出を目論む。だが、それは敵占領地深くから縦横に移動するという無茶なものだった。検問を突破するため、クリスやティアナは修道女に変装し、ジャンは農夫に化けるが、敵も馬鹿ではない。行く先々で予想もしない事態に陥り!?大人気、学園ファンタジー第4弾。
騎士学院に予期せぬ訪問者がやってくる。海洋連合に名を連ねるウルス公国の公女サラ。しかも自分はジャンの許婚だと言う。奔放な彼女の言動に腹を据えかねたのかティアナが爆発。ジャンは婿にやらんとムキになる始末。ついにはジャンを賭けた二人の勝負に発展し!?一方、対レガリオン帝国戦線に消極的な公国を抱き込みたい騎士学院は同盟を申し込む。だが公国に同様の提案をする帝国と利害が対立。結果、大公の酔狂により同盟相手は勝負で決めることに。その勝負とは各国の竜騎士達が腕を競い合う競技「プラネッタ」だった。ジャンは再び仮面の男と相まみえることになり…。
レガリオン帝国の急襲。そしてアバディーン王国は地上から消滅した。最愛の兄を失い、復讐に燃える亡国の王子ジャン。だが、相手は超大国…。ジャンの想いは空回りするばかり。そのとき運命は彼に転機をもたらす。「あなたを騎士学院に入学させます」美しき少女は無表情を崩さずそう言った。竜と契約し空を駆り、強大な力を振るう竜騎士。一握りのエリートにだけ許された竜騎士養成学院へ、ジャンを入学させるという。だが、それは亡き兄になりすますという偽装入学だったー。眠りし己の力を知らず、竜騎士に力を求めた少年の物語、開幕。陰謀渦巻く学院を舞台に繰り広げられる学園ファンタジー。
正宗の持つ黒い鍵“パンタソス”の力で、ツグミの事件は一応の解決を見た。だが飯見町には“赤い目”に関する噂が蔓延し、多くの人々が“赤い目”の悪夢に囚われ目を覚まさなくなってしまう。必死に悪夢の“親”を探す直人と綾乃を尻目に増え続ける犠牲者たちーこのままでは“赤い目”が実体化し、現実世界に出てきてしまう。一方、ツグミの仇を討つため先走った正宗は、“赤い目の悪夢”の“親”が誰かをついに突き止めるが…。人気シリーズ、いよいよ完結。今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様。
ささいな行き違いからケンカをしてしまった直人と綾乃。だが鈍感な直人は、綾乃が怒っている原因に気が付かない。そんなある日、棗に誘われ二人きりでプールに出かけた直人は、そこでツグミと名乗る謎の女性からの呼び出しを受ける。町はずれの民家にツグミを訪ねた二人の前に現れたのは、「赤い目」を持つ夢神の女性だったー。一方、ひとり別行動を取っていた綾乃は見知らぬ少年の襲撃を受ける。少年の手にはーもう一つの“黒い鍵”パンタソスがー。
現実を浸食する悪夢“夢神”の一人・ヨミジを辛くも倒した直人。彼は夢と現実世界を隔てる“扉”を開く黒い鍵・モーフィアスを手に、“扉の民”として“夢神”と闘う決意を固める。一方、直人と共に闘うことを心に決めた綾乃は、直人の家に半ば無理矢理住み着いてしまう。同居の事実を周囲にひた隠すため苦心する直人と綾乃だが、棗は何かに気が付いたようで…。そして事情を知らない直人の妹・水穂は綾乃に嫉妬の念を燃やすが、その周囲には新たな“夢神”の気配が。