制作・出演 : 川嶋哲郎
ニューヨーク・トリオ結成20周年記念盤となる本作。縦横無尽、緩急自在なプレイは、日本的情緒たっぷりの「幻燈辻馬車」や、ガーシュウィンの曲でよく弾くカデンツァ・ソロを入れた「“イン・F”フラグメンツ」などでも垣間見れるが、自ら綴った曲解説にもしっかり山下節は生きているのだった。
名手三人が“銘曲”に挑む。スタンダード曲は聴き手の想いが強いはず、だから発表する側もかなりの意識で臨むはず。映画の「ひまわり」やマイルスの「ディア・オールド・ストックホルム」に注目して聴いてみた。ジャズらしく、しかし原曲のイメージを損なわぬ表現に気分が良くなる。これは本物だ。
日本のトップ・プレイヤー三人で結成されたグループ、ディレクションの第2作。B-3独特のオルガンの響きが生み出すグルーヴィなサウンドを基調として、このトリオ独自の情感豊かな音楽が展開されていく。その独自性に拍手。また、川嶋のソロも秀逸。
発売元
株式会社ポニーキャニオン『魂/Kon』でセンセーショナルなデビューを飾った沖縄の歌手。これがセカンド作。プロデュースは前作同様、ベーシストの井上陽介。スタンダードはもちろんだが、ドスのきいた迫力ヴォイスでソウルフルに熱唱するR&Bも最高。存在感のある歌声は、ただただ圧倒的。
日本ジャズ界を代表する巧者三人が、個々の味わいをメロウにたっぷり表現することを最重視。川嶋哲郎は説得力のあるフレーズと美しい音色で文句なく、岡安芳明は玉のようなトーンで魅了する。ドラムレスなので屋台骨となる上村信のキープ力にも注目だ。
発売元
株式会社ポニーキャニオン沖縄の金武出身の新人歌手のデビュー作。これが凄い。キュートなシュガー・ヴォイスの対極、ニーナ・シモンやビリー・ホリデイを思わせる声質とソウルフルな歌唱。ちょっと、これがデビュー作とは思えないほどの完成度。今後の成長にも注目したい逸材だ。
山下洋輔ニューヨーク・トリオのアルバムで、川嶋哲郎がゲスト参加((2)(4)(5)(8))。緊密度が他に類を見ないほどに高い同トリオだが、和的情感&美の最上級の表現者でもある。端的には川嶋が尺八を模したフルートを聴かせる(4)に、また(1)の山下の深遠なピアノにそれは表われる。
若手随一の演奏力を持つオルガン奏者・金子雄太の存在がグループ結成の主要因なのは間違いない。そこに日本のトップを走るテナーの川嶋哲郎と、海外でも評価の高い大坂昌彦が混ざりあう。三人の演奏すべてが“歌って”いる、グルーヴィなファンク・ジャズ。
2004年に敢行した全国ソロ・ツアーから2月8日岐阜、4月17・18日京都での演奏7曲を収録。「さくら」「荒城の月」「見上げてごらん夜の星を」「上を向いて歩こう」など曲はすべて日本のメロディ。それをいかに自身の中で昇華、ジャズ化しているかが一番の聴きもの。
21世紀のテナー王、川嶋哲郎が99年12月東京で4日間ぶっ通しのライヴを敢行。全45曲の中から選び抜かれた8曲はどれもが技術、音楽性、表現力のすべてにおいて卓越している。