著者 : raemz
勉強会をして。海に行って。古い友人の待つ田舎へ帰省して。夏休みも終わりに差し掛かったある日のこと、パンチョから文化祭準備に誘われた。 「安達もどう?」 「うちの学校文化祭なんてあった?」 「実はね。安達も青春感じに来ない?」 喧噪に包まれながら少し思う。私はあまり人間が好きじゃないのかもしれない。しまむらだけが特別枠で、そこから宇宙が無限に広がっていく。私たち二人だけの国が欲しい。だからーー 「これとは別に、やろう。二人だけの文化祭」
蔵センと美咲先生、出会いの物語 「んなとこにしゃがんでるとパンツ見えるぞ、女子高生」 「おじさんくさいですよ、男子高校生」 芦葉高校三年、岩波蔵之介。芦葉高校二年、美咲渚。 ふたりの青春が、交わる。 濃密なボリュームで描かれるかつての青、そして、今。 本編級サイドストーリー第2幕!
待望のSS集第2弾は、文庫本で登場! 学祭が終わった翌日。 俺たち応援団の中心メンバーは蛸九に足を向ける。いわゆる学祭の打ち上げってやつだーー。 「それではみなさん、かんぱーい!!」 夏が終わり、秋が終わる。それでも、俺たちの軌跡はいつまでもここにある。 5〜9巻までの特典SS、コミックスSS、さらには9巻後の書き下ろし短篇「長く短い祭りのあと」を収録。 何度も読み返したくなる、夏めく日々の記憶。
「私、素直の中に戻るよ」 そうしてナオはいなくなり、私ひとりだけが残された。やりたくないことを〈レプリカ〉に押し付けて逃げてきた、〈オリジナル〉の私が。 ナオみたいに上手にやりたいのに、学校生活はうまくいかないことばかりで空回りしてしまう。 そんな中、アキと、真田と、佐藤と、りっちゃんと、そして吉井と関わっていくうちに、少しずつ変わっていく自分に気づいてーー。 「私はもう、大丈夫」 素直がこの言葉に至るまでの日々を描く、第5巻。
「ママへ。今まで本当にありがとう」 『夜が明けたら朝が来る』に繋がる感動のアナザーストーリー 本州と九州を隔てる関門海峡。その本州側ーー山口県下関に住む高校生のサヤには秘密があった。それはネット上で活動する人気歌手「Yoru」としての顔。おとうさんは応援してくれるけど、おかあさんは危ないからっていつも反対してくる。「Yoru」の話題になると、おかあさんとどこかぎこちなくなる日々。 そんなある日、「Yoru」宛にテレビ出演のオファーが来る。サヤはおとうさんと東京へ向かうのだが…… これは、前作『夜が明けたら朝が来る』に繋がるアナザーストーリー。 「ママへ。今まで本当にありがとう」 そして、もう一つの家族が家族になるまでの物語。
もしも安達がわたしの先生だったら。 もしも安達が小説家だったら。 もしもあの時、体育館の二階に行かなかったら。 空想は置いておき、安達からお誘いが。 「う、海……は、広いね」 「いいよ。来週くらいに行こうか」 「来週、ですか……」 垂れ下がった耳と尻尾が見えるけど、こっちも色々準備が必要だ。お小遣いとか、水着とか。彼女に可愛いとこ見せたい気持ちはわたしだってあるのだ。……きゃー。
安達と暮らし始めてしばらく。近々わたしの誕生日だ。 「あ、チャイナドレスは禁止ね」 「えっ」 「あれはクリスマス用だから」 「そうだったんだ」 「そうなんですよ」 二人だけの行事が増えていくのは、そう、悪くない。 二人の日常のさらに日常。書き下ろし多数の短編集、第二弾。
いつまでも色あせない、青に染まれ。 ついに藤志高祭が幕を開けた。 2か月の準備を経て、この3日間にありったけを注ぐ青春の祭典。 校外祭は優空の吹奏楽ステージ、体育祭は陽との二人三脚。応援団では、紅葉や明日姉たちと青色海賊団のパフォーマンスがひかえる。 そして最終日。俺、千歳朔こと優柔不断な王子さまは、白雪姫と暗雲姫のどちらかを選ばなければならないーー。 なにもかもは掴めず、誰もが鏡に向かって問いかけている。 それでも俺たちは、たったひとつの望みにかけて、願う。 どうか今だけは。 いつまでも色あせない、青に染まれますようにと。
「じっとしてて、花びらがついてる」 桜が満開を迎えた四月、東京の夜。 目が見えない大学生・冬月小春は今、好きな人と過ごしている。名前は空野かける。三年前に出会った彼は、少し高い声でいつもこうしてそっと気遣ってくれる。顔は見れないけど、とても素敵な人だってわかる。そして、私に未来をくれた大切な人。 けれど、奇跡がいつまでも続くとは限らない。でもきっと、うれしいこともつらいこともこれからの人生全部が、あの日見上げた花火みたいに極彩に色づいていくと思う。 ーーGA文庫史上、最も不自由な恋の続きを描いた感動の後日談。 「かけるくんと出会えて、よかった」
「もし私が推しと取り違えられていたら」 これは、家族がもう一度家族になるための物語。 本州と九州を隔てる関門海峡。その九州側ーー福岡県門司港に住む高校生のアサはママと二人暮らし。 アサには推しの人気歌手「Yoru」がいる。音痴な自分もいつか歌が上手くなりたいとスナックで働くママに歌を教わる日々。 そんなある日、推しが突然活動を休止。さらに衝撃の事実が判明する。 「ママは本当のお母さんじゃない」 生まれた時に事故で取り違えられたらしい。そんなはずない、と動揺するアサは海峡の向こう側・下関に住む本当のお母さんに会いに行く。しかし、取り違えられていた相手が「Yoru」だと判明し……。 これは、家族がもう一度家族になるための物語。
「ナオが決めて、いいんだよ。ナオとして生きていくか。それとも……私の中に戻ってくるか」 素直に与えられた猶予は、一か月とすこし。オリジナルのために働く〈レプリカ〉である私の心は、もう決まっていて。 そして、やって来たクリスマスの日。 観覧車の中で、私はアキくんにお別れを告げた。 なんにも後悔はない、そのはずだったんだけどーー。 冬はいつの間にか終わり、春がもういちど、私のもとに訪れる。 レプリカと、オリジナル。二人がひとつの答えに辿り着く、第4巻。
オリジナルがやりたくないことを押しつける身代わり、〈レプリカ〉だった私だけど、その役割を失って。 「素直が何を考えてるか分からなくて、怖い」 そんな思いを抱えながら、季節は冬に向かっていく。 素直が修学旅行に行っている間、私はアキくんと一緒に、リョウ先輩の故郷・富士宮へ行くことになった。それぞれ別々の場所で、はじめての旅を楽しみつつ、レプリカの仕組みの謎を紐解くピースを拾いーー。 そして私は、素直が秘めた思いと、知らなかった真実と、向き合うことになる。 ーーナオと素直。それぞれの視点から描かれる、転機の第3巻。
体育館の二階で出会って、美人だなーとは思っていた。同時にやつは、わたしの三倍ぐらい不良だなとも。 本人の柔らかい印象のせいだった気がする。最初に名前を聞いて、浮かんだ名前はひらがなだった。 卓球場から、マンションまで。女子高生からOLまで。サボり仲間から、恋人まで。長いようで短い二人の時間。そのこぼれ話を拾った書き下ろし多数の短編集。 同棲直前、安達母への挨拶の日を綴った中編『そして……』も収録。
「おかえり。仕事疲れたでしょ」 「うん。あ、でもしまむらの顔見たら疲れが吹っ飛んだ……みたいな……」 「ほーう。じゃ、元気なとこ見せて」 「え……。げ、げんきー」 こんな調子で、私たちはずっと続いていくんだろうなあ。たぶんおばあちゃんになっても。ひょっとすると三千七百年くらい経っても。 『安達としまむら』BD/DVD特典小説、イラスト付きで待望の文庫化!
第15回GA文庫大賞《大賞》受賞作 『このライトノベルがすごい!2024』(宝島社刊)総合新作部門第3位 「打上花火、してみたいんですよね」 花火にはまだ早い四月、東京の夜。 内気な大学生・空野かけるはひとりの女性に出会う。名前は冬月小春。周りから浮くほど美人で、よく笑い、自分と真逆で明るい人。話すと、そんな印象を持った。最初は。 ただ、彼女は目が見えなかった。 それでも毎日、大学へ通い、サークルにも興味を持ち、友達も作った。自分とは違い何も諦めていなかった。 ーー打上花火をする夢も。 目が見えないのに? そんな思い込みはもういらない。気付けば、いつも隣にいた君のため、走り出すーー ーーこれは、GA文庫大賞史上、最も不自由で、最も自由な恋の物語。
「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」 不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押し付ける身代わり、〈レプリカ〉には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。 文芸部の廃部の危機を救うため、奔走して。アキくんとの距離も、縮まって。そしてーー。 「ナオちゃん。わたしを見つけてくれて、ありがとう」 秋。私の好きな人と同じ名前をした季節に、忘れられない出会いをした。 第29回電撃小説大賞《大賞》を受賞した、純度100%の青春ラブストーリー。切なく胸を打つ第2巻。
ーー鏡よ鏡。あの月にふさわしい女は、誰? 「昔むかし、あるところに、暗雲姫と呼ばれる美しいお姫さまがいましたーー」 穏やかな9月が終わり、10月。 藤志高祭の準備は佳境を迎えている。俺たちのクラスの出し物は、オリジナル演劇『白雪姫と暗雲姫と優柔不断な王子さま』。 白雪姫は夕湖で……あとはわかるな? なずなの意図を感じつつ、俺たちは映し鏡のような物語を演じていく。 はふう、と。真夜中みたいな吐息を漏らして、暗雲姫が口を開いた。 「鏡よ鏡。--この世でいちばん美しいのは、誰?」 朱々しい毒りんごを胸に潜ませて。七瀬悠月の舞台が、幕を開けるーー。
チラムネのキャラは、こうして生まれたーー 祝、「このライトノベルがすごい!」殿堂入り! チラムネ初、待望のイラスト集付き特装版! raemz描き下ろしカバーをつけた8巻に、初期キャラデザイン、未使用カバーラフなどの秘蔵イラストを余すことなく掲載したラフイラスト集を同梱。 さらに、人気イラストレーター陣のゲストイラストも!? 大ボリューム52Pでお届けする、あまりに美麗なラフイラスト集付き特装版! 【編集担当からのおすすめ情報】 raemz先生のラフがあまりに美しいので、これはぜひファンに届けたいと企画しました。ボツになったキャラデザや未使用ラフなど、イフ世界のチラムネを楽しめるのもオススメポイントです!
ーー応募総数4,128作品の頂点ーー 第29回電撃小説大賞《大賞》受賞作 具合が悪い日、面倒な日直の仕事がある日、定期テストの日……。彼女が学校に行くのが億劫な日に、私は呼び出される。 愛川素直という少女の分身体、便利な身代わり、それが私。姿形は全く同じでも、性格はちょっと違うんだけど。 自由に出歩くことはできない、明日の予定だって立てられない、オリジナルのために働くのが使命のレプリカ。 だったはずなのに、恋をしてしまったんだ。 好きになった彼に私のことを見分けてもらうために、髪型をハーフアップにした。 学校をサボって、内緒で二人きりの遠足をした。そして、明日も、明後日も、その先も会う約束をした。 名前も、体も、ぜんぶ借り物で、空っぽだったはずの私だけどーーこの恋心は、私だけのもの。 海沿いの街で巻き起こる、とっても純粋で、ちょっぴり不思議な“はじめて”の青春ラブストーリー。 第1話 レプリカは、夢を見ない。 第2話 レプリカは、サボる。 閑話 彼女のいない、夏休み。 第3話 レプリカは、泣いている。 第4話 レプリカは、落ちていく。 第5話 レプリカは、夢を見る。 最終話 レプリカは、恋をしている。