制作・出演 : ワーグナー
ドイツ出身の巨匠テンシュテットがベルリン・フィルと残した最高のワーグナー管弦楽団集の第2弾をHQCD化。ワーグナーならではの雄大なスケールと重厚な世界観が、名コンビによって精密に磨きあげられ、壮大に響きわたる。
ブルガーゴーズマンの豊穣な歌声が我々を官能的な陶酔へと誘う。秘めた恋に身を焦がす女の苦悩を描き出す情熱的な歌唱が見事である。ウェルザー=メスト指揮のクリーヴランド管による豊かな響きも実に魅力的。ワーグナーを聴く歓びに心震える演奏である。★
制作・出演
オイゲン・ヨッフム / カタリーナ・リゲンツァ / クリスタ・ルートヴィヒ / ゲルト・フェルトホフ / ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ / ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団 / ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 / ペーター・マウス / ワーグナーヨッフムの円熟の指揮で、“マイスタージンガー”の重厚さと軽妙さが見事に表された名演。フィッシャー=ディースカウの上手さが光るが、他の歌手陣も豪華で充実している。ドミンゴが出演しているのも今となっては貴重である。
「リエンツィ」序曲。長い導入の分厚く渋い弦の音色。それに続くフォルテの主部、金管の強奏、「ローエングリン」の艶やかな弦……すばらしい。オケの機動力と美質を掌握し、完全に鳴らし切る技術と感性。緻密な解釈に裏打ちされた自然で快い音楽の流れ。80年代、ドイツのオケが若杉弘を最上級の評価で迎えた理由がよくわかる。「英雄」の終楽章。プレストになってもテンポに無理がない。みごとな棒さばきだ。生成りのような肌触りのマーラーもいい。何度聴いても感動する。いまは亡き若杉弘によるかけがえのない遺産だ。
ここにはキャラクターピースや、ロマン派中期から勃興するナショナリズムと呼応する民族主義的作品などの小品を収録している。ロマン主義音楽の何たるかが感覚的に、何となくわかるようになっている。松本は模範演奏の域を脱してなかなか聴かせる。なお、全音楽譜出版社から楽譜が出ている。
フルトヴェングラーが得意としたワーグナーの、第2次大戦後の比較的録音のいい演奏をまとめた作品。最後の録音となった「ワルキューレの騎行」はもちろん、フラグスタートによる「愛の死」も絶品だ。
カラヤンとVPOによるザルツブルク音楽祭でのライヴ録音。圧巻はノーマンを迎えてのワーグナー「トリスタンとイゾルデ」からの「イゾルデの愛の死」。エロスとタナトスの究極の官能が見事に描き尽されている。これだけでも聴く価値あり。
制作・出演
シモーネ・ヤング / ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団 / ファルク・シュトルックマン / ペーター・ガイヤール / ヤン・ブッフヴァルト / ユルゲン・ザッハー / ラディスラフ・エルグル / ワーグナー / ヴォルフガング・コッホ語り草になったブルックナーの第5番同様、ワーグナー指揮者としての実力を見せつけたワーグナー・プログラムの一夜を収録。自らの編曲による「神々の黄昏」など、圧倒される演奏が繰り広げられている。
カラヤンの、もっとも脂が乗っていた時期の録音。ベルリン・フィルの高い合奏能力をフルに引き出して、細部まで磨きをかけたサウンド作りをこなしている。豊饒さと官能さの中に、精緻できめ細かな表情が垣間見られる。
最高の音で楽しむために!
NHKの人気長寿番組『名曲アルバム』から厳選した管弦楽曲集。オーケストラの醍醐味がたっぷりと味わえる30曲を収録しており、一流の演奏家による迫力のサウンドでストレスも吹き飛びそうだ。