音楽むすび | 制作・出演 : イヴォンヌ・ケニー

“いいとこどり”シリーズがさらに進化(?)。トラック数は78＋1だが、53の「インデックス」を駆使して、全132トラックをズラリ並べる。が、ちゃんと耳を傾けてしまうと、欲求不満になるのは確実。元曲がコンパクトな分だけ、なんともカユイ仕上がりとなった。

「プルチネルラ」や「狐」という民話や伝承に基づくストラヴィンスキーの親しみやすい作品が収められている。サロネンがロンドン・シンフォニエッタを指揮してこれらの作品を生き生きと描く。

ストラヴィンスキーの新古典主義的作品である「ミューズを導くアポロ」や「バーゼル協奏曲」。サロネンはストックホルム室内管を率いて現代感覚を交えながら明晰に演奏。

第6番に続く第2弾。井上の実に丁寧な仕上げが好結果を生んでいる。美しくまろやかな録音も手伝って、ディーリアスに似た湿り気のある空気があたり一面を静かに履うようだ。英・独で活躍中のケニーも棒に同調して清楚な歌を聴かせる。