ジャンル : ロック・ポップス > ハードロック・ヘヴィメタル
サイコビリーパンクなロックンロール・サウンドの完成形! 3年ぶり通算7枚目のアルバム。パンク・ロックだけではなく、ポップスさも加味された意欲作。 長年コラボレーション相手を務めてきたヤコブ・ハンセンがプロデュースを手がけ、メンバーもプロデュースに携っている。 このアルバムのサウンドを手に入れるべく、彼らは多数のゲストの力も拝借した。 バッキング・ヴォーカリストのミア・マイヤと再び数曲で共演したのに加え、ハーレム・ゴスペル・クワイアとも再会。 JDマクファーソンのバンドのレイニア・ジェイコブ・ジャシルド(p)とダグ・コロクラン(sax)もまた、才能を曲に寄与している。 「チープサイド・スロッガーズ」にはエクソダスとスレイヤーのギタリスト、ゲイリー・ホルトの見事なギター・ソロがフィーチャーされている。 創造し進歩する情熱を失わない彼らのハングリー精神と、音楽的真摯さ反映した新作である。
前作『アルマゲドン』('16)から3年振り、'17年の初来日公演後にメンバー交代を経た、 ドイツ産エピック・フォーク/ペイガン・メタル・バンド、エクリブリウムの新たな章がここに幕を開ける! ジャンルの壁を突破し、鮮烈なる進化を遂げた彼等のニュー・サウンドに注目せよ! 挑戦は時にリスクを伴う。それは音楽の世界においても言える。ファンとは身勝手なものだ。 安定路線に甘んじていると「マンネリ」と揶揄され、新機軸を打ち出すと「裏切り行為だ!」と断罪される。 しかし、古今東西のあらゆるミュージシャン達は、常にリスクを恐れず挑戦を続けてきた。 その結果、目覚ましい進化を遂げたバンドもいる一方、ファンに受け入れられず、そのまま失速してしまうバンドもいる。 それでも、同じことの繰り返しを良しとしないミュージシャンは後を絶たない。 前作『アルマゲドン』('16)からちょうど3年振り、待望のニュー・アルバムをリリースするドイツのエピック・フォーク/ペイガン・メタル・バンド、 エクリブリウム。彼等もまた、ここにきて大勝負に出た。『レネゲイズ』とタイトルされた、この6枚目のフルレンス・スタジオ新作には、 アッと驚く新機軸が提示されている。果たしてこの進化と新化を、ファンやシーンがどのように受け止めるのか──バンド自身としても興味津々なのではないだろうか。 エクリブリウムの母体となるバンドは、独ミュンヘン近郊の町マイザッハにて、'01年夏にスタートしている。ただ、当初はカヴァー曲中心の学生バンドに過ぎず、 ヘルゲ・シュタンク[Vo]、レネ・ベルティアオメ[G]、アンドレアス・フェルクル[G]、ザンドラ・フェルクル[B]、ヘニング・シュタイン[Ds]、 ミヒャエル・ハイデンライヒ[Key]というラインナップが確定し、本格的に活動を開始したのは、数度のローカルなギグを経てからのことであった。 驚くべきは、当時のメンバー達の年齢。リーダー格のレネは20歳だったが、ヴォーカルのヘルゲは18歳で、他のメンバーも殆どが10代、 ベースのザンドラはまだ15歳だったという。当初、志向していたのはエピックなヴァイキング/ペイガン・メタル。MOONSORROWやFINNTROLLからの影響が強く、 ゲルマン神話や北欧神話、エッダやサーガを下敷きにした歌詞が、全て母国語で書かれていたのも興味深い。 アルバム・デビューは'05年、『TURIS FRATYR』にて。次いで、'08年にはセカンド『SAGAS』を、'10年にはサード『REKREATUR』をリリース。 だがその間、メンバー・チェンジが繰り返され、'14年に第4作『ERDENTEMPEL』が発表される頃には、オリジナル・メンバーで残っているのは、 バンマスのレネだけとなっていた。とはいえ、バンドとしては作を追う毎に成長を遂げ、特に'10年加入の2代目シンガー、ロブセことロベルト・ダーンは、 その剛毅な存在感でもって、ファン層拡大に大きく貢献したと言えよう。 そんな彼等が初来日を果たしたのは、前作『アルマゲドン』に伴うツアーにて、'17年3月のこと。その時点でのバンド・ラインナップは、 ロブセ[Vo]、レネ[G]、ドム・R・クライ[G]、マルクス“マッキ”ライヴァルト[B]、トゥヴァル“ハティ”レファエリ[Ds]だったが、 その後またもやメンバー・チェンジが起こり、今年に入って、ベースがマルティン・ベルゲルに交代し、 さらに鍵盤奏者としてスカディ・ローゼフアストが新加入した。その現ラインナップで制作されたのが、新作『レネゲイズ』ということになる。 先に“エピック・フォーク/ペイガン・メタル・バンド”と書いたが、もはやエクリブリウムをそう呼ぶことは出来ないだろう。 それは『レネゲイズ』を聴けばすぐに分かる。ここには、ジャンルの壁に囚われたかつてのバンドはもういない。より自由度の高い楽曲が、 新たな章の幕開けを高らかに宣言している。中でも、最も衝撃度が高いのが「パス・オブ・デスティニー」だ。何とこの曲には、同郷のラップコア・バンド、 ザ・ブッチャー・シスターズの面々が客演しているのだ。ペイガン・メタルにヒップホップとは意表を衝くどころではないが、決して奇をてらったワケではない。 元々、幅広い音楽的嗜好のレネ達が今、本当にやりたいことをシンプルにやってのけたのが、この『レネゲイズ』なのである。 無論、フォーキーな要素や、エスニックな手法など、お馴染みの曲想も残されてはいる。だが、そこに神話や伝説の世界はもう存在していない。 進化は既に起こっており、もう誰も新生エクリブリウムを止めることなど出来ないのだ…!! 【メンバー】 ロブセ(ヴォーカル) スカー(クリーン・ヴォーカル) レネ(ギター) ドム・R・クライ(ギター) スカディ(シンセ) ハティ(ドラムス)
セイクレッド・ライクが23年ぶりのニュー・アルバムをリリース! 昨年マシーン・ヘッドを脱退したデイヴ・マクレインを迎えて製作された5thアルバム 『アウェイクニング』は、名作『The American Way』(90年)を彷彿させる会心の出来。 セイクレッド・ライクが23年ぶり(!)、5枚目となるアルバムをリリースする。アリゾナ出身のセイクレッド・ライクが結成されたのは、85年のこと。 86年に『Draining You of Life』デモが一躍話題になったかと思うと、あっという間にメタル・ブレイドとサイン。 87年にはファースト・アルバム『Ignorance』をリリースと、非常に速いペースでデビューを果たしたバンドである。 ブラック・サバスからMDCと振り幅の広いカバーを披露していたことからもわかるとおり、彼らの音楽的スタイルは懐の深いもの。 デビュー作こそ速いナンバーが大半を占めるが、やがてスピードを抑えることで独自のスタイルを築いていき、『Surf Nicaragua』EP(87年)、 2ndアルバム『The American Way』(90年)では、ベイエリアのバンドらと同様、いわばポスト『Master of Puppets』的スラッシュ・メタルを 武器にシーンの最前線へと躍り出る。冷戦時代、アメリカとソビエトの代理戦争の舞台となっていたニカラグアを取り上げるなど、 その政治的な歌詞も彼らの大きな特徴であった。 だが、有名になるのも早かった分、その栄光も短命であったというのもまた事実。『The American Way』をリリース後、 大手のハリウッド・レコーズと契約するも、この頃すでにスラッシュ・メタルには逆風が吹き荒れていた。グランジやデスメタルという大波に、 スラッシュは飲み込まれる寸前だったのだ。そんな中、ほとんどのスラッシュ・バンドが、生き残りのためにスタイルの変更を余儀なくされていく。 セイクレッド・ライクも例外ではない。93年の『Independent』では、さらにスローダウン、グルーヴ・メタルへと接近。 メタル・ブレイドへの出戻りとなった96年『Heal』でも、残念ながら時代の逆風には逆らえず、00年にバンドは解散してしまう。 そんな彼らも、06年に再結成。12年には『Live at Wacken』という、その名の通りヴァッケン・オープン・エアでのライヴ映像作品をリリース。 ついに「新作を作ろう」という意欲が芽生えてきたのが18年になってから。そうなると仕事の速いのがセイクレッド・ライクだ。 あっという間に23年ぶりの新作、『アウェイクニング』を完成させてしまった。復活作となると、気になるのがそのメンバーだが、心配ご無用。 ベース/ヴォーカルがフィル・リンドなのは当然として、リード・ギターもアルバム皆勤賞のワイリー・アーネット。 そして、ドラムは昨年マシーン・ヘッドを脱退したばかりのデイヴ・マクレイン。デイヴはもともとセイクレッド・ライクのドラマー。 『Independent』、『Heal』の2枚に参加したのち、マシーン・ヘッドに参加するためにバンドを脱退したわけであるから出戻りである。 一方、バンドに新風を吹き込んでいるのが、セカンド・ギタリストのジョーイ・ラジヴィル。 彼は若干22歳。つまり前作リリース時には、まだ生まれてもいないのだ! 古巣のメタル・ブレイドからリリースとなる本作であるが、肝心の内容はというと、「俺たちをずっとサポートしてくれてきたオールドスクール・ファンを 称えるような速くてヘヴィな作品」とフィルが言うとおり、これがセイクレッド・ライクでなくて何であろうという仕上がり。 名作『The American Way』の21世紀版とでも言うべき内容である。「覚醒」というタイトルが示すとおり、 現代社会の問題点を切り取る視点の鋭さも相変わらず。まさにスラッシュ・メタルが、悪魔と初期衝動だけの音楽ではなくなっていった、 あの時代へとタイムスリップしたような気分にさせてくれるアルバムである。百戦錬磨の3人、そしてフィルが「あいつの右手は電動のこぎりだ!」と 絶賛する若いジョーイによる演奏は実にタイト。フィルのヴォーカルが、力強く進化しているのも印象的。 「みんなもこの作品を気に入ってくれるといいな。でも、仮にこれが大失敗になったとしても関係ないよ。 俺たちは自分たちがどんなものを作り上げたのか、はっきりわかっているからね」というフィルの言葉に、その自信のほどが伺える。 【メンバー】 フィル・リンド (ヴォーカル) ワイリー・アーネット (ギター) デイヴ・マクレイン (ベース) ジョーイ・ラジヴィル (ドラムス)
祝結成20周年。メタルコアの最重要バンド、移籍第1弾! 00年のデビュー以来、世界中のメタルコア・バンドに影響を与え続け、今なおこのシーンのトップランナーであり続けるUSが生んだカリスマ、 キルスウィッチ・エンゲイジ。このたび、2ndアルバム以来所属してきたロードランナーを離れ、北米以外の全世界をソニーミュージックと契約、 その第1弾となる通算8作目、3年半ぶりのオリジナル・アルバムが本作『アトーンメント』(償い、の意)。 彼らの魅力はなんと言ってもハードコアな破壊力がありつつも、メロディックでエモーショナルな楽曲群と圧倒的なパフォーマンス力、 さらに親しみやすいアニキ・キャラを持ち合わせてる点で、00年代にメタルの新しい潮流となったメタルコアを牽引してきたリーダー格として 長年人気を不動のものとしてきた。これまでグラミー賞「ベスト・メタル・パフォーマンス」部門ノミネート2回、そして7度の来日を果たしている彼らは、 ラウドパークにもフジロックにも参戦している非常に稀有なバンドでもある。結成20周年という記念すべき年に放たれる作品だけに、 世界中のメタルヘッズの期待に応えてくれること必至だ。