制作・出演 : ドヴォルザーク
新生オーケストラならではの活力とボヘミア的情緒がほど良くブレンドされた滋味掬(きく)すべき演奏。チェコ音楽の伝統を受け継ぐペシェックの解釈は慣習的枠組を堅持しながらも鮮烈である。第8番の第4楽章開始を告げるトランペットの朗々たる響きが印象的だ。
当時30歳前後の指揮者、ソリストによる、非常に若々しく新鮮な演奏。両者ともにアクの強いタイプではないので、特にグラズノフなどはそのさっぱりした味わいが物足りないかも。しかし、ドヴォルザークの第2楽章などは、その抒情的な雰囲気が美しい。
ピアノ・デュオ用に編曲したセレナードの有名曲3作品の世界初録音。いずれも作曲家自身が編曲を行なっているので、原曲の魅力が巧く活かされている。息の長いレガートなどはピアノだとどうしても表現しにくいが、そんな違いこそが編曲モノならではの面白さだ。
特定のシチュエーションやテーマではなく、夕暮れから深夜というイメージを核に選曲された、ピアノ曲によるクラシカル・コンピレーション。純音楽にも標題的意味を求める、聴き手の心理には合っているだろう。音源の大部分にシャルプラッテンのものを使用。
ジュリーニの晩年を飾る、ドヴォルザーク後期交響曲集のなかで、最後に録音されたもの。ゆったりとしたテンポの、スケールの大きな演奏で、ジュリーニの特徴でもある禁欲的美しさに満ちている。
コンセルトヘボウを振っての、ジュリーニ晩年の名盤。これがジュリーニにしては珍しい3度目の録音。悠然としたテンポを保ちつつ、いささかも弛緩することなく、しかもノスタルジックな情緒をかもし出している。
晩年のコンセルトヘボウとの記念すべき名演。気宇壮大なドヴォルザークはもちろん、ゆったりとしたテンポで織り上げた、精緻で美しいラヴェルも絶品。晩年のジュリーニが到達した至高の境地がうかがえる。
豪勢なオケの響きである(特に金管)。ライナー唯一の「新世界」だが、シカゴ響の持つ力量をこれでもかと投入し、パワフルで重厚な彼ならではの音楽に仕上げているところは見事だ。第2楽章は思ったより淡々とした印象。聴きものは終楽章で、痛快この上ない。